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直積集合 ③

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$$$$

Def.

定義

全体集合 $U$ を固定する。任意の $a,b\in U$ に対し、
$$ \{a,b\}:=\{x\in U\mid x=a\lor x=b\} $$
で定まる集合を、$a$$b$ の 対集合 という。

したがって、任意の対象 $z$ について
$$ z\in\{a,b\}\ \Leftrightarrow\ z=a\lor z=b $$
が成り立つ。

ツェルメロ=フレンケル集合論などの公理的集合論における対の公理とは、任意の集合 $x,y$ に対して
$$ \forall x\forall y\exists z\forall w,(w\in z\Leftrightarrow (w=x\lor w=y)) $$
を満たす集合 $z$ が存在する、ということを主張する公理である。

Prop & Proof

全体集合 $U$ を固定する。$x_2,y_2\in U$ とする。このとき
$$ x_2\in\{x_2,y_2\} $$
が成り立つ。

対集合の定義より、任意の対象 $z$ について
$$ z\in\{x_2,y_2\}\ \Leftrightarrow\ (z=x_2\ \lor\ z=y_2) $$
が成り立つ( 詳しくはコチラ )。
ここで $z=x_2$ とおくと
$$ x_2\in\{x_2,y_2\}\ \Leftrightarrow\ (x_2=x_2\ \lor\ x_2=y_2) $$
を得る。
ところで、等号の反射律より
$$ x_2=x_2 $$
である。
したがって
$$ x_2=x_2\ \lor\ x_2=y_2 $$
は真である。ゆえに
$$ x_2\in\{x_2,y_2\} $$
が成り立つ。
$$ \Box$$

任意の $a,b\in U$ について
$$ \{a,b\}=\{b,a\} $$
が成り立つ。

集合の等号の定義より、$\{a,b\}=\{b,a\}$ を示すには、任意の対象 $z$ について
$$ z\in\{a,b\}\ \Leftrightarrow\ z\in\{b,a\} $$
を示せば十分である。
そこで、任意の対象 $z$ をとる。
対集合の定義より
$$ z\in\{a,b\}\ \Leftrightarrow\ (z=a\lor z=b) $$
が成り立つ。
また、再び対集合の定義より
$$ z\in\{b,a\}\ \Leftrightarrow\ (z=b\lor z=a) $$
が成り立つ。
ここで、命題論理における論理和の可換律より
$$ (z=a\lor z=b)\ \Leftrightarrow\ (z=b\lor z=a) $$
である。
したがって
$$ z\in\{a,b\}\ \Leftrightarrow\ z\in\{b,a\} $$
が成り立つ。
ゆえに、任意の対象 $z$ について $z\in\{a,b\}\Leftrightarrow z\in\{b,a\}$ が成り立つので、集合の等号の定義(外延性)より
$$ \{a,b\}=\{b,a\} $$
を得る。
$$ \Box$$

全体集合 $U$ を固定する。任意の $a,b\in U$ について
$$ \{a\}\subseteq\{b\}\ \Leftrightarrow\ a=b $$
が成り立つ。

既に前回示した命題「任意の $c\in U$ と任意の集合 $A\subseteq U$ について
$$ c\in A\ \Leftrightarrow\ \{c\}\subseteq A $$
が成り立つ」ことを用いる( 証明はこちら )。この命題において、$c=a$ かつ $A=\{b\}$ とおくと
$$ a\in\{b\}\ \Leftrightarrow\ \{a\}\subseteq\{b\} $$
を得る。
また、単集合の性質より
$$ a\in\{b\}\ \Leftrightarrow\ a=b $$
が成り立つ( 証明はこちら )。
したがって
$$ \{a\}\subseteq\{b\}\ \Leftrightarrow\ a\in\{b\}\ \Leftrightarrow\ a=b $$
であるから、
$$ \{a\}\subseteq\{b\}\ \Leftrightarrow\ a=b $$
が成り立つ。
$$ \Box$$

全体集合 $U$ を固定する。$a,b,c\in X$ とする。このとき
$$ \{a\}=\{b,c\}\ \Rightarrow\ b=c $$
が成り立つ。

