この記事ではリーマン予想と同値な等式
について解説していきます。ただし
そもそもどうやって「ゼータ関数の非自明な零点の虚部は全て
具体的には
という級数を考えたとき、リーマン予想が真であるとすると
が成り立ちます。実は逆にリーマン予想が偽であるとき
が成り立つことがわかるのでこの間に等号が成り立つこととリーマン予想が真であることが同値になるのです。
とは言ってもこのままだといまいちパッとしません。どうしてこんな級数を考えるのか、その理由はゼータ関数の因数分解公式
にあります。この公式を対数微分し
という式が得られます。この左辺の値は別途
というように求めることができるというのです。また
と変形できるので
が成り立つこととリーマン予想が真であることが同値になります。
そして
と表せることや
が成り立つことを使ってなんやかんやすることで
が成り立つこととリーマン予想が真であることが同値だということがわかる。といった具合になります。
では、以下で詳細な証明を見ていきましょう。
まず
を示す。これについては
であることから
すなわち以下の不等式を示せば十分である。
が成り立つ。ただし等号成立条件は
対称性(
がわかる。ただし等号成立条件は
ただ以下での議論ではもう少し強い主張
を示す必要がある。これについては以下の不等式を示せば十分である。
が成り立つ。ただし等号成立条件は
と置いたとき
なので
また
ちなみに
以上より
が示された。次にこの右の命題の両辺を変形していく。
この記事 の補題10として示した。
とおくと
が成り立つ。
とわかる。
いま
この記事
で紹介したように
が成り立っていたので
における各項を計算していく。
とわかる。
まず部分積分する。
ここでガンマ関数の因数分解公式
を対数微分することで
がわかるのでこの各項を積分していく。
とわかる。
とわかる。
とわかる。
以上より
を得る。
まず部分積分する。
ここで出てきた
を次の補題を使って変形していく。
が成り立つ。
において、この二項目は
と変形でき、更に偏角の原理より
つまり
がわかるので
を得る。
上の補題において
つまり
が成り立つ。そして
と表せる。
さらに
に注意すると
を得る。
以上により
がわかり、そしてこれを整理すると
となるので以下の主張を得る。
が成り立つこととリーマン予想が真であることは同値である。