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【整理】記事番号3433「ナビエ-ストークス方程式の弱解の存在と一意性と滑らかさの初等的方法」の論理構造(B)

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本記事では、 記事番号3433 (以下、当該記事)の論理構造を整理します。

[本記事の目的]
私の環境ですと当該記事の表示に数分の時間を要します。そのため、 【抜粋】記事番号3433「ナビエ-ストークス方程式の弱解の存在と一意性と滑らかさの初等的方法」における予想 (以下、【抜粋】)という記事を作成いたしました。これを作成する中で、論理構造が分かりにくく思われる箇所がいくつか見えました。一方で、論理構造に手を加える場合は、正確性を期すために公開が遅れるおそれがございました。そのため、まずは当初の目的を達成するために予想のみを抜き出した【抜粋】を作成し、その上で更なる便宜を図るべく 論理構造を整理する記事 (以下、【整理A】)とに分けることにいたしました。これによって各記事の目的が明瞭になっていれば幸いです。

また、2023年7月26日時点で、論理の骨子となるとある関数空間の定義が変更されました。これは、一度変更した定義を再度当初のものに差し替えたもので、再度変更される恐れがございます。そのたびに論理構造の全体に手を入れるのは厄介なため、記事を二つに分割したうえで、両方を閲覧できるようにするのが適切だろうと考えました。そのため、本記事(以下、【整理B】)を新たに作成いたしました。

[本記事固有の注意]
本記事は私が編集をしているため、当該記事と齟齬が生じている可能性がございます。また、全体を隈なくチェックしているわけではないため、不正確な部分は大幅に省略をしています。そのため、当該記事を参照することをおすすめいたします。

[謝辞]
【整理】の記事の内容の少なくない部分は、SATORU様のコメントをもとにしております。また一部はそのまま使用いたしました。感謝申し上げます。なおコメントを元にしておりますが、当然ながら【整理】の記事中の誤りの責任は私にございます。
$ \def\set#1#2{\left\{#1:#2\right\}} \def\map#1#2#3{#1\colon{#2}\rightarrow{#3}} \def\abs#1{\left\lvert #1 \right\rvert} \def\norm#1{\left\lVert #1\right\rVert} \def\innerproduct#1#2{\left\langle#1,#2\right\rangle} \def\ip#1#2{\innerproduct{#1}{#2}} \def\cls#1#2{\overline{#1}^{#2}} \def\RR{\mathbb{R}} \def\dom{\Omega} \def\domm{\dom-\overline{U_\epsilon(0,0)}} \def\cinf{C^{\infty}} \def\div{\mathop{\mathrm{div}}} \def\supp#1{\mathop{\mathsf{supp}}(#1)} \def\op{P} \def\pp{\mathfrak{p}} \def\netsuop{\partial_t-\Delta} \def\netsu#1{\partial_t{#1}-\Delta{#1}} \def\nl{(u\cdot\nabla)} \def\nnl#1{(#1\cdot\nabla)#1} \def\Sobolev#1#2{W^{#1,#2}} \def\spD{\mathcal{D}} \def\spE{\mathcal{E}} \def\X{X} \def\WW{\mathcal{W}} \def\V#1#2{V^{#1}_{#2}} \def\W#1#2{W^{#1}_{#2}} \def\BB#1{B^{#1}} $
[本記事の状態]
おおよそ編集が終わりました。後述する$\WW$の性質に関する議論など、現時点では省略しているより細部の議論の加筆は、該当箇所以前の疑問が概ね解消したタイミングでおこなう可能性がございます。これは加筆を約束するものではございません。

背景

ナビエ-ストークス方程式とは、流体の運動を記述する$2$階非線型偏微分方程式であり、
$$\netsu{u}=f-\nabla{\pp}-(u\cdot\nabla)u$$
で与えられます。$u$$p$に条件を付け、解を与えることが当該記事の目標です。当該記事ではまずおおまかなアイデアが紹介されているため、【整理B】でもこれを紹介します。まず圧力$\pp$を消去した偏微分方程式を考え、非線型項$\nl{u}$を台がコンパクトで滑らかな関数の列$(u_i)$で近似します。この$u_i$を用いた
$$\netsu{u_i}=f-u_i$$
なる偏微分方程式を新たに考えると、$\netsuop$が定数係数線型偏微分作用素であることに注意し、いくつかの条件を確認して外力$f$と近似項$u_i$の差に対して基本定理(直後に主張を述べる)を適用します。次に各$i$ごとに得られた方程式$\netsu{u_i}=f-u_i$の解の列をソボレフ空間において極限を取ります。この極限を加工すれば求める解が得られるのではないか?というものです。ここで基本定理とは、次の主張のことです。

