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大学数学基礎解説
文献あり

走る結合定数の計算(4/5): Yang-Mills理論におけるくりこみの具体的な計算

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更新履歴

16Aug.2022: 「まとめ」の章のZgの表式が間違っていました。 Zg=Z~1/(Z~3Z31/2)が正しいです(1/2乗が抜けてました)。


★ 本記事は 走る結合定数の計算(3/5):摂動計算に関する数学公式集 の続きです。
★ 本記事で用いる表記の規約に関しては 走る結合定数の計算(2/5):Yang-Mills理論のくりこみ の冒頭をご参照ください。
★ 本記事はRef.[1]を元に書かれています。
★ 計算の正しさについて: 各くりこみ定数はRef.[1]の結果と一致しています。細かい計算に関しては文献との比較はしておりませんのでご了承ください。
★ 計算の一部は、微分幾何学におけるテンソル算のMathematicaライブラリ xAct 、および場の量子論計算用Mathematicaライブラリ FeynCalc (Ref.[2-4])を使用しています。
★ 「公式」とは基本的に 前回記事 の公式を指します

はじめに

Yang-Mills(YM)理論における走る結合定数の計算の第4回です。

今回は具体的な計算を実行します。前々回の記事のFeynman則、および前回の記事で示した公式を使いますので、適宜参照してください。Feynman則は本記事のAppendixにも掲載しておきます。

計算の概要

第2回で述べたとおり、走る結合定数の計算には、結合定数の繰り込み定数Zgが必要になります。本記事の目的は
Zgを計算すること」
です。

これを計算する方法は4つほどありますが、そのうち

Zg=Z~1/(Z~3Z31/2)
ただし
Z3: gluonの2点1PI頂点関数のくりこみ定数
Z~3: ghostの2点1PI頂点関数のくりこみ定数
Z~1: ghost-ghost-gluon3点1PI頂点関数のくりこみ定数

を用います。ここで改めて用語を説明しおくと

  • n点関数: n本の外線(外に出ている線)を持つダイアグラム
  • 1PI(one particle irreducible、1粒子既約)ダイアグラム: 内線(外線ではない線)を切っても2つの部分に分かれないダイアグラム
  • 頂点関数: 外線をもぎとったダイアグラム(vertex因子は残しておく)

です。よって、たとえば「ghost-ghost-gluon3点1PI頂点関数」とは 「ghostの外線が2つ、gluonの外線がひとつ出ている1PIダイアグラムから外線をもぎとったダイアグラム」です。

本記事ではg2のオーダーでZgを評価します。これに必要な1PI頂点関数を図1に示します:

結合定数の2次のオーダーで!FORMULA[12][223586355][0]の決定に必要なダイアグラム 結合定数の2次のオーダーでZg=Z~1/(Z~3Z31/2)の決定に必要なダイアグラム

上から

  • Z3を決定するために評価するダイアグラム=gluonの2点1PI頂点関数
  • Z~3を決定するために評価するダイアグラム=ghostの2点1PI頂点関数
  • Z~1を決定するために評価するダイアグラム=ghost-ghost-gluon3点1PI頂点関数

です。

Z3,Z~3,Z~1はcounter termに含まれています。これらのくりこみ定数は、ダイアグラムの発散部分を打ち消すように決定します。よって、上記のダイアグラムの発散部分を計算することが、本記事の主な作業になります。発散部分の除去には任意性がありますが、ここでは発散部分のみを打ち消す"minimal subtraction (MS) scheme"によりくりこみ定数を決定します。

Z3の評価: gluonの2点1PI頂点関数のくりこみ定数の計算

!FORMULA[18][36407149][0]のオーダーにおけるgluon 2点1PI頂点関数 g2のオーダーにおけるgluon 2点1PI頂点関数

Z3を決定するため、図2のダイアグラムを計算していきます。

Ghost loop contribution

ghost loop ghost loop

まずは簡単な図3のghost loopのダイアグラムΠGhμνabから計算します。図の水色の文字と矢印は、4元運動量とその方向です。運動量保存則はvertexごとにすでに課されています。a,b,c等アルファベットはゲージ群のindex、μ,ν,ρ等ギリシャ文字はLorentzのindexです。

図3はFeynman則より
ΠGhμνab=dDq(2π)Diδde1q2δcf1(kq)2(ig)facdqμ(ig)fbef(qk)ν=gr2facdfbdcdDq(2π)Di1q21(kq)2qμ(qk)ν
となります。すでに次元正則化が施してあり、またiϵは省略しています。結合定数がくりこまれた結合定数grなのは、ダイアグラムの計算はrenormalizedなパラメータを伴ったLagrangianで行い、その発散をcounter termで除去する(第1回・第2回の記事参照のこと)ためです。

