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超微分, 超積分の記号の提案/二変数関数と超微分

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$$\newcommand{d}[0]{\mathrm{d}} \newcommand{ep}[0]{\varepsilon} \newcommand{Iff}[0]{\Leftrightarrow} \newcommand{LL}[0]{\Leftarrow} \newcommand{ph}[0]{\varphi} \newcommand{q}[0]{\mathrm{q}} \newcommand{quot}[1]{\log_{\r #1} \r} \newcommand{r}[0]{\mathrm{r}} \newcommand{RR}[0]{\Rightarrow} \newcommand{sint}[0]{\:\cancel{^{}}\!\!\!\:\:\:\mathllap{\int}} $$

どうもAAG (a.k.a. キャベ数)です.
今回は 超微分 の記法について, および微分形式的な議論をしてみたいと思います.

記号について

これまでの記法

これまで超微分は,
 ラグランジュの記法に寄せた$f^`(x)$
 ライプニッツの記法に寄せた$\frac{\q y}{\q x}, \frac{\q}{\q x}f$
が用いられてきました.

前者は7777777さんが最初から導入していた記法, 後者はアレクサンダー鷹觜さんが一般的な記法を導入してY.K.さんが倣ったところが始まりだと思います.

ついでに, オイラーの記法に寄せた$Qf$も導入しておきましょう.
超微分方程式に使えるかもしれません.

提起

$f^`(x)$はラグランジュの記法と同様に便利で楽ですが, 直感的な要素がないです.

$\displaystyle\frac{\q y}{\q x}$について, 超微分の定義から,
$$\frac{\q f}{\q x}(x)=\lim_{h\to 1}\log_{\frac{hx}{x}}\frac{f(hx)}{f(x)}=\lim_{\Delta x\to 0}\frac{\ln(f(x+\Delta x))-\ln(f(x))}{\ln(x+\Delta x)-\ln(x)}$$
ですから, 雑に考えると
$\q x = \ln(x+\d x)-\ln(x)=\frac{1}{x}\d x$
とみなせると思います.
実際, 公式を形式的に変形すると
$$\frac{\q y}{\q x}=\frac{x\frac{\d y}{\d x}}{y}=\frac{\frac{\d y}{y}}{\frac{\d x}{x}}$$
$$\sint_a^b f(x) \q x = \int_a^b\frac{f(x)}{x}\d x= \int_a^b f(x)\frac{\d x}{x}$$
となります.

 「でもこれって超微分の『本質』を表しているように見えますか?」

超積分についてはもはや特別に積分記号を用意した意味すら薄くなっているように思います.
そもそも, 超積分の発想は「対数差の比」ではなく、「比の対数」だったと思います.
そこで比の微小変化率$\r x$を導入しましょう.
イメージとしては, $\r x=\frac{x+dx}{x}=e^{\q x}$です.

記法として次を導入します.
$$\log_{\r x} \r y:=\frac{\q y}{\q x}$$
$$\log_{\r x} \r:=\frac{\q}{\q x}$$
$$\sint \r x^{f(x)}:=\sint f(x)\q x$$
積分記号を使いまわすのは躊躇われますが, 超Riemann積分 や 超Lebesgue積分 の定義をみるに, こちらのほうが定義をよく表していると思います.
\quot {x}で$\quot x$を表すようにしてみました.

種々の公式の表示

$y,z$は変数を省略した$x$の関数とする.

  • 積の超微分
    $\quot x (yz)=(\quot x y)+(\quot x z)$
  • $y^a$の超微分
    $\quot x (y^a) = a\quot x y$
  • $e^y$の超微分
    $\quot x (e^y) = y\quot x y$
  • $y\land z$の超微分 ( 参考 )
    $\quot x (y\land z)=(\ln z)\quot x y + (\ln y)\quot x z $
  • 合成関数の超微分 $w$を$y$の関数とする.
    $\quot x w=\quot x y \cdot \quot y w$

上4つを形式的に,
$\r (yz)=\r y\cdot \r z,\ \r(y^a)=\r y^a,\ \r(e^y)=\r y^y,\ $$\r(y\land z)=\r y^{\ln z} \cdot \r z^{\ln y}$
と表せます.

まあまあ綺麗ですね. 特に積や定数冪と$\r$が交換するとみなせます.
これを定式化するとしたら, 微分形式の外微分$\d$に対応する「超微分形式」の「超外微分」を考えたくなります.

が, 一般化するには超微分の理論が未発達で, 自分の発想も足りずうまくいかなかったので, 今後の課題とします. (だれかお願いします)

ボツ案(定義形式が埋め込めなかったので汚いです.)



def $\mathscr{P}^n$級関数
$U\subset\mathbb{R}^\times$を開集合, $n\in\mathbb{N}\cup\set{\infty}$とする.
関数$f:U\to\mathbb {R}$が$\mathscr{P}^n$級であるとは,
- $n=0$のときは, 連続であることとする.
- $n\in\mathbb{N}_{>0}$のときは, 各$k< n$について$k$次超導関数$f^{[k]}:U\to\mathbb {R}^\times$が存在し, また$n$次超導関数$f^{[n]}:U\to\mathbb{R}$が存在して連続であることをいう.
- $n=\infty$のときは, 各$k\in\mathbb{N}$について$k$次超導関数$f^{[k]}:U\to\mathbb {R}^\times$が存在することをいう.

