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16個の積分について

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16個の積分について

久しぶりの記事ですね。2月下旬にXにて投稿されたこちらの ポスト
全て示してみたいと思い、たまに手をつけていたりしてました。
他の人の力をかりつつも、12個は示せたのでここに記事として記しておきます。
残りの4つについても、示せたら更新する予定です。

I1

01arctan(tanxsecx)tanx+secxdx=π2log2π6log(2+3)

見た瞬間に、「示せる。」そう確信しました。

I=0π2arctan(tanxsecx)tanx+secxdx=01arctanx1x21+xdx(sinxx)=π2log201arctan1x2x1+xdxJ=01arctan1x2x1+xdx=[arctan1x2xlogx]01+01x2+1x4x2+1log(1+x)dx=01x2+1x4x2+1log(1+x)dxf(t)=01x2+1x4x2+1log(1+tx)dxf(t)=01x(x2+1)(x4x2+1)(tx+1)dx=1t4t2+101(t2+1)x3+(t32t)x2(2t21)x+t3+tx4x2+1dxt(t2+1)t4t2+101dxtx+1=1t4t2+1((t2+1)π63+(t32t)(π636log(2+3))(2t21)π33+(t3+t)(π6+36log(2+3)))t2+1t4t2+1log(tx+1)=1t4t2+1((t21)π23+(2t3t)π4+t32log(2+3))t2+1t4t2+1log(tx+1)J=f(1)=01f(x)dx=π2301x21x4x2+1dx+π4012x3xx4x2+1dx+32log(2+3)01xx4x2+1+01x2+1x4x2+1logxdx=π3log(2+3)JJ=π6log(2+3)I=π2log2J=π2log2π6log(2+3)

ここで示した、
01x2+1x4x2+1log(1+x)dx=π6log(2+3)
は、後のI7にて用いる。

I2

exp(3x2+152x2+18)cos(2xx2+9)dx1+x2=πe

元ポストでは区間が0,ですが、これはミスで,が正しいです。
なんじゃこりゃ、と思いましたが留数定理ですね。

I=exp(3x2+152x2+18)cos(2xx2+9)dxx2+1=Reexp(3x2+152x2+18+i2xx2+9)dxx2+1=Re(2πiResz=if(z))=Re(2πi 12iexp(153182+i2i91))=πe

expの中身がまともなら、どんなやつでも求められそうですね。

I3

01log4(1+x)+6log2(1+x)log2(1x)xdx=214ζ(5)

簡単に示せそうですが、なんか示せません。
海馬を泳いでみると、 紗夜 氏のこんな 記事 が見つかりました。

紗夜氏の記事によると、
01logn(1+x)xdx=n!ζ(n+1)+1n+1logn+12m=0nm!(nm)lognm2 Lim+1(12)
n=4を代入して、
01log4(1+x)xdx=45log52+23π2log32212ζ(3)log22+24ζ(5)24log2 Li4(12)24Li5(12)
また、記事によると、
01log2(1+x)log2(1x)xdx=215log52π29log32+74ζ(3)log22258ζ(5)+4log2 Li4(12)+4Li5(12)
求める積分の値は、ζ(5)以外が全て消えて
01log4(1+x)6log2(1+x)log2(1x)xdx=24754ζ(5)=214ζ(5)

流石に長すぎて端折りました。
この2つの等式はどうやって示すんでしょうか、分からん。

I4

0logxx(1+x)2(π2+log2x)dx=π24

留数定理ですね。

以下が成り立つ。
1logx+iπ=logxπ2+log2xππ2+log2xi
虚部の比較を用いる。
I=01x(1+x)2(π2+log2x)dx=Im01x(1+x)2(logx+iπ)dx=Imex2(1+ex)2(x+iπ)dx(xex)=Im(2πin=0Resz=iπ(2n+1)f(z))Resz=iπ(2n+1)f(z)=limziπ(2n+1)ddzez2(ziπ(2n+1))2(1+ez)2(z+iπ)=limziπ(2n+1)ddzf2g=limziπ(2n+1)(2ffg+f2g)=14π(1)nn+1+14π2(1)n(n+1)2I=Im(2πin=0Resz=iπ(2n+1)f(z))=Im(2πi(14πn=0(1)nn+1+14π2n=0(1)n(n+1)2))=Im(2πi(14πlog2+148))=π24
f,gの極限はについては、
f=ziπ(2n+1)1+ezg=ez2z+iπ
limziπ(2n+1)f=limziπ(2n+1)ziπ(2n+1)1+ez=limziπ(2n+1)1ez(l’Hôpital’s)=1limziπ(2n+1)f=limziπ(2n+1)ddzziπ(2n+1)1+ez=limziπ(2n+1)1+ezez(ziπ(2n+1)(1+ez)2=limziπ(2n+1)ezez(ziπ(2n+1)ez2(1+ez)ez(l’Hôpital’s)=12limziπ(2n+1)ziπ(2n+1)1+ez=12limziπ(2n+1)g=limziπ(2n+1)ez2z+iπ=(1)ni2πi(n+1)=12π(1)nn+1limziπ(2n+1)g=limziπ(2n+1)ddzez2z+iπ=limziπ(2n+1)12ez2(z+iπ)ez2(z+iπ)2=12(1)ni2πi(n+1)(1)ni4π2(n+1)2=14π(1)nn+1+14π2(1)n(n+1)2