前回示した公式15を使うとこの計算はすぐできるのですが、このダイアグラムのみ計算過程を示しておきます。この積分は以下のように計算されます:

ダイアグラムの計算過程

dDq(2π)Di1q21(kq)2qμ(qk)ν

  1. 分母をまとめる:
    =dxdDq(2π)Diqμqνqμkν(xq2+(1x)(kq)2)2=01dxdDq~(2π)Di(P+q~)μ(P+q~)νkν(P+q~)μ(Δq~2)2    (q~:=qP, P:=k(1x), Δ:=k2x(1x))

  2. 対称性を用いて被積分関数をq~2の関数にする:
    =01dxdDq~(2π)Digμνq~2/D+PμPνPμkν(Δq~2)2

  3. Wick rotationを施す:
    =01dxdDqE(2π)DgμνqE2/D+PμPνPμkν(Δ+qE2)2=01dx (PμPνPμkν)dDqE(2π)D1(Δ+qE2)21Dgμν01dx dDqE(2π)DqE2(Δ+qE2)2

  4. 極座標にして積分を実行する:
    =01dx (PμPνPμkν)Γ(2D/2)(4π)D/2Γ(2)ΔD/221Dgμν01dx D2Γ(2D/21)(4π)D/2Γ(2)ΔD/22+1=1(4π)D/2[Γ(2D/2)(k2)D/22kμkν01dx xD/21(1x)D/2112gμνΓ(2D/21)(k2)D/2101xD/21(1x)D/21]

  5. B関数で書き直す:
    =1(4π)D/2(k2)D/22Γ(2D/2)B(D/2,D/2)[kμkν+12gμνk211D/2]=(4π)(2ϵ)(k2)ϵΓ(ϵ)B(2ϵ,2ϵ)11ϵ[12gμνk2+(1ϵ)kμkν]    (D=42ϵ)

これを前回の記事で定義した
P(k2,ϵ):=(4π)(2ϵ)(k2)ϵΓ(ϵ)B(2ϵ,2ϵ)32ϵ1ϵ
で書き下せば、最終的に
(1)dDq(2π)Di1q21(kq)2qμ(qk)ν=P(k2,ϵ)32ϵ(12k2gμν+(1ϵ)kμkν)
を得ます。これにgr2facdfbdc=gr2δabCG  (CG:=N)をかけるとΠGhμνabになります。

以上より図3のダイアグラムの寄与は以下です:

ΠGhμνab=gr2δabCGP(k2,ϵ)32ϵ(12k2gμν+(1ϵ)kμkν)

一方で、公式15を使うと
dDq(2π)Di1q21(kq)2qμ(qk)ν=dDq(2π)Diqμqνq2(kq)2kνdDq(2π)Diqμq2(kq)2=dDq(2π)Diqμqνq2(k+q)2+kνdDq(2π)Diqμq2(k+q)2=M(1,1;qμqν)+kνM(1,1;qμ)=132ϵ(12k2gμν(2ϵ)kμkν)P(k2,ϵ)+kν(kμP(k2,ϵ))=Eq.(1)
になり、上記計算と一致します。

Gluon tadpole loop contribution

tadpole loop tadpole loop

図4のダイアグラムΠTμνabはtadpole loopと呼ばれます。Feynman則より
ΠTμνab(q)=12!dDq(2π)Di(g2)Wμνρσabcdδcdq2dρσ(q)
です。ここで1/2!のファクターは対称因子と呼ばれるものです。これは他のダイアグラムとの相対的な重みを調整するファクターですが、ここでは詳しい説明はしません。

ちょっとした計算ののち、
ΠTμνab(k)=gr22dDq(2π)DiδabCG1q2{(D1)gμν(1αr)(gμνqμqνq2)}
であることがわかります。公式5の2.より
dDq(2π)Di1q2qμqνq2=gμνDdDq(2π)Di1q2,
です。よってΠTμνab(k)dDq(2π)Di1q2に比例しますが、これは公式6よりゼロです。よって

ΠTμνab(q)=0.

Gluon loop

gluon loop gluon loop

図5のダイアグラムΠGμνabを計算します。Feynman則より
ΠGμνab=12!dDq(2π)Di(i)grfacdVμλρ(k,q+k,q)dλκ(q+k)(q+k)2dρσ(q)q2(i)grfbdcVνσκ(k,q,qk)=gr22facdfbcddDq(2π)Di1q2(q+k)2F(q,k)
を得ます。1/2!は対称因子です。
F(q,k)は以下の項からなります。:

  • gμνに比例する項の係数:
    5k2+2kq+2q2+1αr(q+k)2((k2)2+2k2q2(q2)2)+1αrq2(4(kq)24(kq)q2(q2)2)