基本定理

$\RR^N$上の任意の定数係数線型偏微分作用素$\op$の基本解、すなわち$\op{E}=\delta$を満たす$E\in\spD'$を取ると、台がコンパクトな超関数$f\in\spE'$または台がコンパクトな$\cinf$-級関数$f\in\cinf_0$について、方程式$\op{u}=f$の解$u$のひとつは$u={E}*{f}\in\spD'$または$u={E}*{f}\in\cinf$で与えられる。

ここで$f\in\spE'$ならば$\ip{E*f}{\varphi}=\ip{E(x)}{\ip{f(y)}{\varphi(x+y)}}$であり、$f\in\cinf_0$ならば$({E}*{f})(x)=\ip{E(y)}{f(x-y)}$である。

当該記事においては、$u$の近似列を取る際に$u$が完備化した空間の元であることを用いるため、特殊な関数空間を考えることになります。そのため【整理B】では記号の確認と関数空間の定義から始めます。

ここで紹介した方針は当該記事が初期に採用していた方針になりますが、現在、当該記事で正当化が試みられている方針と当時の方針とが一致している確証はございません。実際、当該記事の第1節と第2節とでは採用している方針が異なるか、少なくとも混乱が生じているように見受けられます。そのため、以下の議論に直接関係がないと思っていただいた方が却って理解の妨げにならない可能性すらございます。この点をご留意いただいた上で以降をお読みください。

前提知識

記号・記法

ベクトルの成分の添え字は右上に書く。特に断らない限り(超)関数は$\RR^3$-値とし、圧力$\pp$は実数値とする。 実数値関数の空間と$\RR^3$-値関数の空間を簡単のために同じ記号で書く。 $\dom=\RR\times\RR^3$上の関数空間$X(\dom)$$X$と略記する。
$\dom$上の関数$\varphi$につき、集合$\set{x\in\dom}{\varphi(x)\not=0}$$\dom$における閉包を$\varphi$の台といい、$\supp{\varphi}$と書く。$\supp{\varphi}$が相対コンパクトであるとき、$\varphi$はコンパクト台を持つという。コンパクト台を持つ$\cinf$-級関数全体を$\cinf_0$と書き、この空間に 引用するWikipediaの記事中で言及されている適切な方法 で位相を定めた位相線形空間を$\spD$と書く。$\spD$の元を試験関数ともいう。また、$\spD_\sigma$は空間変数について発散が$0$であるような試験関数の成す空間とする。
$\spD$の連続双対空間、すなわち線型汎関数$\map{T}{\spD}{\RR}$であって$\spD$上連続なもの全体からなる空間を$\spD'$と書き、$\spD'$の元をシュワルツ超関数という。試験関数$\varphi$にシュワルツ超関数$T$を適用した値$T(\varphi)$$\ip{T}{\varphi}$と書く。

シュワルツ超関数$T$に対し、$\ip{\partial_xT}{\varphi}\colon=-\ip{T}{\partial_x\varphi}$として定義される汎関数$\partial_xT$$T$の偏微分という。任意のシュワルツ超関数に対して、その偏微分は再びシュワルツ超関数になることが示される。これによってシュワルツ超関数に関する偏微分方程式を考えることができ、この解のことを超関数解という。超関数解であって、適切な関数空間に属するものを弱解という。どの関数空間を考えるかは文脈に依存する。

弱解についての補足

適切な同一視のもとで、通常の偏微分方程式の解は超関数解とみなせます。超関数解を考えることは、解の候補を探すことに他なりません。この意味で、適切な超関数解を弱解と呼んでいます。この点についてのより具体的な解説は【整理A】のSATORU様のコメントをご覧ください。

