こんにちは.このウェブサイトを見ながら
計算結果はこうなりました.何度か計算しなおして導き出した結果なので,この結果に誤りがないと信じたいです.どうやら Wolfram は二重級数の計算に弱いらしく(私が使い方を知らないだけかもしれません.)数値的な検証はできませんでした.
このべき級数展開の求め方の大まかな流れを話します.
まずは,例によって逆正弦関数を
と定義します.正弦関数の逆関数として定義しても同値なので,ここらへんの違いは気にしません.積分が発散してしまわないように,これを
これより,その自乗は
とかけるはずです.積分変数はここでは
となります.ここまでは参考文献 [2] と同じ流れです.最後の式における
を代入します.項別に積分してあげると
となります.
最後の積分の closed-form が求められません.けっこう難しいです.ここでもう一度参考文献 [2] を参照します.参考文献 [2] によれば,非負整数
としたとき
が成り立つようです.これは反復ベータ積分と呼ばれるみたいです.数学はあまり詳しくないので,この積分についてどのような応用の仕方があるのかは分かりません.この求め方に関する記述がなかったので,軽く記述したいと思います.
積分に関する漸化式をつくる際には部分積分が有効ですが,この場合
となるので,添え字はまだ分かりませんが少なくとも
となり漸化式ができます.整理したものを解くと
が得られます.あとは境界条件
しかしここで行き詰まってしまいました.そこで参照したのが参考文献 [1] です.これを超幾何級数としてかくことができれば,それらの間にある諸々の関係式を駆使して簡潔に表すことができそうです.
となります.ここで Euler の変換公式(うわさによれば Pfaff の変換公式と超幾何関数の Euler 積分表示を用いて証明できるみたいです.ところで Pfaff は何と読めばよいのでしょうか?)
を用いると
が成立します.これを一般項に代入します.次のようになります.
きれいになりました.
あとは得られた結果を整理するだけです.3.2.1 節と 3.2.2 節の結果をまとめると
となります.したがって,両辺を
が得られるので,最後に変数を
が導かれます.
既知の結果を考えると
となるみたいです.偶数次の挙動が奇数次のときとは異なり変なので,任意の
以上です.お読みいただきありがとうございました.