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4C2のコーシーの関数方程式(後編)

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今回前提にしていることなどは前回、前々回に載っていますので
まだ見てない方はそちらを先に見てください。

前々回
https://mathlog.info/articles/2632

前回
https://mathlog.info/articles/2638

はじめに

どうもお久しぶりです。AGAです。
今回はコーシの関数方程式を二つ組み合わせたもののうち、
f(x+y)=f(x)+f(y)を含んでいるものについて書ていきます。
番号を使って書くと(1)と(2)、(1)と(3)、(1)と(4)です、
ただ、前二つはほぼ前回と同じなので簡単に書きます。

(1)と(2)

f(x)+f(y)=f(x)f(y)から
f(x)=0,2
(1)からf(x)=0のみが解になる。

(1)と(3)

f(x+y)=f(xy)から
f(x)=f(0)
(1)から
f(0)=0
よってf(x)=0

(1)と(4)

※解が定数関数でなくなるので方法が急に変わり難易度も上がります

前々回の議論から有理数の範囲ではf(x)=(axxb),0
つまり、f(x)=x,0

任意のxyすなわちxy0に対し、xyが存在し
(2)からf(x)f(y)=f(xy)=f(xy2)=f(xy)20
すなわちxyならf(x)f(y)

任意の実数xに対し、
それに収束する単調増加有理数列an、単調減少有理数列bnが存在し
つねにanxbnが成り立つ
このとき関数fの単調性からf(an)f(x)f(bn)

有理数の範囲でf(x)=0のとき

f(an)f(x)f(bn)から
0f(x)0
つまり、実数の範囲でもf(x)=0

有理数の範囲でf(x)=xのとき

f(an)f(x)f(bn)、挟み撃ちの原理
limnan=limnbn=x
から、実数の範囲でもf(x)=x

したがって解はf(x)=0,x

まとめ

(1,2)f(x+y)=f(x)+f(y)=f(x)f(y)ならばf(x)=0
(1,3)f(x+y)=f(xy)=f(x)+f(y)ならばf(x)=0
(1,4)f(x+y)=f(x)+f(y),f(xy)=f(x)f(y)ならばf(x)=0,x
(2,3)f(x+y)=f(x)f(y),f(xy)=f(x)+(y)ならばf(x)=0
(2,4)f(x+y)=f(xy)=f(x)f(y)ならばf(x)=0,1
(3,4)f(xy)=f(x)+f(y)=f(x)f(y)ならばf(x)=0

コーシーの関数方程式は一つだけだと無限に解をもつのに二つ連立すると1,2つに解が定まるというのが普通の連立方程式のようだと思いました。

投稿日:2021105
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投稿者

AAG
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抽象代数学とか好きなB1。気分屋です。 (元の名前:AGA) 厳密にテキトーにやってます。 基本検算しません。 間違いがあったら容赦なく指摘してください。

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