-圏の underlying category について (続き)
Underlying Category
をモノイダル圏とする.
からへの関手を以下で定める:
(1) に対して,集合をで定める.
(2) での射に対して,からへの写像を,各に対してで定めて,をで表す.
はからへの関手である.
実際,を取るとき,任意のに対してだから,である.
また,での射とを取るとき,任意のに対して,
だから,である.
を命題 2.b.2 で構成したモノイダル圏とする.
を取る.
定義 2.b.1 よりである.
に対して,からへの写像を,各とに対してで定める:
写像の族をで表す.
定義 2.b.2 よりである.
この命題の証明は付録で述べる.
での射とを任意に取る.
定義 2.b.1 よりである.
また,はからへの関手だから,である.
ゆえに,任意のとに対して,
であり,である.
を任意に取る.
定義 2.b.1 よりである.
ととを任意に取る.
はからへの関手だから,以下が成り立つ:
また,がモノイダル圏であることから,命題 2.b.1, (1) と同様の議論によりであり,命題 2.b.1, (2) と同様の議論によりであり,命題 2.b.1, (5) と同様の議論によりである.
ゆえに,
であり,
である.
を任意に取る.
である.任意のに対して,がモノイダル圏であることから,命題 2.b.1, (2) と同様の議論によりであり,
だから,である.
を任意に取る.
である.任意のに対して,がモノイダル圏であることから,命題 2.b.1, (3) と同様の議論によりであり,
だから,である.
従って,命題 4.a.1 よりはからへの lax モノイダル関手である.
Lax モノイダル関手をで表す.
を-圏とする.
命題 3 で定めた lax モノイダル関手に対して,定義 4.a.2 より-圏が定まる.これをで表すとき,定義 4.a.2 より以下が成り立つ:
また,
と表せば,
これを踏まえて,の underlying category を定義する.
命題 3.2 の証明で,集合に対して写像を,各写像に対してで定めたことを思い出そう.
Underlying category
を-圏とする.-圏に対して,圏を以下で定める:
の対象とは,の対象のことである.
に対して,からへのでの射とは,からへのでの射のことである.
での射とに対して,とのでの合成をで定める.
である:
に対して,のでの恒等射をで定める.
である.
は圏をなす.
実際,の射を任意に取るとき,が-圏をなすことから,定義 3.1, (1) (または定義 3.2, (1)) よりかつであり,命題 3.3, (1) の証明と同様の議論によりである.
また,の射とを任意に取るとき,が-圏をなすことから,定義 3.1, (2) (または定義 3.2, (2)) より
であり,命題 3.3, (2) の証明と同様の議論によりである.
をのunderlying categoryとよぶ.
まとめ
この記事の (1) では恒等 lax モノイダル関手と lax モノイダル関手の合成を定義して,それらと豊穣圏に関する性質を証明した.また,(2) ではモノイダル圏に対して lax モノイダル関手を構成して,それを用いて -圏の underlying category とよばれる圏を自然に構成した.
付録: 命題 1 の証明
をモノイダル圏とする.ここでは,nLab [
5
] の
monoidal catgory の記事
を参考にして,以下の命題の証明を与える:
以下では,命題 2.b.1 と類似の結果を何度も引用するが,それらは (でない場合でも) 命題 2.b.1 と同様の議論を行うことによって得られることを注意しておく.このとき,
となって,示された.
全体のまとめ
筆者は豊穣圏を初めて扱ったので,誤った議論や誤植がたくさん見つかるかもしれません.ご指摘やご質問はコメント欄に書き込んでいただくか,私の Twitter アカウント (
@shot__math
) にリプライや DM を送って頂けると嬉しいです.
定義や記法は主に Kelly [1] の §1.1 から§1.5 を参考にしました.また,Lurie [2] の §A.1.3 と §A.1.4 も参考にしました.ただし,第4回 (後半) では [1] でなく Lurie [3] の §2.1 を主に参照しました.
最後に,本記事を最後まで読んで頂きありがとうございました.