今回は昔計算した次の積分を,前回とは少し異なる方法で積分しようと思います.今回の方が計算量は少なくなると期待していたのですが,結局あまり変わらない気がします.
前回の記事は コチラからどうぞ
次の定積分を計算せよ.
唐突な設定
唐突ですが,
とし,
と計算できます.
このとき,
となるので,最左辺の面積分が求める値です(実は元々最左辺の面積分があって,それを座標によって書き直したものを問題としていました).以下,この面積分について考えていきます.
またまた唐突ですが,
という
が成り立つことが知られています.ここで,
さて,
と計算できます.ここで,
コチラの記事
内にある2次多項式の逆数の積分を用いました.
これより,
ここから先は
まず(i)を
と計算されるので,
も分かります.従って,
とおけば,(i)を
が成り立つことから,(iii)を
後は各項を積分するだけです.最初の2項は
と直ぐに求められます.最後の項は,部分積分から
と計算されるので
となります.以上より,求める値は
となります.これは
前に求めた値
と一致していますね.
上で出現した面積分
は,より一般には「形態係数」という値を求める際に立ちはだかります.そして,参考文献[1]では,
を線積分に変換する次のような方法が示されています.
ユークリッド空間
と計算できます.
このとき次の面積分を考えます.
但し,
を満たすような
が成り立ちます.ここで
ただ,そのためには上の関係を満たす
これらを上の偏微分方程式から求める方法は載っていなかった(し,自分でも思いつかない)ので分かりませんが,これらがその偏微分方程式を満たすことは計算すれば分かります.
上の計算で唐突に姿を現した
面積分より線積分の方が楽だろうと思っていたのですが,積分する項が増えてしまったので見た目の作業量に変化は無い気がしますね.線積分に変換する恩恵をもっと受けられる面積分を考えていきたいです.
今回の記事は以上です.
お読み頂きありがとうございました.