シリーズ: 四元数の行列表現
複素数の組から四元数を合成するためのケイリー=ディクソンの構成法を確認して、そこから発見的に行列表現を導出します。
ケイリー=ディクソンの構成法は、代数を合成して高次元の代数を得るための規則です。wiki-cd
本稿では、複素数の組から四元数を合成する構成法だけを取り扱います。
四元数
これを利用して、複素数
複素数の組を順序対として表記したものが、ケイリー=ディクソンの構成法と呼ばれます。
これは四元数の構成に特化しています。四元数から八元数を構成する場合、このままでは適用できません。
ケイリー=ディクソンの構成法を出発点にして、四元数の行列表現を導出します。イメージを示します。
未知の成分に変数を割り当てて計算します。
この結果を目標の成分と比較します。
両辺を見比べることで、共役の不一致はひとまず無視して対応を推定します。
改めて計算して比較します。
まず第2成分を合わせることに焦点を当てます。行列計算の第2成分
そこで四元数のベクトル表現を修正します:
これにより第2成分は目標と一致しましたが、第1成分にはまだ不一致があります。
そこで目標値の第1成分の共役を取ります。
改めてここまでの計算式と比較します。
目標値と一致させるため、行列の第1行の共役を取ります。
無事に目標値と一致しました!
これは発見的に構成した行列表現と一致します。7shi-qcm