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大学数学基礎解説
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ゲージ対称性とは何か(11):経路積分量子化におけるFaddeev-Popovの方法

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本記事は「 ゲージ対称性とは何か(10): 拘束を無闇に使うと誤る系 」の続きです。

今回は、経路積分におけるゲージ理論の量子化のひとつの方法である

Faddeev-Popovの方法

(以下FP, FPの方法と略す)

に関して述べようと思います。
基本どんな場の量子論の教科書にも書いてあることではあるのですが、この後Gribov問題に関して触れるのに言及しておいたほうがいいので、書いておこうかなと思った次第です。

参考文献としてRef.[1-3]を挙げておきました。また、以下Yang-Mills理論を扱いますが、これに関してはこれら参考文献、または「 ゲージ対称性とは何か(8):Yang-Mills理論とDiracの方法 」を御覧ください。

申し訳ないですが、経路積分の知識は基本的に既知とします。参考文献やネット上の記事を御覧ください。
その直感的理解はAppendix(b)に少しだけ解説しておきます。

また今回、小話から始まります。
これを飛ばして「Faddeev-Popovの方法」から読んでいただいても、たぶん大丈夫です。
もちろん小話だけ読んで頂いても...

人類金太郎飴平面

20〇〇年、とうとう人類は地球外知的生命体Xとの通信に成功しました。
遠い星にいるので直接会うことは叶いませんが、データを送受信することはできます。
人類は様々なデータをXに送りました。

遠い星にいる宇宙人Xとのコンタクトに成功! 遠い星にいる宇宙人Xとのコンタクトに成功!

ある日Xから「人類全員の顔の画像を送ってほしい」と言われました。
そこで、宇宙担当大臣の進○郎さんは、「人類金太郎飴平面」を作るというアイディアを考えました。

進次○さんと典型的な金太郎飴 進次○さんと典型的な金太郎飴

「人類金太郎飴平面(以下人金面と略す)」とは、人類全員の"金太郎飴"を作り、それをならべて"平面"を作ったものです。

図3が人金面の図です。細長い方向を横にして、それぞれの人の金太郎飴を縦方向に並べます。顔が似た人は近いところに配置します。そしてこの"金太郎飴"は、普通のとは異なり、各断面の表情が違います。ある所で切れば笑顔、ある所では怒り顔、ある所では泣き顔のように、どんどん表情が変わります。

人金面の図 人金面の図

そして○次郎さんは、この人金面を以下のオレンジ色の線=笑顔の線で切り、その切断面の画像をXに送りました。

人金面:笑顔の切断面 人金面:笑顔の切断面

人金面の、表情軸に沿った情報は冗長です。笑顔も泣き顔も怒り顔も、どれであれ「その人」であることは変わりません。宇宙人の要求に応えるには、どれか1つの表情で十分です。

FPの方法と人金面の類似性

FPの方法でも同じようなことをします。

FPの方法...ゲージ場の汎関数空間を切断する FPの方法...ゲージ場の汎関数空間を切断する

人金面との類似性を保つため、ゲージ場Aの汎関数空間を離散化します(実際にはFPは連続極限での話です)。
Aの空間を「物理的に異なる配位」と「ゲージ変換」の軸で記述します。
(「物理的に異なる配位」とは、すなわち「ゲージ変換で結びつかない配位」のことです)
そして物理的に異なる配位の足をi、ゲージ変換の足をθとします。
これによりゲージ場AA(i)θとラベルします。
また、各iにおけるオレンジの線でのA(i)θの切断面をA~(i)θとします。
すると、ゲージ不変な何らかの汎関数fの汎関数空間での和(〜汎関数積分)は
{A}f(A)=θif(A~(i)θ)Δi
と書けます。ここでΔiA(i)における切断面の傾きを補正するファクターです。また実際のFPの方法では、切断面をデルタ関数で指定します。

和の中はθの依存性のないように書くことができます(次の章で述べます)。よってθの和がくくりだせます。この和は冗長だし、そして発散しています。あとはこれを捨てるなりなんなりすればよいです。

これがFPの方法の精神です。

Faddeev-Popovの方法

FPの方法を述べます。以下Yang-Mills理論における分配関数
DAexp(iS)
を考えます。この量に馴染みの無い方は、Appendix(a-1)を御覧ください。またDAの意味は参考文献、ネット上の記事、またはAppendix(b)をご参照ください。

ゲージ場の汎関数積分を、ゲージ変換方向と、物理的に異なる状態に分解するため、その分け方(=図5のオレンジの曲線)をデルタ関数δ(F(Aθ))で指定します:
(1)DAexp(S)DθDAθ δ(F(Aθ))exp(S)
Aθ(x)A(x)U(θ)=exp(igθ(x))によりゲージ変換した量で
Aθ=igUμU1+UAμU1
です。ここで課した条件F(Aθ)=0は、すなわちゲージ固定条件です。