  • kμkνに比例する項の係数:
    6+D+1αr(k+q)2(k22q2)(1αr)+(kq)2(k+q)2q2(1αr)2

  • (qμkν+qνkμ)に比例する項の係数:
    3+2D+1αr(k+q)2kq+1αrq2(3kq+q2)k2(kq)(k+q)2q2(1αr)2

  • qμqνに比例する項の係数:
    6+4D1αr(k+q)2(2k2q2)+1αrq2(2k2+(k+q)2)+(1αr)2(k+q)2q2(k2)2

上の表式において下線が引いてある項は、前回の公式5・6により消えます。

上記積分の計算を進めます:
ΠGμνab=gr22facdfbcd[dDq(2π)Digμνq2(q+k)2(5k2+2kq(1αr)(q+k)2(k2)24(1αr)q2(kq)24(kq)(1αr))+dDq(2π)Dikμkνq2(q+k)2((6+D)+(1αr)(k+q)2k2(1αr)+(kq)2(k+q)2q2(1αr)2)+dDq(2π)Diqμkν+qνkμq2(q+k)2((3+2D)+(1αr)(k+q)2kq+(1αr)q23kq+(1αr)k2(kq)(k+q)2q2(1αr)2)+dDq(2π)Diqμqμq2(q+k)2((6+4D)(1αr)(q+k)22k21αrq22k2+(1αr)2(q+k)2q2(k2)2)]

これを公式15で示したMで書き直し、その後P(k2,ϵ)に比例した形にします:
=gr22facdfbcd×[gμν{5k2M(1,1;q0)+2kρM(1,1;qρ)(1αr)(k2)2M(1,2;q0)4(1αr)kρkσM(2,1;qρqσ)4kρ(1αr)M(1,1;qρ)}+kμkν{(6+D)M(1,1;q0)+(1αr)k2M(1,2;q0)(1αr)M(1,1;q0)+(1αr)2kρkσM(2,2;qρqσ)}+{(3+2D)M(1,1;Lμν)+(1αr)kρM(1,2;qρLμν)+3(1αr)kρM(2,1;qρLμν)+(1αr)M(1,1;Lμν)k2(1αr)2kρM(2,2;qρLμν)}+{(6+4D)M(1,1;qμqν)2k2(1αr)M(1,2;qμqν)2k2(1αr)M(2,1;qμqν)+(1αr)2(k2)2M(2,2;qμqν)}]=gr22facdfbcd[M(1,1;q0)(5k2gμν+((6+D)(1αr))kμkν)+M(1,1;qρ)(24(1αr))gμνkρ+M(1,1;Lμν)((3+2D)+(1αr))+M(1,2;q0)(gμν(1αr)(k2)2+kμkν(1αr)k2)4(1αr)gμνkρkσM(2,1;qρqσ)r+3(1αr)kρM(2,1;qρLμν)2k2(1αr)M(2,1;qμqν)+kμkν(1αr)2kρkσM(2,2;qρqσ)k2(1αr)2kρM(2,2;qρLμν)+(1αr)2(k2)2M(2,2;qμqν)+(1αr)kρM(1,2;qρLμν)2k2(1αr)M(1,2;qμqν)+(6+4D)M(1,1;qμqν)]=gr22facdfbcdP(k2,ϵ)×[2(5k2gμν+((6+D)(1αr))kμkν)(24(1αr))gμνkρkρ((3+2D)+(1αr))(kμkν+kνkμ)+(gμν(1αr)(k2)2+kμkν(1αr)k2)2(12ϵ)1k24(1αr)gμνkρkσ1k2{12k2gρσ+ϵkρkσ}+3(1αr)kρ1k2{(12k2gρμ+ϵkρkμ)kν+(12k2gρν+ϵkρkν)kμ}2k2(1αr)1k2{12k2gμν+ϵkμkν}+kμkν(1αr)2kρkσ1(k2)2{ϵk2gρσ2kρkσ(1ϵ)(1+ϵ)}k2(1αr)2kρ1(k2)2{(ϵk2gρμ2kρkμ(1ϵ)(1+ϵ))kν+(ϵk2gρν2kρkν(1ϵ)(1+ϵ))kμ}+(1αr)2(k2)21(k2)2{ϵk2gμν2kμkν(1ϵ)(1+ϵ)}+(1αr)kρ1k2{(12k2gρμ(2ϵ)kρkμ)kν+(12k2gρν(2ϵ)kρkν)kμ}2k2(1αr)1k2{(12k2gμν(2ϵ)kμkν)}+(6+4D)132ϵ{12k2gμν(2ϵ)kμkν}]

まとめると以下を得ます:

ΠGμνab=gr22NδabP(k2,ϵ)32ϵ[gμνk2{(1912ϵ)+2(14ϵ)(32ϵ)(1αr)+ϵ(32ϵ)(1αr)2}+kμkν{2(117ϵ)2(14ϵ)(32ϵ)(1αr)(32ϵ)ϵ(1αr)2}]

