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大学数学基礎解説
文献あり

ζ’(1/2)/ζ(1/2) ゼータ関数のあまり知られていない特殊値

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定義

ディリクレのL関数

χを法Nの原始ディリクレ指標とする。

χ(1){1,1}

関数等式

a:=1χ(1)2
(πN)s2Γ(s+a2)L(s,χ)=G(χ)iaN(πN)1s2Γ(1s+a2)L(1s,χ)

χが法1の自明な指標である時、リーマンゼータ関数の関数等式そのものになります。
ディリクレのL関数(英語版Wikipedia) 特殊関数 グラフィックスライブラリー 、『 ディリクレのL関数の特殊値と関数等式 』より。

nN0
Re[(L(s,χ)L(s,χ))(2n)|s=12]=δn,02lnπN22n1ψ(2n)(2χ(1)4)Im[(L(s,χ)L(s,χ))(2n+1)|s=12]=0

関数等式を対数微分し移項すれば、
L(s,χ)L(s,χ)+L(1s,χ)L(1s,χ)=lnπN12(ψ(s+a2)+ψ(1s+a2))
k階微分してs=12を代入すれば、
(L(s,χ)L(s,χ))(k)|s=12+(1)k(L(s,χ)L(s,χ))(k)|s=12=δk,0lnπN[1+(1)k]2k1ψ(k)(2χ(1)4)
(L(s,χ)L(s,χ))(k)|s=12=(L(s,χ)L(s,χ))(k)|s=12であるため、
(L(s,χ)L(s,χ))(k)|s=12+(1)k(L(s,χ)L(s,χ))(k)|s=12=δk,0lnπN[1+(1)k]2k1ψ(k)(2χ(1)4)
Re z=z+z2,Im z=zz2を適用する。

n=0の時は、
ψ(2±14)=γ3ln2±π2であるため、
ReL(12,χ)L(12,χ)=12(lnπNψ(2χ(1)4))=12(γ+ln8πN)+χ(1)π4
n1の時は、
ψ(2n)(2±14)=22n1[2(22n+11)(2n)!ζ(2n+1)±|E2n|π2n+1]であるため、
Re[(L(s,χ)L(s,χ))(2n)|s=12]=22n1ψ(2n)(2χ(1)4)=(22n+11)(2n)!ζ(2n+1)2+χ(1)|E2n|π2n+14
χが法1の自明な指標の場合はL(s,χ)=ζ(s)なので、
ζ(12)ζ(12)=γ+ln(8π)2+π4(ζ(s)ζ(s))|s=12=7ζ(3)+π34(ζ(s)ζ(s))|s=12=372ζ(5)+5π54
となります。0階微分の値は英語版Wikipediaの
Particular values of the Riemann zeta function 』にも載っています。
ポリガンマ関数の特殊値: 英語版Wikipedia 、『 ポリガンマ関数の特殊値(1/2,1/4,3/4,1/3,2/3)

ラマヌジャンのL関数

関数等式

(2π)sΓ(s)L(s,τ)=(2π)12+sΓ(12s)L(12s,τ)

ラマヌジャンのL関数(英語版Wikipedia) 特殊関数 グラフィックスライブラリー より。

(L(s,τ)L(s,τ))(2n)|s=6=δn,0ln(2π)ψ(2n)(6)

関数等式を対数微分し移項すれば、
L(s,τ)L(s,τ)+L(12s,τ)L(12s,τ)=2ln(2π)ψ(s)ψ(12s)
これを2n階微分してs=6を代入する。

ψ(2n)(6)=ψ(2n)(1)+(2n)!k=15k2n1であるため、
(L(s,τ)L(s,τ))(2n)|s=6=δn,0ln(2π)ψ(2n)(1)(2n)!k=15k2n1=(2n)!(ζ(2n+1)k=15k2n1)(n1)

L(6,τ)L(6,τ)=γ+ln(2π)13760(L(s,τ)L(s,τ))|s=6=2ζ(3)256103108000(L(s,τ)L(s,τ))|s=6=24ζ(5)80610820732400000

参考文献

投稿日:2023719
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著者の記事における命題は大半が自分で発見したものであり、 何かしらの論文などに基づいたものではありません。

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