この記事は
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k-ナッチ数列の部分和からなる数列の一般項についての予想
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k-ナッチ数列の部分和からなる数列の一般項についての予想(その2・厳密解との関係)
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k-ナッチ数列の部分和からなる数列の一般項についての予想(その3・確率論からのアプローチ)
の続きの記事になります。まだ読んでいない方はそちらを先に読んでみてください。
予想の内容を再掲します。
ただし、
として、
次のようにいくつかの関数を定義します。
式を見やすくするため、次の関数を定義します。
誤差の数列
今回は、前回残った「示すべきこと」の部分を示して、証明を完成させます。
以下の記事では特に断りがない限り
※ 些末な部分は省略していますので適宜補完してください。
ですから、次のことを証明すればよいことになります。
評価すべき式は単調増加であることを考慮すれば、次の命題3を証明すれば命題2も証明できますので、今から命題3を順に証明していきます。
(i)
(ii)
したがってすべての
(i)
(i)
(i)
ここで
であることはわかっているから、
(参考:
k-ナッチ数列の四捨五入表示についての考察(ほぼ証明)
)
を示せばよい。
左辺-右辺は
となるから、結局
を示せばよい。
(参考:
k-ナッチ数列の四捨五入表示についての考察(ほぼ証明)
)
となり、これが示すべきことであった。
(i)
(ii)
したがって
を示せばよい。
左辺-右辺は
となり、これが示すべきことであった。
(i)
(ii)
であるから
を示せばよい。
左辺-右辺は
となるから、結局
を示せばよい。
(参考:
k-ナッチ数列の四捨五入表示についての考察(ほぼ証明)
)
となり、これが示すべきことであった。
以上より、命題3が真であるから、命題2も真であり、さらには命題1も真である。
したがって、確率論からのアプローチにより、予想が正しいことが証明された。
これで予想が正しいことが証明できました!
ただし、
として、
途中で気が付いたのですが、
を使うと導関数を使わない表現に書き換えることができます。
ただし、
さて、今回証明した式に使い道はあるでしょうか。例えば、「トリボナッチ数列の初項から第
計算精度を上げれば、桁数だけでなく上位の数字も計算できます。
これを漸化式から再帰的に計算すると、かなりの時間がかかることでしょう。
このように、「急いでトリボナッチ数列の初項から第
ここまでお付き合いいただきありがとうございました。