$(X,\tau(X))$を位相空間とし,$A \subset X$とする.このとき次は同値である:
各$a \in A$に対して$U(a) \in \tau(a,X)$であって$A \cap U(a) \in \tau^{c}(X)|U(a)$なるものを取る.そこで$U := \bigcup_{a\in A} U(a) \in \tau(X)$とおくと,$A \subset U$であり,$U$の開被覆$(U(a))_{a\in A}$について
$$
\forall a \in A,\ A \cap U(a) \subset U(a):\text{closed}$$
が成り立つので,$A$は$U$の閉集合である.よって
$$
A = \cl_{U}(A) = U \cap \cl(A)$$
が成り立つ.
$A = U \cap C,\ U \in \tau(X), C \in \tau^{c}(X),$とすると,
$$
A \subset U \cap \cl(A) \subset U \cap C = A$$
より$A = U \cap \cl(A) \in \tau(X)|\cl(A)$を得る.
$U \in \tau(X)$であって$A = U \cap \cl(A)$なるものが存在するので,任意の$a \in A$に対して,$U \in \tau(a,X)$であり
$$
A \cap U = \cl(A) \cap U \in \tau^{c}(X)|U$$
が成り立つ.
$(X,\tau(X))$を位相空間とする.部分集合$A \subset X$についてloc-clの条件のいづれか(したがってすべて)が成り立つとき,$A \subset X$を局所閉集合という.
$X \in \tau(X) \cap \tau^{c}(X)$より,開集合および閉集合は条件(ii)を満たすので$X$の局所閉集合である.
$f \colon X \to Y$を連続写像とする.このとき,任意の局所閉集合$B \subset Y$に対して,その逆像$f^{\leftarrow}(B) \subset X$は局所閉集合である.
仮定より,$V \in \tau(Y),\ F \in \tau^{c}(Y)$であって$B = V \cap F$を満たすものが存在する.このとき
$$
f^{\leftarrow}(B) = f^{\leftarrow}(V) \cap f^{\leftarrow}(F)$$
であり,$f$の連続性より$f^{\leftarrow}(V) \in \tau(X), f^{\leftarrow}(F) \in \tau^{c}(X)$であるから,結論を得る.
$X$を位相空間とする.
“微局所コンパクト”は "bit locally compact"(gompa)の試訳である.以下,弱局所コンパクト(resp. 局所相対コンパクト,微局所コンパクト,強局所コンパクト)をwlc(resp. lrc, blc, slc)と略記する.
$$ \xymatrix{ {\text{slc:コンパクト\textcolor{orange}{閉}近傍からなる\textcolor{blue}{基本近傍系}}} & {\text{lrc:コンパクト\textcolor{orange}{閉}近傍}} \ar@{~>}[l]\\ {\text{blc:コンパクト近傍からなる\textcolor{blue}{基本近傍系}}} \ar@{~>}[u]& {\text{wlc:コンパクト近傍}} \ar@{~>}[l] \ar@{~>}[u]\\ }$$
Hausdorff空間はKC空間であり,KC空間は$T_{1}$空間かつR空間である.
$X$を弱局所コンパクト空間とする.
$(X_{\lambda})_{\lambda \in \Lambda}$を(非空)位相空間族とする.このとき次は同値である:
射影$p_{\lambda} \colon X \to X_{\lambda}$は全射連続開写像なので,$X_{\lambda} = p_{\lambda}^{\rightarrow}(X)$は弱局所コンパクトである.また,$\prescript{\exists}{}x \in X \neq \varnothing$のコンパクト近傍$K$を取ると,有限集合$\Lambda_{0} \subset \Lambda$と開集合$U_{\lambda} \in \tau(p_{\lambda}(x),X_{\lambda}), \lambda \in \Lambda_{0},$であって
$$
x \in U:= \bigcap_{\lambda \in \Lambda_{0}} p_{\lambda}^{\leftarrow}(U_{\lambda}) \subset K$$
を満たすものが存在する.よって任意の$\lambda \in \Lambda\smallsetminus\Lambda_{0}$に対して,
$$
X_{\lambda} = p_{\lambda}^{\rightarrow}(U) \subset p_{\lambda}^{\rightarrow}(K) \subset X_{\lambda}$$
より,$X_{\lambda} = p_{\lambda}^{\rightarrow}(K)$はコンパクトである.
