0

二項関係 ⑫

17
0
$$$$

Prop&Proof

$A$ を集合とし、$R\subseteq A\times A$$A$ 上の二項関係とする。
対角関係 $\Delta_A$
$$ \Delta_A:=\{(a,a)\in A\times A\mid a\in A\} $$
と定める。
このとき
$$ R\text{ が反射的である} \Longleftrightarrow \Delta_A\subseteq R $$
である。

  1. $R$ が反射的であるならば、$\Delta_A\subseteq R$ が成り立つことを示す。
    $R$ が反射的であると仮定する。
    $\Delta_A\subseteq R$ を示すために、任意に
    $$ (x,y)\in\Delta_A $$
    を取る。
    対角関係の定義より、ある $a\in A$ が存在して、
    $$ (x,y)=(a,a) $$
    である。$R$ は反射的であるから、
    $$ (a,a)\in R $$
    である。したがって、
    $$ (x,y)\in R $$
    である。
    $(x,y)\in\Delta_A$ は任意であったから、
    $$ \Delta_A\subseteq R $$
    が成り立つ。
    $ $
  2. $\Delta_A\subseteq R$ が成り立つならば、$R$ が反射的であることを示す。
    $$ \Delta_A\subseteq R $$
    が成り立つと仮定する。
    $R$ が反射的であることを示すには、
    $$ \forall a\in A\ ((a,a)\in R) $$
    を示せばよい。
    任意に $a\in A$ を取る。
    対角関係の定義より、
    $$ (a,a)\in\Delta_A $$
    である。仮定 $\Delta_A\subseteq R$ より、
    $$ (a,a)\in R $$
    である。
    $a\in A$ は任意であったから、
    $$ \forall a\in A\ ((a,a)\in R) $$
    が成り立つ。
    したがって、$R$ は反射的である。

-1. と 2. より、
$$ R\text{ が反射的である} \Longleftrightarrow \Delta_A\subseteq R $$
である。
$$ \Box$$

$A$ を集合とし、$R\subseteq A\times A$$A$ 上の二項関係とする。
このとき、
$$ R\text{ が対称的である} \Longleftrightarrow R^{-1}=R $$
が成り立つ。

  1. $R$ が対称的であるならば $R^{-1}=R$ であることを示す。
    $R$ が対称的であると仮定する。
    集合の外延性により、
    $$ R^{-1}\subseteq R \quad \text{かつ} \quad R\subseteq R^{-1} $$
    を示せばよい。
    i) まず、
    $$ R^{-1}\subseteq R $$
     を示す。任意に $z\in R^{-1}$ をとる。
     逆関係の定義より、ある $a,b\in A$ が存在して、
    $$ z=(b,a) \quad \text{かつ} \quad (a,b)\in R $$
     が成り立つ。$R$ は対称的であるから、
    $$ (b,a)\in R $$
     である。したがって、
    $$ z\in R $$
     である。
     $z\in R^{-1}$ は任意であったから、
    $$ R^{-1}\subseteq R $$
     である。
    $ $
    ii) 次に、
    $$ R\subseteq R^{-1} $$
     を示す。任意に $z\in R$ をとる。
     $R\subseteq A\times A$ であるから、ある $a,b\in A$ が存在して、
    $$ z=(a,b) \quad \text{かつ} \quad (a,b)\in R $$
     が成り立つ。
     $R$ は対称的であるから、
    $$ (b,a)\in R $$
     である。逆関係の定義より、
    $$ (a,b)\in R^{-1} $$
     である。したがって、
    $$ z\in R^{-1} $$
     である。
     $z\in R$ は任意であったから、
    $$ R\subseteq R^{-1} $$
     である。
    $ $
    i) と ii) より、
    $$ R^{-1}=R $$
    である。
    $ $
  2. $R^{-1}=R$ ならば $R$ が対称的であることを示す。
    $$ R^{-1}=R $$
    と仮定する。
    $R$ が対称的であることを示すために、任意に $a,b\in A$ をとり、
    $$ (a,b)\in R $$
    と仮定する。
    逆関係の定義より、
    $$ (b,a)\in R^{-1} $$
    である。
    仮定 $R^{-1}=R$ より、
    $$ (b,a)\in R $$
    である。
    したがって、
    $$ (a,b)\in R\Rightarrow (b,a)\in R $$
    が成り立つ。
    $a,b\in A$ は任意であったから、
    $$ \forall a\in A\ \forall b\in A\ \bigl((a,b)\in R\Rightarrow (b,a)\in R\bigr) $$
    が成り立つ。
    よって、$R$ は対称的である。

