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大学数学基礎解説
文献あり

トレースとディターミナント

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交代形式

K線型空間V上のn重線型形式ω:VnKについて
ω(,v,,v,)=0
が成り立つとき,ωV上のn次交代形式という.V上のn次交代形式全体のなすK線型空間をAltn(V)で表わす.

n重線型形式全体のなす集合へのn次対称群Snによる作用を
(σω)(v1,,vn):=ω(vσ(1),,vσ(n))
で定める(cf. action例10,例11).この作用による不動点をn次対称形式という.

ωAltn(V)とする.このとき,任意の置換σSnに対して
σω=sgn(σ)ω
が成り立つ.

互換τijSn,i<j,に対して
τijω=ω
が成り立つことを示せばよい.そこでv1,,vnVとすると,ωの交代性より,
0=ω(,vi+vj,,vi+vj,)=ω(,vi,,vi,)+ω(,vi,,vj,)+ω(,vj,,vi,)+ω(,vj,,vj,)=ω(,vi,,vj,)+ω(,vj,,vi,)=ω(v1,,vn)+(τijω)(v1,,vn)
が成り立つ.

dimV=nならば,dimAltn(V)=1である.

dimAltn(V)1

Vの基底β=(β1,,βn)を取り,n重線型形式ωβ:VnK
ωβ(v1,,vn):=σSnsgn(σ)β1,vσ(1)βn,vσ(n)
で定める.(ωβは,n個の線型形式β1,,βnの“楔積”β1βnに他ならない.)

  1. v1,,vnVとし,vi=vj,i<j,とする.このとき
    β1,vτij(σ(1))βn,vτij(σ(n))=β1,vσ(1)βn,vσ(n)
    となるので,
    ωβ(v1,,vn)=σSnsgn(σ)β1,vσ(1)βn,vσ(n)=σAnsgn(σ)β1,vσ(1)βn,vσ(n)+sgn(τijσ)β1,vτij(σ(1))βn,vτij(σ(n))=σAnsgn(σ)β1,vσ(1)βn,vσ(n)sgn(σ)β1,vσ(1)βn,vσ(n)=0
    が成り立つ.よってωβAltn(V)である.
  2. 定義より
    ωβ(β1,,βn)=β1,β1βn,βn=1
    が成り立つ.したがってωβ0である.

dimAltn(V)1

ωAltn(V)とする.このときωの交代性より
ω(v1,,vn)=ω(i1=1nβi1βi1,v1,,in=1nβinβin,vn)=i1,,inω(βi1,,βin)βi1,v1βin,vn=σSnω(βσ1(1),,βσ1(n))βσ1(1),v1βσ1(n),vn=σSn(σ1ω)(β1,,βn)β1,vσ(1)βn,vσ(n)=σSnsgn(σ1)ω(β1,,βn)β1,vσ(1)βn,vσ(n)=ω(β1,,βn)σSnsgn(σ)β1,vσ(1)βn,vσ(n)=ω(β1,,βn)ωβ(v1,,vn)
となるので,
ω=ω(β1,,βn)ωβ
が成り立つ.

n次元線型空間Vの任意の基底β=(β1,,βn)に対して,n次交代形式ωβ
ωβ(β1,,βn)=1
を満たすAltn(V)の基底であり,任意のωAltn(V)に対して
ω=ω(β1,,βn)ωβ
が成り立つ.

β=(β1,,βn)Vの基底とし,v1,,vnVとする.

  1. β:=(v1,,vn)が線型独立である(したがって基底である)ならば,base-of-altより,
    1=ωβ(v1,,vn)=ωβ(β1,,βn)ωβ(v1,,vn)
    が成り立つので,
    ωβ(v1,,vn)0
    を得る.
  2. 逆に(v1,,vn)が線型従属であるとき,i[n]>0a1,,anKであって
    vi=v1a1++vi1ai1+vi+1ai+1++vnan
    を満たすものが存在するので,ωβの交代性より,
    ωβ(v1,,vn)=jiωβ(v1,,vi1,vj,vi+1,,vn)aj=0
    が成り立つ.

dimV=1のとき,線型写像
KEnd(V):=Hom(V,V); a[vav]
は全単射である.

fEnd(V)とし,基底βVを取る.このときfβVに対してafKであって
fβ=afβ
なるものがただ一つ存在し,任意のv:=βaVに対して
fv=f(βa)=(fβ)a=(afβ)a=af(βa)=afv
が成り立つ.よって
faf
が逆写像を与える.

線型変換のトレース

fEnd(V)とする.このとき,任意のn重線型形式ω:VnKに対して,写像VnK
(v1,,vn)i=1nω(v1,,vi1,fvi,vi+1,,vn)
で定めると,これはn重線型形式である.この対応は線型写像
Df:Altn(V)Altn(V)
を定める:
Dfω(v1,,vn):=i=1nω(v1,,vi1,fvi,vi+1,,vn)

ωAltn(V)とし,vi=vj=:v,i<j,とする.このとき,ωの交代性とskew-symより,
k=1nω(v1,,vk1,fvk,vk+1,,vn)=ω(,fv,,v,)+ω(,v,,fv,)=ω(,fv,,v,)ω(,fv,,v,)=0
が成り立つ.したがって,写像
Df:Altn(V)Altn(V); ωDfω
が定まる.Dfの線型性は明らか.

Vn次元K線型空間とし,fEnd(V)とする.このとき1-dimproportionalより,trfKであって
ωAltn(V), Dfω=(trf)ω
を満たすものがただ一つ存在する.これをfトレースという.

i=1nω(v1,,vi1,fvi,vi+1,,vn)=(trf)ω(v1,,vn)

以下,Vn次元K線型空間とする.また,β=(β1,,βn)Vの基底とし,β=(β1,,βn)をその双対基底とする.

写像
tr:End(V)K; ftrf
は線型写像である.

f,gEnd(V)とする.このとき,任意のωAltn(V)に対して
Df+gω(v1,,vn)=i=1nω(,(f+g)vi,)=i=1nω(,fvi,)+ω(,gvi,)=Dfω(v1,,vn)+Dgω(v1,,vn)=(trf+trg)ω(v1,,vn)
が成り立つので,
tr(f+g)=trf+trg
を得る.同様に,任意の(a,f)K×End(V)に対して
tr(af)=a(trf)
が成り立つ.

任意のfEnd(V)に対して
trf=i=1nβi,fβi
が成り立つ.

base-of-altよりωβ(β1,,βn)=1であるから,
trf=(trf)ωβ(β1,,βn)=Dfωβ(β1,,βn)=i=1nωβ(β1,,βi1,fβi,βi+1,,βn)=i=1nσSnsgn(σ)β1,βσ(1)βi1,βσ(i1)βi,fβσ(i)βi+1,βσ(i+1)βn,βσ(n)=i=1nβi,fβi
が成り立つ.

任意のf,gEnd(V)に対して
tr(fg)=tr(gf)
が成り立つ.

