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大学数学基礎解説
文献あり

【相対論】Birkhoffの定理

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 source freeな電磁場を重力源とし宇宙項を持つEinstein-Maxwell系の厳密解についての定理としてBirkhoff(バーコフ)の定理というものが有名です。この記事ではBirkhoffの定理を証明します。

イントロ

 1916年に4次元静的球対称のEinstein方程式の真空解であるSchwartzschild計量が見つかりました。そして1923年にGeorge David Birkhoff(ジョージ・デビット・バーコフ)は「4次元の真空解で空間的球対称なものは静的で漸近的平坦、すなわちSchwartzschild計量のみである」というBirkhoffの定理を証明しました。ただ1921年に既にノルウェーの物理学者Jørg Tofte Jebsen(ヨルグ・トフテ・イェブセン)がこの定理を発表していたらしいのでJebsen-Birkhoffの定理と呼ぶべきなのかもしれません。

Birkhoff Birkhoff

 さらにBirkhoffの定理はsource-freeな電磁場を含むEinstein-Maxwell系にまで一般化されています。この記事ではこの一般化されたBirkhoffの定理を証明します。一般相対論を勉強すると必ずSchwartzschild計量の導出はやると思いますが、Birkhoffの定理を勉強することでより一般的な立場から応用も効きやすい形で学べるのでおすすめです。

 Lorentz計量の符号はtimelikeを負に取るようにします。

定義と定理の定式化

 まずEinstein-Maxwell系とは以下です。

Einstein-Maxwell系

時空$(M,g)$とし、$U(1)$ゲージ場$A$に対してそのfield strengthを$F=dA$とする。重力場$g$と電磁場$F$の組$(g,F)$がEinstein-Maxwell方程式
\begin{align} &{\rm Ric}=T^{em}-\frac{1}{2}tr(T^{em})g+\Lambda g,\ \Lambda\in\mathbb{R}\\ &T^{em}(X,Y)=g(\iota_XF,\iota_YF)-\frac{1}{4}||F||g(X,Y)\\ &*d*F=0 \end{align}
を満たすとき、$(g,F)$Einstein-Maxwell系を成すという。

 時空が静的であることと球対称であることの定義は以下です。

静的、球対称

$(M,g)$$n+1$次元時空とする。このとき$(M,g)$静的(static)であるとは、timelike Killingベクトル場$\xi$が存在し、${}^\flat\xi\wedge d{}^\flat\xi=0$が成り立つことである。すなわち$\xi$に関する直交分布がFrobenious可積分となることである。このとき$\xi$に直交するspacelike超曲面のfoliationが存在する。
$(M,g)$球対称であるとは、$SO(n)$$M$に等長変換として作用し、その軌道が$n-2$次元のspacelike曲面のfoliationを成すことである。

 次のBirkhoffの定理が成り立ちます。

Birkhoffの定理(Einstein-Maxwell ver)

4次元時空$(M,g)$が球対称なEinstein-Maxwell系の解であるとする。さらに$SO(3)$の軌道の断面曲率$K$$||\nabla K||^2\ne0$とする。このとき適当な座標近傍$U$があり$g|_U$
\begin{align} g|_U&=-f(r)dt^2+f(r)^{-1}dr^2+r^2(d\theta^2+\sin^2\theta d\phi^2)\\ f&=1-\frac{2m}{r}+\frac{e^2}{2r^2}-\frac{1}{3}\Lambda r^2 \end{align}
と表される。

 さらに$\theta^0=\sqrt{f}dt,\theta^1=\sqrt{f^{-1}}dr,\theta^2=rd\theta,\theta^3=r\sin\theta d\phi$とするとき、電磁場は
$$ F=\frac{Q_e}{r^2}\theta^0\wedge\theta^1+\frac{Q_m}{r^2}\theta^2\wedge\theta^3, \ e^2=Q_e^2+Q_m^2 $$
で与えられる。

証明

 ではBirkhoffの定理を証明します。まず群作用から計量がどこまで決定されるかを見ます。

$ (M,g)$を4次元時空とし、3次元Lie群$G$$ M$に等長変換群として作用しているとする。このとき、$M$の2次元の部分多様体によるfoliation$ L$があり、$G$は各leafに推移的に作用しているとする。また各leafはnullではないとする。