$x \in X$とする.仮定より有限集合$\Lambda_{0} \subset \Lambda$であって
$$
\forall \lambda \in \Lambda\smallsetminus\Lambda_{0},\ X_{\lambda}:\text{compact}$$
を満たすものが存在する.そこで,各$\lambda \in \Lambda_{0}$に対して$p_{\lambda}(x) \in X_{\lambda}$のコンパクト近傍$K_{\lambda}$を取ると,
$$
\bigcap_{\lambda \in \Lambda_{0}} p_{\lambda}^{\leftarrow}(K_{\lambda}) \approx \prod_{\lambda\in\Lambda_{0}} K_{\lambda} \times \prod_{\lambda\in\Lambda\smallsetminus\Lambda_{0}} X_{\lambda}$$
は$x$のコンパクト近傍である.
$f \colon X \to Y$を全射連続完全写像とする.このとき次が成り立つ:
弱局所コンパクト空間はコンパクト生成空間である.
$X$を弱局所コンパクト空間とする.$A \subset X$とし,任意のコンパクト集合$K \subset X$に対して$A \cap K \subset K$が開集合であるとする.このとき$A \subset X$が開集合であることを示せばよい.そこで$a \in A$とし,そのコンパクト近傍$K \subset X$を取る.仮定より$U \in \tau(X)$であって$A \cap K = U \cap K$なるものが存在するので,
$$
a \in A \cap \Int(K) = A \cap K \cap \Int(K) = U \cap \Int(K) \in \tau(X)$$
が成り立つ.よって$A \subset X$は開集合である.
$X$を位相空間とする.このとき次は同値である:
$X$がコンパクト生成空間であるとき,$X$の位相は包含写像から誘導される写像
$$
X_{0}:= \coprod \{K \mid K \subset X:\text{compact}\} \to X$$
による等化位相と一致する(cf. nsfo 定義4.3, 定義4.1).$X_{0}$は明らかに弱局所コンパクトなので結論を得る(cf. nsfo 命題3.12).
$U \subset X$を
$$
\forall K \subset X:\text{compact},\ U \cap K \subset K:\text{open}$$
を満たす部分集合とする.このとき$q^{\leftarrow}(U) \subset X_{0}$が開集合であることを示せばよい.補題より,任意のコンパクト集合$K_{0} \subset X_{0}$に対して,$q^{\leftarrow}(U) \cap K_{0} \subset K_{0}$が開集合であることを示せばよい.そこで$K_{0} \subset X_{0}$をコンパクト集合とすると,$q^{\rightarrow}(K_{0}) \subset X$はコンパクトなので,$U \cap q^{\rightarrow}(K_{0}) \subset q^{\rightarrow}(K_{0})$は開集合である.ここで$f:= q|K_{0}$とおくと,これは連続写像であるから
$$
q^{\leftarrow}(U) \cap K_{0} = f^{\leftarrow}(U \cap q^{\rightarrow}(K_{0})) \subset K_{0}$$
は開集合である.
コンパクト生成空間の商空間はコンパクト生成空間である.
$X$を位相空間とする.このとき次は同値である:
コンパクト閉近傍はとくに相対コンパクト近傍である.
$x \in X$の相対コンパクト近傍$N \subset X$に対して,$\Int(N)$は$x$の開近傍であり,$\cl(\Int(N))$はコンパクト空間$\cl(N)$の閉集合ゆえコンパクトである.
$x \in X$とし$U \in \tau(x,X)$とする.仮定より相対コンパクト開近傍$V \in \tau(x,X)$が存在する.そこで$W:= U \cap V$とおくと,これは$x$の開近傍であり,$W \subset U$が成り立つ.また$\cl(W)$はコンパクト空間$\cl(V)$の閉集合ゆえコンパクトである.
$x \in X$とする.仮定より$x$の相対コンパクト開近傍$U \subset X$が存在する.このとき$\cl(U)$は$x$のコンパクト閉近傍である.
$X$を局所相対コンパクト空間とする.
$(X_{\lambda})_{\lambda \in \Lambda}$を(非空)$T_{1}$空間(resp. R空間)の族とする.このとき次は同値である:
$x \in X$とする.仮定より有限集合$\Lambda_{0} \subset \Lambda$であって
$$
\forall \lambda \in \Lambda\smallsetminus\Lambda_{0},\ X_{\lambda}:\text{compact}$$
を満たすものが存在する.そこで,各$\lambda \in \Lambda_{0}$に対して$p_{\lambda}(x) \in X_{\lambda}$のコンパクト閉近傍$K_{\lambda}$を取ると,
$$
\bigcap_{\lambda \in \Lambda_{0}} p_{\lambda}^{\leftarrow}(K_{\lambda}) \approx \prod_{\lambda\in\Lambda_{0}} K_{\lambda} \times \prod_{\lambda\in\Lambda\smallsetminus\Lambda_{0}} X_{\lambda}$$
は$x$のコンパクト閉近傍である.