任意のi,j[n]>0に対して
βi,f(gβj)=βi,f(k=1nβkβk,gβj)=k=1nβi,fβkβk,gβj
が成り立つ.よって,rep-mat-trより,
tr(fg)=i=1nβi,f(gβi)=i,kβi,fβkβk,gβi=k,iβk,gβiβi,fβk=k=1nβk,g(fβk)=tr(gf)
が成り立つ.


基底を取らない証明については こちら を参照せられたい.

可逆な線型変換全体のなす集合をGL(V)とおく:
GL(V):={gEnd(V)gEnd(V), gg=idV=gg}.
GL(V)は写像の合成を積として群をなす.また,作用
End(V)×GL(V)End(V); (f,g)g1fg
が定まる.

任意の(f,g)End(V)×GL(V)に対して
trf=tr(g1fg)
が成り立つ.

線型変換βijEnd(V)
βijv:=βiβj,v
で定めると,(βij)i,jEnd(V)の基底である.したがってdimEnd(V)=n2が成り立つ.

  1. fEnd(V)とする.このとき,任意のvVに対して
    fv=f(j=1nβjβj,v)=j=1nfβjβj,v=j=1n(i=1nβiβi,fβj)βj,v=i,j(βiβj,v)βi,fβj=i,jβijvβi,fβj
    が成り立つので,
    f=i,jβijβi,fβj
    を得る.
  2. f:=i,jβijaij=0とする.このとき,各k[n]>0に対して,
    βijβk=βiβj,βk=βiδjk
    より
    0=fβk=i,jβiδjkaij=i=1nβiaik
    が成り立つので,
    a1k==ank=0
    を得る.

線型写像
tr^:End(V)End(V); f[gtr(fg)]
は全単射である.

線型写像Ψ:End(V)End(V)
Ψf:=i,jβijf,βji
で定める.

  1. fEnd(V)とする.このとき,
    tr^f,βji=tr(fβji)=k=1nβk,fβjiβk=k=1nβk,fβjδik=βi,fβj
    より,
    (Ψtr^)(f)=i,jβijtr^f,βji=i,jβijβi,fβj=f
    が成り立つ.
  2. fEnd(V)とする.このとき,
    (Ψf)βk=i,jβijβkf,βji=i,jβiδjkf,βji=i=1nβif,βki
    より,
    tr^(Ψf),βk=tr((Ψf)βk)=i=1nβi,(Ψf)βkβi=i=1nβi,(Ψf)βkδi=β,(Ψf)βk=i=1nβ,βif,βki=f,βk
    が成り立つので,
    (tr^Ψ)(f)=f
    を得る.

写像
End(V)×End(V)K; (f,g)tr(fg)
は非退化対称双線型形式である(cf. nondeg).

線型写像
τ:K{fEnd(V)f,gEnd(V), f,fg=f,gf}; aatr
は全単射である.

fcodom(τ)End(V)とし,f:=tr^1(f)とおく:
f,g=tr^f,g=tr(fg)
定義よりτ(a)=tr^(aidV)であり,
a(trβ11)=ai=1nβi,β11βi=ai=1nβi,β1δ1i=a
であるから,あとはf=tr(fβ11)idVであることを示せばよい.

  1. 任意のvVに対して
    βjkβiv=βjk(ββi,v)=βjkββi,v=βjδkβi,v=βjiδkv
    が成り立つ.
  2. 仮定より,
    tr(fβji)δk=tr(f(βjiδk))=tr(f(βjkβi))=f,βjkβi=f,βiβjk=tr(f(βiβjk))=tr(fβk)δij
    が成り立つので,
    tr(fβji)=tr(fβji)δ11=tr(fβ11)δij
    を得る.
  3. tr-nondegの証明中で見たように
    tr(fβji)=tr^f,βji=βi,fβj
    であるから,
    f=i,jβijβi,fβj=i,jβijtr(fβji)=i,jβijtr(fβ11)δij=i=1nβiitr(fβ11)=tr(fβ11)idV
    が成り立つ.

任意のfEnd(V)に対して,fのトレースはその転置写像のトレースに等しい:
trf=trfT

double-dualより,βの双対基底(β1,,βn)は線型同型写像
VV; v[vv,v]
によるβの像なので,
βi,fTβj=fTβj,βi=βj,fβi
が成り立つ.よって,rep-mat-trより,
trf=i=1nβi,fβi=i=1nβi,fTβi=trfT
が成り立つ.

附:テンソル積を介したトレースの特徴づけ

V,Wを線型空間とする.このとき,写像
W×VHom(V,W); (w,v)[vwv,v]
は双線型写像なので,線型写像
Θ:WVHom(V,W)
であって
Θ(wv)(v)=wv,v
を満たすものがただ一つ存在する:
W×VWVΘHom(V,W)

Vが有限次元ならば,Θは全単射である.

Vの基底(β1,,βn)を取り,その双対基底を(β1,,βn)とおく.このとき,線型写像
Φ:Hom(V,W)WV

Φ(f):=i=1nfβiβi
で定めると,
Φ(Θ(wβj))=i=1n(wβj,βi)βi=wβj,
および
Θ(Φf)(βj)=i=1nfβiβi,βj=fβj
が成り立つ.WV,Vはそれぞれ
{wβjwW, j[n]>0}, {β1,,βn}
で生成されるので,
ΦΘ=idWV, ΘΦ=idHom(V,W)
が成り立つ.

写像
V×VK; (v,v)v,v
は双線型写像なので,線型写像
ev:VVK
であって
ev(vv)=v,v
を満たすものがただ一つ存在する:
V×VVVevK

Vn次元K線型空間とする.このとき
tr=evΘ1:End(V)VVK
が成り立つ.

Vの基底(β1,,βn)を取り,その双対基底を(β1,,βn)とおく.invより
Θ1(f)=i=1nfβiβi
であるから,rep-mat-trより,
ev(Θ1(f))=i=1nβi,fβi=trf
が成り立つ.

線型変換のディターミナント

fHom(V,W)とする.このとき,任意のn重線型形式ω:WnKに対して,写像VnK
(v1,,vn)ω(fv1,,fvn)
で定めると,これはn重線型形式である.この対応は線型写像
f:Altn(W)Altn(V)
を定める:
fω(v1,,vn):=ω(fv1,,fvn)

Vn次元K線型空間とし,fEnd(V)とする.このとき1-dimproportionalより,detfKであって
ωAltn(V), fω=(detf)ω
を満たすものがただ一つ存在する.これをfディターミナントという.

ω(fv1,,fvn)=(detf)ω(v1,,vn)

以下,Vn次元K線型空間とする.

明らかに
det(idV)=1, det(const0)=0
が成り立つ.一般に,aKに対してfaEnd(V)
fav:=av
で定めると,
faω(v1,,vn)=ω(av1,,avn)=anω(v1,,vn)
より,
detfa=an
が成り立つ.

任意のf,gEnd(V)に対して
det(fg)=(detf)(detg)
が成り立つ.したがって
det(fg)=det(gf)
が成り立つ.

