自分用のノート
鎖は全順序集合を意味する。
半順序集合$P$について、以下は同値
任意の可算増加列$(a_n)_{n \in \mathbb{N}}$は、有限個で停滞する (ACC)
即ち、$\exists N \in \mathbb{N};\ \forall n \in \mathbb{N} (n \ge N),\ a_n=a_N$
可算狭義増加列は存在しない
任意の可算鎖は最大元を持つ
任意の空でない鎖は最大元を持つ
任意の空でない部分集合は極大元を持つ
(1⇔2)
[¬1⇒¬2]
$\forall N \in \mathbb{N},\ \exists n \in \mathbb{N} (n \ge N); a_n \not= a_N$となる可算増加列$C=(a_n)_{n \in \mathbb{N}}$を取る。
可算狭義増加列を$C$の中から帰納的に構成する。
$b_0=a_0$とする。
$b_k$まで構成できたとすると、$C$の条件より、ある自然数$n \ge $($b_k$のインデックス)が存在して、$a_n > b_k$
その$n$を使って$b_{k+1}=a_n$とする。
$(b_k)_{k \in \mathbb{N}}$は可算狭義増加列である。
[¬2⇒¬1]
可算狭義増加列は、$\forall N \in \mathbb{N},\ \exists n \in \mathbb{N} (n \ge N); a_n \not= a_N$を満たす。
(4⇒3⇒1⇒2⇒4)
[4⇒3]
自明
[3⇒1]
可算増加列$C=(a_n)_{n \in \mathbb{N}}$を取る。
$C$は可算鎖だから、最大元を持つ。それを$a_N$とする。
$n \in \mathbb{N}(n \ge N)$を取る。
$n \ge N$だから、$a_N \le a_n$
一方、$a_N$は最大元だから、$a_n \le a_N$
従って、$a_n = a_N$
[¬4⇒¬2]
最大元を持たない鎖$C$を取る。
有限全順序集合は最大元を持つから、$C$は無限集合である。
最大元を持たないから、任意の元$a \in C$に対し$a \lt b$なる$b \in C$を取ることができる。
従属選択公理より、$C$の中から可算狭義増加列を取ることができる。
(5⇒3⇒2⇒5)
[5⇒3]
自明
[¬5⇒¬2]
極大元を持たない部分集合$C$を取る。
有限集合は極大元を持つから、$C$は無限集合である。
極大元を持たないから、任意の元$a \in C$に対し$a \lt b$なる$b \in C$を取ることができる。
従属選択公理より、$C$の中から可算狭義増加列を取ることができる。
無限集合$X$上の全域関係$\sim$に対し、全ての$n \in \mathbb{N}$で$x_n \sim x_{n+1}$となる列$(x_n)_{n\in \mathbb{N}} \subset X$が存在する。
($\sim$が全域関係とは、任意の$a \in X$に対し、$a \sim b$となる$b \in X$が存在することである。)
半順序集合$P$について、以下は同値
任意の可算減少列$(a_n)_{n \in \mathbb{N}}$は、有限個で停滞する (DCC)
可算狭義減少列は存在しない
任意の可算鎖は最小元を持つ
任意の空でない鎖は最小元を持つ
任意の空でない部分集合は極小元を持つ
略
無限全順序集合は、可算狭義増加列または可算狭義減少列を含む
$C$を無限全順序集合とする。
$C$から可算個の元を取り、番号付ける。
$(c_n)_{n \in \mathbb{N}} \subset C$ (ただし、$c_n$は相異なる)
$c_n$がピーク$:⇔ \forall m \ge n, c_m \le c_n$
と定める。
[$(c_n)_{n \in \mathbb{N}}$にピークが無限個ある場合]
ピークが現れる順に取っていく。
$(c_{n_k})_{k \in \mathbb{N}} \subset (c_n)_{n \in \mathbb{N}}$
$c_n$は相異なるから、これは可算狭義減少列。
[$(c_n)_{n \in \mathbb{N}}$にピークが有限個しかない場合]
ある番号$N$が存在して、それ以降の元はピークでない。
$(c_n)_{n \in \mathbb{N}}$の中から狭義増加列を帰納的に構成する。
$b_0 = c_N$と置く。
$b_k$まで構成できたとする。
$b_k$はピークでないから、ある$m \ge $($b_k$のインデックス)が存在して、$c_m \not \le b_k$
$C$は全順序だから、$c_m \gt b_k$
$b_{k+1} = c_m$とする。
$(b_k)_{k \in \mathbb{N}}$は可算狭義増加列。