いくつかの関数空間

$\Sobolev{m}{p}$をソボレフ空間とする。任意の自然数$m>4,p=1,2$に対して
$$ \V{m,p}{0,\sigma} =\set{u\in\cinf_0}{\div{u}=0} $$
とおき、$\V{m,p}{0,\sigma}$$\Sobolev{m}{p}$-ノルムによる完備化を$\W{m,p}{\sigma}=\cls{\V{m,p}{0,\sigma}}{\norm{\cdot}_{\Sobolev{m}{p}}}$と書く。 $\BB{k}$$k$階までの全ての偏導関数が有界かつ連続な関数の成す空間とする。$\BB{k}$のノルムは$k$階までの導関数の絶対値の上限の和とする。

  • 当該記事においては$\spD$に関する言及が繰り返されているように見えますが、【整理A】のコメント欄でSATORU様にご共有頂いた画像を拝見すると$\spD_\sigma$と書くべき箇所を$\spD$と入力しているように思われるため、ここでは修正いたしました。
  • $\spD'$の定義は当該記事には明示的には記載されていませんが、以降で用いられるために加筆いたしました。この点もSATORU様のコメントによっております。
  • 当該記事における$\V{m,p}{0,\sigma}$の定義を参照すると条件として$\norm{u}_{\Sobolev{m}{p}}<\infty$を加えておりますが、$\cinf$に属する任意の関数がこれを満たすため【整理B】では省略いたしました。
  • $\V{m,p}{0,\sigma}$$\W{m,p}{\sigma}$の定義を見ると$\sigma$に依存していないように見えますが、当該記事の記法に従いました。

予想

当該記事の予想を述べるために、用語を一つ導入します。

ナビエ-ストークス方程式の弱解

$f\in\spD$とする。関数$(u,\pp)$がナビエ-ストークス方程式$\netsu{u}=f-\nabla{\pp}-(u\cdot\nabla)u$の弱解であるとは、
任意の自然数$m>4$に対して$u\in\W{m,1}{\sigma}\cap\W{m,2}{\sigma}$かつ$\pp\in L^2$であり、任意の$\varphi\in\spD$に対して、
$$ \ip{ \netsu{u} - f + \nabla\pp + \nl{u}}{\varphi}=0, \ip{\div{u}}{\varphi}=0 $$
が成立することをいう。

弱解の存在

任意の$f\in\spD$に対してナビエ-ストークス方程式の弱解$(u,\pp)$が存在する。さらに、$f\not=0$ならば$u\not=0$を満たすように取れる。

弱解の滑らかさと有界性

ナビエ-ストークス方程式の弱解$(u,\pp)$$\cinf$-級である。

  • 私はナビエ-ストークス方程式に関する研究を追ったことがないため、ここで定義した「ナビエ-ストークス方程式の弱解」が標準的な用語法であるかは保証できません。
  • 当該記事において未定義で用いられている「ナビエ-ストークス方程式の弱解」を推測して定義しましたが、議論の詳細を追っているわけではないため、当該記事の著者の意図ともずれが生じている可能性がございます。

予想の解決に向けた議論

当該記事では、予想を述べるだけでなく、これを解決するための議論が試みられています。しかし、当該記事の執筆スタイル故に議論の順番が一列に整列しておらず、読みにくく思われました。本節では、議論の正誤に言及することを控え、論理の流れのみを抽出して整理します。但し、論理の流れすら私が把握できなかった/確認を始めていない少なくない部分は大幅に省略しています。これは正確性を期すためです。当該記事を参照するようお願いいたします。

弱解の存在について

予想を再度確認すると次の通りです。

弱解の存在

任意の$f\in\spD$に対してナビエ-ストークス方程式の弱解$(u,\pp)$が存在する。さらに、$f\not=0$ならば$u\not=0$を満たすように取れる。

よってこれを示すには$u$$\pp$を構成しなければならなりません。まず、当該記事で採用しようとしている証明の流れに沿って、大雑把な流れを紹介します。

$\netsuop$の基本解$E$をとる。すなわち$\RR^3$-値超関数の意味で
$$ \netsu{E(t,x)}=\delta(t,x)=\delta(t)\otimes\delta(x) $$
が成り立っているような$E$を取る。このとき、
$$ u^i(t,x)=\int_{\dom}E^i(s,y)(f^i(t-s,x-y)-\nl{u^i}(t-s,x-y))dsdy $$
なる$u^i$が取れる。ただし、$\nl{u^i}$$\nl{u^i}=\sum_{j=1}^3u^j\partial_{x^j}u^i$である。ここでナビエ-ストークス方程式から圧力の項を除いた方程式$\netsu{u}=f-\nnl{u}$を考えれば、これはこの方程式の$\spD'_\sigma$における超関数の意味の解であることがわかる。よって、$\netsu{u}-f+\nnl{u}=-\nabla\pp$$\spD'$で成り立つような$\pp$が存在する。