-以上より、$R$ が対称的であることと $R^{-1}=R$ は同値である。
$$ \Box$$

$A$ を集合とし、$R\subseteq A\times A$$A$ 上の二項関係とする。
このとき、
$$ R\text{ が推移的である} \Longleftrightarrow R\circ R\subseteq R $$
が成り立つ。

  1. $R$ が推移的であるならば $R\circ R\subseteq R$ であることを示す。
    $R$ が推移的であると仮定する。
    $$ R\circ R\subseteq R $$
    を示す。任意に $z\in R\circ R$ をとる。
    合成関係の定義より、ある $a,b,c\in A$ が存在して、
    $$ z=(a,c) \quad \text{かつ} \quad (a,b)\in R \quad \text{かつ} \quad (b,c)\in R $$
    が成り立つ。
    $R$ は推移的であるから、
    $$ (a,c)\in R $$
    である。
    したがって、
    $$ z\in R $$
    である。
    $z\in R\circ R$ は任意であったから、
    $$ R\circ R\subseteq R $$
    である。
    $ $
  2. $R\circ R\subseteq R$ であるならば $R$ が推移的であることを示す。
    $$ R\circ R\subseteq R $$
    と仮定する。
    $R$ が推移的であることを示すために、任意に $a,b,c\in A$ をとり、
    $$ (a,b)\in R \quad \text{かつ} \quad (b,c)\in R $$
    と仮定する。
    このとき、合成関係の定義より、
    $$ (a,c)\in R\circ R $$
    である。
    仮定 $R\circ R\subseteq R$ より、
    $$ (a,c)\in R $$
    である。
    したがって、
    $$ \bigl((a,b)\in R\land (b,c)\in R\bigr)\Rightarrow (a,c)\in R $$
    が成り立つ。
    $a,b,c\in A$ は任意であったから、
    $$ \forall a\in A\ \forall b\in A\ \forall c\in A\ \bigl(((a,b)\in R\land (b,c)\in R)\Rightarrow (a,c)\in R\bigr) $$
    が成り立つ。
    したがって、$R$ は推移的である。

-以上より、$R$ が推移的であることと $R\circ R\subseteq R$ は同値である。
$$ \Box$$

$A$ を集合とし、$R\subseteq A\times A$$A$ 上の二項関係とする。
また、$A$ 上の恒等関係を
$$ \Delta_A:=\{(a,a)\in A\times A\mid a\in A\} $$
と定める。このとき、
$$ R\text{ が反対称的である} \Longleftrightarrow R\cap R^{-1}\subseteq \Delta_A $$
が成り立つ。