このままだとEq.(1)の矢印の左右の式はイコールではありません。等しくするためには、Jacobianをかける必要があります。これは、図5で言えば、オレンジの曲線が物理的に異なる状態を横切る角度の違いを調整するファクターです。
次の公式

デルタ関数とJacobian

ΔF(A)Dθδ(F(Aθ))=1
ただしd
ΔF(A)=|detMab(x,y)|,Mab(x,y)=δFa(Aμθ(x))δθb(y)|θ=0 & F(A)=0

を用いて変形します。ここでΔF(A)がJacobianです。

改めて
DA exp(iS)

ΔF(A)Dθδ(F(Aθ)) (=1)
をかければ
DA exp(iS)=DθDAθ exp(iS)δ(Fθ)ΔF(A)
が成立します。

ここでDAはゲージ変換で不変:
DA=DAθ
です。またDθθのシフトに対し不変:D(θθ)=Dθです。
そしてΔF(A)もゲージ変換で不変です。なぜなら
(ΔF(Aϕ))1=Dθδ(F(Aθ+ϕ))=D(θϕ)δ(F(Aθ+ϕ))=D(θ)δ(F(Aθ))=(ΔF(A))1
だからです。さらにexp(iS)もゲージ不変です。よってAθAの変換を施せば
DAexp(S)=DθDA exp(S)δ(F)ΔF(A)
となります。

つぎにΔF(A)を計算します。ここでFとして、共変的な形
F=μAμaBa
を採用します。Baはなんらかの場です。
このとき
ΔF(A)=Det(Mab(x,y)),Mab(x,y)=μDbμaδ(yx)|F(A)=0
となります。

ΔF(A)の計算

Mab(x,y)を連鎖律を用いて
Mab(x,y)=dzδFa[Aθ(x)]δAθ(z)δAθ(z)δθb(y)=dzδFa[A(x)]δA(z)δAθ(z)δθb(y)
と書き直しておきます。
いま切断面は
Fa[A]=μAμaBa
で指定されるので
δFa[A(x)]δAc(z)=μδcaδ(xz)
です。また、δAθ(z)/δθb(y)は無限小変換が
AcθAc(z)+Dcμaθc+O(θ2)
なので
δAcθ(z)δθb(y)=Dbcδ(zy)
となります。ゆえに
Mab(x,y)=μDbμaδ(yx)|F(A)=0
です。

よって
ΔF(A)=Det(Mab(x,y)),Mab(x,y)=μDbμaδ(yx)|F(A)=0
です。

以上から

DA exp(iS)=DθDA Det(Mab(x,y))δ(AB)exp(iS),Mab(x,y)=μDbμaδ(yx)|F(A)=0

と書けます。

重要なのは、Dθ以外の部分
DA Det(Mab(x,y))δ(AB)exp(iS)
θ非依存なので、Dθが自明に積分できることです。この「ゲージ体積」をVとすれば
DA exp(iS)=VDA Det(Mab(x,y))δ(AB)exp(iS)
となります。
Vは発散しています。

これらの作業は結局

ゲージ固定により、各ゲージ軌道から物理的状態を1つとってくる。汎関数積分を、「物理的状態の切断面」の積分と、ゲージ変換方向の積分にわける。これによりゲージ体積をくくりだす

ということをしています。

このように変形したのは、単に便利な表式だからではありません。実はゲージ体積を外にくくりださないと、その無限大性のために、そもそも積分がきちんと定義されません。これは重要なことなのですが、本文に入れると話が長くなるため、Appendix(a)で言及します。

局所場の形で書き直す

ということでめでたしめでたし、と言いたいとこなのですが、この形だとまだ使いにくいです。

場の理論のスタンダードな計算方法は摂動論です。摂動論は、ある理論のHamiltonianを、すでに解けている部分(〜対角化可能な部分、無摂動部分)とそれ以外にわけ、「それ以外」の部分の影響が無摂動部分に対して小さいとして、展開を用いて近似的に計算する手法です。この手法が使えるためには、計算に必要なパーツがすべてLagrangian・Hamiltonianの形で書けていなければなりません。つまりはすべてのファクターを場の形に、かつできれば局所的な場の形に書き直すのが理想です。

そのために、両因子をexpの肩にのせます。すなわち
DAexp(iS)=VDA Det(Mab(x,y))δ(AB)exp(iS)=VDAexp(iS~)
のように、新たに生まれた因子をS~という形で作用に含めることを試みます。