$V\subset (\mathbb{R}^\times)^N$を開集合とする.
写像$g:V\to\mathbb {R}$が$\mathscr{P}^n$級であるとは,
任意の$\mathscr{P}^n$級関数$f_k:U\to\mathbb{R}\ (k=1,\ldots, N)$について, $\prod_{k=1}^N U_k\subset V$ならば, $g\circ (f_1,\ldots,f_N):U\to\mathbb{R}$が$\mathscr{P}^n$級であることとする.

写像$(g_l)_{l=1}^M:V\to\mathbb{R}^M$が$\mathscr{P}^n$級であるとは, 各$g_l$が$\mathscr{P}^n$級であることとする.

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$U\subset\mathbb{R}^\times$を開集合, $n\in\mathbb{N}_{>0}\cup\set{\infty}$とする.
$\mathscr{P}^n$級関数$f:U\to\mathbb {R}_{>0}$が狭義$\mathscr{P}^n$級であるとは,
- $n\in\mathbb{N}_{>0}$のときは, 各$k< n$について$k$次超導関数$f^{[k]}>0$であることをいう.
- $n=\infty$のときは, 各$k\in\mathbb{N}$について$k$次超導関数$f^{[k]}>0$であることをいう.

$V\subset (\mathbb{R}^\times)^N$を開集合とする.
写像$g:V\to\mathbb {R}$が広義$\mathscr{P}^n$級であるとは,
任意の狭義$\mathscr{P}^n$級関数$f_k:U\to\mathbb{R}_{>0}\ (k=1,\ldots, N)$について, $\prod_{k=1}^N U_k\subset V$ならば, $g\circ (f_1,\ldots,f_N):U\to\mathbb{R}$が$\mathscr{P}^n$級であることとする.
写像$g:V\to\mathbb {R}$が狭義$\mathscr{P}^n$級であるとは,
任意の狭義$\mathscr{P}^n$級関数$f_k:U\to\mathbb{R}_{>0}\ (k=1,\ldots, N)$について, $\prod_{k=1}^N U_k\subset V$ならば, $g\circ (f_1,\ldots,f_N):U\to\mathbb{R}_{>0}$が狭義$\mathscr{P}^n$級であることとする.

写像$(g_l)_{l=1}^M:V\to\mathbb{R}^M$が狭義(広義)$\mathscr{P}^n$級であるとは, 各$g_l$が狭義(広義)$\mathscr{P}^n$級であることとする.


例えば$g:(\mathbb{R}^\times)^2\to \mathbb{R}_{>0};\ (x,y)\mapsto x+y$は,
$\mathscr{P}^2$級関数$\mathbb{R}_{>0}{}^2\to \mathbb{R}^\times;\ x\mapsto x,\ x\mapsto -x$を用いて
$g(x,-x)=x-x=0$となるため$\mathscr{P}^0$級にしかなれないが,
(少なくとも)広義$\mathscr{P}^2$級である.

$g|_{\mathbb{R}_{>0}{}^2}$は(少なくとも)$\mathscr{P}^1$級である.



def $\mathscr{P}^n$多様体
$M$を$N$次元多様体とする. $n\in\mathbb{N}_{>0}\cup\set{\infty}$とする.
$(M,\mathcal{A})$が$\mathscr{P}^n$多様体であるとは,
$\mathcal{A}$がアトラスであって,
- 任意のチャート$(\ph,U)\in\mathcal{A};\ \phi:U\to\hat{U}$について, $\hat{U}\subset(\mathbb{R}^\times)^N$
- 各遷移写像の各成分各射影が$\mathbb{R}^\times$上の部分関数として$\mathscr{P}^n$級の全単射であり, 逆も$\mathscr{P}^n$級である. ($\mathscr{P}^n$同型という)

が成り立つことをいう.

広義・狭義も同様に定義する.


def 超接空間
$(M,\mathcal{A})$を$\mathscr{P}^n$多様体とする.
$p\in M$に対して「$M$の$p$における超接空間(接冪空間)$\mathscr{T}_p M$」を次で定める.
元は, $0<\ep<1$とし, 連続写像$c:(1-\ep,1+\ep)\to M$であって, $c(1)=p$であり, 任意のチャート$(\ph,U)\in\mathcal{A}$に対し$\ph\circ c:(1-\ep,1+\ep)\cap c^{-1}(U)\to\ph(U)$が$\mathscr{P}^n$級であるようなもの全体を, $(\ph\circ c)^`(1)$の値が一致するときに同値とする関係の同値類.
「和」は局所的に$[c_1]+[c_2]=[\ph^{-1}\circ((\ph\circ c_1)(\ph\circ c_2)/\ph(p))]$(成分ごとの積)
「スカラー倍」は$a\in\mathbb{R}^\times$に対し$a[c]=[t\mapsto c(t^a)]$
とする.