$f \colon X \to Y$を全射連続完全写像とする.このとき次は同値である:
$y \in Y$とする.各$x \in f^{\leftarrow}(\{y\})$に対して,その相対コンパクト開近傍$U(x) \subset X$を取る.このとき,$f^{\leftarrow}(\{y\})$のコンパクト性より,有限個の点$x_{1},\ldots,x_{n} \in f^{\leftarrow}(\{y\})$であって
$$
f^{\leftarrow}(\{y\}) \subset U(x_{1}) \cup \cdots \cup U(x_{n}) =: U \in \tau(X)$$
を満たすものが存在する.いま$f$は閉写像なので,$V \in \tau(y,Y)$であって$f^{\leftarrow}(V) \subset U$なるものが存在する.したがって
$$
\cl(V) \subset \cl(f^{\rightarrow}(U)) \subset f^{\rightarrow}(\cl(U))$$
と$f^{\rightarrow}(\cl(U))$のコンパクト性より,$V \subset Y$は$y$の相対コンパクト開近傍である.
$x \in X$とする.$f(x) \in Y$のコンパクト閉近傍$L \subset Y$を取る.このとき$f^{\leftarrow}(L) \subset X$は$x$のコンパクト閉近傍である.
微局所コンパクト空間は弱局所コンパクトである.
$X$を微局所コンパクト空間とし,$x \in X$とする.このとき$x$の近傍$X$に対して,$x$のコンパクト近傍$K$であって$K \subset X$なるものが存在する.
$X$を微局所コンパクト空間とする.
$(X_{\lambda})_{\lambda \in \Lambda}$を(非空)位相空間族とする.このとき次は同値である:
$x \in X$とし,$U \in \tau(x,X)$とする.仮定より有限集合$\Lambda_{1} \subset \Lambda$であって
$$
\forall \lambda \in \Lambda\smallsetminus\Lambda_{1},\ X_{\lambda}:\text{compact}$$
なるものが存在する.また,有限集合$\Lambda_{2} \subset \Lambda$と開集合$U_{\lambda} \in \tau(X_{\lambda}),\lambda \in \Lambda_{2},$であって
$$
x \in V:= \bigcap_{\lambda \in \Lambda_{2}} p^{\leftarrow}(U_{\lambda}) \subset U$$
を満たすものが存在する.各$\lambda \in \Lambda_{0}:= \Lambda_{1} \cup \Lambda_{2}$に対して$p_{\lambda}(x) \in X_{\lambda}$のコンパクト近傍$K_{\lambda}$であって$K_{\lambda} \subset U_{\lambda}:= p_{\lambda}^{\rightarrow}(V)$なるものを取ると,
$$
K:= \bigcap_{\lambda \in \Lambda_{0}} p_{\lambda}^{\leftarrow}(K_{\lambda}) \approx \prod_{\lambda\in\Lambda_{0}} K_{\lambda} \times \prod_{\lambda\in\Lambda\smallsetminus\Lambda_{0}} X_{\lambda}$$
は$x$のコンパクト近傍であり,$K \subset U$を満たす.
$f \colon X \to Y$を連続完全写像とする.このとき次が成り立つ:
強局所コンパクト空間は局所相対コンパクトかつ微局所コンパクトである.したがって弱局所コンパクトである.
$X$を強局所コンパクト空間とし,$x \in X$とする.このとき$x$の近傍$X$に対して,$x$のコンパクト閉近傍$K$であって$K \subset X$なるものが存在する.
コンパクト閉近傍はとくにコンパクト近傍である.
$X$を位相空間とする.このとき次は同値である:
$x \in X$とし$U \in \tau(x,X)$とする.仮定より$x$のコンパクト閉近傍$K \subset X$であって$K \subset U$なるものが存在する.そこで$V:= \Int(K)$とおくと,$\cl(V) \subset \cl(K) = K$より,$V$は$x$の相対コンパクト開近傍であり,$\cl(V) \subset U$を満たす.
$x \in X$とし$U \in \tau(x,X)$とする.仮定より相対コンパクト開近傍$V \in \tau(x,X)$であって$\cl(V) \subset U$なるものが存在する.そこで$K:= \cl(V)$とおくと,これは$x$のコンパクト閉近傍であって$K \subset U$を満たす.
強局所コンパクト空間は正則空間である.
$X$を強局所コンパクト空間とする.