  1. $R$ が反対称的であるならば $R\cap R^{-1}\subseteq \Delta_A$ であることを示す。
    $R$ が反対称的であると仮定する。
    $$ R\cap R^{-1}\subseteq \Delta_A $$
    を示す。
    任意に $z\in R\cap R^{-1}$ をとる。
    共通部分の定義より、
    $$ z\in R \quad \text{かつ} \quad z\in R^{-1} $$
    である。
    $z\in R$ かつ $R\subseteq A\times A$ であるから、ある $a,b\in A$ が存在して、
    $$ z=(a,b) \quad \text{かつ} \quad (a,b)\in R $$
    が成り立つ。
    また、$z\in R^{-1}$ であるから、
    $$ (a,b)\in R^{-1} $$
    である。
    逆関係の定義より、
    $$ (b,a)\in R $$
    である。したがって、
    $$ (a,b)\in R \quad \text{かつ} \quad (b,a)\in R $$
    である。
    ここで、$R$ は反対称的であるから、
    $$ a=b $$
    である。ゆえに、
    $$ z=(a,b)=(a,a) $$
    である。
    したがって、恒等関係の定義より、
    $$ z\in \Delta_A $$
    である。
    $z\in R\cap R^{-1}$ は任意であったから、
    $$ R\cap R^{-1}\subseteq \Delta_A $$
    である。
    $ $
  2. $R\cap R^{-1}\subseteq \Delta_A$ ならば $R$ が反対称的であることを示す。
    $$ R\cap R^{-1}\subseteq \Delta_A $$
    と仮定する。$R$ が反対称的であることを示す。
    $R$ が反対称的であることを示すために、任意に $a,b\in A$ をとり、
    $$ (a,b)\in R \quad \text{かつ} \quad (b,a)\in R $$
    と仮定する。
    逆関係の定義より、
    $$ (a,b)\in R^{-1} $$
    である。したがって、
    $$ (a,b)\in R\cap R^{-1} $$
    である。
    仮定 $R\cap R^{-1}\subseteq \Delta_A$ より、
    $$ (a,b)\in \Delta_A $$
    である。
    恒等関係の定義より、
    $$ a=b $$
    である。
    したがって、
    $$ (a,b)\in R \quad \text{かつ} \quad (b,a)\in R \Rightarrow a=b $$
    が成り立つ。
    $a,b\in A$ は任意であったから、$R$ は反対称的である。

-以上より、$R$ が反対称的であることと $R\cap R^{-1}\subseteq \Delta_A$ は同値である。
$$ \Box$$

本命題より、$R$ が反対称的であるならば、
$$ R\cap R^{-1}\subseteq \Delta_A $$
が成り立つ。
ここで、さらに $R$ が反射的であると仮定する。このとき、任意の $a\in A$ に対して、
$$ (a,a)\in R $$
である。
また、$(a,a)$ は成分を入れ替えても変わらないので、逆関係の定義より、
$$ (a,a)\in R^{-1} $$
も成り立つ。したがって、
$$ (a,a)\in R\cap R^{-1} $$
である。ゆえに、
$$ \Delta_A\subseteq R\cap R^{-1} $$
が成り立つ。
以上より、$R$ が反射的かつ反対称的であるならば、
$$ R\cap R^{-1}=\Delta_A $$
が成り立つ。
つまり、反対称性だけでは $R\cap R^{-1}$$\Delta_A$ に含まれるにすぎないが、
反射性を加えると、すべての対角成分が $R\cap R^{-1}$ に含まれるため、ちょうど $\Delta_A$ に一致する。

$A$ を集合とし、$R\subseteq A\times A$$A$ 上の二項関係とする。
ここで、
$$ \Delta_A:=\{(a,a)\in A\times A\mid a\in A\} $$
とし、
$$ R^{-1}:=\{(b,a)\in A\times A\mid (a,b)\in R\} $$
と定める。このとき、
$$ R\text{ が比較可能律を満たす} \Longleftrightarrow A\times A\subseteq R\cup R^{-1}\cup\Delta_A $$
が成り立つ。