$P$を半順序集合とする。
$P$がACCとDCCを満たす⇔$P$の任意の鎖は有限集合
[$P$がACCとDCCを満たす⇒$P$の任意の鎖は有限集合]
対偶を示す。
$P$の無限鎖$C$を取ると、補題より、ACCかDCCを満たさない。
[$P$がACCとDCCを満たす⇐$P$の任意の鎖は有限集合]
ACC⇔空でない任意の鎖が最大元を持つ
DCC⇔空でない任意の鎖が最小元を持つ
空でない任意の鎖が最大元と最小元を持つからACCとDCCを満たす。
鎖の元の個数の上界があるとは言っていない。
例えば、濃度$n$の鎖$C_n$の直和$\bigoplus_{n \in \mathbb{N}}C_n$は、全ての鎖は有限集合だが、いくらでも大きい鎖を取ることができる。
$P,Q$:空でない順序集合
$P,Q$がACCを満たす ⇔ $P \times Q$がACCを満たす
$P,Q$がDCCを満たす ⇔ $P \times Q$がDCCを満たす
[⇒]
可算増加列$((p_i,q_i))_{i \in I} \subset P \times Q$を取る。
$(p_i)_{i \in I}$は$P$の可算増加列だから、$\exists N_0 \in \mathbb{N}; \forall n > N_0, p_n = p_{N_0}$
$(q_i)_{i \in I}$は$Q$の可算増加列だから、$\exists N_1 \in \mathbb{N}; \forall n > N_1, q_n = q_{N_1}$
$N = \max\{N_0,N_1\}$と置く。
$n > N$を取ると、$(p_n,q_n) = (p_N,q_N)$
よって、$P \times Q$はACCを満たす。
[⇐]
可算増加列$(p_i)_{i \in I} \subset P$を取る。
適当な元$q \in Q$を取る。
$((p_i,q))_{i \in I}$は$P \times Q$の可算増加列。
よって、$\exists N \in \mathbb{N}; \forall n > N, (p_n,q) = (p_N,q)$
即ち、$\exists N \in \mathbb{N}; \forall n > N,p_n=p_N$
よって、$P$はACCを満たす。
$Q$も同様。
DCCも同様。
$2 = \{0,1\}$に$0 < 1$という順序を入れる。
$2$はACCを満たすが、$2^{\omega}$はACCを満たさない。
例えば、$(0,0,0,0,...) \lt (1,0,0,0,...) \lt (1,1,0,0,...) \lt (1,1,1,0,...) \lt \cdots$という列は可算狭義増加列。
$P$が完備束の時、ACCと以下の条件は同値
$P$の任意の元$a$はコンパクト
i.e. $a = \bigvee_{i \in I} a_i ⇒ \exists I' \underset{fin}{\subset} I;\ a = \bigvee_{i \in I'} a_i$
無限個の結びで書けているなら、その内の有限個で書ける。
[ACC⇒$\forall a \in P, a$はコンパクト]
$a \in P $を取る。
$a = \bigvee_{i \in I}a_i$と表せたとする。
$I$が有限集合ならok
そうでないとする。
$W = \{ \ \bigvee_{i \in J}a_i \in P\ |\ J \underset{fin}{\subset} I\ \}$と置く。
$W$は空でないから、ACCと同値な命題より、極大元を持つ。
それを$\bigvee_{i \in J_0}a_i$と置く。
任意の$j \in I \setminus J_0$に対し、
$\bigvee_{i \in J_0}a_i \le \bigvee_{i \in J_0 \cup \{j\}}a_i$
一方、極大性より、
$\bigvee_{i \in J_0}a_i \not\lt \bigvee_{i \in J_0 \cup \{j\}}a_i$
従って、
$\bigvee_{i \in J_0}a_i = \bigvee_{i \in J_0 \cup \{j\}}a_i$
全ての$j \in I \setminus J_0$に亘って結びを取ると、
$\bigvee_{j \in I \setminus J_0} \bigvee_{i \in J_0}a_i = \bigvee_{j \in I \setminus J_0} \bigvee_{i \in J_0 \cup \{j\}}a_i$
よって、
$\bigvee_{i \in J_0}a_i = \bigvee_{i \in I}a_i$