$(X_{\lambda})_{\lambda \in \Lambda}$を(非空)$T_{1}$空間(resp. KC空間)の族とする.このとき次は同値である:
$x \in X$とし,$U \in \tau(x,X)$とする.仮定より有限集合$\Lambda_{1} \subset \Lambda$であって
$$
\forall \lambda \in \Lambda\smallsetminus\Lambda_{1},\ X_{\lambda}:\text{compact}$$
なるものが存在する.また,有限集合$\Lambda_{2} \subset \Lambda$と開集合$U_{\lambda} \in \tau(X_{\lambda}),\lambda \in \Lambda_{2},$であって
$$
x \in V:= \bigcap_{\lambda \in \Lambda_{2}} p^{\leftarrow}(U_{\lambda}) \subset U$$
を満たすものが存在する.各$\lambda \in \Lambda_{0}:= \Lambda_{1} \cup \Lambda_{2}$に対して$p_{\lambda}(x) \in X_{\lambda}$のコンパクト閉近傍$K_{\lambda}$であって$K_{\lambda} \subset U_{\lambda}:= p_{\lambda}^{\rightarrow}(V)$なるものを取ると,
$$
K:= \bigcap_{\lambda \in \Lambda_{0}} p_{\lambda}^{\leftarrow}(K_{\lambda}) \approx \prod_{\lambda\in\Lambda_{0}} K_{\lambda} \times \prod_{\lambda\in\Lambda\smallsetminus\Lambda_{0}} X_{\lambda}$$
は$x$のコンパクト閉近傍であり,$K \subset U$を満たす.
$f \colon X \to Y$を連続完全写像とする.このとき次が成り立つ:
4つの“局所コンパクト”(とコンパクト)の間には次のような含意関係がある(cpt-lrc-wlc, blc-wlc, slc-lrc-blc):
$$
\xymatrix{
{} & {\text{cpt}} \ar@{=>}[d]\\
{\text{slc}} \ar@{=>}[r] \ar@{=>}[d] & {\text{lrc}} \ar@{=>}[d]\\
{\text{blc}} \ar@{=>}[r] & {\text{wlc}}\\
}$$
これら以外の含意が成り立たないことを見るには,
を示せばよい.
実数体$\mathbb{R}$に通常の位相を入れたものは強局所コンパクトだがコンパクトではない.
$\mathbb{Q} \subset \mathbb{R}$の1点コンパクト化$\mathbb{Q}^{+}$が微局所コンパクトであったと仮定する.このとき$0\in\mathbb{Q}^{+}$の開近傍$\,]-1,1[\,\cap\,\mathbb{Q}$に対して,$0$のコンパクト近傍$K \subset \mathbb{Q}^{+}$であって$K \subset \,]-1,1[\,\cap\,\mathbb{Q}$なるものが存在する.さらに$0 \in \Int(K) \cap \mathbb{Q} \in \tau(\mathbb{Q}^{+})|\mathbb{Q} = \tau(\mathbb{Q}) = \tau(\mathbb{R})|\mathbb{Q}$より,$a,b \in \mathbb{R}$であって$0 \in U:= \,]a,b[\,\cap\,\mathbb{Q} \subset K$を満たすものが存在する.コンパクト集合$K \subset \mathbb{Q}$が閉集合であることに注意すると,
\begin{align}
[a,b] \cap \mathbb{Q}
&= \cl_{\mathbb{R}}(\,]a,b[\,) \cap \mathbb{Q}\\
&= \cl_{\mathbb{R}}(U) \cap \mathbb{Q}\\
&= \cl_{\mathbb{Q} \subset \mathbb{R}}(U)\\
&\subset \cl_{\mathbb{Q} \subset \mathbb{R}}(K) = K\\
\end{align}
より,$[a,b] \cap \mathbb{Q}$はコンパクトであることがわかる.したがって$[a,b]\cap \mathbb{Q} \subset \mathbb{R}$は閉集合となるが,これは不合理である.
同様にして$(\mathbb{Q},\tau(\mathbb{Q}))$が弱局所コンパクトでないこともわかる(cf. Q).したがって,局所相対コンパクト性および弱局所コンパクト性は開部分集合に遺伝するとは限らない.
$\mathbb{N}$の開集合系$\tau(\mathbb{N})$を次で定める:
$$
U \in \tau(\mathbb{N}) :\iff U = \varnothing \lor 0 \in U.$$
この位相に関して
$$
K \subset \mathbb{N}:\text{compact} \iff K \subset X:\text{finite}$$
が成り立つ.実際,有限集合はコンパクトであり,逆に$K \subset X$をコンパクト集合とすると,開被覆$(\{0,k\})_{k \in K}$が有限部分被覆を持つことから$K$は有限集合である.
