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「十分大きい元」と「十分小さい元」に関するメモ

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導入

こんにちは~

工学の現場ではその数が十分大きいとき(あるいは十分小さいとき)に、周辺の値を無視することがよくあります。
それをもとに新しい集合を定義してどうなるかを観察します。

無視可能空間

集合NS無視可能空間(negligible space)であるとは、NS上に以下を満たす二項演算+およびRの作用が定義されている集合のことである。

a,bR, x,y,zNS

  1. (x+y)+z=x+(y+z)
  2. x+y=y+x
  3. (xy)z=x(yz)
  4. xy=yx
  5. ax=xa
  6. 1NSNSが存在して、 x1NS=1NSx=x
    なお、a1NSaと表す
  7. a+x=x+a
  8. ϵNSが存在して、x+ϵ=x
  9. ENSが存在して、a+E=E
  10. a(b+x)=ab+ax
  11. a(x+y)=ax+ay
  12. (a+b)x=ax+bx
  13. aϵ=ϵa=ϵ
  14. aE=Ea={sgn(a)E ,(a0)E ,(a=0)
  15. 0+x=x
  16. ϵE=1NS

※いわゆる記号の暴力というもので、NS上の二項演算としてのRの作用を混同していることに注意

NS上の元E,ϵをそれぞれ 大無視可能元小無視可能元と呼ぶことにしましょう。
ここで、E,ϵは実数でないことに注意します。

感想

・定義長すぎて気持ち悪い
・無駄とか矛盾がどっかにないか心配
ϵ,Eはただ一つか?

わかること

定義からすぐにわかることが色々あります。

和と差について
  1. E+E=E
  2. EE=E
  3. ϵ+E=E
  4. ϵE=E
  5. ϵ+ϵ=ϵ
  6. ϵϵ=ϵ

(1)について、E+E=(1+1)E=E
(2)について、EE=0E=E
(4)について、ϵE=(ϵ+E)=E
(6)について、ϵϵ=ϵ+(1)ϵ=ϵ+ϵ=ϵ

逆元
  1. E=E
  2. ϵ=ϵ
  3. E1=ϵ
  4. ϵ1=E

(1)について
EE=Eより、
EEE=EE
(12)E=E
E=E

(2)について
ϵ=(1)ϵ=ϵ

無視可能元の唯一性
  1. ϵE
  2. E2E
  3. E,ϵ1NS

(1)について
ϵ=Eと仮定すると、
a+E=a+ϵ=aとなり、定義(9)に矛盾

(2)について
E2=Eと仮定すると、
E2E1=EE1
E=1NS
ϵE=ϵ1NS
1NS=ϵ
よりE=ϵ=1NSとなり矛盾

予想

NS全体の構造

集合NSは「ϵn,En(n:自然数),r1NS(r:実数)」で全てである。

NS上の順序

ϵ,Eの次数をもとにNSは全順序集合になる

まとめ

一旦この辺にしておく。なんとなく理想通りの集合が作れた、かも?
ではまた~

投稿日:2024327
更新日:2024328
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🤔 数学の専門ではないです。 思いついたことを書きます。

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