(i)(ii)
- 素数であってなるものが存在したとする.このとき,位数の群
について,その部分群(と同型な群)は(位数の元を持たないことから)巡回群でないのでも巡回群でないが,これは不合理である. - の素因数であってなるものが存在したとする.このとき,であるから,Cauchyの定理より位数の元が存在する.そこで
とおくと,これは位数の群であって
より可換群でない.よって,位数の非巡回群
が得られるが,これは不合理である.
(ii)(i)
位数の非巡回群が存在したとすると,正整数
が定まる.そこで位数の非巡回群を取る.の真の約数は巡回数であるから,の最小性より,の真部分群および非自明な正規部分群による剰余群は巡回群であることに注意する.
- の中心は自明である:とすると,が巡回群であることからは可換群となる(cf. [4]例29).ここでの素因数分解をとし,各に対して位数の元を取ると,は位数の元ゆえとなって,の取り方に反する.
- の極大部分群について,以下が成り立つ:
- の極大部分群は非自明である:よりが取れ,
となるので,は極大部分群ではない. - 任意のに対して,その中心化群
はの極大部分群である:とすると,は巡回群、とくに可換群なので,と合わせてを得る. - を極大部分群とすると,任意のに対して,が成り立つ:いまは可換群であるからとなる.もしであるとすると,となって不合理である.よってであるから,の極大性よりが成り立つ.
- 任意の極大部分群に対して
が成り立つ:を取ると,前段より
を得る.
- は単純群である:を真の正規部分群とすると,は位数の巡回群であるから,準同型
が定まる.いまはの約数であるが,一方での,したがっての約数でもあるので,となる.よってであるから,を得る.
さて,を取り,極大部分群を考える.[2-1],[3]より
であるから,となる.したがって
となるので,[2-4],[2-1]と合わせて
が成り立つ.また,[6]命題1よりが取れ,極大部分群についても同様に
が成り立つ.ところがこのとき,の取り方と[2-4]より
となるので
を得るが,これは不合理である.