・はじめに
・復習
・一般化
・最後に
どうも、色々やる数学徒です。
今回は前回に引き続き反復積分で遊んでいきます。(中学卒業までは反復積分をやる予定)
余余余さんに教わったことから得られた結果なんかを羅列していきます。
前回の記事 で以下のような結果を得られたのでした。
$\displaystyle -\zeta(\bar2)=\frac{1}{2}\zeta(2)=\frac{\pi^2}{12}=\int_0^1\frac{dt_2}{t_2}\int_0^{t_2}\frac{dt_1}{1+t_1}$
$\displaystyle \zeta(1,\bar2)=\frac{1}{8}\zeta(3)=\int_0^1\frac{dt_3}{t_3}\int_0^{t_3}\frac{dt_2}{1+t_2}\int_0^{t_2}\frac{dt_1}{1+t_1}$
$\displaystyle t(2)=\frac{\pi^2}{8}=\int_0^1\frac{dt_2}{t_2}\int_0^{t_2}\frac{dt_1}{1-t^2}$
$\displaystyle \beta(2)=\int_0^1\frac{dt_2}{t_2}\int_0^{t_2}\frac{dt_1}{1+t_1^2}$
$\displaystyle \zeta(3)=-\int_0^1\frac{dt_2}{t_2}\int_0^{t_2}\frac{\ln(1-t_1)}{t_1}dt_1$
ここで$t$値の反復積分と考えていたものは余余余さんによると実は多重$T$値(以下MTV)というものの反復積分表示になっているそうなので今回はそれについて深掘りしていきます。
$\displaystyle T(\mathbf k):=2^r\sum_{\substack{0< n_1<\cdots< n_r\\n_i\equiv i\;\textup{mod}\;2}}\frac{1}{n_1^{k_1}\cdots n_r^{k_r}}$
このようなものをMTVというみたい
そして前回の結果や
余余余さんの記事
から次のような積分表示ができることがわかります。
$\displaystyle T(\mathbf k)=I(1,\{0\}^{k_1-1},…,0,\{1\}^{k_r-1})$
詳細は上記の記事を参照
なんか一般化できそうですね。
やりましょう。
まずはMTVを一般化してみます。
$\displaystyle O(\mathbf k;l)=l^r\sum_{\substack{0< n_1<\cdots< n_r\\n_i\equiv i\;\textup{mod}\;l}}\frac{1}{n_1^{k_1}\cdots n_r^{k_r}}$
定義するだけなら簡単です。大事なのはこのMOVがどのような性質を持っているのか、ですね。
$\displaystyle \Omega_0(t;l)=\frac{dt}{t},\Omega_1(t;l)=\frac{ldt}{1-t^l}$とおく
\begin{align}
I(ε_1,…,ε_r;l)&=\int_{0< t_1<\cdots< t_r}\prod_{i=1}^r\Omega_{ε_i}(t_i;l)\\
O(\mathbf k;l)&=I(1,\{0\}^{k_1-1},…,1,\{0\}^{k_r-1};l)
\end{align}
右から順番に級数展開するだけですね。
と、ここまでは確証を持って言えるのですが次がまだ示せていません。
$O(\mathbf k;l)=O(\mathbf k^{\dagger};l)$
成り立つはずなんですよ!💦
$l=1,2$の場合は変数変換により示せますがそれ以上はわからないです。。。
この前チラッとNKSさんがMTVのコネクターは多重ポリログの$z=-1$を考えれば与えられる的なこと(記憶が定かではないが)を言っていたので同じようにコネクターが存在するのですかね?
うーん、多重の世界は難しいですね。
もっと色んな反復積分で遊んでみます。
次は余余余に教わっている偶数インデックスのときの表示方法をもっときちんと勉強しようかな?