分子にlogxがないやつも、同様にして求められますね。

I5

01cosxx2(1cosx)4xsinx+8dx=π4

分からん。

I6

01arctanxx4+x2+1dx=π28323β(2)+π12log(2+3)

arctanxは微分すればなんか上手くいきます。

(補題)
0(ttx+1xx2+x+1)dx=logt+π33

01dxx2+x+1=2π33

01dxx4x2+1=π4+123log(2+3)

01x2x4x2+1dx=π4123log(2+3)

01x2x4x2+1logxdx=23β(2)+π2123
1,2,3つ目の補題の証明は省略。
4つ目の補題は こちら を参照。
f(t)=0arctan(tx)x4+x2+1dxf(t)=0x(t2x2+1)(x4+x2+1)dx=121t4t2+1(t20(t2t2x+1xx2+x+1)dx(t21)0dxx2+x+1)=121t4t2+1(2t2logtπ33t2+2π33)=t2logtt4t2+1π63t2t4t2+1+π331t4t2+1f(1)=01f(t)dt=01t2logtt4t2+1dtπ6301t2t4t2+1dt+π3301dtt4t2+1dt=01t2logtt4t2+1dtπ2243+π36log(2+3)+π2123+π18log(2+3)=01t2logtt4t2+1dt+π2243+π12log(2+3)=23β(2)+π2123+π2243+π12log(2+3)=π28323β(2)+π12log(2+3)

フルヴィッツのゼータ函数の特殊値
ζ(2,512)ζ(2,1112)
を求めると補題4を示せますが、ちょっとよくわかんなかったです。

I7

0log(1+x)x4x2+1dx=π2123+23β(2)+π6log(2+3)

とりあえずt=1xで置換すればいいお😎

(補題)
01x2+1x4x2+1log(1+x)dx=π6log(2+3)
01x2x4x2+1logxdx=23β(2)+π2123
証明略。
I=0log(1+x)x4x2+1dx=(01+1)log(1+x)x4x2+1dx=01x2+1x4x2+1log(1+x)dx01x2x4x2+1logxdx=π6log(2+3)+23β(2)+π2123

過去のやつ使ったので短いですね。

I8

01log(1x2)log(1+x2)1+x2dx=π3323β(2)log2+π2log22

分からん。

I9

0π4log(2+1tan2x)dx=724πlog216β(2)+π2log(1+2)π3log(1+3)

KBHM氏のポストで解決しています。

行間でかい🤨

I10

sin(x1x)x+1xdx=πe2

NKS氏の過去の記事に一般化がありました。

NKS氏のこちらの 記事 の命題6にて、t=1とすればいい。

次のI11と同じ手法でできないかなと思ったんですが、なんかできなかったです。

I11

cos(x1x)(x+1x)2dx=π2e2

I11と同じ手法でできるかと思いましたが、なんかできなかったです。
積分bot3月上旬から追加させている積分の1つを用います。

(補題)
0f(x2)dx=0f((x1x)2)dx
0cosaxx2+1dx=π2ea
証明略。

補題にてf(x)=cosxx+4とする。
0f(x2)dx=0cosxx2+4=120cos2xx2+1dx=π4e20f((x1x)2)dx=0cos(x1x)(x1x)2+4dx=0cos(x1x)(x+1x)2dx=12cos(x1x)(x+1x)2dx
両辺を2倍して、題意を得る。

これ補題1を介さずに留数定理使えたりするんですかね。
微分方程式で示したいですね。

I12

01log(1x)log(1x4)xdx=6732ζ(3)π2β(2)

logを分解できますね。

母関数とポリログの特殊値でゴリ押してしまった😗
level4の多重L値にできるらしいですが、あんま知らないです。

I13

0π2x2tanxdx=5482π3+π242log2π42log22

KBHM氏のポストで解決しています。

xnだと、かなり複雑になりそうですね。

I14

0π4arcsinh(sinx)dx=β(2)58Cl2(π3)

Clはクラウゼン関数です。塩素じゃないです。
Cl2(x)=n=0sin(nx)n2
分からん。
n=0(1)n(2n+1)2m=0nβm2m=542Cl2(π3)
が示せたらいいんですが、どうやったら示せるんでしょうか。

I15

0π2xarcsin(sinxcosx)dx=π396+π8log22

分からん。

I16

00log(x+y+1)xy((x+y+1)(1x+1y+1)1)dxdy=72ζ(3)

KBHM氏に教えてもらいました。

以下が成り立つ。
(x+y+1)(1x+1y+1)1=(1+x)(1+y)(x+y)xy
x=s+ty=stと置換する。
ヤコビアンは、
J=(xtxsytys)=(1111)|detJ|=2
I=00log(x+y+1)xy((x+y+1)(1x+1y+1)1)dxdy=00log(1+x+y)(1+x)(1+y)(x+y)dxdy=200slog(1+s)s(1+s+t)(1+st)dsdt=20log(1+s)2s(s+2)ds=201log2x1x2dx=72ζ(3)

あんまよくわかってない。
ヤコビアンってトレビアンと似てますよね。

おわりに

示せていない4つの積分も示したいですね。
正直、mathlogの記事書くとカクカクになりますね。

おしまい。

投稿日:515
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ららら
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適当に書きたいことを書きます。

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