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大学数学基礎解説
文献あり

自然密度と確率の似ている部分

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はじめに

こんにちは、AGAです。
今回は自然密度と確率について語っていきたいと思います。

注意

確率「 任意に選んだ2数が互いに素である確率」を成り立たせる確率測度は存在するか?
自然密度「 素数と平方数どっちのほうが多いのか
を参照してください。

確率の標本空間(上記事ではΩ)をNとする
またAN
確率をp(A)、自然密度をd(A)のように表すことにする

A,BNは確率、自然密度が存在するものとする

追記
ABもしくはABの自然密度が存在することも仮定しないと、 加法定理 以降の議論はできないらしいです。
詳しくはコメントでの話を参考にしてください。

自明な法則

0p(A)1
p(N)=1
p()=0
p(Ac)=1p(A)

0d(A)1
d(N)=1
d()=0
d(Ac)=1d(A)

加法定理

加法定理
  1.  p(AB)=p(A)+p(B)p(AB)
  2.  d(AB)=d(A)+d(B)d(AB)
1.

p(AB)+p(AB)=p(AB)+p(B)+p(AB)
=p(ABc)+P(B)+p(AB)
=p(A)+P(B)
p(AB)=p(A)+p(B)p(AB)

2.

d(AB)=limn|{xN|xn}(AB)|n
=limn|{xN|xn}A{xN|xn}B|n
=limn|{xN|xn}A{xN|xn}B|n
=limn|{xN|xn}A|n+|{xN|xn}B|n|{xN|xn}(AB)|n
d(AB)=d(A)+d(B)d(AB)

乗法定理

条件付き

p(A)0について、
条件付き確率p(B|A)
p(B|A)=p(AB)p(A)
で定義される。

これにならって条件付き自然密度d(B|A)
d(B|A)=d(AB)d(A) (d(A)0)(1)
で定義したいところだが、
自然密度の場合はd(B|A)=limn|{xN|xn}AB||{xN|xn}A|と定義すれば、d(A)0のとき(1)と一致し、d(A)=0のときも定義できる。(これは有限の確率と同じ議論である)

乗法定理

p(A)0について

  1.  p(AB)=p(A)p(B|A)
  2.  d(AB)=d(A)d(B|A)
1.

自明

2.

d(A)d(B|A)=limn|{xN|xn}AB||{xN|xn}A||{xN|xn}A|nlimn|{xN|xn}AB|n=d(AB)

ベイズの定理

p(A)0,p(B)0,d(B)0について
p(A|B)=p(A)p(B|A)p(B)
d(A|B)=d(A)d(B|A)d(B)

1.

乗法定理から
p(AB)=p(A)p(B|A)=p(B)p(A|B)
p(A|B)=p(A)p(B|A)p(B)

2.

1.と同様

全確率の定理

p(A)0,p(Ac)0
p(B)=p(A)p(B|A)+p(Ac)p(B|Ac)
d(B)=d(A)d(B|A)+d(Ac)d(B|Ac)

証明は省略

おわりに

ほかにも何かどちらでも成り立ちそうor成り立つ定理、法則があれば教えてください。

参考文献

投稿日:2021116
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投稿者

AAG
AAG
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抽象代数学とか好きなB1。気分屋です。 (元の名前:AGA) 厳密にテキトーにやってます。 基本検算しません。 間違いがあったら容赦なく指摘してください。

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  1. はじめに
  2. 注意
  3. 自明な法則
  4. 加法定理
  5. 乗法定理
  6. おわりに
  7. 参考文献