この記事ではリーマン予想と同値な不等式
について、その前身であるラマヌジャンの定理を証明していきます(と言っても
この記事
でのラマヌジャンの定理の証明の過程を
リーマン予想が真であるとき、十分大きい任意の
が成り立つ。
ここで
またこの記事で「巨大過剰数」と言ったときには通常の巨大過剰数、つまり
まず自然数
を組み合わせることで
が成り立つことがわかり、主張を得る。といった具合です。
が成り立つ。
巨大過剰数の定義から
が成り立つので
を得る。
また
とおくと
すなわち
とおくと
を得る。よって
となるので先の不等式にこれを掛け合わせることで主張を得る。
この補題より、ある
が成り立つことを示すためにはある
(ただし
任意の
によって定める。また
なので
より
であって、この右辺が
が成り立つことを示せばよい。実際、より強い不等式
すなわち
が次のように示される。
以下、リーマン予想が真であるものとします。
が成り立つ。
この記事
の補題5系から
と評価でき、また同記事の補題5から
と評価できることとリーマン予想と同値な漸近公式
からわかる。
任意の高度合成数
が成り立つ。
この記事
の定理8より
とわかる。
が成り立つ。
が成り立つ。
補題4,5,6,7から
を得る。そして
であることに注意すると
つまり
が成り立つことがわかる。あとは補題2からわかる。
今回の記事では、リーマン予想が真ならばある
が成り立つことを示しましたが、ラマヌジャンの議論を精密化することで
リーマン予想が真であることと
が成り立つことは同値である。
このことについては近々記事として書くつもりです。
とりあえず今回はこんなところで。では。