これは「積」を和、「スカラー冪」をスカラー倍とするベクトル空間のようなものになっている.

関数$\Phi:\mathscr{T}_p M\to \mathbb{R}^\times$で,
$\Phi([f]+[g])=\Phi([f])\Phi([g])$
$\Phi(a[f])=\Phi([f])^a$
となるようなもの全体を超余接空間という.

def
$(M,\mathcal{A})$を$\mathscr{P}^n$多様体とする.
$M$(あるいは$p_0\in M$の近傍$U_0$)上で定義される実関数$f$が$\mathscr{P}^k$級であるとは, 任意のチャート$(\ph,U)\in\mathcal{A}$に対し$f \circ \ph$が$\mathscr{P}^k$級であることをいう.

チャート$(\ph,U)\in\mathcal{A}$を固定したとき,
第$i$成分のみを動かし, それ以外を固定する曲線$c_i$の同値類を$\quot{x_i}$で表す.
任意の超接空間の元は$\sum_{i=1}^N a_i(\quot{x_i})$で表せる(はず).
これに対し, $a_i$を返すような関数を$\r x_i$と書く.


$\mathscr{P}^k$級関数$f:U\to \mathbb{R}$に対してその超外微分$\q f$を$\q f(p)=$

おまけ(2変数関数の超微分と和の超微分)

このままではまともな要素がほとんどないので, 2変数関数の超偏微分による連鎖律とそれを用いた和の超微分法則の証明をします.
(超微分形式の合理化の一因になるとおもいます.)

超・連鎖律

$U\subset(\mathbb{R}^\times)^2$を開集合とし, $(a,b)\in U$とする.
$f:U\to\mathbb{R}$が

  • $f(x,b)$が$x=a$で超微分可能(その偏微分係数を$f_1(a,b)$とおく)
  • $f(x,y)$が$(a,b)$の近傍$U_0$で$y$について超偏微分可能かつ偏導関数$f_2(x,y)$が$U_0$上連続
    を満たすとする.
    このとき, $g(x)=f(ax,bx)$は$1$の近傍で超微分可能であり,
    $g^`(1)=f_1(a,b)+f_2(a,b)$となる.

対称性から変数を入れ替えても成り立つ.

$h$は$(a,b),(ah,b),(ah,bh)$のなす三角形の境界と内部が$U_0$に含まれる程度に十分$1$に近いとする.
$$\log_h\frac{g(h)}{g(1)}=\log_h\frac{f(ah,bh)}{f(a,b)}$$
$$=\log_h\frac{f(ah,b)}{f(a,b)}+\log_h\frac{f(ah,bh)}{f(ah,b)}$$
偏微分可能性から$\displaystyle\log_h\frac{f(ah,b)}{f(a,b)}\to f_1(a,b)\ (h\to 1)$
また 超・Lagrangeの平均値の定理 から,
$h>1$なら$c\in(b,bh)$, $0< h<1$なら$c\in(bh,b)$が存在して
$$\log \frac{f(ah,bh)}{f(ah,b)}=f_2(ah,c)$$
$h\to 1$で$ah\to a,\ c\to b$から, 連続性より$f_2(ah,c)\to f_2(a,b)$
よって, $g^`(1)=f_1(a,b) + f_2(a,b)$

通常の合成関数の超微分と合わせると次の命題を得ます(こっちを超・連鎖律と呼ぶべきかも)

超連鎖律

$U\subset(\mathbb{R}^\times)^2,\ U_1,U_2\subset\mathbb{R}$を開集合とし, $(a,b)\in U$とする.
$f:U\to\mathbb{R}$が連続な各成分に関する偏導関数$f_1,f_2$をもつとする.
$g_1:U_1\to\mathbb{R},\ g_2:U_2\to\mathbb{R}$が超微分可能で$g_a(a_0)=a,\ g_b(b_0)=b\ (a_0\in U_1,\ b_0\in U_2)$とする.
このとき, 関数$f(g_a(a_0x),g_b(b_0x))$の超微分は$$g_a^`(a_0x)f_1(g_a(a_0x),g_b(b_0x))+g_b^`(b_0x)f_2(g_a(a_0x),g_b(b_0x))$$
となる.

和の超微分

$f,g$が$x$で超微分可能で, $f(x)+g(x)\neq 0$なら, $(f(x)+g(x))^`$が存在し,
$$\frac{f(x)}{f(x)+g(x)}f^`(x)+\frac{g(x)}{f(x)+g(x)}g^`(x)$$
となる

おわりに

いかがでしたでしょうか?
前回と同様、なにか意見等があればコメント, $\mathbb{X}$ , マシュマロ 等お待ちしています!

ただ, 書きたい内容がたまっていたり, そもそもmathlogに手を付けられないことも多いのですぐに反映できるとは限らないことをご了承ください.

ここまでお読みいただきありがとうございました!

投稿日:2日前
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投稿者

AAG
AAG
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キャベツです。 抽象代数学とか好きなB2。気分。 厳密にテキトーにやってます。 基本検算しません。 間違いがあったら容赦なく指摘してください。

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