  1. $R$ が比較可能律を満たすならば、$A\times A\subseteq R\cup R^{-1}\cup\Delta_A$ が成り立つことを示す。
    $R$ が比較可能律を満たすと仮定する。
    $A\times A\subseteq R\cup R^{-1}\cup\Delta_A$ を示すために、任意に
    $$ (a,b)\in A\times A $$
    を取る。
    このとき、$a\in A$ かつ $b\in A$ である。
    ここで、$a=b$ であるか、$a\neq b$ であるかに分ける。
    i) $a=b$ の場合
     対角関係の定義より、
    $$ (a,b)=(a,a)\in\Delta_A $$
     である。
     したがって、
    $$ (a,b)\in R\cup R^{-1}\cup\Delta_A $$
     である。
    ii) $a\neq b$ の場合
     $R$ は比較可能律を満たすから、
    $$ (a,b)\in R\lor(b,a)\in R $$
     が成り立つ。
     ここで、$(a,b)\in R$ ならば、
    $$ (a,b)\in R\cup R^{-1}\cup\Delta_A $$
     である。
     一方、$(b,a)\in R$ ならば、逆関係の定義より、
    $$ (a,b)\in R^{-1} $$
     である。したがって、
    $$ (a,b)\in R\cup R^{-1}\cup\Delta_A $$
     である。
    以上より、いずれの場合も、
    $$ (a,b)\in R\cup R^{-1}\cup\Delta_A $$
    が成り立つ。$(a,b)\in A\times A$ は任意であったから、
    $$ A\times A\subseteq R\cup R^{-1}\cup\Delta_A $$
    である。
    $ $
  2. $A\times A\subseteq R\cup R^{-1}\cup\Delta_A$ が成り立つならば、$R$ が比較可能律を満たすことを示す。
    $$ A\times A\subseteq R\cup R^{-1}\cup\Delta_A $$
    が成り立つと仮定する。
    $R$ が比較可能律を満たすことを示すには、
    $$ \forall a\in A\ \forall b\in A\ \bigl(a\neq b\Rightarrow ((a,b)\in R\lor(b,a)\in R)\bigr) $$
    を示せばよい。
    任意に $a,b\in A$ を取り、
    $$ a\neq b $$
    と仮定する。このとき、
    $$ (a,b)\in A\times A $$
    である。
    仮定 $A\times A\subseteq R\cup R^{-1}\cup\Delta_A$ より、
    $$ (a,b)\in R\cup R^{-1}\cup\Delta_A $$
    である。
    一方、$a\neq b$ であるから、対角関係の定義より、
    $$ (a,b)\notin\Delta_A $$
    である。したがって、
    $$ (a,b)\in R\cup R^{-1} $$
    である。ゆえに、
    $$ (a,b)\in R\lor(a,b)\in R^{-1} $$
    が成り立つ。
    ここで、$(a,b)\in R^{-1}$ ならば、逆関係の定義より、
    $$ (b,a)\in R $$
    である。したがって、
    $$ (a,b)\in R\lor(b,a)\in R $$
    が成り立つ。
    $a,b\in A$ は任意であったから、
    $$ \forall a\in A\ \forall b\in A\ \bigl(a\neq b\Rightarrow ((a,b)\in R\lor(b,a)\in R)\bigr) $$
    が成り立つ。
    ゆえに、$R$ は比較可能律を満たす。

-1. と 2. より、
$$ R\text{ が比較可能律を満たす} \Longleftrightarrow A\times A\subseteq R\cup R^{-1}\cup\Delta_A $$
である。
$$ \Box$$

逆関係で保存される基本性質

$A$ を集合とし、$R\subseteq A\times A$$A$ 上の二項関係とする。
このとき、次が成り立つ。
$$ \begin{array}{c} R\text{ は反射的}\Longleftrightarrow R^{-1}\text{ は反射的},\\[4pt] R\text{ は対称的}\Longleftrightarrow R^{-1}\text{ は対称的},\\[4pt] R\text{ は反対称的}\Longleftrightarrow R^{-1}\text{ は反対称的},\\[4pt] R\text{ は推移的}\Longleftrightarrow R^{-1}\text{ は推移的},\\[4pt] R\text{ は比較可能}\Longleftrightarrow R^{-1}\text{ は比較可能} \end{array} $$
が成り立つ。