Quark loop contribution

quark loop quark loop

図6ΠFμνabの計算は少し特殊です。quarkの入ったダイアグラムの計算は、そのpropagatorの形が
1mγq
のように分母が運動量の1次であること、またガンマ行列が存在することから、gluonのようなBosonの計算とは少し異なります。ここで1mγqとは、分母の行列の逆行列:(mγq)1のことです。この表記は便利で、以下のような"分母の有理化"が正当化されます:
1mγq×m+γqm+γq=m+γq(mγq)(m+γq)=m+γqm2(γq)2=m+γqm2q2      ({γμ,γν}=2gμν)
こうすると、形式的に分母の行列が"払えて"、逆行列が計算できます。

Feynman則より、計算すべき式は以下になります:
NfdDp(2π)Ditr[grγμTa1mrγ(k+p)grγνTb1mrγp]

Nfはquarkのflavor数()Ta,Tbはゲージ群のSU(N)のgeneratorです。上式のtrは、ゲージ群のファクターだけではなく、Dirac行列のそれも含みます(空間としては直積なので、それぞれ別に計算してかければいいです)。Dirac行列のtrに関しては公式17を使うと以下を得ます: 
=Nftr(TaTb)gr2dDp(2π)Di4{gμνmr2+(kμpν+kνpμ)+2pμpνgμνp2gμνkp}(mr2(k+p)2)(mr2p2)

あとは他のダイアグラムと同じように計算すればよいです:

ΠFμνab(k)=Nftr(TaTb)gr201dDp~(2π)Di4{gμν[mr2+x(1x)k2+(2/D1)p~2]2x(1x)kμkν}(p~2+M)2=Nftr(TaTb)gr201dx(4π)ϵ2(M)ϵΓ(ϵ)×{4i(gμν(mr2+x(1x)k2)2x(1x)kμkν)+4gμν(12ϵ1)(12(42ϵ)M)(11ϵ)}=8gr2NfδabTR(4π)ϵ2Γ(ϵ)(k2gμνkμkν)01dx x(1x)Mϵ

ここで
M=mr2xk2(1x),  p~=p+kx,  TR=1/2
です。

以上より

ΠFμνab(k)=8gr2NfδabTR(4π)ϵ2Γ(ϵ)(k2gμνkμkν)01dx x(1x)Mϵ

Counter term

counter term counter term

Counter termは以下:

ΠCμνab(k)=(Z31)δab(kμkνk2gμν)

Z3の決定

図2の寄与を全て足し合わせると、以下のようになります:
ΠGhμνab+ΠTμνab+ΠGμνab+ΠFμνab+ΠCμνab=     gr2δabCG132ϵ(12k2gμν+(1ϵ)kμkν)P(k2,ϵ)+0+gr22CGδabP(k2,ϵ)32ϵ[gμνk2{(1912ϵ)+2(14ϵ)(32ϵ)(1αr)+ϵ(32ϵ)(1αr)2}+kμkν{2(117ϵ)2(14ϵ)(32ϵ)(1αr)(32ϵ)ϵ(1αr)2}]8gr2NfδabTR(4π)ϵ2Γ(ϵ)(k2gμνkμkν)01dx x(1x)Mϵ+(Z31)δab(kμkνk2gμν)

ただしM=m2xk2(1x)であり、xに依存していることに注意。まとめると
gr22CGδabP(k2,ϵ)32ϵ(gμνk2kμkν){(2012ϵ)+2(14ϵ)(32ϵ)(1αr)+ϵ(32ϵ)(1αr)2}8g2NfδabTR(4π)ϵ2Γ(ϵ)(k2gμνkμkν)01dx x(1x)Mϵ+(Z31)δab(kμkνk2gμν)

となります。

次にこの結果をϵでLaurent展開します。ところで、 前回の記事 に書いたように、次元正則化ではgは質量次元ϵを持ちます。そこで、ϵで展開したのち、grを次元なしの結合定数gR: gR=grϵϵで書き直すことにします。書き直しは単純で、grgRにすればよいです。なぜなら、以降の計算に現れる最も強い発散項は1/ϵであり、このオーダーではgR=grμϵgr(1ln(μ)ϵ+)O(ϵ)の項は効かないからです()。同時にϵでの展開ののち、αrαR  (αR=αr)とします。

上記表式をϵで展開し、1/ϵの項を拾うと(およびgrgR, αrαRとする)

gR2(4π)2δab(k2gμνkμkν){43NfTR+12CG(133αR)}1ϵ+(Z31)δab(kμkνk2gμν)
になります。これがゼロになるようにZ3を決めると(minimal subtraction (MS) scheme)

