フィボナッチ数列は漸化式が先行2項の和で定義される次のような数列です。
$0,1,1,2,3,5,8,13,21,34,55,89,\cdots$
漸化式を先行3項の和に変えたものはトリボナッチ数列と呼ばれています。
$0,0,1,1,2,4,7,13,24,44,81,149,274,504,927,1705,3136,5768,\cdots$
同様に考えて、漸化式が先行k項の和で定義される数列をこの記事ではk-ナッチ数列と呼ぶことにします。
$\underbrace{0,0,\cdots0,1,}_{\text{k個}}1,2,4,\cdots$
例えば、5-ナッチ数列はこんな感じです。
$0,0,0,0,1,1,2,4,8,16,31,61,120,236,464,912,\cdots$
フィボナッチ数列・トリボナッチ数列では「四捨五入による表現」で一般項を指数関数と四捨五入でシンプルに表現することができたことから、一般的にk-ナッチ数列でも同様のシンプルな表現ができることが予想されます。
参考:
いろいろな方法でフィボナッチ数の一般項を表現する
https://mathlog.info/articles/184
いろいろな方法でトリボナッチ数の一般項を表現する
https://mathlog.info/articles/291
私の予想は次のとおりです。
k-ナッチ数列の第$n$項を $a_k(n)$ と表記する。このとき、$a_k(n)$ は次の式で求めることができる。
${\displaystyle
a_k(n)=\left\lfloor
\frac{A_k^n}{B_k}
\right\rceil
}$
ただし、$A_k,B_k$は次の定数である。
$f_k(x)=x^k-x^{k-1}-x^{k-2}-\cdots-x^2-x-1$
として、
${\displaystyle A_k\cdots\cdots f_k(x)=0\text{ の正の実数解} }$
${\displaystyle \begin{align} B_k &=f_k'(A_k) \end{align} }$
ここで $\left\lfloor x\right\rceil$は四捨五入を表す関数です。すなわち
$\left\lfloor x\right\rceil=\left\lfloor x+\frac{1}{2}\right\rfloor$
上記の $B_k$ の表現は epidemic さんのコメントを受けて修正しました。
$k=5$の場合、数値計算するとこうなります。
${\displaystyle \begin{align} &A_5=1.96594823\cdots\\ &B_5=27.7693\cdots\\ &\left\{\left\lfloor \frac{A_5^n}{B_5} \right\rceil\right\}=\{0,0,0,0,1,1,2,4,8,16,31,61,120,236,464,912,\cdots\}\\ &(n\ge0) \end{align} }$
数値計算ではこの予想は正しそうです!
私はまだ証明していません。この予想についての証明や情報がありましたらコメントください!