記事の書き溜めが4つくらい既にあるのに
細かい計算が合わないのでなかなか投稿ボタンが押せない件について。
そもそもまともに計算を追っている文献も見つからない定期。
結果を書いてある文献はそれなりにはあるんだけどね。
ぼちぼち。
ぼちぼち。計算が仕上がってきたので。
ほんと気の遠くなる計算でございましたわ。
(根本の原因は差分演算子の計算間違いだろ)
前回の記事
では
二項分布に関して直交する多項式列である
Krawtchouk多項式を導入し
それについての超幾何表示を得た。
第九回目の今回は
残りのKrawtchouk多項式の性質について見ていきたい。
まず最初は三項間漸化式から。
Krawtchouk多項式
母関数と三項間漸化式の間には強い関係があり、実は母関数を微分した式から求められる。
まずはKrawtchouk多項式の母関数の式から始める。
この式を
この式に
よって左辺と右辺が等しいという式を立てることで
の式を得る。
という式が成立する。
この式の
よって多項式として等しい式であることが示された。(証明終わり)
正規化された場合については、次のようになる。
三項間漸化式の係数はこちらの方が見栄えが良い。
Krawtchouk多項式
等式
である。適切に係数を割ることで
を得る。(証明終わり)
次に差分方程式について。
今は離散多項式なので、二階の微分方程式の代わりに二階の差分方程式が成り立っている。
実はこの場合(他にもdualityが綺麗なMeixner多項式も)三項間漸化式と差分方程式の式の形は一致する。
Krawtchouk多項式
ここで
ただし、初項は
まず、三項間漸化式の式で
という等式を得る。ここでduality
が従う。同値変形の式はほぼ自明に従う。(証明終わり)
ここでこれら演算子に関する幾つかの式を用意しておく。
下の関数の積に関する差分の式だけ簡単に示しておくと
のように示すことができる。(証明終わり)
最後の式は次のように書くこともできる:
さて微分方程式と類似である2階の差分方程式が出てきたので、Rodriguesの公式の類似が成り立つと考えるのは自然なことである。
そのRodriguesの公式を導く前に、Krawtchouk多項式の一階差分についての計算をしておく。
(Rodriguesの公式を導くには不要かもしれないが、私は知らないし、使う方が簡明)
Krawtchouk多項式
この結果を見ると、定数項を
正規化されたKrawtchouk多項式
ここで
と計算できることから、上の式に代入すると
のように計算することができる。
同様に正規化されていない元のKrawtchouk多項式
のように綺麗に割り切れ、計算結果を得ることができる。(証明終わり)
これを用いることで、いよいよRodriguesの公式の導出に取り掛かる。
Krawtchouk多項式
また、Krawtchouk多項式
ただし
(式としては同値な式)
下の式だと、2階ODE型の直交多項式同様に重さ関数(この場合二項分布)が出てきているのと対応がつく。
突然だが
上の計算を踏まえて
と計算することができるので、
とすることができる。まとめると、Krawtchouk多項式
という形の差分方程式に書き換えることができる。
の条件から(差分方程式と合わせるために)自動的に決定されるものであることに注意。
まず中の
次に外の
としておく。
さてKrawtchouk多項式の一階差分の公式
となり両辺の関数が全く同じ形になっていることに注意する。
この操作を
となり
上の式と同値なので、今示したばかりのその上の式から導く。
まず、形を揃えるために、
さらに正規化を元に戻して
である。あとはこの二項係数部分を整理しておく。
と書くことができるので、以上より題意の式
を導くことができた。(証明終わり)
これら2つの式は量子力学などでも出てくる昇降演算子とも関係がある。
(多分後の記事でこれらについてもまた改めて記述する予定)
この記事では、Krawtchouk多項式に対して、
二階の差分方程式が成り立つことを紹介し
それに関連するJacobi多項式類似の性質が成立することを見た。
二階の差分方程式が成り立つ多項式は他にも存在し
Hahn多項式系と呼ばれる多項式族として知られているが、
それらを紹介する前に
次はKrawtchouk多項式に関係するある行列について紹介する。