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集合系 ⑥

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Prop & Proof

全体集合 $U$ を固定し、$X\subseteq U$ とする。さらに、$\mathcal{F}\subseteq\mathcal{P}(X)$ とする。このとき、任意の $B\subseteq X$ に対して
$$ \bigl(\forall A\in\mathcal{F}\ (A\subseteq B)\bigr)\ \Rightarrow\ \bigcup\mathcal{F}\subseteq B $$
が成り立つ。

任意に $B\subseteq X$ をとり、
$$ \forall A\in\mathcal{F}\ (A\subseteq B) $$
を仮定する。$\bigcup\mathcal{F}\subseteq B$ を示すため、任意に $x\in\bigcup\mathcal{F}$ をとる。
$ $
和集合の定義より
$$ \exists A\in\mathcal{F}\ (x\in A) $$
が成り立つ。よって、ある $A\in\mathcal{F}$ が存在して $x\in A$ である。
他方、仮定より $A\subseteq B$ であるから
$$ x\in B $$
を得る。
したがって、任意の $x\in\bigcup\mathcal{F}$ について $x\in B$ であるから
$$ \bigcup\mathcal{F}\subseteq B $$
が成り立つ。
$$ \Box$$

いずれ取り上げる「順序集合」における最小元の定義に従うと、$\bigcup\mathcal{F}$$$\mathcal{S}:=\{B\subseteq X\mid \forall A\in\mathcal{F}\ (A\subseteq B)\}$$の中で最小であるとは、次の $2$ 条件が成り立つことを意味する。
$$ \begin{align} &(1)\quad \bigcup\mathcal{F}\in\mathcal{S}\\ &(2)\quad \text{任意の}\ B\in\mathcal{S}\ \text{に対して}\ \bigcup\mathcal{F}\subseteq B \end{align} $$
$ $
つまり、$\bigcup\mathcal{F}$$\mathcal{S}$ の最小元であるとは、まず $\bigcup\mathcal{F}$ 自身が $\mathcal{S}$ の元であり、
しかも $\mathcal{S}$ に属する任意の集合 $B$ に対して $\bigcup\mathcal{F}\subseteq B$ が成り立つこと、
すなわち $\mathcal{S}$ の中のどの集合の部分集合にもなっている(最も小さい集合である)ことを意味する。
$ $

  1. ここで、和集合の定義を振り返ると。
    $$ \bigcup\mathcal{F}=\{x\in X\mid \exists A\in\mathcal{F}\ (x\in A)\} $$
    であった。これは「$\bigcup\mathcal{F}$ は、$x\in X$ であって、さらに $\exists A\in\mathcal{F}\ (x\in A)$ を満たすような $x$ 全体の集合」
    という意味である。したがって、$\bigcup\mathcal{F}$ の元は、定義の最初から必ず $X$ の元に限られている。
    つまり、任意の $x$ について
    $$ x\in\bigcup\mathcal{F}\ \Rightarrow\ x\in X $$
    が成り立ち、これはそのまま部分集合の定義より
    $$ \bigcup\mathcal{F}\subseteq X\cdots① $$
    が成り立つ。また、既に示したように、任意の $A\in\mathcal{F}$ に対して
    $$ A\subseteq\bigcup\mathcal{F}\cdots➁ $$
    が成り立つ( 証明はこちら )。したがって、①と➁より
    $$ \bigcup\mathcal{F}\in\mathcal{S} $$
    である。
    $ $
  2. また、本命題より $\mathcal{F}$ に属する全ての集合を含む任意の $X$ の部分集合 $B$ に対して
    $$ \bigcup\mathcal{F}\subseteq B $$
    が成り立つ。
    $ $

-したがって、$\bigcup\mathcal{F}$ は、$\mathcal{F}$ に属する全ての集合を含む $X$ の部分集合のうち、包含関係に関して最小のものである。

全体集合 $U$ を固定し、$X\subseteq U$ とする。さらに、$\mathcal{F}\subseteq\mathcal{P}(X)$ とする。このとき、任意の $B\subseteq X$ に対して
$$ \bigl(\forall A\in\mathcal{F}\ (B\subseteq A)\bigr)\ \Rightarrow\ B\subseteq\bigcap\mathcal{F} $$
が成り立つ。

