前回の記事で楕円Pochhammer記号と楕円超幾何級数を導入した. 前の記事 で示した無限積の三項関係式は以下のように書ける.
今回は楕円超幾何級数の最も基本的な和公式であるFrenkel-Turaevの和公式を示す. これは
Jacksonの
が成り立つ.
を示せば良い. まず,
である. 定理1より,
であるから,
ここで, 定理1より,
よって, これを代入すれば,
となって定理を得る.
定理1はJacksonの
定理2の証明について, Jacksonの和公式は
定理2の証明において用いられている非自明な結果は本質的に定理1だけであるというところは興味深い事実である.