とくに$(\mathbb{N},\tau(\mathbb{N}))$はコンパクトではない.また,任意の点$n \in \mathbb{N}$がコンパクト集合$\{0,n\}$からなる基本近傍系$\{\{0,n\}\}$を持つので,$(\mathbb{N},\tau(\mathbb{N}))$は微局所コンパクト,したがって弱局所コンパクトである.一方,$0 \in \mathbb{N}$を含む閉集合は$\mathbb{N}$しかなくこれはコンパクトでないので,$0$はコンパクト閉近傍を持たない.よって$(\mathbb{N},\tau(\mathbb{N}))$は局所相対コンパクトでない.
弱局所コンパクトR空間は局所相対コンパクトである.
$X$を弱局所コンパクトR空間とすると,各$x \in X$のコンパクト近傍$K$は相対コンパクト近傍で(も)ある.
微局所コンパクトKC空間は強局所コンパクトである.
(KC空間においてコンパクト近傍とコンパクト閉近傍とは一致することから)明らか.
$$ \xymatrix{ {\text{slc}} & {\text{lrc}} \\ {\text{blc}} \ar@{=>}[u]^{\text{KC}} & {\text{wlc}} \ar@{=>}[u]_{\text{R}} }$$
弱局所コンパクトHausdorff空間は強局所コンパクトである.
$X$を弱局所コンパクトHausdorff空間とし,$x \in X, U \in \tau(x,X)$とする.仮定より$x$のコンパクト近傍$K \subset X$が存在する.そこで
$$
L:= K \cap (X\smallsetminus U)$$
とおくと,これは$\{x\}$と交わらないコンパクト集合なので,$X$のHausdorff性より,$V \in \tau(x,X), W \in \tau(L,X)$であって$V \cap W = \varnothing$なるものが存在する.このとき
$$
\cl(V) \subset \cl(X \smallsetminus W) = X \smallsetminus W \subset X \smallsetminus L = (X \smallsetminus K) \cup U$$
より$\cl(V) \cap K \subset U$を得る.したがって,$x$のコンパクト閉近傍$\cl(V \cap \Int(K))$は
$$
\cl(V \cap \Int(K)) \subset \cl(V) \cap K \subset U$$
を満たす.
弱局所コンパクト正則空間は強局所コンパクトである.
$X$を弱局所コンパクト正則空間とし,$x \in X, U \in \tau(x,X)$とする.仮定より$x$のコンパクト近傍$K \subset X$が存在する.このとき$X$の正則性より,$U \cap \Int(K) \in \tau(x,X)$に対して,$V \in \tau(x,X)$であって
$$
\cl(V) \subset U \cap \Int(K)$$
を満たすものが存在する.$\cl(V) \subset K$より$V \subset X$は相対コンパクトであり,$\cl(V) \subset U$を満たす.
$$ \xymatrix{ {\text{slc}} & {\text{lrc}} \\ {\text{blc}} & {\text{wlc}} \ar@{=>}[ul]^{\text{reg}}_{T_{2}} }$$
$X$をHausdorff空間または正則空間とする.このとき次は同値である:
弱局所コンパクトHausdorff空間をLCH空間という.
LCH空間は$T_{3}$空間である.
$(X_{\lambda})_{\lambda \in \Lambda}$を(非空)位相空間族とする.このとき次は同値である:
$X$をHausdorff空間とし$f \colon X \to Y$を全射連続完全写像とする.このとき次は同値である:
$X$をHausdorff空間とし$f \colon X \to Y$を連続完全写像とする.このとき$Y$がLCH空間ならば,$X$はLCH空間である.実際,LCH空間$Y$の閉集合$f^{\rightarrow}(X)$はLCH空間であるから,$f^{f^{\rightarrow(X)}} \colon X \to f^{\rightarrow}(X)$にLCH-perfを適用すればよい.
$X$を位相空間とする.このとき次は同値である:
各$x \in K$に対して,相対コンパクト開集合$V(x) \in \tau(x,X)$であって$\cl(V(x)) \subset U$なるものが存在する.このとき$(V(x))_{x\in K}$はコンパクト集合$K \subset X$の開被覆なので,有限個の点$x_{1},\ldots,x_{n} \in K$であって
$$
K \subset \bigcup_{i\in[n]} V(x_{i})$$
を満たすものが存在する.そこで$V:= \bigcup_{i} V(x_{i})$とおくと,これは$K$の開近傍であり,
$$
\cl(V) = \bigcup_{i\in[n]} \cl(V(x_{i})) \subset U$$
が成り立つ.
slc-charより明らか.
$X$をLCH空間とし,$K \subset X$をコンパクト集合,$U \in \tau(K,X)$をその開近傍とする.このとき,コンパクト台を持つ連続写像$f \colon X \to [0,1]$であって,
$$
f^{\rightarrow}(K) \subset \{1\},\ \supp{f} \subset U$$
を満たすものが存在する.
