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「十分小さい元」についての修正

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なにをする?

前回の記事
「十分大きい元」と「十分小さい元」に関するメモ | Mathlog
に関して、定義の矛盾を修正していきます。

矛盾って?

ϵ2+ϵが不定

まず、ϵ2+xを考えてみましょう。(xNS)
ϵ2+x=yとおくと、

ϵ2+x=yϵ+Ex=EyEx=Eyx=y

よって、ϵ2+x=x+ϵ2=xが導かれます。
ϵ2+ϵ=ϵ

一方、定義より、ϵ+x=x+ϵ=xなので、
ϵ2+ϵ=ϵ2

これだけだとϵ2=ϵであれば問題ないようにも思えますが、
それだとϵE=1NSよりE2=Eとなり矛盾です。

解消するには?

根本の問題となる定義要素は以下だと考えられます。

(8)ϵ+x=x
(16)ϵE=1NS

理想はこう

イメージとしてϵは無視されるほど十分小さい元なので、
・和に対して零元のように振る舞う
ϵ2も無視されて良い(が、保存されたほうがそのオーダーを再現できる)
ϵn+E=Eになってほしい

解消する

定義を以下のように修正します。

無視可能空間

集合NSが無視可能空間(negligible space)であるとは、NS上に以下を満たす二項演算+およびRの作用が定義されている集合のことである。

a,bR, x,y,zNS

  1. (x+y)+z=x+(y+z)
  2. x+y=y+x
  3. (xy)z=x(yz)
  4. xy=yx
  5. ax=xa
  6. 1NSNSが存在して、 x1NS=1NSx=x
    なお、a1NSaと表す
  7. a+x=x+a
  8. ϵNSが存在して、a+ϵ=a
  9. ENSが存在して、a+E=E
  10. a(b+x)=ab+ax
  11. a(x+y)=ax+ay
  12. (a+b)x=ax+bx
  13. aϵ=ϵa=ϵ
  14. aE=Ea={sgn(a)E ,(a0)E ,(a=0)

(8)を変更、(16)を削除しました。
ついでに(15)も余分だったので消しました。

妥当なの?

まず、当然前述の矛盾は解決されます。
また、前回の記事で述べた定理は以下のように保存されます。(一例)

和と差について
  1. ϵ+E=E
  2. ϵ+ϵ=ϵ

(1)について、
ϵ+E=ϵ+(0+E)=(ϵ+0)+E=0+E=E

加えて、以下のことも言えます。

ϵ2+ϵ=ϵ2

ϵ2+ϵ=ϵ(ϵ+1)=ϵϵ=ϵ2

しかし注意すべき点として、乗法の逆元が自明ではなくなりました。
まあこれは良しとしましょう。

うれしい

定義を少し変えただけで矛盾が解消されて、性質も保存されてました。
本記事は以上です。
また何か見つかれば記事にします。それでは~。

投稿日:2024328
更新日:2024328
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