任意のωAltn(V)に対して
(fg)ω(v1,,vn)=ω(f(gv1),,f(gvn))=fω(gv1,,gvn)=(detf)ω(gv1,,gvn)=(detf)gω(v1,,vn)=(detf)(detg)ω(v1,,vn)
が成り立つ.よって
det(fg)=(detf)(detg)
を得る.

fEnd(V)とする.このとき次は同値である:

  1. fGL(V);
  2. detf0.

(i)(ii)

仮定より,gEnd(V)であってfg=idVなるものが存在する.よって
(detf)(detg)=det(fg)=det(idV)=10
となるので,detf0を得る.

(ii)(i)

β=(β1,,βn)Vの基底とする.このとき
ωβ(fβ1,,fβn)=fωβ(β1,,βn)=(detf)ωβ(β1,,βn)=detf0
となるので,lin-indepより(fβ1,,fβn)は線型独立である.よってrankf=nであるから,fGL(V)となる.

任意のfEnd(V)に対して,ωβの定義より,
detf=ωβ(fβ1,,fβn)=σSnsgn(σ)β1,fβσ(1)βn,fβσ(n)
が成り立つ.また,
βi,fTβj=βj,fβi
であったから(cf. transpose-tr),
detfT=σSnsgn(σ1)β1,fTβσ1(1)βn,fTβσ1(n)=σSnsgn(σ)βσ1(1),fβ1βσ1(n),fβn=σSnsgn(σ)β1,fβσ(1)βn,fβσ(n)=detf
が成り立つ.

fEnd(V)とする.λKについて
V(λ):=Ker(fλidV){0} (det(fλidV)=0)
が成り立つとき,λf固有値といい,各vV(λ){0}を固有値λに属するf固有ベクトルという.

  1. 任意のλ,μKに対して
    λμV(λ)V(μ)={0}
    が成り立つので,fの相異なる固有値は高々n個である.
  2. Vfの固有ベクトルβiV(λi){0}からなる基底β:=(β1,,βn)を持つとすると,ωβ(β1,,βn)=1より,
    trf=Dfωβ(β1,,βn)=i=1nωβ(β1,,βi1,fβi,βi+1,,βn)=i=1nωβ(β1,,βi1,λiβi,βi+1,,βn)=λ1++λndetf=fωβ(β1,,βn)=ωβ(fβ1,,fβn)=ωβ(λ1β1,,λnβn)=λ1λn
    が成り立つ.

正方行列のトレースとディターミナント

正方行列のトレース

n次正方行列AKn×nに対して,
trA:=i=1nA(i,i) (=trAT)
Aトレースという.

fEnd(V)としβ=(β1,,βn)Vの基底とする.このときrep-mat-trより
trf=i=1nβi,fβi=i=1n[f:β/β](i,i)=tr[f:β/β]
が成り立つ.したがって,線型変換のトレースはその表現行列のトレースに等しい.とくに,n次正方行列AKn×nに対して
trA=tr[fA:ϵ/ϵ]=trfA
が成り立つ.

任意のn次正方行列A,BKn×nに対して,commより,
tr(AB)=trfAB=tr(fAfB)=tr(fBfA)=trfBA=tr(BA)
が成り立つ.よって,任意の(A,B)Kn×n×GL(Kn)に対して
trA=tr(B1AB)
が成り立つ.

線型写像
tr^:Kn×nHom(Kn×n,K); A[Xtr(AX)]
は全単射である.

(同じことの繰り返しになるけれど)

Eji:=ϵjiKn×n行列単位という:
Eji(k,)=ϵk,Ejiϵ=ϵk,ϵjδi=δjkδi.

線型写像Ψ:Hom(Kn×n,K)Kn×n
(Ψf)(i,j):=fEji
で定める.

  1. AKn×nとする.このとき,
    tr(AEji)==1n(AEji)(,)==1nk=1nA(,k)δjkδi=A(i,j)
    より,
    Ψ(tr^A)=A
    が成り立つ.
  2. fHom(Kn×n,K)とする.このとき,
    tr^(Ψf)(Ek)=tr((Ψf)Ek)=(Ψf)(,k)=fEk
    より,
    tr^(Ψf)=f
    が成り立つ.

線型写像
τ:K{fHom(Kn×n,K)X,YKn×n, f(XY)=f(YX)}; aatr
は全単射である.

fcodom(τ)Hom(Kn×n,K)とし,A:=tr^1(f)とおく:
f(X)=tr^(A)(X)=tr(AX)
定義よりτ(a)=tr^(aEn)であるから,あとはA=a11Enであることを示せばよい.

行列単位Ejk,Eiに対して
EjkEi=Ejiδk
が成り立つので,仮定より
aijδk=tr(AEjiδk)=tr(AEjkEi)=f(EjkEi)=f(EiEjk)=tr(AEkδij)=akδij
が成り立つことがわかる.よって
aij=aijδ11=a11δij
となるので,A=a11Enが成り立つ.

Frobenius inner product

写像
Rn×m×Rn×mR; (A,B)tr(ABT)=:A|B
は正定値対称双線型形式,すなわちRn×m上の内積である.実際,

  1. 双線型性は明らか.
  2. 任意のA,BRn×mに対して,
    B|A=tr(BAT)=tr((BAT)T)=tr(ABT)=A|B
    が成り立つ.
  3. 一般に
    (ABT)(i,j)=k=1mA(i,k)BT(k,j)=k=1mA(i,k)B(j,k)
    であるから,任意のARn×mに対して
    A|A=tr(AAT)=i,kA(i,k)A(i,k)0
    が成り立つ.よって,
    A0A|A>0
    が成り立つ.

とくにm=1のとき,
Rn×RnR; (x,y)x|y=tr(xyT)=i=1nxiyi
となる.

同様にして,
Cn×m×Cn×mC; (A,B)tr(AB)
Cn×m上のHermite内積であることがわかる.

正方行列のディターミナント

n次正方行列A=[aij](i,j)Kn×nに対して,
detA:=σSnsgn(σ)a1,σ(1)an,σ(n)
Aディターミナントという.

2次正方行列
A:=[abcd]
のディターミナントは
detA=adbc
で与えられる.

fEnd(V)としβ=(β1,,βn)Vの基底とする.このときrep-mat-detより
detf=ωβ(fβ1,,fβn)=σSnsgn(σ)β1,fβσ(1)βn,fβσ(n)=σSnsgn(σ)[f:β/β](1,σ(1))[f:β/β](n,σ(n))=det[f:β/β]
が成り立つ.したがって,線型変換のディターミナントはその表現行列のディターミナントに等しい.とくに,n次正方行列AKn×nに対して
detA=det[fA:ϵ/ϵ]=detfA
が成り立つ.たとえば:
detOn=0, detEn=1.

  1. rep-mat-detより,
    detA=detfA=detfAT=detAT
    が成り立つ.
  2. prod-detより,
    det(AB)=detfAB=det(fAfB)=(detfA)(detfB)=(detA)(detB)
    が成り立つ.
  3. nonsingより,
    AGL(Kn)detA0
    が成り立つ.したがって,AGL(Kn)のとき
    det(A1)=(detA)1
    となる.

