この記事に含まれる全ての画像は自作です。
イントロダクション
この記事は、「連載 グラフアートを描こう」の第6回です。
第1回
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第2回
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第3回
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第4回
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第5回
を読んでいない人はそちらから読んでいただくとより理解が深まります。
本編
では早速ですが、乗してになる数、すなわちを満たすについて考えましょう。
前回の方法で考えると、「BのがAのに対応するとき、BのがAのに対応する」ようなを求めればよいですね。
そのようなは、どこにあるでしょうか。
実数の乗は必ずか正ですから、数直線の中にはありません。
その数は、からだけ上に行った場所にあります。
Aを黒、Bを赤で示しています。たしかに、BのがAのに対応し、BのがAのに対応していることが分かりますね。
「そんなのありかよ!」と思うかもしれませんが、これが数学です。
このは虚数単位と呼ばれ、一般にという記号で表されます。工学系の文献では電流と文字が被るのを避けて例外的にを使うことが多いようですが、この記事ではを用いることにします。
複素数
では、数直線をも含めた世界に拡張してみましょう。
複素平面
この碁盤の目に広がった世界全体に数が分布しています。こうして広がった世界にある数のことを、複素数といいます。やもこの世界の一部なので複素数に含まれます。
などがこれ以上簡単にできないように、などもこれ以上簡単にできないことに注意してください。
また、などと同じように、複素数も「実数部分、の係数、」の順序で書くことが多いです。
この世界での計算は、に注意すれば、文字式の計算と同様にできます。
複素数の計算の例
一般に、を実数として
回転を表す複素数
突然ですが、とおいて、複素数にこのを掛けるとどうなるか見てみましょう。前回の考え方を使って考えてみましょう。ですから、がの位置まで回転することになります。
すなわち、このは、反時計回りに度回転させる操作を表していると言えます。一般に、は、反時計回りに回転させる操作を表していると言えます。次回予告
回転操作を数式で表すことができました。次回は、これを使って実際にグラフを回してみましょう。
第7回
は、「グラフを回そう 後編 座標変換」です。