この記事は先に投稿した記事
・
フィボナッチ数列を拡張したk-ナッチ数列の一般項についての予想
・
フィボナッチ数列を拡張したk-ナッチ数列の一般項についての予想(その2)
・
フィボナッチ数列を拡張したk-ナッチ数列の一般項についての予想(その3)
・
フィボナッチ数列を拡張したk-ナッチ数列の一般項についての予想(その4・証明完成)
の続きになります。まだ読んでいない方はそちらを先に読んでみてください。
今回は、k-ナッチ数列の部分和からなる数列を考えます。
まず、部分和からなる数列$\{S_k(n)\}$を次の式で定義します。
$a_k(n)$ を $k$-ナッチ数列の第 $n$ 項として、
${\displaystyle S_k(n):=\sum_{i=0}^{n} a_k(i)}$
このとき、 $\{S_k(n)\}$ が四捨五入を使った簡単な式で表現できるのではないか、というのが今回の予想です。
まず、具体的な値がどうなるか観察してみましょう。なお、$n$ は非負整数とします。
$\{S_2(n)\}=\{0,1,2,4,7,12,20,33,54,88,143,\cdots\}$
$\{S_3(n)\}=\{0,0,1,2,4,8,15,28,52,96,177,326,\cdots\}$
$\{S_4(n)\}=\{0,0,0,1,2,4,8,16,31,60,116,224,432,\cdots\}$
$\{S_5(n)\}=\{\underbrace{0,\cdots,0,}_{\text{4個}}1,2,4,8,16,32,63,124,244,480,\cdots\}$
$\{S_6(n)\}=\{\underbrace{0,\cdots,0,}_{\text{5個}}1,2,4,8,16,32,64,127,252,500,\cdots\}$
$k=2$、つまりフィボナッチ数のときは、部分和は「フィボナッチ数-1」となっていて、簡単に計算できます。しかし、トリボナッチ数以上のときは、そのような単純な値とはなっていませんね。今回は、これらの値を四捨五入を使った表現で表せるのではないか、という予想を立てました。
${\displaystyle \begin{align} S_k(n) &= \left\lfloor \frac{A_k^{n+1}}{C_k} -\frac{1}{k-1} \right\rceil \end{align} }$
ただし、$A_k,C_k$は次の定数である。
$f_k(x)=x^k-x^{k-1}-x^{k-2}-\cdots-x^2-x-1$
として、
${\displaystyle A_k\cdots\cdots f_k(x)=0\text{ の正の実数解} }$
${\displaystyle \begin{align} C_k &=(A_k-1)f_k'(A_k) \end{align} }$
ここで $\left\lfloor x\right\rceil$は四捨五入を表す関数です。すなわち
$\left\lfloor x\right\rceil=\left\lfloor x+\frac{1}{2}\right\rfloor$
$k=5$の場合、数値計算するとこうなります。
${\displaystyle \begin{align} &A_5=1.96594823\cdots\\ &C_5=26.82375282\cdots\\ &\left\{\left\lfloor \frac{A_5^{n+1}}{C_5}-\frac{1}{4} \right\rceil\right\}=\{0,0,0,0,1,2,4,8,16,32,63,124,244,480,\cdots\}\\ &(n\ge0) \end{align} }$
数値計算ではこの予想は正しそうです!
私はまだ証明していません。この予想についての証明や情報がありましたらコメントください!