  • 当該記事における主張を整理しているだけであるため、「$u^i$が取れる」や「超関数の意味の解であることがわかる」「$\pp$が存在する」と断言しましたが、私は一切確かめておりませんし、主張の正確さを保証いたしません。以下では、当該記事において断言した事柄の正当化がどのように試みられているかを詳しく見ていきます。
  • 正直なところ、議論の詳細を確認するのは私の手にあまるため、別の方による更なる整理を期待しつつ、問題点の洗い出しを望みます。

$\netsuop$の基本解の存在性について

当該記事では言及されていません。 [弱解の存在性の直観的議論]内で具体的に定義されている$E$$\netsuop$の基本解になることが知られているようです。

$u^i$が取れることについて

当該記事の第1節「直観的議論」における[弱解の存在性の直観的議論]および第2節「正当化を目指す議論」で考察されています。二つの議論は互いに関係なく、現在は前者は放棄されているようです。よって第2節の議論の論理的な流れを確認します。

関数空間$\X$

試験関数$u$に対して、ノルム$\norm{\cdot}_\X$
$$ \norm{u}_{\X} =\sum_{m\geq5}\frac{\norm{u}_{\Sobolev{m}{1}}}{m^4} +\sum_{m\geq5}\frac{\norm{u}_{\Sobolev{m}{2}}}{m^4} $$
とする。さらに、
$$ X=\bigcap_{m\geq5}\set{u\in\Sobolev{m}{1}\cap\Sobolev{m}{2}}{\norm{u}_X<\infty} $$
で定義される関数空間を$X$と書く。

  • 当該記事中ではノルム$\norm{\cdot}_\WW$という記法が用いられていますが、関数空間$\WW$はこののちに$\X$の部分空間として定義されているため、誤解を生む記法に思われます。そのため、【整理B】では$\norm{\cdot}_\X$に統一いたしました。また、関数空間$S$の定義まではこのような単調な定義が続きます。証明に必要な技術的な条件が多いように思われます。
  • 当該記事では関数空間$X$の定義が何度か変更されています。以降の論理構造はこれに依存するため、【整理B】以外に 【整理A】 を作成しております。当該記事の状況を踏まえて適切な方をご覧ください。
$X$の基本性質

$X$$\{0\}$でないバナッハ空間である。

当該記事では$u=(e^{-\abs{s}^2-\abs{x}^2},e^{-\abs{s}^2-\abs{x}^2},e^{-\abs{s}^2-\abs{x}^2})$とおくとき、$u\in\X$であると主張されています。しかし$\norm{u}_\X<\infty$が示されていないため$\X$の元であることが言えておらず、$\{0\}$でないことはまだ証明されていません。また、この定義の場合は$X$の完備性は非自明であるため、バナッハ空間であることも証明されていません。

関数空間$\WW_{t,x}(\domm)$

$Y=\domm$とおく。試験関数$u$に対して、ノルム$\norm{\cdot}_{\WW_{t,x}(Y)}$
$$ \norm{u(t,x)}_{\WW_{t,x}(Y)} =\sum_{m\geq5}\frac{\norm{u(t,x)}_{\Sobolev{m}{1}(Y)}}{m^4} +\sum_{m\geq5}\frac{\norm{u}_{\Sobolev{m}{2}(Y)}}{m^4} $$
とする。さらに、
$$ \WW_{t,x}(Y) =\bigcap_{m\geq5} \set{u(t,x)\in\Sobolev{m}{1}\cap\Sobolev{m}{2}}{\norm{u(t,x)}_{\WW_{t,x}(Y)}<\infty} $$
で定義される関数空間を$\WW_{t,x}(Y)$と書く。

  • 当該記事中ではノルム$\norm{\cdot}_\WW$という記法が用いられていますが、先に述べた通り$\norm{\cdot}_\X$に統一いたしました。
関数空間$\WW$