($I$が有限集合の場合、$J_0=I$となり、$\bigvee_{j \in I \setminus J_0} \bigvee_{i \in J_0}a_i = 0$となってしまうので場合分けする必要がある。)
[ACC⇐$\forall a \in P, a$はコンパクト]
可算増加列$(a_n)_{n \in \mathbb{N}}$を取る。
コンパクト性より、ある$I \underset{fin}{\subset}\mathbb{N}$が存在して、
$\bigvee_{n \in \mathbb{N}}a_n=\bigvee_{n \in I}a_n$
$N = \max I$と置く。
$a_n \le a_N (n \le N)$であるから、
$a_N = \bigvee_{n \in I}a_n = \bigvee_{n \in \mathbb{N}}a_n$
従って、$n \ge N$に対し、
$a_N \le a_n$かつ$a_n \le \bigvee_{n \in \mathbb{N}}a_n = a_N$
だから、$a_n=a_N$
$P$が完備束の時、DCCと以下の条件は同値
$P$の任意の元$a$はココンパクト
i.e. $a = \bigwedge_{i \in I} a_i ⇒ \exists I' \underset{fin}{\subset} I;\ a = \bigwedge_{i \in I'} a_i$
無限個の交わりで書けているなら、その内の有限個で書ける。
略
ACCを満たす順序集合の部分集合はACCを満たす。
DCCを満たす順序集合の部分集合はDCCを満たす。
$P$をACCを満たす順序集合、$A \subset P$とする。
$A$の可算増加列$C$を取ると、$C$は$P$の可算増加列でもある。
よって、$C$は有限個で停滞する。
DCCも同様。
$P$をモジュラー束、$a \in P$とする。
このとき、
$P$がACCを満たす ⇔ $↑^P a$と$↓^P a$がACCを満たす
$↑^Pa$は$a$の上界全体、$↓^Pa$は$a$の下界全体
[$P$がACCを満たす ⇒ $↑^P a$と$↓^P a$がACCを満たす]
ACCを満たす順序集合の部分集合はACCを満たす。
[$P$がACCを満たす ⇐ $↑^P a$と$↓^P a$がACCを満たす]
$P$の可算増加列$(c_n)_{n \in \mathbb{N}}$を取る。
$(c_n \vee a)_{n \in \mathbb{N}}$は$↑^Pa$上の可算増加列、
$(c_n \wedge a)_{n \in \mathbb{N}}$は$↓^Pa$上の可算増加列である。
$↑^Pa$と$↓^Pa$はACCを満たすから、
$\exists N_0 \in \mathbb{N};\ \forall n \in \mathbb{N}(n \ge N_0),\ c_n \vee a = c_{N_0} \vee a$
$\exists N_1 \in \mathbb{N};\ \forall n \in \mathbb{N}(n \ge N_1),\ c_n \wedge a = c_{N_1} \wedge a$
そのような$N_0,N_1$を取り、$N = \max\{N_0, N_1\}$と置く。
$n \in \mathbb{N}(n \ge N)$を取ると、
$c_N \le c_n$であるから、モジュラー律より、
$c_N = c_N \vee (a \wedge c_N) = c_N \vee (a \wedge c_n) = (c_N \vee a) \wedge c_n = (c_n \vee a) \wedge c_n = c_n$
$P$をモジュラー束、$a \in P$とする。
この時、
$P$がDCCを満たす ⇔ $↑^P a$と$↓^P a$がDCCを満たす
略
全ての半順序集合は、極大鎖を持つ。
$P$を半順序集合とし、$\mathcal{F}=\{T\ |\ T \underset{total}{\subset} P\}$と置く。
$\mathcal{F}$には包含関係で順序を入れられる。
空集合は全順序だから、$\mathcal{F}$は空でない。
$(A_{i})_{i \in I} \underset{total}{\subset}\mathcal{F}$を取る。
$A = \bigcup_{i \in I}A_i$と置くと、$A$も全順序集合であり、$\forall i \in I,\ A_i \subset A$
即ち、$A$は$(A_{i})_{i \in I}$の上界。
よって、Zornの補題より、$\mathcal{F}$は極大元を持つ。
$P$: 半順序集合
$P$上の二項関係$\preceq$を次のように定める。
$a \preceq b :⇔ a\le b $ かつ ($a \le c \le b ⇒ c = a $または$ c = b$)