仮定より相対コンパクト開集合$V,W \in \tau(X)$であって
$$
K \subset W \subset \cl(W) \subset V \subset \cl(V) \subset U$$
を満たすものが存在する.コンパクトHausdorff空間$\cl(V)$は正規空間なので,Urysohnの補題より,その閉集合$K$と開近傍$W$に対して,連続写像$g \colon \cl(V) \to [0,1]$であって
$$
g^{\rightarrow}(K) \subset \{1\},\ g^{\rightarrow}(\cl(V)\smallsetminus W) \subset \{0\}$$
を満たすものが存在する.後者より,
$$
\cl(V) \smallsetminus \cl(W) \subset \cl(V) \smallsetminus W \subset \{x \in \cl(V) \mid g(x) = 0\},$$
したがって
$$
\cl(V)\smallsetminus\cl(W) \subset \Int_{\cl(V)}(\{x\in\cl(V)\mid g(x)=0\})$$
を得るので,
\begin{align}
\supp{g}
&= \cl_{\cl(V)}(\{x\in \cl(V) \mid g(x)\neq 0\}) \\
&= \cl_{\cl(V)}(\cl(V) \smallsetminus \{x\in\cl(V)\mid g(x)=0\})\\
&= \cl(V) \smallsetminus \Int_{\cl(V)}(\{x\in\cl(V)\mid g(x)=0\}) \\
&\subset \cl(W)\\
&\subset V
\end{align}
が成り立つ.そこで,写像$f \colon X \to [0,1]$を
$$
f(x) := \begin{cases}
g(x) &, x \in \cl(V)\\
0 &, x \in X \smallsetminus \cl(V)
\end{cases}$$
で定める.
$(V,X\smallsetminus \cl(W))$は$X$の開被覆であるから,$f|V, f|X\smallsetminus\cl(W)$がともに連続写像であることを示せばよい.
$K \subset V$と$f|V = g|V$より明らか.
$f$の定義より
$$
\{x\in X \mid f(x) \neq 0\} = \{x \in \cl(V) \mid g(x) \neq 0\} \subset \supp{g} \subset V$$
が成り立つので,
$$
\supp{f} = \cl(\{x \in X \mid f(x) \neq 0\}) \subset \cl(V) \subset U$$
が成り立つ.また,コンパクト空間$\cl(V)$の閉集合ゆえ$\supp{f}$はコンパクトである.
$X$を位相空間とする.任意の$x \in X$と$U \in \tau(x,X)$に対して,連続写像$f \colon X \to [0,1]$であって
$$
f(x) = 1,\ f^{\rightarrow}(X \smallsetminus U) \subset \{0\}$$
を満たすものが存在するとき,$X$を完全正則空間(completely regular space)という.完全正則$T_{1}$空間をTychonoff空間という.
完全正則空間は正則である.実際,$X$を完全正則空間とし,$x \in X,\ U \in \tau(x,X)$とすると,連続写像$f \colon X \to [0,1]$であって
$$
f(x) = 1,\ f^{\rightarrow}(X \smallsetminus U) \subset \{0\}$$
を満たすものが存在するので,$V:= X \smallsetminus f^{\leftarrow}([0,\frac{1}{2}]) \in \tau(X)$とおくと,
$$
x \in V \subset \cl(V) \subset X\smallsetminus f^{\leftarrow}([0,\tfrac{1}{2}[\,) \subset X \smallsetminus f^{\leftarrow}(\{0\}) \subset U$$
が成り立つ.
LCH空間はTychonoff空間である.
$X$をLCH空間とする.$X$が完全正則空間であることを示せばよい.そこで$x \in X, U \in \tau(x,X)$とする.このとき,urysohnより,連続写像$f \colon X \to [0,1]$であって
$$
f(x) = 1,\ \supp{f} \subset U$$
を満たすものが存在する.後者より
$$
X\smallsetminus U \subset \{x\in X \mid f(x) = 0\}$$
が成り立つ.
$X$をLCH空間とし,$K \subset X$をコンパクト集合,$f \colon K \to [0,1]$を連続写像とする.このとき,コンパクト台を持つ連続写像$\tilde{f} \colon X \to [0,1]$であって,$\tilde{f}|K = f$を満たすものが存在する.
rc-op-nbdより,$K \subset X$の相対コンパクト開近傍$V,W \in \tau(K,X)$であって$\cl(W) \subset V$なるものが存在する.コンパクトHausdorff空間$\cl(V)$は正規空間なので,Tietzeの拡張定理より,連続写像$g \colon \cl(V) \to [0,1]$であって$g|K = f$を満たすものが存在する.また,urysohnより,コンパクト台を持つ連続写像$u \colon X \to [0,1]$であって
$$
u^{\rightarrow}(K) \subset \{1\},\ \supp{u} \subset W$$
を満たすものが存在する.そこで写像$\tilde{f} \colon X \to [0,1]$を
$$
\tilde{f}(x) := \begin{cases}
g(x)u(x) &, x \in \cl(V)\\
0 &, x \in X \smallsetminus \cl(V)
\end{cases}$$
で定める.