ωβの定義より,
ωβ(v1,,vn)=σSnsgn(σ)β1,vσ(1)βn,vσ(n)=det[βi,vj](i,j)
が成り立つ.とくに,βからγへの基底変換行列[γ/β]について
γ=β[γβ]  ωβ(γ1,,γn)=det[γβ]
となるので,base-of-altより,
ωβ=det[γβ]ωγ
が成り立つ.ところで,βからγへの基底変換行列について[γ/β]=[β/γ]Tが成り立つので,上の等式は
γ1γn=det[γβ]β1βn
とも書ける.

定義より
detA=ωϵ(Aϵ1,,Aϵn)
であるから,lin-indepより,
detA0(Aϵ1,,Aϵn):lin. indep.
が成り立つ.また,同一視
Kn×n(Kn)n; A(Aϵ1,,Aϵn)
によりdet=ωϵAltn(Kn)と見做すと,任意のωAltn(Kn)に対して
ω=ω(ϵ1,,ϵn)det
が成り立つ(cf. base-of-alt).

ni次正方行列AniKni×niを対角に並べた正方行列
AniAnk:=[An1Ank]
のディターミナントについて,
det(An1Ank)=(detAn1)(detAnk)
が成り立つ.

k=2,n1:=n,n2:=mの場合に示せば十分である.

  1. n重線型形式ω:(Kn)n=Kn×nK
    ω(Anϵ1,,Anϵn):=det[AnEm]
    で定める.明らかにωAltn(Kn)であるから,
    det[AnEm]=det[EnEm]detAn=detAn
    が成り立つ.
  2. 同様に,
    det[EnAm]=det[EnEm]detAm=detAm
    が成り立つ.
  3. ところで
    AnAm=[AnAm]=[AnEm][EnAm]
    が成り立つ.

以上より
det(AnAm)=(detAn)(detAm)
を得る.

ディターミナントランク

AKn×mとし,単調増加写像[k]>0[n]>0,[r]>0[m]>0の像をそれぞれI[n]>0,J[m]>0とおく.合成写像
[k]>0×[r]>0[n]>0×[m]>0AK
A小行列といいAI,JKk×rで表わす.

AKn×mとし,r:=rankAとおく.このときJ:={j1,,jr}[m]>0であって
(Aϵj1,,Aϵjr):lin. indep.
なるものが存在する.したがって行列A:=A[n]>0,JKn×rについてrankA=rが成り立つので,I[n]>0,#I=r,であって
rankAI,J=rankAI,[r]>0=r  detAI,J0
なるものが存在する.

行列AKn×mに対して,
detrankA:=max{kNI,J, #I=#J=k, detAI,J0}
Aディターミナントランクという.

任意のAKn×mに対して
rankA=detrankA
が成り立つ.

rankAdetrankAなることは既に見た.一方,d:=detrankAとおくと,I[n]>0,J[m]>0,#I=#J=d,であってdetAI,J0なるものが存在する.そこでJ={j1,,jd}とおくと,rankAI,J=dより,
(Aϵj1,,Aϵjd):lin. indep.
が成り立つので,drankAを得る.

任意の行列AKn×mに対して
rankArI={i1,,ir+1},J={j1,,jr+1}, detAI,J=0
が成り立つ.実際,det-rankよりがしたがい,rankと同様にして(の対偶)が成り立つことがわかる.

ディターミナントの連続性と上例より
R(r):={ARn×mrankAr}={(detprI,J)({0})I[n]>0,J[m]>0, #I=#J=r+1}Rn×m
は閉集合であり,したがって
{ARn×mrankA=min{n,m}}=Rn×mR(min{n,m}1)Rn×m
は開集合である.

交代行列のパフィアン

Vn次元K線型空間とし,ω:V×VKV上の対称双線型形式または交代双線型形式とする.このとき次は同値である:

  1. ω非退化である,すなわち線型写像
    ω^:VV; v[vω(v,v)]
    は全単射である;
  2. Vの任意の基底(β1,,βn)に対して,正方行列[ω(βi,βj)](i,j)Kn×nは可逆である;
  3. Vの基底(β1,,βn)であって,正方行列[ω(βi,βj)](i,j)Kn×nが可逆となるようなものが存在する.

仮定より
ω(u,v)=0ω(v,u)=0
が成り立つことに注意する.

(i)(ii)

(β1,,βn)Vの基底とし,A:=[ω(βi,βj)](i,j)Kn×nとおく.このとき,x:=jϵjxjKnに対して
Ax=j=1nAϵjxj=j=1n(i=1nϵiω(βi,βj))xj=i=1nϵi(j=1nω(βi,βj)xj)=i=1nϵiω(βi,v)
が成り立つ.ただしv:=jβjxjVとおいた.よって
Ax=0i, ω(βi,v)=0i, ω^(v)(βi)=ω(v,βi)=0ω^(v)=0v=j=1nβjxj=0j, xj=0x=j=1nϵjxj=0
が成り立つので,Ker(A)={0}を得る.したがってAは可逆である.

(ii)(iii)

明らか.

(iii)(i)

Vのある基底(β1,,βn)に対して,A:=[ω(βi,βj)](i,j)Kn×nが可逆であるとする.このとき
v:=j=1nβjxjKer(ω^)i, ω^(v)(βi)=0A(j=1nϵjxj)=i=1nϵiω(βi,v)=0j=1nϵjxj=0j, xj=0v=j=1nβjxj=0
が成り立つので,Ker(ω^)={0}を得る.いまdimV=n=dimVであるから,ω^は全単射である.

定義と例

以下,Kを標数0の体とする.

n次正方行列AKn×nに対して,双線型形式ωA:Kn×KnK
ωA(ϵi,ϵj):=A(i,j)
で定める.

nondegdet-of-matより
ωA:nondegeneratedetA0
が成り立つ.

n次正方行列AKn×nについて,ωAAlt2(Kn)となるとき,A交代行列という.

A=[aij](i,j)Kn×nとする.このとき,任意のv:=iϵixiKnに対して
ωA(v,v)=i,jωA(ϵi,ϵj)xixj=i,jaijxixj=i<j(aij+aji)xixj+i=1naiixi2
が成り立つ.

  1. ωAAlt2(Kn)のとき,
    0=ωA(ϵk,ϵk)=akk
    であり,k<に対して
    0=ωA(ϵk+ϵ,ϵk+ϵ)=ak+ak
    が成り立つので,
    A+AT=On
    となる.
  2. 逆に,A+AT=Onのとき,明らかにωAAlt2(Kn)が成り立つ.

任意の奇数次交代行列AKnに対して,
detA=det(AT)=(1)ndetAT=detA
より,detA=0が成り立つ.

AK2n×2nを交代行列とする.このとき,2n重線型形式ΩA:(K2n)2nK
ΩA(v1,,v2n):=12nσS2nsgn(σ)ωA(vσ(1),vσ(2))ωA(vσ(2n1),vσ(2n))
で定めると,これは交代形式である.

ΩAn個の交代双線型形式ωAの“楔積”ωAωAに他ならない.)

