ここでは問題を作ったのはいいものの,解けなかったものを投下していきます.どなたか解いていただけるととても喜びます.
今回の問題は
件のツイート
です(ツイート内容では問題設定をミスってたので,この記事はその訂正版です).
を集合,をか,を-ベクトル空間の部分空間,を上の内積,を
により定義される(-線型)写像,を
により定義される写像とし,
を満たすとします.
このとき,は証明可能ですか,それとも否定モデルが構成出来ますか.
は関数の和とスカラー倍により-ベクトル空間と見做してください.
なお,肯定モデルは,,をなる拡張実数として,,,とすることで得られます.これはデルタ超関数が関数でないことを意味します.
つまり以下の定理が成り立ちます.
,を拡張実数とし,を満たすとします.
このとき,以下が成り立ちます.
解説
と仮定する.を満たすの元との元をとる.
Cauchy–Schwarzの不等式より,
であり,の性質から
となる.ここでを考えると,
を得る.
のとき
より矛盾.
のとき
より矛盾.
以上,より,矛盾する.この矛盾は
と仮定したことに起因する.従って背理法により,仮定の否定,つまり
が成り立つ.
証明から,だけでなく,を正整数としてや,でも成立することがわかります.この証明に具体的な関数を用意しているので,恐らく否定モデルは構成出来ると思われます.なお,よく見かける以下の証明は間違っています.
間違った証明
と仮定する.を満たすの元との元をとる.
の元を任意にとる.より,の元に対して,の値は積分に影響を与えないので,である.
よって
である.となる関数はとれるので(例えば値を持つ定数関数),これは矛盾.
この矛盾は
と仮定したことに起因する.従って背理法により,仮定の否定,つまり
が成り立つ.