  1. 反射性について示す。
    任意の $a\in A$ について、逆関係の定義より、
    $$ (a,a)\in R^{-1} \Longleftrightarrow (a,a)\in R $$
    である。
    したがって、
    $$ \forall a\in A\ ((a,a)\in R) \Longleftrightarrow \forall a\in A\ ((a,a)\in R^{-1}) $$
    が成り立つ。
    ゆえに、$R$ が反射的であることと、$R^{-1}$ が反射的であることは同値である。
    $ $
  2. 対称性について示す。
    まず、$R$ が対称的であると仮定する。
    $R^{-1}$ が対称的であることを示すために、任意に $a,b\in A$ をとり、
    $$ (a,b)\in R^{-1} $$
    と仮定する。逆関係の定義より、
    $$ (b,a)\in R $$
    である。
    $R$ は対称的であるから、
    $$ (a,b)\in R $$
    である。
    再び逆関係の定義より、
    $$ (b,a)\in R^{-1} $$
    である。
    したがって、
    $$ (a,b)\in R^{-1}\Rightarrow (b,a)\in R^{-1} $$
    が成り立つ。
    $a,b\in A$ は任意であったから、$R^{-1}$ は対称的である。
    $ $
    逆に、$R^{-1}$ が対称的であると仮定する。
    $R$ が対称的であることを示すために、任意に $a,b\in A$ をとり、
    $$ (a,b)\in R $$
    と仮定する。逆関係の定義より、
    $$ (b,a)\in R^{-1} $$
    である。
    $R^{-1}$ は対称的であるから、
    $$ (a,b)\in R^{-1} $$
    である。
    再び逆関係の定義より、
    $$ (b,a)\in R $$
    である。
    したがって、
    $$ (a,b)\in R\Rightarrow (b,a)\in R $$
    が成り立つ。
    $a,b\in A$ は任意であったから、$R$ は対称的である。
    ゆえに、$R$ が対称的であることと、$R^{-1}$ が対称的であることは同値である。
    $ $
  3. 反対称性について示す。
    まず、$R$ が反対称的であると仮定する。
    $R^{-1}$ が反対称的であることを示すために、任意に $a,b\in A$ をとり、
    $$ (a,b)\in R^{-1} \quad \text{かつ} \quad (b,a)\in R^{-1} $$
    と仮定する。
    逆関係の定義より、
    $$ (b,a)\in R \quad \text{かつ} \quad (a,b)\in R $$
    である。
    したがって、
    $$ (a,b)\in R \quad \text{かつ} \quad (b,a)\in R $$
    である。
    $R$ は反対称的であるから、
    $$ a=b $$
    である。
    $a,b\in A$ は任意であったから、$R^{-1}$ は反対称的である。
    $ $
    逆に、$R^{-1}$ が反対称的であると仮定する。
    $R$ が反対称的であることを示すために、任意に $a,b\in A$ をとり、
    $$ (a,b)\in R \quad \text{かつ} \quad (b,a)\in R $$
    と仮定する。
    逆関係の定義より、
    $$ (b,a)\in R^{-1} \quad \text{かつ} \quad (a,b)\in R^{-1} $$
    である。
    $R^{-1}$ は反対称的であるから、
    $$ b=a $$
    である。
    等号の対称性より、
    $$ a=b $$
    である。
    $a,b\in A$ は任意であったから、$R$ は反対称的である。
    ゆえに、$R$ が反対称的であることと、$R^{-1}$ が反対称的であることは同値である。
    $ $
  4. 推移性について示す。
    まず、$R$ が推移的であると仮定する。
    $R^{-1}$ が推移的であることを示すために、任意に $a,b,c\in A$ をとり、
    $$ (a,b)\in R^{-1} \quad \text{かつ} \quad (b,c)\in R^{-1} $$
    と仮定する。
    逆関係の定義より、
    $$ (b,a)\in R \quad \text{かつ} \quad (c,b)\in R $$
    である。したがって、
    $$ (c,b)\in R \quad \text{かつ} \quad (b,a)\in R $$
    である。
    $R$ は推移的であるから、
    $$ (c,a)\in R $$
    である。
    逆関係の定義より、
    $$ (a,c)\in R^{-1} $$
    である。
    $a,b,c\in A$ は任意であったから、$R^{-1}$ は推移的である。
    $ $
    逆に、$R^{-1}$ が推移的であると仮定する。
    $R$ が推移的であることを示すために、任意に $a,b,c\in A$ をとり、
    $$ (a,b)\in R \quad \text{かつ} \quad (b,c)\in R $$
    と仮定する。
    逆関係の定義より、
    $$ (b,a)\in R^{-1} \quad \text{かつ} \quad (c,b)\in R^{-1} $$
    である。
    したがって、
    $$ (c,b)\in R^{-1} \quad \text{かつ} \quad (b,a)\in R^{-1} $$
    である。
    $R^{-1}$ は推移的であるから、
    $$ (c,a)\in R^{-1} $$
    である。
    逆関係の定義より、
    $$ (a,c)\in R $$
    である。
    $a,b,c\in A$ は任意であったから、$R$ は推移的である。
    ゆえに、$R$ が推移的であることと、$R^{-1}$ が推移的であることは同値である。
    $ $
  5. 比較可能性について示す。
    まず、$R$ が比較可能であると仮定する。
    $R^{-1}$ が比較可能であることを示すために、任意に $a,b\in A$ をとり、
    $$ a\ne b $$
    と仮定する。
    $R$ は比較可能であるから、
    $$ (a,b)\in R\lor (b,a)\in R $$
    である。
    逆関係の定義より、
    $$ (a,b)\in R\Longleftrightarrow (b,a)\in R^{-1} $$
    かつ
    $$ (b,a)\in R\Longleftrightarrow (a,b)\in R^{-1} $$
    である。したがって、
    $$ (b,a)\in R^{-1}\lor (a,b)\in R^{-1} $$
    である。
    論理和の交換法則( 証明はコチラ )より、
    $$ (a,b)\in R^{-1}\lor (b,a)\in R^{-1} $$
    である。
    $a,b\in A$ は任意であったから、$R^{-1}$ は比較可能である。
    $ $
    逆に、$R^{-1}$ が比較可能であると仮定する。
    $R$ が比較可能であることを示すために、任意に $a,b\in A$ をとり、
    $$ a\ne b $$
    と仮定する。
    $R^{-1}$ は比較可能であるから、
    $$ (a,b)\in R^{-1}\lor (b,a)\in R^{-1} $$
    である。
    逆関係の定義より、
    $$ (a,b)\in R^{-1}\Longleftrightarrow (b,a)\in R $$
    かつ
    $$ (b,a)\in R^{-1}\Longleftrightarrow (a,b)\in R $$
    である。
    したがって、
    $$ (b,a)\in R\lor (a,b)\in R $$
    である。
    論理和の交換法則( 証明はコチラ )より、
    $$ (a,b)\in R\lor (b,a)\in R $$
    である。
    $a,b\in A$ は任意であったから、$R$ は比較可能である。
    ゆえに、$R$ が比較可能であることと、$R^{-1}$ が比較可能であることは同値である。

