【シリーズ一覧】
第一回「定義」
第二回「表示」
第三回「同値」
第四回「不変量」
第五回「ジョーンズ多項式(1)」
第六回「ジョーンズ多項式(2)」
結び目の分類をしていく上で中心的な武器となる概念を導入します.
結び目
すなわち,「結び目
なお,「
ではいくつかの基本的な不変量を紹介します.まず,不変性が容易にわかる例として最小交点数が挙げられます.これは正則射影図のうち交点数が最小となるときのその個数により定義されます.明らかに自明な結び目であることと最小交点数が
つまらないものとしては,いくつのひもからなる絡み目かという成分数も不変量で,結び目なら常に
毛色の異なる不変量として,多項式に値をとるものが活躍するのも結び目理論の特徴です.古典的なものではアレクサンダー多項式が最初に登場した多項式不変量であり,これは1920年代に結び目補空間の無限巡回被覆から代数的位相幾何学の手法により計算されましたが,予備知識なしに詳細を伝えることは難しいです.そこで本シリーズでは,1980年代に発見された画期的な不変量であるジョーンズ多項式を紹介することをゴールにしたいと思います.
注) ちなみに,幾何を少し嗜んでる人へ話すと,デーン手術により全ての連結で向き付け可能な