(Z3)Z3=1+gR2(4π)2{43NfTR+12CG(133αR)}1ϵ+O(gR4,ϵ0)

を得ます。

Z~3の評価: ghostの2点1PI頂点関数のくりこみ定数の計算

!FORMULA[108][36407149][0]のオーダーにおけるghost 2点1PI頂点関数のダイアグラム g2のオーダーにおけるghost 2点1PI頂点関数のダイアグラム

次に図8のghostの2点1PI頂点関数を計算します。これは簡単です。

Ghost self energy

ghost self energy ghost self energy

Feynman則より図9のghost self energyΠ~abの寄与は以下のように書けます:
Π~ab(k)=dDq(2π)Di1(k+q)2kμ(igrfcad)(igrfcdb)(k+q)νdμν(q2)q2=gr2fcadfcdbdDq(2π)Di1q2(k+q)2(k(k+q)(1αr)((kq)2q2+(kq)))
公式15におけるMで書き直せば
=gr2fcadfcdb{k2M(1,1;1)(1αr)kμkνM(2,1;qμqν)+αrkμM(1,1;qμ)}
となります。

公式15を使い

Π~ab(k)=gr2δabCGk2P(k2,ϵ)[1+(1αr)(12ϵ)]

を得ます。

Counter term

counter term counter term

図10のcounter termは以下:

(Z~31)δabk2

Z~3の決定

ϵで展開し、1/ϵの部分を抜き出せば、Π~ab(k)+counter termは
12gR2(4π)2CG1ϵ(1+1αR2)δabk2+(Z~31)δabk2
となります。ゆえにMS schemeでZ~3を決定すれば

(Z~3)Z~3=1+12gR2(4π)2CG1ϵ(1+1αR2)O(gR4,ϵ0)

となります。

Z~1の評価: ghost-ghost-gluon3点1PI頂点関数のくりこみ定数の計算

!FORMULA[123][36407149][0]のオーダーにおけるghost-ghost-gluon 3点1PI頂点関数のダイアグラム g2のオーダーにおけるghost-ghost-gluon 3点1PI頂点関数のダイアグラム

最後に図11のghost-ghost-gluon 3点1PI頂点関数を計算します。

1つめのダイアグラム

1つめのダイアグラム。propagatorの両端のゲージ群のindexはデルタ関数により一致することを考慮している 1つめのダイアグラム。propagatorの両端のゲージ群のindexはデルタ関数により一致することを考慮している

図12のダイアグラムΛ~1μabcは以下の式になります:
Λ~1μabc(k,p,r)=(igr)3ffbdffhcfadhdDq(2π)Di1(p+q)2dνρ(q)q21(r+q)2pν(r+q)ρ(p+q)μ
ゲージ群のファクターを計算し、整理すれば
(2)=igr3CG2fabcdDq(2π)Di(p(r+q))(p+q)μ(1αr)(qp)(qr/q2+1)(p+q)μq2(p+q)2(q+r)2
となります。

ここではΛ~1μabcの発散する部分のみ計算します。
Λ~1μabc(k,p,r)を計算するのに必要な積分は以下:
dDq(2π)Di1q2(p+q)2(q+r)2dDq(2π)Diqμq2(p+q)2(q+r)2dDq(2π)Diqμqνq2(p+q)2(q+r)2dDq(2π)Diqμqνq4(p+q)2(q+r)2dDq(2π)Diqμqνqρq4(p+q)2(q+r)2
このうちD=4においてqが大きいとき発散するのは★のみ(qが大きいとき被積分関数は1/q4。ほかは1/q5またはそれより早く0になる)。よって発散項のみ計算するなら★を評価するだけでよいです。
(Appendixには上記5つの積分の計算結果を示しておきます)

分母をまとめたのち、公式12を用いて計算すると
dDq(2π)Diqμqνq2(p+q)2(q+r)2=01dx01dyy(4π)D/2[Γ(3D/2)PμPνLD/2312gμνΓ(2D/2)LD/22]L:=(pxypy+ryr)2+p2xyp2y+r2yr2
このうちD4で発散するのは右辺第2項のみなので、これを抜き出します:
12gμν(4π)D/2Γ(2D/2)01dxdy y LD/22=12gμν(4π)2ϵΓ(ϵ)01dxdy y Lϵ
ここでは発散項、つまり1/ϵに比例する項のみ評価したいので、Γ(ϵ)=1/ϵ+O(ϵ0)とし、他の部分のϵはゼロにして
gμν41(4π)21ϵ+O(ϵ0)
を得ます。
Eq.(2)における★の係数はigr3CG2fabcαrpνなので、最終的に

Λ~1μabc(k,p,r)|div=igRCG2fabcpμgR24αR(4π)21ϵ

となります。ここで|divの発散部(divergent part)を表します。

2つめのダイアグラム

2つめのダイアグラム。図12と同様、propagatorの両端のゲージ群のindexは一致させている 2つめのダイアグラム。図12と同様、propagatorの両端のゲージ群のindexは一致させている

