この記事では 前回の記事 での考察を踏まえて 前々回の記事 に引き続きChan, Cooper(2012)を読んでいきます。
Chan, Chan, Liuによると
なる重さ
とおいたとき
なる円周率公式が得られるのであった。
またChan, Cooperによると
なる重さ
を満たすようなものがあれば
なる関係式が得られるのであった。
Chan, Cooperでは
なる関数
そしてそれらの
が成り立つ。特に
とおいたとき
が成り立つ。
しかし少し考えてみるとこれは至極当然であり、またより一般的な事実が言えることに気付いた。その考察については以下に記しておく。
さてこの公式および
という変換公式があったこと(
前々回の記事
参照)に注意すると次のような円周率公式が得られることとなる。
ある関数
が成り立つ。特にこれらは
および
という関係によって写り合う。
またChan, Cooperの提示したリストに対して次のような事実も成り立つらしい。
はイータ関数同士の商(eta-quotient)として表せる。また
と表せることにも注意したい。
実際
前回の記事
ではeta-quotient
とおくと
なる
しかしこれはChan, Cooperの提示したリストに対して個別に確認されている事実であり、一般的にどのようにしてこのような事実が導かれるのかが気になるところでもある。
ちなみにイータ関数の商の取り方について、次のような有用な事実があることも覚えておきたい。
(有限な)整数列
・
・
・
・
を満たすように取ると
は
前回の記事では
が成り立つと考察したのであった。
ここでこれを
という式が得られる。この分子はロンスキアンと呼ばれるものであり、以下の性質を満たすことが知られている。
二階線形微分方程式
の解
と定められる関数のことをロンスキアンと言い、これは
という関係式を持つ。
ロンスキアンを微分することで
つまり
を得る。
これを用いると定理1は次のように証明・一般化できることに気付いた。
と表される微分方程式を考える。これは
という形の基本解を持ち、これに対し
とおくと
が成り立つ。
この微分方程式は
またこの微分方程式は
と変形できるので
と表せ、
および
を得る。
例えば[CTYZ]で考察されていた微分方程式
は
という関係式が得られたりする。
実際
が成り立つので
といった円周率公式が得られるわけである。
また
第一回の記事
では
なる
となることを紹介したが、これは
が成り立つ、つまりこれらが同じ係数を持つ超幾何微分方程式
を満たすこと起因していたことがわかる。
実際これは
つまり
が得られることがわかる。