この記事では私、子葉が2/11(土)に開催された第26回日曜数学会にて発表した内容をそれとなーくまとめたものになります。全体的には私が前に書いた記事「 ラマヌジャンの不変量を求める 」の内容を発表用に凝縮したものになってます。
スライド1
どうも。子葉と申します。今回はラマヌジャンの定数
の謎に迫っていきます。
スライド2
最近はラマヌジャンの円周率公式
についていろいろ勉強しているのですが、この公式に関係する定数として
という数があり、実際これの
として円周率公式の種々のパーツが現れます。
(これについては
前回の発表
でも紹介しましたね。)
(追記)スライドでは
と書いていましたが、
の間違いです。
スライド3
この定数は一般に
と定義される数であり、
しかしモジュラー方程式というのは
はどうやって計算されたのでしょうか。
スライド4
それには
二次体の整数論(ドン!!!)
というものが関わっています。
スライド5
そこで出てくるのが二平方和定理です。何が何だかという感じですが後で繋がってきます。
二平方定理は
という不定方程式についての定理で、フェルマーの二平方定理やヤコビの二平方和定理としてよく知られた話ではありますが、
スライド6
これを二次体の整数論パワーで一般化することで
スライド7
という不定方程式の解の個数をクロネッカー記号
スライド8
一般化二平方和定理は
という級数が現れることに効いてきます。
実際、これをゼータ化して
とおくと
ここで
スライド9
ここでまた二次体の整数論パワーが効いてきます。
スライド10
先の級数には
という因子が現れますが、
スライド11
以上より一般化二平方和定理から
と分解でき、類数公式より
と
この公式はごちゃごちゃしてて分かり辛いですが、
スライド12
よって
と計算できたわけです。
スライド13
そしてこのような計算からラマヌジャンの円周率公式に採用されている
具体的には一般化二平方和定理を適用する条件として「
スライド14
このことは最新の円周率公式:Chudnovskyの円周率公式
にも受け継がれています。この指数部分は
という事実に基づいており、
スライド15
ということで、ラマヌジャン定数の謎を追っていたら
二次体の整数論ってすげー!
と感じたという話でした。
ご清聴ありがとうございました。