任意の互換τijS2nに対して
(τijΩA)(v1,,v2n)=ΩA(vτij(1),,vτij(2n))=12nσS2nsgn(σ)ωA(vτij(σ(1)),vτij(σ(2)))ωA(vτij(σ(2n1)),vτij(σ(2n)))=12nσS2nsgn(τijσ)ωA(vτij(σ(1)),vτij(σ(2)))ωA(vτij(σ(2n1)),vτij(σ(2n)))=ΩA(v1,,v2n)
が成り立つ.よってvi=vj=:v,i<j,のとき
ΩA(,v,,v,)=(τijΩA)(,v,,v,)=ΩA(,v,,v,)
より
ΩA(,v,,v,)=0
が成り立つので,ΩAは交代形式である.

交代行列AK2n×2nに対して,
pfA:=ΩA(ϵ1,,ϵ2n)n!K
Aパフィアンという.

任意の交代行列A=[aij](i,j)K2n×2nに対して,
pfA=σP2nsgn(σ)aσ(1),σ(2)aσ(2n1),σ(2n)
が成り立つ.ただし
P2n:={σS2nσ(2i1)<σ(2i), σ(1)<σ(3)<<σ(2n1)}
である.

Step 0.

ΩA,ωAの定義より
pfA=ΩA(ϵ1,,ϵ2n)n!=1n!12nσS2nsgn(σ)ωA(ϵσ(1),ϵσ(2))ωA(ϵσ(2n1),ϵσ(2n))=1n!2nσS2nsgn(σ)aσ(1),σ(2)aσ(2n1),σ(2n)
となる.

Step 1.

部分群
T:=τ1,2,τ3,4,,τ2n1,2n<S2n
によるS2nへの積作用S2n×TS2nを考える.

  1. Tの生成元は互いに可換な位数2の元なので,#T=2nである.
  2. Aが交代行列であることより,任意のσS2nに対して
    sgn(στ2i1,2i)aσ(τ2i1,2i(1)),σ(τ2i1,2i(2))aσ(τ2i1,2i(2n1)),σ(τ2i1,2i(2n))=sgn(σ)aσ(1),σ(2)aσ(2n1),σ(2n)
    が成り立つ.
  3. 各軌道は,σS2nであって
    i[n]>0, σ(2i1)<σ(2i)
    を満たすものをただ一つ含むので,このような元からなるS2n/Tの完全代表系Q2nが取れる.

よって,
pfA=1n!2nσS2nsgn(σ)aσ(1),σ(2)aσ(2n1),σ(2n)=1n!2nσQ2nτTsgn(στ)aσ(τ(1)),σ(τ(2))aσ(τ(2n1)),σ(τ(2n))=1n!2n2nσQ2nsgn(σ)aσ(1),σ(2)aσ(2n1),σ(2n)=1n!σQ2nsgn(σ)aσ(1),σ(2)aσ(2n1),σ(2n)
が成り立つ.

Step 2.

σnSn
2i12σn(i)12i2σn(i)
なるS2nの元と見做してσ2nS2nで表わす.この同一視の下で,作用
Q2n×SnQ2n; (σ,σn)σσ2n
が定まり,Q2n/Snの完全代表系としてP2nが取れる.各σ2nS2nは偶置換であり,任意の(σ,σn)P2n×Snに対して
aσ(σ2n(1)),σ(σ2n(2))aσ(σ2n(2n1)),σ(σ2n(2n))=aσ(1),σ(2)aσ(2n1),σ(2n)
が成り立つ.よって
pfA=1n!σQ2nsgn(σ)aσ(1),σ(2)aσ(2n1),σ(2n)=1n!σP2nσnSnsgn(σσ2n)aσ(σ2n(1)),σ(σ2n(2))aσ(σ2n(2n1)),σ(σ2n(2n))=1n!n!σP2nsgn(σ)aσ(1),σ(2)aσ(2n1),σ(2n)=σP2nsgn(σ)aσ(1),σ(2)aσ(2n1),σ(2n)
が成り立つ.

上の証明より,
#P2n=#Q2n#Sn=1n!#S2n#T=(2n)!n!2n
を得る.

  1. 交代行列
    A2:=[0a12a120]
    に対して,P2={id}より,
    pfA2=a12
    が成り立つ.
  2. 交代行列
    A4:=[0a12a13a14a120a23a24a13a230a34a14a24a340]
    に対して,P4={id,(23),(243)}より,
    pfA4=a12a34a13a24+a14a23
    が成り立つ.
  3. 2n次交代行列
    Δ(a12,a34,,a2n1,2n):=[0a12a120][0a34a340][0a2n1,2na2n1,2n0]
    に対して,
    pfΔ(a12,a34,,a2n1,2n)=a12a34a2n1,2n
    が成り立つ.
  4. 交代行列A=[aij](i,j)K2n×2nとスカラーaKとに対して,
    pf(aA)=σP2nsgn(σ)(aaσ(1),σ(2))(aaσ(2n1),σ(2n))=anσP2nsgn(σ)aσ(1),σ(2)aσ2n1,σ(2n)=anpfA
    が成り立つ.とくに
    pfAT=pf(A)=(1)npfA
    が成り立つ.

パフィアンとディターミナント

任意の交代行列AK2n×2nと正方行列BK2n×2nとに対して,AB:=BTABK2n×2nは交代行列であり,そのパフィアンについて
pf(AB)=(pfA)(detB)
が成り立つ.

Step 0.

Aの交代性より
BTAB+(BTAB)T=BTAB+BTATB=BT(A+AT)B=BTO2nB=O2n
となるので,BTAB=ABは交代行列である.

Step 1.

BωA=ωBTABが成り立つ:
ωA(Bϵi,Bϵj)=ωA(k=12nϵkB(k,i),=12nϵB(,j))=k,B(k,i)ωA(ϵk,ϵ)B(,j)=k,B(k,i)A(k,)B(,j)=k,BT(i,k)A(k,)B(,j)=(BTAB)(i,j)=ωBTAB(ϵi,ϵj)

Step 2.

BΩA=ΩBTABが成り立つ:
ΩA(Bϵ1,,Bϵ2n)=12nσS2nsgn(σ)ωA(Bϵσ(1),Bϵσ(2))ωA(Bϵσ(2n1),Bϵσ(2n))=12nσS2nsgn(σ)ωBTAB(ϵσ(1),ϵσ(2))ωBTAB(ϵσ(2n1),σ(2n))=ΩBTAB(ϵ1,,ϵ2n)

Step 3.

よってbase-of-altより
n!(pfA)(detB)=n!(pfA)ωϵ(Bϵ1,,Bϵ2n)=ΩA(ϵ1,,ϵ2n)ωϵ(Bϵ1,,Bϵ2n)=ΩA(Bϵ1,,Bϵ2n)=ΩBTAB(ϵ1,,ϵ2n)=n!pf(BTAB)
となるので,
pf(AB)=(pfA)(detB)
が成り立つ.(BΩA=(detB)ΩAを用いてもよい.)

任意の交代行列AK2n×2nに対して
(pfA)2=detA
が成り立つ.

Step 0.

A=O2nのとき,pf-expansionより
(pfA)2=0=detA
が成り立つ.

Step 1.

