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現代数学解説
文献あり

「超微分可能なら連続」と超微分における接線の考察

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$$\newcommand{id}[0]{\mathrm{id}} \newcommand{ilim}[1]{\displaystyle \lim_{\stackrel{\longrightarrow}{#1}}} $$

この記事は7777777氏の以下の記事に関連しています.
7777777[ 微分を拡張したい【#1】 ][ 超微分の定義と定理【#2】 ] (2024/9/15)
超微分ってほんまに有用なんか?とかいう自分の邪悪な気持ちが出てきたので,自分自身で少し考えてみた結果を書く.

超微分可能性な関数の性質

関数$f:[\alpha, \beta ] \rightarrow \mathbb{R} $$[\alpha, \beta ]$上で$f>0$を満たすとする.$a\in [\alpha, \beta ]$$a \neq 0$のとき,$f$$a$で超微分可能性ならば$f$$a$で連続である.

ラグ / Lagu氏の記事 超微分で微分っぽいことをする の定理1を使うと
$a$で超微分可能$\Longrightarrow$$a$で微分可能$\Longrightarrow$$a$で連続
となるので直ちに分かるが,$a$で微分可能を経由せずにイプシロンデルタ論法で証明してみる.

任意に$ \varepsilon >0$を取る.この$\varepsilon$に対して$ \delta>0 $が存在して,$|h-1|<\delta$ならば$| \log h |<\varepsilon$かつ$$ \left| \frac{\log( \frac{f(ha)}{f(a)})}{\log h } - f^`(a) \right| <\varepsilon$$
である.三角不等式から$ \left| \log( \frac{f(ha)}{f(a)}) \right|<(\varepsilon+|f^`(a)|)| \log h |< (\varepsilon+|f^`(a)|)\varepsilon$となる.すなわち$|\log(f(ha))-\log(f(a))|<\varepsilon$であることと同値.
よって$0<\delta'=|a|\delta$と置けば,$|x-a|<\delta'$のとき,$|\log(f(x))-\log(f(a))|<\varepsilon$であるので$f$$a$で連続.

ラグ / Lagu氏の記事でも触れられていたが$a=0$のときの$f$の情報が全く出てこない(確証はあまりないが断言してみる).だが,ラグ / Lagu氏の記事の定理2,超・Lagrangeの平均値の定理を見てみると次のことが見えてくる.

超微分について思ふこと

(Lagrangeの)平均値の定理と超・Lagrangeの平均値の定理を表で見比べてみる:

(Lagrangeの)平均値の定理超・Lagrangeの平均値の定理
$ \frac{f(a)-f(b)}{a-b}=f'(c) ,a< \exists c< b$$ \frac{\log(f(a))-\log(f(b))}{\log(a)-\log(b)}=f^`(c) ,a< \exists c< b$

記号の説明は大幅に省略し,超・Lagrangeの平均値の定理は少し変形した.
平均値の定理とはある区間における平均の傾きと、その区間内のどこか一点における接線の傾きが必ず一致するということであった.次のような変形を考えてみる,$E:(x,y)\in \mathbb{R}\times\mathbb{R}\rightarrow(e^x,e^y)\in\mathbb{R}_{>0}\times\mathbb{R}_{>0}$,ここで$\mathbb{R}_{>0}:=(0,\infty)$$E$は全単射な写像である.
関数$f:[\alpha, \beta ] \rightarrow \mathbb{R} $$[\alpha, \beta ]$上で$f>0$を満たし,$a\in [\alpha, \beta ]$$a \neq 0$で狭義超微分可能とする.このとき,$f$のグラフ$ \Gamma(f):=\{(x,y)\in \mathbb{R}\times\mathbb{R}|y=f(x)\} $に対して逆象$E^{-1}(\Gamma(f))$を考える.$F(x):=\log(f(e^x))$とすると$\Gamma(F)=E^{-1}(\Gamma(f)) $である.すると次のことが考えれる.

$\Gamma(F)=E^{-1}(\Gamma(f)) $の平均の傾きは,ある点での超微分の値に一致する.

つまり$F$の接線$l$の写像$E$による像$E(l)$が超微分の接線に相当するものになるだろう.定式化は読者に任せたい.

あとがき

上記のことを踏まえると$a=0$のときの$f$の情報というのは,無限点(正確な表現でない)での情報であると予想する.なので$F$が有界になるように$f$をとることで通常の微分とはひと味違う情報が出てきそうだ.節「超微分について思ふこと」では駆け足で書いてしまったので誤りがあるかもしれないが,指摘してくれると大変ありがたいです.
また,写像$E$のおかげで超微分は通常の微分と同じような性質が成り立つ気がするが,テーラー展開の超微分バージョンは1次の時点で接線ではなくなるので定式化は困難を極めそう.

参考文献

投稿日:915
更新日:920
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「ツクツクボーシ、ツクツクボーシ」 ほら、カエルが鳴いてるよ 春の訪れを感じながら 落ち葉で黄色くなった道を歩いてく

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