本記事ではフィボナッチ数をはじめとする一般リュカ数列が持つ項間の最大公約数が持つ有名な性質に以下の性質について示す.
よく知られた事実であるので,ここではあるこだわりを持って
次の方針で示す.それは「互除法的な手法を用いない」である.
一般リュカ数の項間の整除性
その他いくつかの補題
を満たす数列U_nについて、この数列をk個毎に取った数列は
を満たす。
証明については過去記事の
フィボナッチ数列などの一般リュカ数列の整除性
および
フィボナッチ数列などの一般リュカ数列の整除性(2)リュカ数の二乗で割り切れるリュカ数
一般リュカ数の加法定理とそのアレンジ
一般リュカ数列とその定義にあるP,Qとの関係
P,Qが互いに素なとき任意のn>0について
なお,加法定理は減法定理の証明に用いること,2つは本質的に同じものであることから
定理として記載しているが,本題の証明に用いるのは減法のほうのみである.
まず加法定理について示す.
mについての数学的帰納法で示す
で成り立つ。
右辺は
となり
ついで減法定理を示す.加法定理と補題3を組み合わせると示せる.
加法定理より
補題3より
よって
これを整理すると
補題4より
よって
nについての数学的帰納法で示す.
よって
実のところ減法定理の式自体でだいたい証明は終わっている.
以下の通り示される.
適当に
としてよい.
減法定理より
一般リュカ数の整除性から
と書くことができる.
この式と,ベズーの等式より
よって
一方,
一般リュカ数の整除性から
であるので
加法定理から互除法的に示したらいいじゃないか,とか
という話はある