以下,AO2nとする.このとき,i,j[2n]>0であって
ωA^(ϵi)(ϵj)=ωA(ϵi,ϵj)=A(i,j)0
なるものが存在する.したがってKer(ωA^)K2nであるから,非自明な部分空間W01K2nであって
K2n=W01Ker(ωA^)
を満たすものが存在する.

  1. β1W01{0}を取る.このとき,β1Ker(ωA^)よりvVであって
    ωA(β1,v)=ωA^(β1)(v)0
    なるものが存在するので,β2W01であってωA(β1,β2)=1を満たすものが得られる.
  2. そこで
    W1:=Span(β1,β2)W10:={wW01w1W1, ωA(w,w1)=0}
    とおくと,
    W01=W1W10
    が成り立つ:
    1. w:=β1x1+β2x2W1W10とすると,
      0=ωA(w,β1)=ωA(β2,β1)x2=x20=ωA(w,β2)=ωA(β1,β2)x1=x1
      より,w=0が成り立つ.
    2. 任意のwW01に対して,
      w=(β1ωA(w,β2)β2ωA(w,β1))+(wβ1ωA(w,β2)+β2ωA(w,β1))W1+W10
      が成り立つ.

よって
K2n=W1W10Ker(ωA^)
が成り立つ.

  1. W10{0}とすると,β3W10{0}が取れるが,このとき,β3Ker(ωA^)よりvVであって
    ωA(β3,v)=ωA^(β3)(v)0
    なるものが存在するので,β4W10であってωA(β3,β4)=1を満たすものが得られる.
  2. そこで
    W2:=Span(β3,β4)W21:={wW10w2W2, ωA(w,w2)=0}
    とおくと,同様にして
    W10=W2W21
    が成り立つことがわかる.

よって
K2n=W1W2W21Ker(ωA^)
が成り立つ.以下,これを繰り返すことで,線型独立なベクトルβ1,,β2mK2nであって,
K2n=Span(β1,β2)Span(β2m1,β2m)Ker(ωA^)
を満たすものが存在することがわかる.よって,K2nの基底β=(β1,,β2m,β2m+1,,β2n)であって,
[ωA(βi,βj)](i,j)=Δ(1,,1,0,,0)
なるものが存在する.βを行列BK2n×2nと見做すと,この等式は
BTAB=Δ(1,,1,0,,0)
を意味する.実際,pf-transposeの証明より,
BTAB=[ωBTAB(ϵi,ϵj)](i,j)=[ωA(Bϵi,Bϵj)](i,j)=[ωA(βi,βj)](i,j)=Δ(1,,1,0,,0)
が成り立つ.

Step 2.

det-of-matよりdetB0であるから,C:=B1とおくと,
A=CTΔ(1,,1,0,,0)C=Δ(1,,1,0,,0)C
が成り立つ.よって,det-of-matpf-transposeより,
detA=(detCT)(detΔ(1,,1,0,,0))(detC)=(detC)2(detΔ(1,,1,0,,0))pfA=pf(Δ(1,,1,0,,0)C)=(pfΔ(1,,1,0,,0))(detC)
が成り立つ.

Step 2-1.

Ker(ωA^)=0のとき,det-diagdet-2pf-exより
detΔ(1,,1)=1=pfΔ(1,,1)
となるので,
(pfA)2=(detC)2=detA
が成り立つ.

Step 2-2.

Ker(ωA^)0のとき,detの多重線型性とpf-exより
detΔ(1,,1,0,,0)=0=pfΔ(1,,1,0,,0)
となるので,
(pfA)2=0=detA
が成り立つ.

上の証明から次が得られる:

任意の交代行列AK2n×2nに対して,可逆行列BGL(K2n)であって
BTAB=Δ(1,,1,0,,0)
を満たすものが存在する.

有限次元K線型空間V上の非退化交代双線型形式ω:V×VKV上のシンプレクティック形式といい,組(V,ω)シンプレクティック線型空間という.シンプレクティック線型空間(V,ω)に対して,pf-detの証明と同様の議論を行なうことで,基底(β1,,β2n)であって
[ω(βi,βj)](i,j)=Δ(1,,1)=:ΔK2n×2n
を満たすものが存在することがわかる.とくにシンプレクティック線型空間は偶数次元である(nondegdet-of-odd-altからもわかる).

detΔ=1より,交代行列ΔK2n×2nは可逆であるから,ωΔAlt2(K2n)K2n上のシンプレクティック形式である.

正方行列AK2n×2nについて
ATΔA=Δ
が成り立つとき,Aを(シンプレクティック形式ωΔに関する)シンプレクティック行列といい,ASymp(Δ)で表わす.たとえばE2nSymp(Δ)である.ところで,
AωΔ=ωΔA=ωATΔA
であったから,
ASymp(Δ)AωΔ=ωΔ
が成り立つ.

  1. pf-exよりpfΔ=1であるから,任意のASymp(Δ)に対して,pf-transposeより,
    detA=(pfΔ)(detA)=pf(ΔA)=pfΔ=10
    が成り立つ.したがってSymp(Δ)は行列の積に関して(GL(K2n)の部分)群をなす:
    1. A,BSymp(Δ)(AB)ωΔ=BAωΔ=BωΔ=ωΔ;
    2. AωΔ=ωΔωΔ=(A1)AωΔ=(A1)ωΔ.
  2. ΔTΔ=E2n=ΔΔTであるから,Δ,ΔTSymp(Δ)となる.
  3. 任意のASymp(Δ)に対して,Δ1=ΔT=Δより
    AΔAT=Δ1(AT)1(ATΔA)ΔAT=Δ1(AT)1ΔΔAT=Δ
    となるので,ATSymp(Δ)が成り立つ.
  4. 可逆行列BGL(K2n)に対して,
    (B1AB)T(BTΔB)(B1AB)=BT(ATΔA)B
    が成り立つので,Symp(Δ)Symp(ΔB)とは群同型である:
    Symp(Δ)Symp(ΔB); AB1AB.
  5. 可逆行列SGL(K2n)
    Sϵi:={ϵ2i1,1inϵ2(in),n+1i2n
    によって定める(cf. det-of-mat).さらに,2n次交代行列ΔSK2n×2n
    ΔS:=[OnEnEnOn]
    で定める.このとき
    Δ(i,j)=ωΔS(S1ϵi,S1ϵj)=(S1)ωΔS(ϵi,ϵj)=ωΔSS1(ϵi,ϵj)=(ΔSS1)(i,j)
    より,Δ=ΔSS1,したがってΔS=ΔSとなる.群Symp(ΔS)のことをシンプレクティック群といい,とくにSp(2n,K)で表わす.
  6. 単にシンプレクティック群(resp. シンプレクティック行列)といった場合,Sp(2n,R)(resp. Sp(2n,R)の元)のことを指すっぽい.

任意の正方行列AKn×nに対して,
Aalt:=[OnAATOn]K2n×2n
とおくと,
pfAalt=(1)n(n1)2detA
が成り立つ.