図13のダイアグラムはFeynman則より以下のようになります:
Λ~2μabc(k,p,r)=igr3fbfdfceffadedDq(2π)DiPσ(r+q)λVμνρ(k,qk,q)dσν(kq)dλρ(q)(r+q)2(kq)2q2

このダイアグラムも発散部のみ計算することにします。
次の記号を定義します:
L(a,b,c;x):=dDq(2π)Dixqa(kq)b(r+q)c
この記号を使って上記積分を書きなおすと、以下のようになります:
Λ~2μabc(k,p,r)=igr3fbfdfceffade×{L[2,2,1;(1αr)2(qr)(p(kq))(qν(k2gμνkμkν)]+L[1,2,1;(1αr)(p(kq)){kμ(αr(kq)+kr)+qμ(αrk2+qr)+k2rμ}]+L[1,1,1;kμ(p(αrq+r))+qμ(p(αrk+αrq+2r))+pμ(2αr(kq)+2(kr)αr(qr))rμ(p(k+q))]+L[2,1,1;(1αr)(qr){2pμ(kq)+qμ(p(kq))+kμ(pq)}]+L[0,2,1;(1αr)rμp(kq)]+L[0,1,1;αrpμ]}
これを計算するには、以下の積分が求まればよいです:
L(2,2,1;qμ),L(2,2,1;qμqν),L(2,2,1;qμqνqρ),L(1,2,1;1),L(1,2,1;qμ),L(1,2,1;qμqν),L(1,2,1;qμqνqρ)L(1,1,1;1),L(1,1,1;qμ),L(1,1,1;qμqν),L(2,1,1;qμqν),L(2,1,1;qμqνqρ),L(0,2,1;1),L(0,2,1;qμ),L(0,1,1;1)

発散項は、分母のqの次数から分子のqの次数を引いて4以下の項です。それはL(1,1,1;qμqν)L(0,1,1;1)です。これらの項を取り出し、分母をまとめてから公式12を使うと以下のようになります(Appendixには上記15コ全ての積分の計算結果を示しておきます):
Λ~2μabc(k,p,r)|div=igr3fbfdfceffadedDq(2π)Di{αrpμ(qk)2(q+r)2+αrpνqμqνq2(qk)2(q+r)2}|div=igr3fbfdfceffade{αrpμ×Γ(ϵ)(4π)2ϵ01dxL011ϵ+αrpν×12(4π)2ϵgμνΓ(ϵ)01dxdy y L111ϵ}|div=igR3fbfdfceffade(αRpμ1(4π)21ϵ+αRpμ14(4π)21ϵ)=iαRgR3fbfdfceffadepμ1(4π)2341ϵ=igRfabcpμgR2(4π)2CG3αR8ϵ

よって

Λ~2μabc(k,p,r)|div=igRfabcpμgR2(4π)2CG3αR8ϵ

を得ます。

counter term

counter term counter term

counter termは以下

(Z~11)(i)gRfabcpμ

Z~1の決定

以上より、図11のダイアグラムの発散部分は以下のように評価できます:
Λ~1μabc+Λ~2μabc+counter term=igRfabcpμCG2gR24αR(4π)21ϵigRfabcpμgR2(4π)2CG3αR8ϵ+(Z~11)(igR)fabcpμ

MS schemeでZ~1を決定すると

(Z~1)Z~1=1gR2(4π)2CGαR2ϵ+O(gR4,ϵ0)

Zgの計算

以上でZ~3,Z3,Z~1の計算が終わりました。Eq.(Z3)、(Z~3)、(Z~1)より、
Zg=Z~1/(Z~3Z31/2)
gR2のオーダーで計算すると
Zg=(1gR2(4π)2CGαR2ϵ)(1+12gR2(4π)2CG(1+1αR2)1ϵ)1(1+gR2(4π)2{43NFTR+12CG(133αR)}1ϵ)1/2+O(gR4,ϵ0)=1gR2(4π)21ϵ16(11CG4TRNf)+O(gR4,ϵ0)
となります。

まとめ

今回は結合定数に関するくりこみ定数Zg
Zg=Z~1/(Z~3Z31/2)
Z3: gluonの2点1PI頂点関数のくりこみ定数
Z~3: ghostの2点1PI頂点関数のくりこみ定数
Z~1: ghost-ghost-gluon3点1PI頂点関数のくりこみ定数