このとき適当な座標近傍$ (U,\{x^0,x^1,x^2,x^3\})$があり
$$ g=-\epsilon e^{2\lambda}(dx^0)^2+e^{2\nu}(dx^1)^2+r^2d\sigma^2 $$
と表される。ここで$G$の軌道がspacelikeなときは$\epsilon=+1$で、timelikeなときは$\epsilon=-1$とし、
\begin{align} d\sigma^2&=(dx^2)^2+\epsilon f(x^2)^2(dx^3)^2\\ f(x^2)&=\begin{cases}\sin(x^2)\ \\ x^2\ \\ \sinh(x^2)\ \end{cases} \end{align}
であり、$ \lambda,\nu,r$$ x^0,x^1$の関数である。
さらに$G$の軌道の断面曲率$K$$||\nabla K||^2\ne0$を満たすなら$x^1=r$とできる。

局所的に座標$ \{y^0,y^1,y^2,y^3\}$があり、$ L$の各leafがこの座標に関して$ (y^0,y^1)$が一定となるようにできる。各leafを$ L_{(y^0,y^1)}$と書く。

あるleaf$ L_{(y_0^0,y_0^1)}$に対して、$ p=(y_0^0,y_0^1,y_0^2,y_0^3)\in L_{(y_0^0,y_0^1)}$を通り$ L_{(y_0^0,y_0^1)}$に直交する測地線を$ c:I\to M$とする。$ G$の作用が作るKillingベクトル場を$ X$とすると、$ g(\dot c,X)_p=0$であり、また測地線とKillingベクトル場の内積はその測地線上で一定であるから、$ g(\dot c,X)_{c(t)}=0$である。$ X$は各leafに接しており、$ G$は各leafに推移的に作用するから$ c$は各leaf$ L_{(y^0,y^1)}$に直交する。

$ p\in L_{(y_0^0,y_0^1)}$を通り、$ L_{(y_0^0,y_0^1)}$に直交する測地線の集合が定める2次元の部分多様体を$ L^\perp_{(y_0^2,y_0^3)}$とする。上で示したことにより$ L^\perp_{(y_0^2,y_0^3)}$は各leaf$ L_{(y^0,y^1)}$に直交する。$ L_{(y_0^0,y_0^1)}$上で各$ (y^2,y^3)$に対して$ L^\perp_{(y^2,y^3)}$を作るとnullでない2次元部分多様体のfoliation$ L^\perp$が得られる。

$ L$の各leaf上で一定となる独立な2つの関数$ \{x^0,x^1\}$$ L^\perp$の各leaf上の座標となる。$ L^\perp$の各leaf上で一定となる独立な2つの関数$ \{x^2,x^3\}$$ L$の各leaf上の座標となる。さらに$ \{x^0,x^1,x^2,x^3\}$がMの適当な開近傍の座標となる。
以下、$ i,j,k\in\{0,1\},a,b\in\{2,3\},\mu,\nu\in\{0,1,2,3\}$などとする。$ L^\perp_{(x^2,x^3)}$上の誘導計量を$ h$$ L_{(x^0,x^1)}$上の誘導計量を$ \gamma$とすると$ g=h+\gamma$となる。

$ G$$ G$の各軌道に制限しても等長変換群として作用しているから、$ \mathcal{L}_Xg=0,\mathcal{L}_X\gamma=0$より$ \mathcal{L}_Xh=0$である。また$ G$の作用の作るKillingベクトル場は$ X=X^2\partial_2+X^3\partial_3$$ X^2,X^3$は適当な関数)と表されるので
$$ 0=\mathcal{L}_Xh_{ij}=X(h_{ij})+h_{i\mu}\partial_jX^\mu+h_{\mu j}\partial_iX^\mu=X(h_{ij})+h_{ik}\partial_jX^k+h_{k j}\partial_iX^k=X(h_{ij}) $$
となる。$ G$が推移的に作用することを考えると$ h_{ij}$$ x^2,x^3$に依存せず、$ h=h_{ij}(x^0,x^1)dx^idx^j$となる。さらに$ x^0,x^1$を適当に取り換えることで
$$ h=-\epsilon e^{2\lambda}(dx^0)^2+e^{2\nu}(dx^1)^2 $$
としてよい( 2次元擬リーマン多様体の計量の対角化座標について )。