上例の可逆行列SGL(K2n)に対応する置換をσSS2nとおく:
σS:=(123nn+1n+22n12n1352n1242n22n)
このとき,Sϵj=ϵσS(j)より,
detS=σS2nsgn(σ)ϵ1,ϵσS(σ(1))ϵ2n,ϵσS(σ(2n))=sgn(σS1)=sgn(σS)=(1)n(n1)2
が成り立つ(cf. sgn命題2).いま,
ΔS(ATEn)=[AEn][EnEn][ATEn]=[AEn][EnAT]=[AAT]=Aalt
が成り立つので,pf-detdet-diagpf-exdet-of-matより,
pfAalt=pf(ΔS(ATEn))=pf(ΔS)det(ATEn)=(pfΔ)(detS)(detAT)(detEn)=(1)n(n1)2detA
を得る.

補遺:双対空間について

双対空間

K線型空間Vに対して,K線型空間
V:=Hom(V,K)
V双対空間という.各(v,v)V×Vに対して
v,v:=v(v)K
とおく.

dimV=nとし,β=(β1,,βn)をその基底とする.このとき,線型写像βi:VK
βi,βj:=δij:={1,i=j0,ij
で定めると,β:=(β1,,βn)Vの基底となる.これをβ双対基底という.とくにdimV=dimVである.

  1. vVとする.このとき,任意のv:=iβixiVに対して
    v,v=i=1nv,βixi=i=1nv,βiβi,v=i=1nv,βiβi,v
    が成り立つので,
    v=i=1nv,βiβi
    を得る.
  2. v:=iaiβi=0とする.このとき,任意のj[n]>0に対して
    0=v,βj=i=1naiβi,βj=aj
    が成り立つ.

dimV=nとする.このとき,線型写像
ev^:VV; v[vv,v]
は全単射である.

Vの基底βを取り,βをその双対基底とする.dual-baseより
dimV=dimV=dimV=n
であるから,ev^が単射であることを示せばよい.そこでvKer(ev^)とすると,任意のi[n]>0に対して
βi,v=ev^(v)(βi)=0
が成り立つので,
v=i=1nβiβi,v=0
を得る.

零化空間

線型空間Vの部分空間WVに対して,双対空間Vの部分空間
W:={vVwW, v,w=0}
W零化空間という.

Vを有限次元線型空間とする.このとき,任意の部分空間WVに対して
dimW+dimW=dimV
が成り立つ.さらに,同一視VVの下で
W=(W)
が成り立つ.

  1. Wの基底(β1,,βm)を延長して得られるVの基底を(β1,,βn)とし,その双対基底を(β1,,βn)とする.このとき
    vWj[m]>0, v,βj=0v=i=m+1nv,βiβi
    より,
    W=Span(βm+1,,βn)
    が成り立つ.よって
    dimW+dimW=m+(nm)=n=dimV
    を得る.
  2. 明らかに
    W(W)
    が成り立つ.また,前段より
    dimW=dimVdimW=dimVdimW=(dimW+dim(W))dimW=dim(W)
    が成り立つので,
    W=(W)
    を得る.

転置写像とそのランク

線型写像f:VWに対して,線型写像
WV; wwf
f転置写像双対写像などといいfTで表わす:
fTw,v=w,fv

V,Wを有限次元線型空間とし,f:VWを線型写像とする.このとき,
rankf=rankfT
が成り立つ.

転置写像fT:WVの定義より
wKer(fT)vV, fTw,v=0vV, w,fv=0w(Im(f))
が成り立つ.よって,annより
Im(f)=(Ker(fT))
を得るので,annと次元定理より,
rankf=dimIm(f)=dim(Ker(fT))=dimWdimKer(fT)=rankfT
が成り立つ.

補遺:表現行列について

矩形行列

  1. Uを集合としVを線型空間とする.このとき,写像集合
    VU:={ff:UV}

    (f+g)(u):=f(u)+g(u)(fa)(u):=f(u)a
    により線型空間の構造を持つ.
  2. 正整数n,mZ>0に対して,線型空間Kn×m:=K[n]>0×[m]>0の元を(矩形)行列という.
    1. とくにn=mなるとき,n次)正方行列という.
    2. 行列AKn×mに対して,A(i,j)Kをその(i,j)成分という.また,
      (i,j)aijK
      なる行列を[aij](i,j)と書く.
    3. 行列AKn×mに対して,その転置行列ATKm×n
      AT(i,j):=A(j,i)
      で定める.
  3. 線型空間Kn:=Kn×1の元ϵ1,,ϵn
    ϵi(j,1):=δij
    で定めると,(ϵ1,,ϵn)Knの基底をなす.これをKn標準基底という.
  4. 行列AKn×mに対して,線型写像fA:KmKn
    ϵji=1nϵiA(i,j)
    により定まる.対応
    Kn×mHom(Km,Kn); AfA
    は線型写像であり,
    f[ϵi,fϵj](i,j)
    が逆写像を与える.
    1. 恒等写像idHom(Kn,Kn)に対応する行列を単位行列といいEnで表わす.
    2. 零写像const0Hom(Kn,Km)に対応する行列を零行列といいOm,nで表わす.また,On:=On,nとおく.
  5. 行列の
    Kn×m×Km×Kn×; (A,B)[ϵi,fA(fBϵj)](i,j)=:AB
    で定める.したがって,定義により
    fAB=fAfB
    である.線型写像fA,fBの定義より
    fA(fBϵj)=fA(k=1mϵkB(k,j))=k=1mfAϵkB(k,j)=k=1m(i=1nϵiA(i,k))B(k,j)=i=1nϵi(k=1mA(i,k)B(k,j))
    となるので,積AB(i,j)成分は
    (AB)(i,j)=k=1mA(i,k)B(k,j)
    で与えられる.
  6. 大抵の場合,行列Aに対応する線型写像も同じ記号Aで表わす.

