前の記事( 超幾何級数の積 , 超幾何級数の積2 )において, 超幾何級数の積を再び超幾何級数で表すタイプの公式を示したが, それらは全て2つの積に関するものだった. 今回は超幾何級数の3つの積が再び超幾何級数になる以下のような公式を示す.
が成り立つ.
超幾何級数が何らかの累乗になっている場合として, 例えば
であるので,
と表される.
定理の証明の前にいくつか補題を用意する. Appellの超幾何関数を
とする.
ここで,
において,
を得る. よって,
が得られる.
Gaussの超幾何定理より,
となって示される.
が成り立つ.
Baileyによる3次変換公式
において,
となる. ここで,
に一致する. よって,
を得る.
以下は, Karlsson-Srivastavaによる1990年の証明である.
まず, 左辺の
となる. ここで, 補題2, 補題3, 補題4を用いると,
であるから, これを代入して定理を得る.
この等式は
と書くこともできる. 例として,
が成り立つ.