各leaf$ L_{(x^0,x^1)}$は2次元定曲率空間であり、$ G$の等質空間であることから曲率の正、負、0は全てのleaf$ L_{(x^0,x^1)}$で同一である(曲率は$G$のLie環で決まる)。よって$ d\sigma^2$を断面曲率が$ k=+1,0,-1$のいずれかの計量とするとき、$ \gamma=r(x^0,x^1)^2d\sigma^2$と表される。$ x^2,x^3$を適当に取ることで
$ d\sigma^2=(dx^2)^2+\epsilon f(x^2)^2(dx^3)^2$
$ f(x^2)=\begin{cases}\sin(x^2)\ (k=1) \\ x^2\ (k=0) \\ \sinh(x^2)\ (k=-1)\end{cases}$
と表される。ただし$ G$の軌道がspacelikeのとき$ \epsilon=1$、timelikeのとき$ \epsilon=-1$とする。また$ x^0,x^1$の構成の仕方から$ ||\nabla r||^2\ne0$のときは$ x^1=r$と取ることが可能である。
Warped積多様体の曲率 の断面曲率の公式より
$$ K=\frac{k}{r^2}-\frac{||\nabla r||^2}{r^2} $$
であるから、$||\nabla r||^2=0$となることがありえない(もしそうなら$r$が定数となり$K$も定数となってしまう)。よって$x^1=r$とできる。

 次に上のような時空上のsource-free Maxwell方程式を満たす電磁場を決定します。  

$ (M,g)$を4次元時空、$ G$を3次元Lie群とする。
$ G$$ M$に等長変換群として作用し、その軌道はMのspacelikeな2次元の部分多様体によるfoliationを成すとする。
このとき適当な座標近傍$ (U,\{x^0,x^1,x^2,x^3\})$において
$ g=- e^{2\lambda}(dx^0)^2+e^{2\nu}(dx^1)^2+r^2d\sigma^2$
と表されているとする。ここで$ \lambda,\nu,r$$ x^0,x^1$の関数である。また
\begin{align} d\sigma^2&=(dx^2)^2+ f(x^2)^2(dx^3)^2,\\ f(x^2)&=\begin{cases} \sin(x^2)\ \\ x^2\ \\ \sinh(x^2)\ \end{cases} \end{align}
とする。
co-frameを$ \theta^0=e^\lambda dx^0,\theta^1=e^\nu dx^1,\theta^2=rdx^2,\theta^3=rfdx^3$とするとき、Maxwell方程式を満たし、$G$の作用で不変な電磁場$ F$
$ F=E(x^0,x^1)\theta^0\wedge\theta^1+B(x^0,x^1)\theta^2\wedge\theta^3$
で与えられる。特に$ x^1=r$のとき、$ E=\frac{Q_e}{r^2},\ B=\frac{Q_m}{r^2}$となる。

$ i,j,k\in\{0,1\},a,b\in\{2,3\},\mu,\nu\in\{0,1,2,3\}$などとする。
$ F=E\theta^0\wedge\theta^1+F_{ia}\theta^i\wedge\theta^a+B\theta^2\wedge\theta^3$とおく。

$ G$の作用が作るKillingベクトル場を$ X$とする。このとき、
$ \mathcal{L}_X\theta^i=\iota_Xd\theta^i=0$であり、また$ \mathcal{L}_X\theta^i=0,g(e_i,e_a)=0$より$ \mathcal{L}_X\theta^a=A^a_{~~b}\theta^b$となる。
またこのとき$ 0=Xg(e_a,e_b)=(\mathcal{L}_X\theta^a)(e_b)+(\mathcal{L}_X\theta^b)(e_a)=A^a_b+A^b_a$が成り立つ。