により計算しました。

結果をまとめると以下のようになります:

gR2のオーダーにおけるZg

{Z3=1+gR2(4π)2{43NfTR+12CG(133αR)}1ϵ+O(gR4,ϵ0),Z~3=1+12gR2(4π)2CG(1+1αR2)1ϵ+O(gR4,ϵ0),Z~1=1gR2(4π)2CGαR2ϵ+O(gR4,ϵ0),Zg=Z~1/(Z~3Z31/2)=1gR2(4π)216(11CG4TRNf)1ϵ+O(gR4,ϵ0)

次回はこのZgを用いて、走る結合定数gR(μ)の計算を行います。

おしまい。


次の記事: 走る結合定数の計算(5/5): 結合定数のrunningの決定・漸近的自由性



() flavorとは、u,d,s,c,b,tという6つのquarkの種類を指します。ただしNfは必ずしも6を使うのではなく、理論や実験のエネルギースケールに応じて数を変化させます。それぞれの粒子の質量はeVを単位にして
u: 2-3MeV, d: 4-5MeV, s: 100MeV, c: 1.3GeV, b:4GeV, t: 173GeV
程度です。結合定数を測るエネルギースケールより重いquarkは基本的に無視します。走る結合定数(running coupling constant)に関しては Particle Daga Group (PDG)のQCDに関する記述 に詳しいです。
() 実は、MS schemeでは、任意のgRのオーダーにおいてくりこみ定数は顕わなμ依存性を持ちません。gRを通してのみμに依存します(例えばRef.[1]P188参照のこと)。

Appendix

Feynman則

以下に本記事で用いたFeynman則を記しておきます。Ref.[1]のFeynman則を採用しています。青字がダイアグラムに対応する式です。

  1. Propagator
    PropagatorのFeynman則 PropagatorのFeynman則

  2. Vertex。運動量保存則を各vertexに課すことに注意。

    VertexのFeynman則。上図がgluon、下図がghost-gluonおよびquark-gluon vertex。各vertexで運動量保存則を課す VertexのFeynman則。上図がgluon、下図がghost-gluonおよびquark-gluon vertex。各vertexで運動量保存則を課す

  3. ループ積分

    ループ積分因子 ループ積分因子

  4. Counter terms

    Counter term Counter term

  5. 対称因子
    対称因子。上記2つのダイアグラム以外にこの因子は現れない。 対称因子。上記2つのダイアグラム以外にこの因子は現れない。

Λ~1の計算に現れる積分

本文では発散項に必要な積分のみ計算しました。
ここでは、Λ~1の計算に現れるすべての積分を評価しておきます:

  • dDq(2π)Di1q2(p+q)2(q+r)2=Γ(3D/2)(4π)D/201dx01dy yLD/23, L:=P2+m2, P:=pxypy+ryr, m2:=p2xyp2y+r2yr2

  • dDq(2π)Diqμq2(p+q)2(q+r)2=Γ(3D/2)(4π)D/201dx01dy yPμLD/23

  • dDq(2π)Diqμqνq2(p+q)2(q+r)2=01dx01dy y1(4π)D/2[Γ(3D/2)PμPνLD/2312gμνΓ(2D/2)LD/22]

  • dDq(2π)Diqμqνq4(p+q)2(q+r)2=01dx01dy xy21(4π)D/2[Γ(4D/2)PμPνLD/2412gμνΓ(3D/2)LD/23]

  • dDq(2π)Diqμqνqρq4(p+q)2(q+r)2=01dx01dyxy2(4π)D/2[Γ(4D/2)PμPνPρLD/2412g(μνPρ)Γ(3D/2)LD/23]

Λ~2の計算に現れる積分

Λ~2の計算に現れる積分は以下です。L(a,b,c;x):=dDq(2π)Dix(q2)a{(kq)2}b{(q+r)2}cとします。

  • L(0,1,1;1):
    dDq(2π)Di1(kq)2(q+r)2=Γ(2D/2)(4π)D/201dxL011D/22(L011=P0112+m0112, P011=kx+rxr, m0112=k2x+r2xr2)

  • L(0,2,1;1):
    dDq(2π)Di1((kq)2)2(q+r)2=Γ(3D/2)(4π)D/201dx xL021D/23(L021=P2+m2=(k+r)2x(1x), P021=kx+rxr, m0212=k2x+r2xr2)

  • L(0,2,1;qμ)
    dDq(2π)Diqμ((kq)2)2(q+r)2=Γ(3D/2)(4π)D/201dx xP021μL021D/22

  • L(2,1,1;qμqν)
    dDq(2π)Diqμqν(q2)2(kq)2(q+r)2=1(4π)D/201dx01dy xy2[Γ(4D/2)P211μP211νL211D/2412gμνΓ(3D/2)L211D/23](L211=P2112+m2112, P211=(k+r)yrkxy, m2112=k2xy(k2r2)yr2)

