今回前提にしていることなどは前回、前々回に載っていますので
まだ見てない方はそちらを先に見てください。
どうもお久しぶりです。AGAです。
今回はコーシの関数方程式を二つ組み合わせたもののうち、
$f(x+y)=f(x)+f(y)$を含んでいるものについて書ていきます。
番号を使って書くと(1)と(2)、(1)と(3)、(1)と(4)です、
ただ、前二つはほぼ前回と同じなので簡単に書きます。
$f(x)+f(y)=f(x)f(y)$から
$f(x)=0,2$
(1)から$f(x)=0$のみが解になる。
$f(x+y)=f(xy)$から
$f(x)=f(0)$
(1)から
$f(0)=0$
よって$f(x)=0$
※解が定数関数でなくなるので方法が急に変わり難易度も上がります
前々回の議論から有理数の範囲では$f(x)=(axでもx^b表せる関数),0$
つまり、$f(x)=x,0$
任意の$x\geq y$すなわち$x-y\geq0$に対し、$\sqrt {x-y}$が存在し
(2)から$f(x)-f(y)=f(x-y)=f(\sqrt {x-y}^2)=f(\sqrt {x-y})^2\geq0$
すなわち$x\geq y$なら$f(x)\geq f(y)$
任意の実数$x$に対し、
それに収束する単調増加有理数列$a_n$、単調減少有理数列$b_n$が存在し
つねに$a_n\leq x\leq b_n$が成り立つ
このとき関数$f$の単調性から$f(a_n)\leq f(x)\leq f(b_n)$
$f(a_n)\leq f(x)\leq f(b_n)$から
$0\leq f(x)\leq 0$
つまり、実数の範囲でも$f(x)=0$
$f(a_n)\leq f(x)\leq f(b_n)$、挟み撃ちの原理
$$
\lim_{n \to \infty}{a_n}=\lim_{n \to \infty}{b_n}=x
$$
から、実数の範囲でも$f(x)=x$
したがって解は$f(x)=0,x$
(1,2)$f(x+y)=f(x)+f(y)=f(x)f(y)$ならば$f(x)=0$
(1,3)$f(x+y)=f(xy)=f(x)+f(y)$ならば$f(x)=0$
(1,4)$f(x+y)=f(x)+f(y),f(xy)=f(x)f(y)$ならば$f(x)=0,x$
(2,3)$f(x+y)=f(x)f(y),f(xy)=f(x)+(y)$ならば$f(x)=0$
(2,4)$f(x+y)=f(xy)=f(x)f(y)$ならば$f(x)=0,1$
(3,4)$f(xy)=f(x)+f(y)=f(x)f(y)$ならば$f(x)=0$
コーシーの関数方程式は一つだけだと無限に解をもつのに二つ連立すると1,2つに解が定まるというのが普通の連立方程式のようだと思いました。