任意の$x \in K \subset \cl(V)$に対して
$$
\tilde{f}(x) = g(x)u(x) = (g|K)(x)\cdot 1 = f(x)$$
が成り立つ.
$(V,X\smallsetminus \cl(W))$は$X$の開被覆なので,$\tilde{f}|V, \tilde{f}|X\smallsetminus \cl(W)$がともに連続写像であることを示せばよい.
$\tilde{f}$の定義より
$$
\{x\in X \mid \tilde{f}(x) \neq 0\} \subset \{x \in \cl(V) \mid u(x) \neq 0\} \subset \supp{u}$$
が成り立つので,
$$
\supp{\tilde{f}} = \cl(\{x \in X \mid \tilde{f}(x) \neq 0\}) \subset \supp{u}$$
はコンパクト空間$\supp{u}$の閉集合ゆえコンパクトである.
$X$をKC空間とし$A \subset X$とする.このとき$A$が弱局所コンパクトならば,$A \subset X$は局所閉集合である.
$a \in A$とし,$K \subset A$を$a$のコンパクト近傍とする.このとき$a$の近傍$N \subset X$であって$K = N \cap A$なるものが存在する.いまKC空間$N$のコンパクト集合$K \subset N$は閉集合なので,$C \in \tau^{c}(X)$であって$K = C \cap N$を満たすものが存在する.そこで$U:= \Int(N) \in \tau(a,X)$とおくと
$$
A \cap U = A \cap N \cap U = K \cap U = C \cap U \subset U$$
は閉集合である.
$X$をKC空間とし$D \subset X$を稠密部分集合とする.このとき$D$が弱局所コンパクトならば,$D \subset X$は開集合である.
$D \subset X$は局所閉集合なので,loc-clより$D$は$\cl(D)=X$の開集合である.
$\mathbb{Q} \subset \mathbb{R}$は弱局所コンパクトでない.
$X$をLCH空間とし$A \subset X$とする.このとき次は同値である:
位相空間$X$上の同値関係$\sim$を
$$
x \sim y :\iff \cl(\{x\}) = \cl(\{y\})$$
で定める.商空間$X/{\sim}$を$X$のKolmogorov商といい,$\mathrm{Kol}(X)$で表わす.
$X$を位相空間とし$x,y \in X$とする.このとき次は同値である:
$U \in \tau(X)$とする.$x \in U$とすると,$x \in \cl(\{x\}) = \cl(\{y\})$より$U \cap \{y\} \neq \varnothing$となるので,$y \in U$が成り立つ.同様にして$y \in U \implies x \in U$も成り立つ.
$z \in \cl(\{x\})$とする.このとき,任意の$U \in \tau(z,X)$に対して,$U \cap \{x\} \neq \varnothing$より$x \in U$を得るので,$y \in U$すなわち$U \cap \{y\} \neq \varnothing$が成り立つ.よって$z \in \cl(\{y\})$を得る.$\cl(\{y\}) \subset \cl(\{x\})$も同様に成り立つ.
$X$を位相空間とし$q \colon X \to \mathrm{Kol}(X)$を商写像とする.このとき次が成り立つ:
上の証明より,$X$の開集合$U$(resp. 閉集合$C$)は$q$飽和集合であることがわかる.さらに
$$
q^{\leftarrow}(q^{\rightarrow}(U\cap C)) \subset q^{\leftarrow}(q^{\rightarrow}(U) \cap q^{\rightarrow}(C)) = q^{\leftarrow}(q^{\rightarrow}(U)) \cap q^{\leftarrow}(q^{\rightarrow}(C)) = U \cap C$$
より,局所閉集合も$q$飽和集合である.
位相空間$X$のKolmogorov商$\mathrm{Kol}(X)$は$T_{0}$空間である.
$x,y \in X$とし,$\cl(\{q(x)\}) = \cl(\{q(y)\})$とする.もし$q(x) \neq q(y)$であるとすると,$U \in \tau(x,X)$であって$y \notin U$なるものが存在する(としてよい).このとき$q(x) \in q^{\rightarrow}(U) \in \tau(\mathrm{Kol}(X))$より$q(y) \in q^{\rightarrow}(U)$を得るが,
$$
y \in q^{\leftarrow}(q^{\rightarrow}(U)) = U$$
となり不合理である.
