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Dirac作用素の自己随伴性

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スピン幾何における解析学
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convention
$M:$コンパクトリーマンスピン多様体
$S:$スピノル束
$\langle\cdot,\cdot\rangle:S$のSpin不変内積
$\Gamma(S):S$の滑らかな切断
$D=\sum_ie_i\nabla_i:\Gamma(S)\to\Gamma(S)$Dirac作用素
$C^s(S):S$$C^s$級の切断
$D_k(S):\Gamma(S)$から$\Gamma(S)$への$k$階の微分作用素
$L^2(S):S$の切断が作るHilbert空間
$H_k(S):S$の切断が作る$k$次のSobolev空間

 Dirac作用素の自己随伴性を証明します。$\bar D:H_1(S)\to L^2(S)$$D$の拡張とします( ベクトル束の切断のSobolev空間 の命題5を参照)。以下で使う自己随伴作用素の基本的な性質は 随伴作用素についてのいくつかの基本事項 を参照してください。

形式的自己随伴性

$\phi,\psi\in H_1(S)$に対して、
\begin{align} (\bar D\phi,\psi)_{L^2}=(\phi,\bar D\psi)_{L^2} \end{align}
となる。

$\phi,\psi\in \Gamma(S)$に対して、部分積分してGreenの発散定理を使えば$(D\phi,\psi)_{L^2}=(\phi, D\psi)_{L^2}$が分かるから、主張が成り立つ。

自己随伴性

$\bar D$は自己随伴作用素である。

$dom(\bar D)\subset dom(\bar D^\dagger)$は自明だから、逆の包含を示せばよい。
$D^\dagger$の定義より$u\in dom(\bar D^\dagger)$に対して、ある$f\in L^2(S)$が存在し、任意の$\phi\in\Gamma(S)$に対して
\begin{align} (u,\bar D\phi)_{L^2}=(f,\phi)_{L^2} \end{align}
が成り立つが、$(u,\bar D\phi)_{L^2}=(\bar Du,\phi)_{L^2}=(u,\bar D^\dagger\phi)_{L^2}$に注意すると、これは弱い意味で$\bar D u=f$が成り立つことを意味する。
このとき、Elliptic regularity 1より$u\in H_1(S)=dom(\bar D)$である。

投稿日:211
更新日:211

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Submersion
Submersion
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専門は相対論やLorentz幾何です。Einstein系の厳密解の構成や接触幾何の応用などの研究をしています。Ph.D保有者の中ではクソ雑魚の部類です。

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