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大学数学基礎解説
文献あり

約数関数の漸化式

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次の様な関数列rn(x)を考えます。

(q;q)x=n=0rn(x)qn
ただし、(z;q)m qポッホハマー記号

q=0の時、(q;q)=1であるため、 定理 により漸化式とこれらが多項式であることが明らかになります。
また、定義式を両辺微分すれば、 約数関数 との関係も見えてきます。

漸化式

r0(x)=1rn(x)=xank=1nkrk(a)rnk(xa)(n1)rn(0)=σ(n)n(n1)rn(x)=xnk=1nσ(k)rnk(x)(n1)

1,2,4行目: 冪級数の冪乗の公式
3行目
n=0rn(x)qn=x(q;q)x=ln(q;q)(q;q)xx=0の時、n=0rn(0)qn=ln(q;q)=k=1(ln(1qk))=k=1l=1qkll=n=1σ1(n)qn=n=1σ(n)nqn

xについての特殊値

rn(1)=p(n)rn(1)={(1)kif n=k(3k1)2,kZ0otherwisern(3)={(1)k(2k+1)if n=(k+12),kN00otherwisern(24)=τ(n+1)

約数関数の漸化式

σ(n)=kZ{0}(1)k1(σ(nk(3k1)2)+δn,k(3k1)/2n)=k1(1)k1(2k+1)(σ(n(k+12))+δn,(k+12)n3)
ただし、σ(n)=0 (n0)δa,b クロネッカーのデルタ

rn(x)=xnk=1nσ(k)rnk(x)=xn[(k=1n1σ(k)rnk(x))+σ(n)]σ(n)=nxrn(x)k=1n1σ(k)rnk(x)=k=0n1(δ0,knxσ(k))rnk(x)=k=1n(δn,knxσ(nk))rk(x)
1行目
x=1の時、
σ(n)=k=1n(δn,knσ(nk))rk(1)=kZ{0}(1)k1(σ(nk(3k1)2)+δn,k(3k1)/2n)
2行目
x=3の時、
σ(n)=k=1n(δn,kn3σ(nk))rk(3)=k1(1)k1(2k+1)(σ(n(k+12))+δn,(k+12)n3)

1行目はオイラーにより証明されているそうです。 https://ja.wikipedia.org/wiki/約数関数#その他の公式

nについての特殊値

r0(x)=1r1(x)=xr2(x)=12x(x+3)r3(x)=16x(x+1)(x+8)r4(x)=124x(x+1)(x+3)(x+14)

参考文献

投稿日:202349
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著者の記事における命題は大半が自分で発見したものであり、 何かしらの論文などに基づいたものではありません。

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