任意に $B\subseteq X$ をとり
$$ \forall A\in\mathcal{F}\ (B\subseteq A) $$
を仮定する。$B\subseteq\bigcap\mathcal{F}$ を示すため、任意に $x\in B$ をとる。
$ $
仮定より、任意の $A\in\mathcal{F}$ に対して $B\subseteq A$ であるから、部分集合の定義より、
任意の $A\in\mathcal{F}$ に対して
$$ x\in A\ \quad \because\ x\in B \Rightarrow x\in A $$
が成り立つ。したがって
$$ \forall A\in\mathcal{F}\ (x\in A) $$
である。さらに、$x\in B$ かつ $B\subseteq X$ であるから $x\in X$ である。
よって、共通部分の定義
$$ \bigcap\mathcal{F}=\{x\in X\mid \forall A\in\mathcal{F}\ (x\in A)\} $$
より
$$ x\in\bigcap\mathcal{F} $$
を得る。したがって、任意の $x\in B$ について $x\in\bigcap\mathcal{F}$ であるから
$$ B\subseteq\bigcap\mathcal{F} $$
が成り立つ。
$$ \Box$$

いずれ取り上げる「順序集合」における最大元の定義に従うと、$\bigcap\mathcal{F}$
$$ \mathcal{T}:=\{B\subseteq X\mid \forall A\in\mathcal{F}\ (B\subseteq A)\} $$
の中で最大であるとは、次の $2$ 条件が成り立つことを意味する。
$$ \begin{align} &(1)\quad \bigcap\mathcal{F}\in\mathcal{T}\\ &(2)\quad \text{任意の}\ B\in\mathcal{T}\ \text{に対して}\ B\subseteq\bigcap\mathcal{F} \end{align} $$
$ $
つまり、$\bigcap\mathcal{F}$$\mathcal{T}$ の最大元であるとは、まず $\bigcap\mathcal{F}$ 自身が $\mathcal{T}$ の元であり、
しかも $\mathcal{T}$ に属する任意の集合 $B$ に対して $B\subseteq\bigcap\mathcal{F}$ が成り立つこと、
すなわち $\mathcal{T}$ の中のどの集合をも部分集合として含んでいる(最も大きい集合である)ことを意味する。
$ $

  1. ここで、共通部分の定義を振り返ると
    $$ \bigcap\mathcal{F}=\{x\in X\mid \forall A\in\mathcal{F}\ (x\in A)\} $$
    であった。これは「$\bigcap\mathcal{F}$ は、$x\in X$ であって、さらに $\forall A\in\mathcal{F}\ (x\in A)$ を満たすような $x$ 全体の集合」という意味である。したがって、$\bigcap\mathcal{F}$ の元は、定義の最初から必ず $X$ の元に限られている。
    つまり、任意の $x$ について
    $$ x\in\bigcap\mathcal{F}\ \Rightarrow\ x\in X $$
    が成り立ち、これはそのまま部分集合の定義より
    $$ \bigcap\mathcal{F}\subseteq X\cdots① $$
    が成り立つ。
    また、既に示したように、任意の $A\in\mathcal{F}$ に対して
    $$ \bigcap\mathcal{F}\subseteq A\cdots② $$
    が成り立つ( 証明はこちら )。したがって、①と②より
    $$ \bigcap\mathcal{F}\in\mathcal{T} $$
    である。
    $ $
  2. また、本命題より、$\mathcal{F}$ に属する全ての集合に含まれる任意の $X$ の部分集合 $B$ に対して
    $$ B\subseteq\bigcap\mathcal{F} $$
    が成り立つ。
    $ $

-したがって、$\bigcap\mathcal{F}$ は、$\mathcal{F}$ に属する全ての集合に含まれる $X$ の部分集合のうち、包含関係に関して最大のものである。

投稿日:23時間前
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投稿者

分野を問わず数学の証明が好きで、不定期に過去のノートも含めて更新しています。あとで自分が読み返してもきちんと理解できるノートを作ることを心がけています。定義や証明、命題などに誤りがございましたら、ご指摘いただけますと幸いです(2025年12月28日)。

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