δ(AB)に関しては
1=Dfexpid4x[12α(fa(x))2]
を用い、これをZにかけ、δ(AB)Bfと同一視し、fで汎関数積分します(分配関数はBに依存しないことに注意。分配関数は切断の仕方には依存しない。さらにBθAにも依存していない)。するとデルタ関数の部分は
expid4x(12α(μAμa)2)
になります。

一方(DetMab(x,y))に関しては
(DetMab(x,y))=DcDc¯expid4x(ic¯(x)aMab(x,y)cb(y))
と書けることを用います。ここでca,c¯aはGrassmann数であり、反可換であることに注意してください。この式は、Mを対角化してガウス積分するとMの固有値の積が現れ、これがDet(M)であることから証明できます(大変大雑把ですが...)。c,c¯が普通の数だと、上式左辺が(Det(M))1になってしまうことに注意してください。

このc,c¯をghost, anti-ghostと呼びます。

最終的に、FPの方法での分配関数は以下のように書けます:

Faddeev-Popovの方法における分配関数

DAexp(iS)=VDAexp(iS~),S~:=d4x (L12α(μAμa)2+ic¯aμDμbacb)

ということで、ゲージ体積をくくりだし、さらに新たに生じた因子を局所場の形で作用に取り込むことに成功しました。

まとめと次回(又はもう少し先)への布石

FPの方法を用いると、ゲージ固定やJacobianがすべてlocalな場の形でLagrangian・Hamiltonianに取り入れられ、摂動論で扱いやすくなりました。かつその構成も直感的にわかりやすく、それほど難しい計算もありません。

しかしながら、ちょっと疑問が残ります。

以前Diracの方法をYang-Mills(YM)理論に適用しました( ゲージ対称性とは何か(8):Yang-Mills理論とDiracの方法 参照のこと)。
そこで学んだことに「ゲージ固定は第1種拘束条件の数だけ必要」というのがありました。YMでは第1種拘束条件は2つあり
π0a=0, Dbiaπib=0
でした。そしてこれらに対応して2つのゲージ固定(たとえばA0a=0, iAia=0)を施しました。

対して、FPの方法を振り返ってみると、

  • Dbiaπib=0が課されていない
  • ゲージ固定が1つしか課されていない (μAμa=Baのみ)

ように思えます。

次回は(またはもう少し先)これらの"問題"

FPとDiracの方法との矛盾??

FPの方法では

  • Dbiaπib=0が課されていない
  • ゲージ固定が1つしか課されていない (μAμa=Baのみ)

ようにみえる

を解決したいと思います。

ちなみに結論を言ってしまえば、FPの方法はDiracの方法と無矛盾です。

おしまい。

☆次の記事: ゲージ対称性とは何か(12): Faddeev-Popovの方法とDiracの方法の整合性


Appendix(a): ゲージ体積をくくりだすことの必要性

議論の本質はU(1)ゲージ理論で尽きているので、以下U(1)の議論をします。

(a-1): 分配関数・生成汎関数

多くの素粒子実験では、粒子同士を衝突させ、そこから放出される粒子を調べます。検出器のどの場所に、どんな角度・運動量で、どんな粒子が入ってきたかという情報が大切です。
この情報はいわゆるS行列というもので記述されます。粒子同士の相互作用の切れた場を漸近場といいますが、S行列は、ある時刻tI(すべての粒子の相互作用が切れているとする)におけるある漸近場の状態αから、未来のある時刻tF(やはり相互作用は切れているとする)におけるある漸近場の状態βへの遷移振幅のことです:
Sβα=β,tF|α,tI
通常tI,tFはそれぞれ,+とします。

以下簡単のためスカラーボソン場ϕの系を考えます。
かなり話を省きますが、S行列はn点関数
G(n)(x1,x2,,xn):=ϕ(x1)ϕ(x2)ϕ(xn)
により計算することができます。ここでO(ϕ)
O(ϕ):=1NDϕ O(ϕ)exp(iS),N:=Dϕexp(iS)
のことです。
Dϕの意味するところはAppendix(b)でお話します)

n点関数は以下の生成汎関数と呼ばれる量
Z[J]:=1NDϕexp(iS+id4xJμϕμ)
から、これを外場Jで汎関数微分することで計算できます。次の式
ϕ(x1)ϕ(x2)ϕ(xn)=δδJ(x1)δδJ(x2)δδJ(xn)Z[J]|J=0
はすぐに確認できます。

