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現代数学解説
文献あり

超積分の公式集

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はじめに

今回は、超積分の公式を導いていきます。
説明の文章は少なくなりますがご容赦ください。

2025/2/25追記:公式1の超積分をf(x)qxからaf(x)qx

超積分の公式

以降、A,B,Cは積分定数を表します。
また、f(x)>0,g(x)>0が常に満たされます。

qfqx=qqxf(x)=f(x)

[1]

超微分積分学の基本公式

qqxf(x)qx=f(x)

[1]

af(x)qx=C{f(x)}a (aR)

af(x)qx=ea1xxf(x)f(x)dx=eaf(x)f(x)dx=ealogf(x)+A=C{f(x)}a

定数の超積分

n qx=Cxn

n qx=enxdx=en(logx+A)=Cxn

axnの超積分

axnqx=Ceanxn (aR,n0)

axnqx=eaxn1dx=eanxn+A=Ceanxn

sxp(x)[2]

sxp(x)=1logx

sxpの超積分

sxp(x)qx=Csxp(x)

定義より自明。

和、差の超積分

(f(x)+g(x))qx=f(x)qxg(x)qx
(f(x)g(x))qx=f(x)qxg(x)qx

(f(x)+g(x))qx=ef(x)+g(x)xdx=ef(x)xdxeg(x)xdx=f(x)qxg(x)qx
差の場合も同様に示される

部分超積分

f(x)g(x)qx=elogf(x)g(x)logf(x)(eg(x))qx

(elogf(x)logg(x))=f(x)logg(x)+g(x)logf(x)[3]
より、
f(x)logg(x)qx=((elogf(x)logg(x))logf(x)g(x))qx=(elogf(x)logg(x))qxlogf(x)g(x)qx=elogf(x)logg(x)logf(x)g(x)qx
ここで、logg(x)を改めてg(x)とすると、
f(x)g(x)qx=elogf(x)g(x)logf(x)(eg(x))qx

置換超積分

x=g(t)と置換すると、
f(x)qx=f(g(t))qxqtqt

f(x)の超原始関数の一つをF(x)とする。
この時、F(x)tで超微分すると、
qqtF(x)=qFqxqxqt=f(x)qxqt=f(g(t))qxqt[4]
より、両辺tで超積分すると
qqtF(x)qt=f(g(t))qxqtqt
で、左辺はCF(x)となるので、f(x)xでの超積分に等しくなる。
よって、
f(x)qx=f(g(t))qxqtqt

超積分形の接触

f(x)f(x)qx=Cef(x)
xf(x)qx=Cef(x)

{ef(x)}=xf(x)=f(x)f(x)
[4]
よりそれぞれを超積分すると得られる。

おわりに

今回は超積分の公式を証明しました。積分の際と同様に積の超積分は部分超積分等を使って簡単にしていくしかなさそうです。また、超積分形の接触の公式は部分超積分や置換超積分を使っても証明できそうですが、うまくいかなかったので、もし思いついた方がいたら教えていただけるとありがたいです。

参考文献

投稿日:224
更新日:225
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