こんにちは、AGAです。前回の記事「 「限りなく広くした範囲から」任意に選んだ2数が互いに素である確率 」のコメントにあった自然密度というのを参考にして素数と平方数どっちのほうが多いのかを考えてみたいとおもいました。
※集合$X$の元の濃度(個数)を$|X|$のように表す。
素数の濃度も平方数の濃度も加算無限に等しいから、
濃度はどちらも同じになる
自然密度(nutural density)もしくは漸近密度(asymptotic density)、算術密度(asymptotic density)とは以下のように定義されます。
$S_n=\lbrace x\in\mathbb{N}|x\leq n\rbrace$とする
自然数の部分集合$A$に対して
$A$の上限密度$\overline{d}(A)$は
$$\overline{d}(A)=\limsup_{n\to\infty}\frac{|S_n\cap A|}{n}$$
$A$の下限密度$\underline{d}(A)$は
$$\underline{d}(A)=\liminf_{n\to\infty}\frac{|S_n\cap A|}{n}$$
また、$A$の自然密度$\overline{d}(A)$は
$$d(A)=\lim_{n\to\infty}\frac{|S_n\cap A|}{n}$$
で定義される。
自然密度が存在することと、上限密度と下限密度が存在し一致することは同値である。
素数の集合$\mathbb{P}$に対して
$$d(\mathbb{P})=\lim_{n\to\infty}\frac{|S_n\cap \mathbb{P}|}{n}$$
素数定理から
$$\lim_{n\to\infty}\frac{|S_n\cap \mathbb{P}|\log n}{n}=1$$
$$\lim_{n\to\infty}\frac{|S_n\cap \mathbb{P}|\log n}{n}=
\lim_{n\to\infty}\frac{1}{\log n}=0$$
よって、$d(\mathbb{P})=0$
平方数の集合$\mathbb{S}$に対して
$$d(\mathbb{S})=\lim_{n\to\infty}\frac{|S_n\cap \mathbb{S}|}{n}=\frac{\sqrt{n}}{n}=0$$
よって、$d(\mathbb{S})=0$
したがって素数の集合と平方数の集合の自然密度は等しい
自然密度の定義式の分子の比をとってみました。
(名前があったら教えてください)
$$\lim_{n\to\infty}\frac{|S_n\cap \mathbb{P}|}{|S_n\cap \mathbb{S}|}=\lim_{n\to\infty}\frac{n}{\sqrt{n}\log n}$$
$$=\lim_{n\to\infty}\frac{\sqrt{n}}{\log n}=\infty$$
この考え方だと平方数より素数のほうが多いと考えられます。
最後、自分のイメージとは反対になりましたが、大小関係が考えられました。
最後の方法の名前、補足、気になること等があれば気軽にコメントをお願いします。