上記のN
Dϕexp(iS)
は分配関数と呼ばれます。これは、無限の過去で真空だった状態が、無限の未来で真空になる遷移振幅です。

(a-2): U(1)ゲージ理論における生成汎関数とその問題点

場の量子論は本来はMinkowski空間における話なのですが、一方取り扱いが(比較的)正確にできるEuclid空間で議論することもよくあります。このパート(a-2)ではEuclid空間で議論します(Appendix(b)ではまたMinkowskiに戻ります)。

U(1)ゲージ理論の生成汎関数を計算します。
これは
Z[J]=1NDAexp[d4x(14FμνFμνJμAμ)]
と書けます。
ここで
Mμν=(μν2δμν)
とします。
14FμνFμν+JμAμ=12(AμJν(M1)μν)Mμρ(Aρ(M1)ρσJσ)+12Jμ(M1)μνJν
のようにexpの肩を平方完成し、AA~=AJ(M1)と変数変換すれば、経路積分を実行できて
Z[J]=1N(Det(M))1exp(d4x12Jμ(M1)μνJν)
となります。

しかしこの表式には問題があります。なぜならMがゼロ固有ベクトル
Mμννθ=(μν2δμν)νθ=0
θは任意関数)を持つので、Det(M)=0であり、逆がとれないからです。

このゼロ固有ベクトルの由来は、
MμνAν
にゲージ変換を施すと
Mμν(Aνieνθ)=MμνAν
となり不変になることによります。
つまりはゲージ変換の方向への汎関数積分がゼロ固有値の由来です。

これを避けるには、FPの方法のように、ゲージ固定を行い、ゲージ変換の積分をisolateさせることが必要です。

Appendix(b): 場の量子論における経路積分の直感的理解

ゲージ理論におけるn点関数

Aμa(x1)Aνb(x2)Aλe(xn)=1NDA Aμa(x1)Aνb(x2)Aλe(xn)exp(iS)

が何を意味するか以下見ていきます。

この表式の右辺の積分は
DA=xμadAaμ(x)
のことです。dAμa(x)は各x,a,μにおけるAμa(x)の通常の積分測度です。これはつまりはAμa(x)の汎関数積分です。

汎関数積分を直感的に理解するには、汎関数の空間を離散化するのがいいです。まず、連続的な時空点x=(t,x)を離散化します。またAの値域も離散化します。そのうえで、時空およびAの値域を有限区間に限れば、汎関数空間の自由度が有限になります。このようにして有限になったAの配位の集合を{A}とすると、経路積分は
DA{A}
と書けます。つまりは「可能なAの配位で和を取れ」というのが汎関数積分の意味です。
この議論は数学的には非常にいいかげんだと思うのですが、ご容赦ください。

改めて上記のn点関数が何かということを考えてみると

Aμa(x1)Aνb(x2)Aλe(xn)を、exp(iS)=exp(id4xL)という位相をかけて、可能な配位{A}に関して和をとった量

です。 これは言い換えると

Aを確率変数、exp(iS(A))をその"分布"とするとき
O(A)=DAO(A)exp(iS(A))
は"Oの期待値"である。
n点関数はO=Aμa(x1)Aνb(x2)Aλe(xn)の"期待値"

とも言えます。ただし、exp(iS(A))は絶対値1の複素数であって(S(A)はふつうは実数)、確率とは解釈できないですが、類似性があります。ちなみに、Minkowski空間からEuclid空間に移ると
exp(iS)Euclidexp(SE)  (SE0)
と書くことができて、Oは本当の期待値と解釈できます(特殊な系ではSEが複素数になることがありますが、例外的です)。すなわちEuclid空間での場の量子論は、統計力学系とみなせます。

このように、経路の積分(=汎関数積分、様々な場の配位による和)により、量子力学的な確率を理論に取り込むのが「経路積分法」です。

n点関数の物理的な描像は、ゲージ群のadjointの足およびLorentzの足が(a,μ),(b,ν),,(e,λ)である光子が、それぞれx1,x2,,xnで見いだされる確率振幅です(図6)。大きな斜線つきの丸は、可能な任意の相互作用を表します。

n点関数の物理的な描像 n点関数の物理的な描像

参考文献

[1]
N. Vandersickel and D. Zwanziger, The Gribov problem and QCD dynamics, arXiv:1202.1491v2 [hep-th], 2012
[2]
T-P. Cheng and L-F Li, Gauge theory of elementary particle physics, Oxford University Press, 1984
[3]
九後 汰一郎, ゲージ場の量子論 I, 新物理学シリーズ23, 培風館, 1989
投稿日:2022220
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  7. (a-1): 分配関数・生成汎関数
  8. (a-2): U(1)ゲージ理論における生成汎関数とその問題点
  9. Appendix(b): 場の量子論における経路積分の直感的理解
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