$\WW$$X$の部分空間であって、任意の$\epsilon>0$に対して$\norm{\norm{u(t-s,x-y)}_{\WW_{t,x}(\domm)}}_{L^1_{s,y}}<\infty$を満たすものを$\WW$と書く。この性質を可積分性という。

  • この性質で部分空間$\WW$が一意的に決まるか否かについては、当該記事では言及されていません。
  • 存在性についても、当該記事では言及されていません。「正当化を目指す議論」の最後に[補足]として正当化が試みられているように見えますが、この[補足]が追加された当時と現在では$\WW$に対して要求している条件が異なる為、全く無関係の補足になってしまっています。
$\WW$の基本性質

次が成立する。

  • (積の分離): 定数$C>1$であって、$\WW$の元$u,v$について$\norm{(u^iv^i)_{i=1,2,3}}_\X\leq C\norm{u}_\X\norm{v}_\X$が成立するものが存在する。
  • (微分の吸収): 定数$C'>1$であって、$\WW$の元$u,v$について$\norm{\partial_{x^j}u}_\X\leq C'\norm{u}_\X$が成立するものが存在する。

当該記事の記述を見る限りでは$C$$C'$$u$$v$に依存せずに取れるのかは明らかではありません。しかし、以降の議論を正当化する上では依存せずに取れることが重要であるため、本記事では主張の段階で依存しないことを明示いたしました。

先の命題における二つの定数$C$および$C'$のうち、大きい方を固定し、これを$C$と書く。更に$6C^3M<1およびC(1+C^2)M\leq1$を満たす定数$M$をそれぞれ考え、そのうち小さい方を固定する。

関数空間$S$

次で定義される関数空間を$S$と書く。
$$ \set{ u\in X }{ \norm{u}_{\X}\leq M, \norm{u(t-s,x-y)}_{\WW_{t,x}(\domm)}\leq Me^{-\abs{s}^2-\abs{y}^2} } $$

ここで、次の二条件を満たす関数$f$を取る。
$$\norm{f(t-s,x-y)}_{\WW_{t,s}(\domm)}\leq M^2e^{-\abs{s}^2-\abs{y}^2} , \norm{f}_\X\leq M^2$$
この$f$を用いて、$S$上の写像$\Phi$を次で定義する。
$$ \Phi[u](t,x) =\left( \int_{\dom}E^i(s,y)(f^i(t-s,x-y)-\nnl{u}^i(t-s,x-y))dsdy \right)_{i=1,2,3} $$
$\Phi$の値域は$S$に含まれるため、$\Phi$$S$から$S$への写像である。

$\Phi$の値域は$S$に含まれることは、確認するべき事柄です。$f$が存在するかどうかについても、言及してもよいように思います。
また、このタイミングで$f$を取ることになるため、二条件を満たさないような$f$については特別の言及ができません。よって現状の方針を推し進める場合、少なくとも予想(弱解の存在)の主張を弱めるか、大規模な加筆をする必要がございます。

$E*$の有界性

次が成立する。
$$ \norm{ \left( \int_{\dom}E^i(s,y)u^i(t-s,x-y)dsdy \right)_{i=1,2,3} }_\X \leq C \norm{u}_\X $$

$S$は完備であり、$\Phi$の不動点$u$が存在する。この$u$がいま求めたいものである。

  • 当該記事においては$X$の完備性に帰着させていますが、これは示されていません。
  • 参考までに、以前は$S$$S=\set{u\in\X}{\norm{u}_X\leq M}$として定義されていたそうです。 こちらのWebアーカイブ を参照ください。

超関数の意味の解であることについて

当該記事では言及されていません。「正当化を目指す議論」の最後の[予想]が、この部分に関する言及のようですが、証明されていません。

$\pp$が存在することについて

当該記事では言及されていませんが、$\nabla\pp=0$を満たす$\pp$を取れば差し支えありません。具体的には$\pp=0$が例になっています。

弱解の滑らかさ

予想を再度確認すると次の通りである。

弱解の滑らかさと有界性

ナビエ-ストークス方程式の弱解$(u,\pp)$$\cinf$-級である。

当該記事には議論らしきものが書かれていますが、意味が読み取れなかったためここではこれ以上の記載ができませんでした。

投稿日:2023725

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