はじめに
主張自体はシンプルです.
を互いに同値でないの正規付値とすれば,
をみたすの元が存在する.ここで,はクロネッカーのデルタである.
の中に同値な正規付値があれば当然このようなはありません.また,正規付値でない付値があってもその付値は値として1を取ることができないので当然定理は成り立たないということを一応注意しておきます.
つかう補題を書いておきます.証明は文献[2,3]を見てください.
を互いに同値でないの付値とすれば,の元が存在して,
が成り立つ.
定理1の証明
は正規付値なので,なる元が存在します.
補題2の不等式をみたすを用いて,試しにとしてみましょう.です.,より,なので,が出ません.についてはどうでしょうか.で,,です.ちょっとどうしようもないですね.だと嬉しいんですけど.処方箋として次のようなことができます.
補題2の不等式をみたすを用いて,としてみましょう.これはのとき,,です.よってが十分大きければとなってくれます!さて,を示さなければいけません.ちょっと計算すると,が分かります.が十分大きいときに,であることを示します.ですね.よってであればが成り立つことが分かります.よってなので,です.
同様のことをにすれば証明完了です.
おわりに
ここまで見てくださった方ありがとうございます.なんか式変形がよく分からんというときは過去の記事を見ていただければわかるかもしれません.とくに,はからきています.より,である必要がありました.