-以上より、
$$ \begin{array}{c} R\text{ は反射的}\Longleftrightarrow R^{-1}\text{ は反射的},\\[4pt] R\text{ は対称的}\Longleftrightarrow R^{-1}\text{ は対称的},\\[4pt] R\text{ は反対称的}\Longleftrightarrow R^{-1}\text{ は反対称的},\\[4pt] R\text{ は推移的}\Longleftrightarrow R^{-1}\text{ は推移的},\\[4pt] R\text{ は比較可能}\Longleftrightarrow R^{-1}\text{ は比較可能} \end{array} $$
が成り立つ。
$$ \Box$$

投稿日:1日前
更新日:58分前
数学の力で現場を変える アルゴリズムエンジニア募集 - Mathlog served by OptHub

この記事を高評価した人

高評価したユーザはいません

この記事に送られたバッジ

バッジはありません。

投稿者

Kagura
Kagura
7
4960
■ 分野を問わず数学の証明が好きです。あとで自分が読み返したときに、きちんと理解できるノートを作ることを心がけています。不定期に過去のノートを確認し、修正&更新 (追加&削除) しています。定義、命題、証明などに誤りや不正確な点がございましたら、ご指摘いただけますと幸いです(2025年12月28日)。          ----------------------------------------------- ■ ノート『数学概論』の読み方     STEP1:まずは定義を一通り理解し覚える。 STEP2:具体例を考えてみる。    STEP3:各命題の主張を一通り理解する。 STEP4:証明を繰り返し読んで流れを掴む。 (まずはココまでで良い)         STEP5:何も見ずに定義に従って証明を創る。 STEP6:STEP5の他の証明方法を創ってみる。    STEP7:自由に命題と証明を創ってみる  

コメント

他の人のコメント

コメントはありません。
読み込み中...
読み込み中