  • L(2,1,1;qμqνqρ)
    dDq(2π)Diqμqνqρ(q2)2(kq)2(q+r)2=3!1(4π)D/2Γ(4)01dx01dy xy2[Γ(4D/2)P211μP211νP211ρL211D/2412g(μνP211ρ)Γ(3D/2)L211D/23]

  • L(1,2,1;1)
    dDq(2π)Di1q2((kq)2)2(q+r)2=3!Γ(4D/2)(4π)D/2Γ(4)01dx01dy xy2L121D/24(L121=P1212+m2, P121=kxy+ryr, m1212=k2xy+r2yr2)

  • L(1,2,1;qμ)
    dDq(2π)Diqμq2((kq)2)2(q+r)2=3!Γ(4D/2)(4π)D/2Γ(4)01dx01dy xy2P121μL121D/24

  • L(1,2,1;qμqν)
    dDq(2π)Diqμqνq2((kq)2)2(q+r)2=3!1(4π)D/2Γ(4)01dx01dy xy2[Γ(4D/2)P121μP121νL121D/2412gμνΓ(3D/2)L121D/23]

  • L(1,2,1;qμqνqρ)
    dDq(2π)Diqμqνqρq2((kq)2)2(q+r)2=3!1(4π)D/2Γ(4)01dx01dy xy2[Γ(4D/2)P121μP121νP121ρLD/2412g(μνP121ρ)Γ(3D/2)L121D/23]

  • L(2,2,1;qμ)
    dDq(2π)Diqμ(q2)2((kq)2)2(q+r)2=4!Γ(5D/2)(4π)D/2Γ(5)01dx01dy01dz zy2z3 P221μL221D/25(L221=P2212+m2212, P221=kxyz+(k+r)zr, m2212=k2xyz(k2t2)zr2)

  • L(2,2,1;qμqν)
    dDq(2π)Diqμqν(q2)2((kq)2)2(q+r)2=4!1(4π)D/2Γ(5)01dx01dy01dz xy2z3 [Γ(5D/2)P221μP221νL221D/2512gμνΓ(4D/2)L221D/24]

  • L(2,2,1;qμqνqρ)
    dDq(2π)Diqμqνqρ(q2)2((kq)2)2(q+r)2=4!(4π)D/2Γ(5)01dx01dy01dz xy2z3 [Γ(5D/2)P221μP221νP221ρLD/2512g(μνP221ρ)Γ(4D/2)L221D/24]

  • L(1,1,1;1)
    dDq(2π)Di1q2(kq)2(q+r)2=2Γ(3D/2)(4π)D/2Γ(3)01dx01dy yL111D/23(L111=P1112+m1112, P111=kxy+(k+r)yr, m1112=k2xy(k2r2)yr2)

  • L(1,1,1;qμ)
    dDq(2π)Diqμq2(kq)2(q+r)2=2Γ(3D/2)(4π)D/2Γ(3)01dx01dy y P111μL111D/23

  • L(1,1,1;qμqν)
    dDq(2π)Diqμqνq2(kq)2(q+r)2=21(4π)D/2Γ(3)01dx01dy y[Γ(3D/2)P111μP111νL111D/2312gμνΓ(2D/2)L111D/22]

参考文献

[1]
T. Muta, Foundation of Quantum Chromodynamics (Third edition), World Scientific Lecture Notes in Physics, World Scientific, 2009
[2]
R. Mertig, M. Böhm, and A. Denner, Feyn Calc - Computer-algebraic calculation of Feynman amplitudes, Comput. Phys. Commun., 64, 1991, pp.345-359・p.15
[3]
V. Shtabovenko, R. Mertig and F. Orellana, New Developments in FeynCalc 9.0, arXiv:1601.01167, 2016
[4]
V. Shtabovenko, R. Mertig and F. Orellana, FeynCalc 9.3: New features and improvements, arXiv:2001.04407, 2020
投稿日:2022814
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  1. はじめに
  2. 計算の概要
  3. $Z_3$の評価: gluonの2点1PI頂点関数のくりこみ定数の計算
  4. Ghost loop contribution
  5. Gluon tadpole loop contribution
  6. Gluon loop
  7. Quark loop contribution
  8. Counter term
  9. $Z_3$の決定
  10. $\tilde Z_3$の評価: ghostの2点1PI頂点関数のくりこみ定数の計算
  11. Ghost self energy
  12. Counter term
  13. $\tilde Z_3$の決定
  14. $\tilde Z_1$の評価: ghost-ghost-gluon3点1PI頂点関数のくりこみ定数の計算
  15. 1つめのダイアグラム
  16. 2つめのダイアグラム
  17. counter term
  18. $\tilde Z_1$の決定
  19. $Z_g$の計算
  20. まとめ
  21. Appendix
  22. Feynman則
  23. $\tilde \Lambda_1$の計算に現れる積分
  24. $\tilde \Lambda_2$の計算に現れる積分
  25. 参考文献