線型写像の表現行列

  1. dimV=nとする.このとき,
    1. Vの任意の基底β=(β1,,βn)に対して,線型写像
      Lβ:KnV; ϵiβi
      は全単射である.
    2. 逆に,任意の線型同型写像f:KnVに対して,(fϵ1,,fϵn)Vの基底である.
  2. dimV=n,dimW=mとし,β,βをそれぞれV,Wの基底とする.線型写像f:VWに対して,行列
    Lβ1fLβHom(Kn,Km)Km×n
    を,f(β,β)に関する表現行列といい[f:β/β]で表わす:
    Kn[f:β/β]LβKmLβVfW
    等式fLβ=Lβ[f:β/β]をしばしば
    (fβ1,,fβn)=(β1,,βm)[f:ββ]
    と表わす.ところで,表現行列の(i,j)成分は
    [f:β/β](i,j)=ϵi,(Lβ1fLβ)ϵj=ϵi,Lβ1(fβj)=ϵi,Lβ1(k=1mβkβk,fβj)=k=1mϵi,ϵkβk,fβj=βi,fβj
    で与えられる.したがって上の等式表記は“行列”間の等式として正当化される.
    1. v:=iβixiVとする.このとき,線型写像KV; 1v(1,β)に関する表現行列についての上の等式は(左辺の括弧を省いて)
      v=(β1,,βn)[x1xn]
      と書ける.“縦ベクトル”[v/β]:=[xi](i,1)=Lβ1(v)Knを,vβに関する座標成分などという.
    2. ベクトルvV,fvWの座標について,[f:β/β]Lβ1=Lβ1fより,
      [f:ββ][vβ]=[fvβ]
      が成り立つ.
    3. 転置写像fT:WVの表現行列について,
      βi,fTβj=fTβj,βi=βj,fβi=[f:β/β](j,i)
      より,
      [fT:ββ]=[f:ββ]T
      が成り立つ.
    4. 行列AKm×nに対応する線型写像fA:KnKm(ϵ,ϵ)に関する表現行列はAに等しい:
      [fA:ϵ/ϵ]=[ϵi,fAϵj](i,j)=A
      したがってfAT(ϵ,ϵ)に関する表現行列はATであるから,rank-of-dual-mapより
      “column rank of A":=rankA:=rankfA=rankfAT=rankfAT=rankAT=:“row rank of A"
      が成り立つ.
  3. 恒等変換idV:VV(βnew,βold)に関する表現行列をβoldからβnewへの基底変換行列といい[βnew/βold]で表わす:
    Kn[βnew/βold]LβnewKnLβoldVidVV
    1. 等式Lβnew=Lβold[βnew/βold]
      βnew=βold[βnewβold]
      と書ける.
    2. ベクトルvVの座標について,[βnew/βold]Lβnew1=Lβold1より,
      [βnewβold][vβnew]=[vβold]
      が成り立つ.
    3. 線型変換f:VV(βold)i(βnew)iで定めると,fLβold=Lβnewより,
      [f:βoldβold]=Lβold1fLβold=Lβold1Lβnew=[βnewβold]
      が成り立つ.
    4. idVT=idVであるから,
      [βoldβnew]=[idVT:βoldβnew]=[idV:βnewβold]T=[βnewβold]T
      が成り立つ.
  4. 表現行列と基底変換行列との間の関係は下図のようになる:
    Kn[f:βnew/βnew][βnew/βold]LβnewKm[βnew/βold]LβnewVfWKn[f:βold/βold]LβoldKmLβold
  5. 作用Km×n×(GL(Km)×GL(Kn))Km×n
    (A,(Q,P))Q1AP
    により定まる.
    1. この作用によりKm×n上の同値関係が定まる.
    2. 線型写像f:VWの表現行列は互いに同値である:
      [f:βnewβnew]=[βnewβold]1[f:βoldβold][βnewβold](=[βoldβnew][f:βoldβold][βnewβold])
    3. 逆に,fの表現行列[f:β/β]と同値な行列はまたfの表現行列である.実際,(Q,P)GL(Km)×GL(Kn)に対して,V,Wの基底γ,γをそれぞれ
      γj:=LβPϵj, γi:=LβQϵi
      で定めると,以下の可換図式が得られる:
      Kn[f:γ/γ]PLγKmQLγVfWKn[f:β/β]LβKmLβ
    4. ところで,rankf=rとすると,次元定理よりV,Wの基底γ,γであって
      [f:γγ]=ErOmr,nr
      となるものが存在する.とくに,f=fA:KnKmのとき,γ,γから定まる可逆行列をP,Qとすると,
      Q1AP=[γϵ]1[fA:ϵϵ][γϵ]=[fA:γγ]=ErOmr,nr
      が成り立つ.

線型変換の表現行列

  1. βVの基底とする.線型変換fEnd(V)(β,β)に関する表現行列を,fβに関する表現行列という.
  2. 作用Kn×n×GL(Kn)Kn×n
    (A,P)P1AP
    により定まる.
    1. この作用によりKn×n上の同値関係(相似関係)が定まる.
    2. 線型変換f:VVの表現行列は互いに相似である:
      [f:βnewβnew]=[βnewβold]1[f:βoldβold][βnewβold]
    3. 逆に,fの表現行列[f:β/β]と相似な行列はまたfの表現行列である.実際,PGL(Kn)に対して,Vの基底γ
      γj:=LβPϵj
      で定めると,以下の可換図式が得られる:
      Kn[f:γ/γ]PLγKnPLγVfVKn[f:β/β]LβKnLβ
    4. 線型変換にとっての“よい基底”を見つけることは,行列の相似関係の下での“標準形”を見つけることに他ならない.

双線型形式の表現行列

  1. β,βV,Wの基底とする.双線型形式ω:V×WKに対して,行列[ω(β,β)]:=[ω(βi,βj)](i,j)Kn×mを,ω(β,β)に関する表現行列という.
  2. 作用Kn×m×(GL(Kn)×GL(Km))Kn×m
    (A,(P,Q))PTAQ
    により定まる.
    1. この作用によりKn×m上の同値関係が定まる.
    2. 双線型形式ω:V×WKの表現行列は互いに同値である.実際,P:=[γ/β],Q:=[γ/β]とおくと,
      ω(γi,γj)=ω(k=1nβkP(k,i),=1mβQ(,j))=k,P(k,i)ω(βk,β)Q(,j)=k,PT(i,k)ω(βk,β)Q(,j)
      より,
      [ω(γ,γ)]=[γβ]T[ω(β,β)][γβ]
      が成り立つ.
    3. 逆に,ωの表現行列A:=[ω(β,β)]と同値な行列はまたωの表現行列である.実際,(P,Q)GL(Kn)×GL(Km)に対して,V,Wの基底γ,γをそれぞれ
      γi:=LβPϵi, γj:=LβQϵj
      で定めると,
      [ω(γ,γ)]=PTAQ
      が成り立つ.
  3. βVの基底とする.双線型形式ω:V×VK(β,β)に関する表現行列を,ωβに関する表現行列という.
  4. 作用Kn×n×GL(Kn)Kn×n
    (A,P)PTAP
    により定まる.
    1. この作用によりKn×n上の同値関係(合同関係)が定まる.
    2. 双線型形式ω:V×VKの表現行列は互いに合同である:
      [ω(βnew,βnew)]=[βnewβold]T[ω(βold,βold)][βnewβold]
    3. 逆に,ωの表現行列A:=[ω(β,β)]と合同な行列はまたωの表現行列である.実際,PGL(Kn)に対して,Vの基底γ
      γi:=LβPϵi
      で定めると,
      [ω(γ,γ)]=PTAP
      が成り立つ.
    4. 双線型形式にとっての“よい基底”を見つけることは,行列の合同関係の下での“標準形”を見つけることに他ならない.

更新履歴

  • 2024/12/09:「補遺:表現行列について」に加筆しました.

参考文献

[1]
Paul R. Halmos, Finite-Dimensional Vector Spaces (second edition) , Dover
[2]
S. Mac Lane and G. Birkhoff, Algebra (third edition) , AMS Chelsea Pub.
[3]
Katsumi Nomizu, Fundamentals of Linear Algebra (second edition) , Chelsea Pub. Co.
[4]
有馬哲, 線型代数入門, 東京図書
[5]
佐武一郎, 線型代数学, 裳華房
投稿日:2024128
更新日:2024129
OptHub AI Competition

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うすい
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