この記事では六指数定理という超越数論の定理とそのいくつかの系について紹介していきます。
のうち少なくとも一つは超越数である。
乗法的独立(つまりその対数が
もし
のうちどれか一つは超越数でなければならないが、仮定より全て代数的数なので矛盾。よって
次の定理は隣り合う 巨大過剰数 の比は素数か半素数であることを示すのに使われます(詳しくは この記事 の補題6下部を参照)。
互いに異なる素数
素因数分解の一意性から
また
が全て代数的数であるとして矛盾を導く。このとき
平方数
とする(以下の議論は厳密に書くと冗長になるのでところどころ雑に説明していますがご了承ください)。
ある代数的整数
の高さは高々
を満たすような解が存在する。
定理1のような
と評価できることに注意すると
この記事
の補題3から
特に
が成り立つ。
しかし
となるような組
程度あるので
いま
このとき
と評価でき、また
つまり
と評価できる。
しかし
(ただし
特に
が成り立つ(最大絶対値の原理)。
また
および
と評価できるので
を得る。
以上より
のうち少なくとも一つは超越数でなくてはならないことが示された。
超越数論には六指数定理よりも強い四指数予想という主張が成り立つかどうかがまだ未解決問題として残っています。
のうち少なくとも一つは超越数である。
もしこの予想が真であるとすると隣り合う巨大過剰数の比は必ず素数となることが言えたりします。