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Gardingの不等式

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スピン幾何における解析学
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convention
(M,g):コンパクトリーマンスピン多様体
S:スピノル束
,:SのSpin不変内積
Γ(S):Sの滑らかな切断
Cs(S):SCs級の切断
Dk(S):Γ(S)からΓ(S)へのk階の微分作用素
L2(S):Sの切断が作るHilbert空間
Hk(S):Sの切断が作るk次のSobolev空間

 Dirac作用素Dは有界作用素D¯:H1L2に拡張されるから、||D¯u||H12C||u||L22が成り立ちます。Gardingの不等式はある意味ではこの逆も成り立つことを主張します。またこれはDirac作用素の楕円型評価につながります。

Gardingの不等式

uH1(S)に対して、
||u||H1C(||D¯u||L2+||u||L2)
が成り立つ。

uΓ(S)に対して、 Lichnerowiczの公式
DDu=u+14Ru
が成り立つから、有界作用素KΓ(End(S))がありDD=+Kが成り立つとしてよい(この式は一般のDirac型作用素に対して成り立つ)。
||u||H12=||u||L22+||u||L22=(u,u)L2+||u||L22=(DDu,u)L2(Ku,u)L2+||u||L22||Du||L22+C1||u||L22+||u||L22C2(||Du||L2+||u||L2)2
となる。Γ(S)H1(S)においてdenseであり、ノルムは連続であるからuH1(S)に対しても成り立つ。

投稿日:2024215
更新日:2024218
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Submersion
Submersion
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専門は相対論やLorentz幾何です。Einstein系の厳密解の構成や接触幾何の応用などの研究をしています。Ph.D保有者の中ではクソ雑魚の部類です。

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