間に何もない大小関係を意味する。
また、
$a \prec b :⇔ a\preceq b $ かつ $a\not=b$
と定義する。
半順序集合$P$が最大元と最小元を持つ時、有界であると言い、その最大元を$1$、最小元を$0$と書く。
「最大元を持つ極大鎖」を持つ上半束は、最大元を持つ。
「最小元を持つ極大鎖」を持つ下半束は、最小元を持つ。
従って、有界極大鎖を持つ束は、有界である。
$P$を「最大元を持つ極大鎖」を持つ上半束とする。
$P$の「最大元を持つ極大鎖」$C$を取り、$c_0 = \max C$と置く。
[$c_0$は$P$の極大元である。]
$c_0 < y$なる$y \in P$が存在すると仮定すると、
$C \cup \{y\}$は$C$を真に含む鎖であり、これは$C$の極大性に矛盾。
従って、$c_0$は$P$の極大元である。
[$c_0$は$P$の最大元である]
$y \in P$を取ると、$c_0 \le c_0 \vee y$である。
この時、$c_0$の極大性から、$c_0=c_0 \vee y$であり、よって、$y \le c_0$
従って、$c_0$は$P$の最大元である。
最小元の方も同様。
有限極大鎖は有界だから、有限極大鎖を持つ束は有界である。
有限極大鎖を持つモジュラー束は、ACCとDCCを満たす。
「濃度$n$の有限極大鎖を持つモジュラー束は、ACCとDCCを満たす」を全ての$n \in \mathbb{N}$で示す。
$n$についての帰納法によって示す。
[$n=0$の時]
濃度$0$の有限極大鎖を持つモジュラー束$P$を取る。
$P$は空集合であり、ACCとDCCを満たす。
[$n=1$の時]
濃度$1$の有限極大鎖を持つモジュラー束$P$を取る。
$P$は束であるから、一点集合であり、ACCとDCCを満たす。
[$n< k$で成り立つ⇒$n=k$で成り立つ]
$n< k$で成り立つとする。
濃度$k$の有限極大鎖を持つモジュラー束$P$を取る。
$P$の濃度$k$の有限極大鎖を取り、$1=c_0 \succ c_1 \succ \cdots \succ c_{k-2} \succ c_{k-1}=0$と表す。
$↓^Pc_1$はモジュラー束であり、$c_1 \succ c_2 \succ \cdots \succ c_{k-2} \succ c_{k-1}=0$を有限極大鎖に持つ。
よって、帰納法の仮定より、$↓^Pc_1$はACCとDCCを満たす。
一方、$1 \succ c_1$だから、$↑^Pc_1 = \{c_1,1\}$であり、これはACCとDCCを満たす。
$P$はモジュラー束であり、$↑^Pc_1$と$↓^Pc_1$がACCとDCCを満たすから、$P$もACCとDCCを満たす。
従って、数学的帰納法より、任意の$n \in \mathbb{N}$に対し、濃度$n$の有限極大鎖を持つモジュラー束は、ACCとDCCを満たす。
逆に、ACCとDCCを満たす半順序集合は有限極大鎖を持つから、言い換えると、
モジュラー束$P$において、
$P$は有限極大鎖を持つ ⇔ $P$はACCとDCCを満たす
$P,Q$:半順序集合
$f: P → Q$: 順序を保つ単射
この時、
$Q$がACCを満たす ⇒ $P$はACCを満たす
$P$の可算増加列$(a_n)_{n \in \mathbb{N}}$を取る。
$f$は順序を保つから、$(f(a_n))_{n \in \mathbb{N}}$は$Q$の可算増加列。
$Q$はACCを満たすから、ある$N \in \mathbb{N}$が存在して、任意の$n > N$に対し、$f(a_n) = f(a_N)$
そのような$N$を取ると、$f$は単射であるから、任意の$n > N$に対し、$a_n = a_N$
即ち、$P$はACCを満たす。
$P,Q$:半順序集合
$f: P → Q$: 順序を反映する全射
この時、
$P$がACCを満たす ⇒ $Q$はACCを満たす
$Q$の可算増加列$(a_n)_{n \in \mathbb{N}}$を取る。
$f$は全射だから、$(a_n)_{n \in \mathbb{N}} = (f(b_n))_{n \in \mathbb{N}}$と表せる。($b_n \in P$)
$f$は順序を反映するから、$(b_n)_{n \in \mathbb{N}}$は$P$の可算増加列。
$P$はACCを満たすから、ある$N \in \mathbb{N}$が存在して、任意の$n > N$に対し、$b_n = b_N$
そのような$N$を取ると、任意の$n > N$に対し、$f(b_n) = f(b_N)$
即ち、$Q$はACCを満たす。
従って、順序同型でACCは引き継がれる。
DCCも同様。