第2問は数え上げ問題です.文系向けにとってもそれほど難しくはないと思います.
問題
を 以上の整数とする。 以上 以下の整数から,相異なる 個の整数を選ぶ。ただし は必ず選ぶこととする。選んだ数の集合を とし, に関する以下の条件を考える。
条件1: は連続する 個の整数からなる集合を つも含まない。
条件2: は連続する 個の整数からなる集合を少なくとも つ含む。
ただし, 以上の整数 に対して,連続する 個の整数からなる集合とは,ある整数 を用いて と表される集合を指す。例えば は連続する 個の整数からなる集合 , , を含む。
条件1を満たすような選び方は何通りあるか。
条件2を満たすような選び方は何通りあるか。
解答解説
(1) の解答
のそれぞれに対して採用する・しないを ○ と × の系列で表現します.
条件は次の通りになります.
- 以上 以下の整数から,相異なる 個の整数を選ぶ 個の○と 個の×からなる系列
- 1は必ず選ぶ 系列の最初は○
- 連続する 個の整数からなる集合を つも含まない ○と○の間には少なくとも一つの×が入る
したがって,○×○×…○ という 個の ○ と 個の × からなる長さ の列に対して残り つの × をどの ○ の後ろに入れるか,の場合の数に等しいので,答えは 通りとなります.
(2) の解答
まず, に含まれている整数を小さい順に並べたとき,連続する整数の列で含まれる整数の個数が最大のものに注目すると, は連続する 個の整数の集合を含み, であるので,そのような整数の列は一意に定まります.その中の最小値を とすると, は を要素に含みます.
ここで, が必ず の要素として選ばれることから となります.そこで, のとき(場合1)とそれ以外(場合2)で場合分けをします.
(場合1) は を含み,残り 個が から選ばれる.
(場合2) は を含み,残り 個のうちの つが ,もう つが から選ばれる.ただし, である.
(場合1) は,個から 個を選ぶ組合せであるので,通りあります.
(場合2) は, が取る 通りのそれぞれに対して,最後の 個のとり方が 通りあるので,通りあります.
したがって,通りとなります.
感想
まず最初に,この問題文は醜い以外の何物でもありません.歴代でも最低ランクの問題文の汚らしさです.条件1と2の表現が問題で,私なら以下のように書きます.
条件1: は連続する 個の整数を同時に含むことはない.
条件2: は連続する 個の整数を含む.
ここで、連続する 個の整数とは,ある整数 を用いて で表される 個の整数のことである.
これで十分ではないのでしょうか?
なぜ苦言を呈しているかというと、S が○○な整数の集合を含む[含まない]という表現は, が『「整数」の集合』であるにもかかわらず,『「整数の集合」を要素として含む』と誤解されかねないからです.要するに, を許しているように聞こえます.
その誤解を解くために但し書きがあるわけですが,そもそも問題文が気持ち悪いからであり,但し書きは単にその言い訳しているようにしか聞こえません.
(実際に,この気持ち悪い表現のために問題文を何度も読みなおしました.)
作問者がそろいもそろってこんな汚らしい問題文しか書けない,その汚らしさに違和感さえ感じない.その程度の能力・才能しかないのであれば数学の教授・准教授をお辞めになられては如何ですか?と言いたいです.
さて,問題の難しさについて話すと,(1) は簡単なので悩む要素はありません.問題は (2) だと思いますが,これもそれほど難しくはないでしょう.分かりにくい問題文のために余計な時間を費やしかねないですが,それでも落としたくない問題です.
次回は第3問,と言いたいところですが,残りの第3, 4問はそれぞれ東大(理科)の第1, 4問と同じですので,以下を参照してください。