この記事では
前回の記事
に続いて
内容は薄めです。
実解析における積分は、微分積分学の基本定理によって逆微分という重要な側面を持っていました。
そういうわけで
つまるところ関数
と定めようにも、
じゃあ
を基準として解析関数
と定めれば良いだとか、
前回の記事
の定理7に倣って連続関数
と定めれば良いだとか考えたくなりますが、こうなってくると積分の積分としての本来の意味があやふやになってしまい本質的ではない(気がする)ので逆微分として積分を定めることはひとまず諦めることにしましょう。
とりあえず逆微分として積分を考えるには難があるとわかったところで、そもそもの実解析における積分の定義であるリーマン積分に立ち返ってみましょう。
リーマン積分では区間
が近づく値を
と定めたのでした。
では
まず区間
次に各小区間から代表元
そして
と定めます。
ところで
前々回の記事
で紹介したように区間
で特徴付けたとき、
のことをVolkenborn積分と言い、この記事では単に
と表すことにします。
Volkenborn積分においてはリーマン積分と違って区間
と求められますが
と分割して求めようとすると
となり
は発散してしまうので値が定義できなくなります。
代表元の取り方も
が収束するとき
と
とりあえず
とりあえずVolkenborn積分の持つ性質をざっと列挙していきます。
(ただし
ただし連続関数
に対し
であること(後述)と
であること(
前回の記事
の定理1)を用いた。
を用いて
と定めると、
ファウルハーバーの公式
より
特に
より
上では積分の存在を仮定していましたがここで積分が存在する十分条件について確認しておきます。
非負整数
とすると
が成り立つ。
が成り立つとき
であって、また
すなわち
を得る。
連続関数
を満たすとき
が成り立つ。
と変形したとき、補題1に注意して
と評価すると
となるので
を得る。
この記事の内容は以上になります。ちょっとそっけないですがVolkenborn積分から何か面白い議論ができるのかはよくわからなかったので、