次に
\begin{align} \mathcal{L}_XF&=X(E)\theta^0\wedge\theta^1+X(F_{ia})\theta^i\wedge\theta^a+F_{ia}A^a_b\theta^i\wedge\theta^b+X(B)\theta^2\wedge\theta^3\\ &=X(E)\theta^0\wedge\theta^1+(X(F_{ia})+F_{ib}A^b_a)\theta^i\wedge\theta^a+X(B)\theta^2\wedge\theta^3=0 \end{align}
であるから、$ E=E(x^0,x^1),B=B(x^0,x^1)$となる。
また任意の点$ p\in U$に対して$ X$$ p$の固定部分群の生成するKillingベクトル場とすると、$ X_p=0$であるから、上の式の第二項は
$ 0=X_pF_{ia}(p)+F_{ib}(p)A^b_a(p)=F_{ib}(p)A^b_a(p)$
であり、
$ L_X\theta^2=\iota_X(dr\wedge dx^2)+drX(x^2)+rd(X(x^2))=rd(X(x^2))=r\partial_3(X(x^2))dx^3\ne0$
であるから、行列$A^b_a(p)$は正則であり、$ F_{ib}(p)=0$となる。
よって
$ F=E\theta^0\wedge\theta^1+B\theta^2\wedge\theta^3$
となる。

さらに$ x^1=r$のとき
\begin{align} dF=&\partial_0Bdx^0\wedge\theta^2\wedge\theta^3+\partial_1Bdr\wedge\theta^2\wedge\theta^3+Bdr\wedge dx^2\wedge \theta^3\\ &-B\theta^2\wedge(fdr\wedge dx^3+rdf\wedge dx^3)\\ &=\partial_0Bdx^0\wedge\theta^2\wedge\theta^3+\partial_1Bdr\wedge\theta^2\wedge\theta^3+\frac{2B}{r}dr\wedge \theta^2\wedge \theta^3=0 \end{align}
となるから、
$ \partial_0B=0,\partial_rB+\frac{2}{r}B=0$
となり、
$ B=\frac{Q_m}{r^2}$
が得られる。
また$ d*F=d(B\theta^0\wedge\theta^1-E\theta^2\wedge\theta^3)=0$より同様にして
$ E=\frac{Q_e}{r^2}$
となる。

 さらにEinstein-Maxwell方程式から計量を決定します。

時空$(M,g)$の適当な座標近傍$ (U,\{t,r,\theta,\phi\})$において
$$ g=- e^{2\lambda}dt^2+e^{2\nu}dr^2+r^2(d\theta^2+f(\theta)^2d\phi^2) $$
と表されているとする。ここで$ \lambda,\nu$$ t,r$の関数である。また
\begin{align} f(\theta)=\begin{cases} \sin\theta\ (k=1) \\ \theta\ (k=0) \\ \sinh\theta\ (k=-1) \end{cases} \end{align}
とする。co-frameを$ \theta^0=e^\lambda dt,\theta^1=e^\nu dr,\theta^2=rd\theta,\theta^3=rfd\phi$とするとき、電磁場が
$$ F=E\theta^0\wedge\theta^1+B\theta^2\wedge\theta^3,\ E=\frac{Q_e}{r^2},\ B=\frac{Q_m}{r^2} $$
で与えられているとする。このとき$(g,F)$がEinstein-Maxwell方程式を満たしているならば、$\lambda=-\nu$であり、
$$ e^{2\lambda}=k-\frac{2m}{r}+\frac{e^2}{2r^2}-\frac{1}{3}\Lambda r^2 $$
となる。

