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4C2のコーシーの関数方程式(前編)

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コーシーの関数方程式というのは、本来
f(x+y)=f(x)+f(y)
というもののみを指す言葉で、
f(x+y)=f(x)f(y),f(xy)=f(x)+f(y),f(xy)=f(x)f(y)
などは別の方程式ですが、
ここではまとめてコーシーの関数方程式と呼びます。

また、今回と次回 4C2のコーシーの関数方程式 は完全に独自の考えからできています。

はじめに

どうもこんにちは、AGAです。
今回はコーシの関数方程式を二つ組み合わせたもののうち、
f(x+y)=f(x)+f(y)を含んでいないものについて書ていきます

関数方程式、コーシーの関数方程式について知らない方はこちら
https://mathlog.info/articles/2632

番号づけ

便宜上、式に番号をつけていきます
f(x+y)=f(x)+f(y)・・・(1)
f(x+y)=f(x)f(y)・・・(2)
f(xy)=f(x)+f(y)・・・(3)
f(xy)=f(x)f(y)・・・(4)

今回書くのは
(2)と(3)、(2)と(4)、(3)と(4)です。

(2)と(4)

※(2)と(3)は三つの中で唯一共通している部分がないので最後にしています。

(2)と(4)は右辺が等しいから、左辺も等しく
f(x+y)=f(xy)・・・[1]
また、(4)にx,y=0に代入して
f(0)=f(0)2
f(0)=0,1
(2)にy=0を代入して
f(x)=f(x)f(0)
f(0)=1のときは何も得られないが
f(0)=0のときはf(x)=0となる。

以下f(0)=1とする
[1]から
f(x+0)=f(x×0)
f(x)=f(0)=1
すなわち、f(x)=1となる。

実際にf(x)=0,1を(2),(4)に代入すると等号が成り立つので
f(x)=0,1が解となる

なお、(2)の式にy=xを代入すると
f(0)=f(x)f(x)f(0)が定義できるので、log|x|のような場合を排除できる。

(3)と(4)

(3)と(4)は左辺が等しいから、右辺も等しく
f(x)+f(y)=f(x)f(y)・・・[2]
これにy=xを代入し、
2f(x)=f(x)2
f(x)=0,2
f(x)=2(3)に代入すると
2=2×2となり等号が成り立たない
f(x)=0のときは等号が成り立つ

よって、解はf(x)=0のみとなる

(2)と(3)

まず、(3)にx,y=0を代入し、
f(0)=f(0)+f(0)
f(0)=0
(2)にy=0を代入して
f(x+0)=f(x)f(0)
f(x)=0
これを(2),(4)に代入すると等号が成り立つので
f(x)=0が解となる

次回予告

今回は(1)を含まない3つですが、
次回は(1)を含む三つについて書いていきます。
今回は定数関数しか解になりませんでしたが、次回は定数関数以外も解に持つものもでてきます。ぜひ何のことか考えてみてください。

投稿日:2021921
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投稿者

AAG
AAG
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抽象代数学とか好きなB1。気分屋です。 (元の名前:AGA) 厳密にテキトーにやってます。 基本検算しません。 間違いがあったら容赦なく指摘してください。

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  1. はじめに
  2. 番号づけ
  3. (2)と(4)
  4. (3)と(4)
  5. (2)と(3)
  6. 次回予告