$\{a\}=\{b,c\}$ と仮定する。$b=c$ を示す。
$ $
対集合の定義より、任意の対象 $z$ について
$$ z\in\{b,c\}\ \Leftrightarrow\ (z=b\lor z=c) $$
が成り立つ。
また、単集合の性質より、任意の対象 $z$ について
$$ z\in\{a\}\ \Leftrightarrow\ z=a $$
が成り立つ( 証明はコチラ )。

  1. まず、上の対集合の性質において $z=b$ とおくと
    $$ b\in\{b,c\}\ \Leftrightarrow\ (b=b\lor b=c) $$
    を得る。ここで、等号の反射律より
    $$ b=b $$
    が成り立つから、
    $$ b=b\lor b=c $$
    である。したがって
    $$ b\in\{b,c\} $$
    が従う。いま、仮定 $\{a\}=\{b,c\}$ より、等号の性質から
    $$ b\in\{a\} $$
    が成り立つ。ゆえに、単集合の性質において $z=b$ とおけば
    $$ b\in\{a\}\ \Leftrightarrow\ b=a $$
    であるから、
    $$ b=a\cdots① $$
    を得る。
    $ $
  2. 次に、再び対集合の性質において $z=c$ とおくと
    $$ c\in\{b,c\}\ \Leftrightarrow\ (c=b\lor c=c) $$
    を得る。ここで、等号の反射律より
    $$ c=c $$
    が成り立つから、
    $$ c=b\lor c=c $$
    である。したがって
    $$ c\in\{b,c\} $$
    が従う。再び、仮定 $\{a\}=\{b,c\}$ より、等号の性質から
    $$ c\in\{a\} $$
    が成り立つ。
    したがって、単集合の性質において $z=c$ とおけば
    $$ c\in\{a\}\ \Leftrightarrow\ c=a $$
    であるから、
    $$ c=a\cdots➁ $$
    を得る。
    $ $

-以上①,➁より
$$ b=a\ \land\ c=a $$
である。ここで、$c=a$ から等号の対称律より
$$ a=c $$
が成り立つ。
したがって、$b=a$$a=c$ に等号の推移律を適用して
$$ b=c $$
を得る。
$$ \Box$$

全体集合 $U$ を固定する。$x,y_1,y_2\in U$ とする。このとき
$$ \{x,y_1\}=\{x,y_2\}\ \land\ y_1\neq x\ \Rightarrow\ y_1=y_2 $$
が成り立つ。

$\{x,y_1\}=\{x,y_2\}$ かつ $y_1\neq x$ を仮定する。$y_1=y_2$ を示す。
対集合の定義より、任意の対象 $z$ について
$$ z\in\{x,y_1\}\ \Leftrightarrow\ (z=x\lor z=y_1) $$
が成り立つ。
この同値において $z=y_1$ とおくと
$$ y_1\in\{x,y_1\}\ \Leftrightarrow\ (y_1=x\lor y_1=y_1) $$
を得る。
ここで、等号の反射律より $y_1=y_1$ であるから
$$ y_1\in\{x,y_1\} $$
が従う。
一方、仮定より $\{x,y_1\}=\{x,y_2\}$ であるから、等号の性質より
$$ y_1\in\{x,y_2\} $$
が成り立つ。
再び対集合の定義より、任意の対象 $z$ について
$$ z\in\{x,y_2\}\ \Leftrightarrow\ (z=x\lor z=y_2) $$
が成り立つので、特に $z=y_1$ として
$$ y_1\in\{x,y_2\}\ \Leftrightarrow\ (y_1=x\lor y_1=y_2) $$
を得る。
すでに $y_1\in\{x,y_2\}$ を示したから
$$ y_1=x\lor y_1=y_2 $$
が成り立つ。
しかし、仮定より
$$ y_1\neq x $$
である。したがって $y_1=x$ は成り立たないので、
$$ y_1=y_2 $$
が従う。
$$ \Box$$

投稿日:8日前
更新日:4日前
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投稿者

分野を問わず数学の証明が好きで、不定期に過去のノートも含めて更新しています。あとで自分が読み返してもきちんと理解できるノートを作ることを心がけています。定義や証明、命題などに誤りがございましたら、ご指摘いただけますと幸いです(2025年12月28日)。

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