$\{\theta^i\}$に関して、
\begin{align} T^{em}-\frac{1}{2}tr(T^{em})g=\frac{e^2}{2r^4}{\rm diag}(1,-1,1,1),\ e^2=Q_e^2+Q_m^2 \end{align}
であるから、 Warped積多様体の曲率 の例より
$$ {}^M{\rm Ric}_{tr}=\frac{2}{r}\partial_t\nu=0 $$
となるから、$\nu=\nu(r)$である。さらに
\begin{align} {}^M{\rm Ric}_{tt}&=K(g_B)_{tt}-\frac{2}{r}H^r_{tt}\\ {}^M{\rm Ric}_{rr}&=K(g_B)_{rr}-\frac{2}{r}H^r_{rr} \end{align}
より
\begin{align} ({}^M{\rm Ric})^t_t-({}^M{\rm Ric})^r_r&=-\frac{2}{r}((H^r)^t_t-(H^r)^r_r)=-\frac{2}{r}(e^{-2\nu}\partial_r\lambda+e^{-2\nu}\partial_r\nu)\\ &=-\frac{2}{r}e^{-2\nu}\partial_r(\lambda+\nu)=0 \end{align}
であるから、$\lambda(t,r)+\nu(r)$$t$のみの関数でなければならないからこれは定数である。座標$t$を適当に取り換えればこの定数は0としてよいから$\lambda=-\nu$である。
さらに
\begin{align} {}^M{\rm Ric}^\theta_\theta&=\frac{1}{r^2}(k-r\Delta r-||\nabla r||^2)\\ &=\frac{1}{r^2}\left(k-re^{-2\nu}\partial_r(\lambda-\nu)-e^{-2\nu}\right)\\ &=k-\partial_r(re^{2\lambda}) =\frac{e^2}{2r^4}+\Lambda \end{align}
となり、これは$r$で積分でき、積分定数を$-2m$とすると
\begin{align} re^{2\lambda}&=\int\left(k-\frac{e^2}{2r^2}-\Lambda r^2\right)dr=kr+\frac{e^2}{2r}-\frac{1}{3}\Lambda r^3-2m\\ e^{2\lambda}&=k-\frac{2m}{r}+\frac{e^2}{2r^2}-\frac{1}{3}\Lambda r^2 \end{align}
を得る。

 以上より次の定理を得ます。

一般化Birkhoffの定理

4次元時空$(M,g)$に3次元Lie群$G$が等長変換として作用しその軌道が2次元のspacelikeなfoliationを成すとし、その軌道の断面曲率$K$$||\nabla K||^2\ne0$とする。$G$不変な電磁場$F$があり、$(g,F)$がEinstein-Maxwell方程式を満たすならば、適当な座標近傍$U$があり$g|_U$
\begin{align} g|_U&=-f(r)dt^2+f(r)^{-1}dr^2+r^2d\sigma^2\\ f&=k-\frac{2m}{r}+\frac{e^2}{2r^2}-\frac{1}{3}\Lambda r^2 \end{align}
と表される。ここで$k=\mp1,0$であり、$d\sigma^2$は断面曲率が$k$の2次元定曲率リーマン多様体の計量である。

 さらに$\theta^0=\sqrt{f}dt,\theta^1=\sqrt{f^{-1}}dr,\theta^2=rd\theta,\theta^3=r\sin\theta d\phi$とするとき、電磁場は
$$ F=\frac{Q_e}{r^2}\theta^0\wedge\theta^1+\frac{Q_m}{r^2}\theta^2\wedge\theta^3, \ e^2=Q_e^2+Q_m^2 $$
で与えられる。

まとめと議論

有名な解

 定理5において、$k,m,e,\lambda$を以下のようにするとよく知られた時空が得られます。

$M$$k$$m$$e$$\Lambda$
Schwartzschild$1$non zero00
Reissner-Nordstrom$1$non zeronon zero0
de Sitter, anti-de Sitter$1$00non zero
Schwartzschild-de Sitter$1$non zero0non zero
Reissner-Nordstrom-de Sitter$1$non zeronon zeronon zero

質量体の球対称な振動

 Birkhoffの定理からは面白い結論が得られます。質量を持った球の半径が変わるような振動をしているとします。このときBirkhoffの定理から少し離れた位置にいる観測者には球がどれだけ激しく振動していてもその振動が球対称である限り計量は変化しないことになります。これは質量体の球対称な振動は重力波を生じさせないことを意味しています。

参考文献

[1]
佐藤 文隆, 小玉 英雄, 一般相対性理論
[2]
Barrett O'Neill, Semi-Riemannian Geometry With Applications to Relativity
投稿日:20231015
OptHub AI Competition

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Submersion
Submersion
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専門は相対論やLorentz幾何です。Einstein系の厳密解の構成や接触幾何の応用などの研究をしています。Ph.D保有者の中ではクソ雑魚の部類です。

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