$X$を位相空間,$Y$を$T_{0}$空間とし,$f \colon X \to Y$を連続写像とする.このとき,連続写像$\bar{f} \colon \mathrm{Kol}(X) \to Y$であって$\bar{f} \circ q = f$を満たすものがただ一つ存在する:
$$
\xymatrix{
{X} \ar[d]_{q} \ar[r]^{f} & {Y}\\
{\mathrm{Kol}(X)} \ar@{.>}[ur]_{\bar{f}}
}$$
$q$は等化写像なので,
$$
q(x) = q(x') \implies f(x) = f(x')$$
が成り立つことを示せばよい.そこで$q(x) = q(x')$とする.このとき,任意の$V \in \tau(Y)$に対して
$$
f(x) \in V \iff x \in f^{\leftarrow}(V) \iff x' \in f^{\leftarrow}(V) \iff f(x') \in V$$
が成り立つので,
$$
\cl(\{f(x)\}) = \cl(\{f(x')\})$$
を得る.いま$Y$は$T_{0}$空間であるから
$$
f(x) = f(x')$$
がしたがう.
位相空間$X$について,そのKolmogorov商$\mathrm{Kol}(X)$がHausdorff空間であるとき,$X$を前正則空間(preregular space)という.
$X$を$T_{0}$空間とすると,
$$
q(x)=q(y) \implies \cl(\{x\}) = \cl(\{y\}) \implies x=y$$
より商写像$q \colon X \to \mathrm{Kol}(X)$は同相写像である.したがってHausdorff空間は前正則空間である.
$X$を位相空間とする.このとき次は同値である:
明らか(cf. nsfo 補題2.22).
$q(x)\neq q(y)$とする.仮定より$U \in \tau(x,X),V \in \tau(y,X)$であって$U \cap V = \varnothing$なるものが存在する.このとき開近傍$q^{\rightarrow}(U) \in \tau(q(x),\mathrm{Kol}(X)),\,q^{\rightarrow}(V) \in \tau(q(y),\mathrm{Kol}(X))$について,
$$
q^{\leftarrow}(q^{\rightarrow}(U) \cap q^{\rightarrow}(V)) = U \cap V = \varnothing$$
より$q^{\rightarrow}(U) \cap q^{\rightarrow}(V) = \varnothing$が成り立つ.
正則空間は前正則空間である.実際,$X$を正則空間とし$q(x) \neq q(y)$とすると,$x \notin \cl(\{y\})$または$y \notin \cl(\{x\})$が成り立つが,いづれにしろ開近傍$U \in \tau(x,X), V \in \tau(y,X)$であって$U \cap V = \varnothing$なるものが存在する.
弱局所コンパクト前正則空間は完全正則空間である.
$q \colon X \to \mathrm{Kol}(X)$を商写像とする.仮定(と$q$が開写像であること)より$\mathrm{Kol}(X)$は弱局所コンパクトHausdorff空間である(cf. wlc-sub).
$x \in X, U \in \tau(x,X)$とする.このとき$q^{\rightarrow}(U) \in \tau(q(x),\mathrm{Kol}(X))$であるから,tychonoffより,連続写像$g \colon \mathrm{Kol}(X) \to [0,1]$であって
$$
g(q(x)) = 1,\ g^{\rightarrow}(\mathrm{Kol}(X)\smallsetminus q^{\rightarrow}(U)) \subset \{0\}$$
を満たすものが存在する.ここで,$y \in X \smallsetminus U$に対して$q(y) \in q^{\rightarrow}(U)$が成り立ったとすると,$z \in U$であって$q(y) = q(z)$なるものが存在するので$y \in U$を得るが,これは不合理である.よって,連続写像$f:= g \circ q \colon X \to [0,1]$に対して
$$
f(x) = 1,$$
および
\begin{align}
f^{\rightarrow}(X \smallsetminus U)
&= g^{\rightarrow}(q^{\rightarrow}(X \smallsetminus U))\\
&\subset g^{\rightarrow}(\mathrm{Kol}(X)\smallsetminus q^{\rightarrow}(U)) \\
&\subset \{0\}
\end{align}
が成り立つ.
微局所コンパクトKC空間はTychonoff空間である.
$X$を微局所コンパクトKC空間とする.このとき$X$は弱局所コンパクト$T_{1}$空間であるから,あとは$X$の(前)正則性を示せばよい.ところで,blc-kc-slcより$X$は強局所コンパクトであるから正則空間である.
また,完全正則ならば正則であったから,t3と合わせて次を得る:
$X$を前正則空間とする.このとき次は同値である: