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直積集合 ➁

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$$$$

Prop & Proof

任意の集合 $A\subseteq U$ と任意の元 $x\in U$ について、次が成り立つ。
$$ x\in A\ \Leftrightarrow\ \{x\}\subseteq A $$

  1. $\Rightarrow$ を示す。
    $x\in A$を仮定する。$\{x\}\subseteq A$を示す。
    部分集合の定義より、任意の$y$について
    $$ y\in\{x\}\Rightarrow y\in A $$
    を示せば十分である。
    任意の$y$を取り、$y\in\{x\}$を仮定する。単集合の性質より
    $$ y\in\{x\}\ \Leftrightarrow\ y=x $$
    が成り立つ( 証明はコチラ )。ここで、$y=x$ かつ仮定より $x\in A$ であるから、等号の性質より
    $$ y\in A $$
    が従う。
    よって任意の$y$について$y\in\{x\}\Rightarrow y\in A$が成り立つ。従って部分集合の定義より
    $$ \{x\}\subseteq A $$
    が成り立つ。
    $ $
  2. $\Leftarrow$ を示す。
    $\{x\}\subseteq A$ を仮定する。$x\in A$ を示す。
    仮定 $\{x\}\subseteq A$ と部分集合の定義より、任意の対象 $y$ について
    $$ y\in\{x\}\Rightarrow y\in A $$
    が成り立つ。ここで、単集合の性質より、任意の対象 $y$ について
    $$ y\in\{x\}\ \Leftrightarrow\ y=x $$
    が成り立つ( 証明はコチラ )。
    この同値において $y=x$ とおくと
    $$ x\in\{x\}\ \Leftrightarrow\ x=x $$
    を得る。ここで、右辺は等号の反射律より
    $$ x=x $$
    が成り立つから、
    $$ x\in\{x\} $$
    が従う(証明下の補足を参照)。一方、先に示した
    $$ \forall y\ (y\in\{x\}\Rightarrow y\in A) $$
    において、特に $y=x$ とすると
    $$ x\in\{x\}\Rightarrow x\in A $$
    が成り立つ。すでに $x\in\{x\}$ を示したので、この含意より
    $$ x\in A $$
    を得る。以上より、$\{x\}\subseteq A$ ならば $x\in A$ である。
    $ $

-以上より
$$ x\in A\ \Leftrightarrow\ \{x\}\subseteq A $$
が成り立つ。
$$ \Box$$

「等号の反射律より $x=x$」を書く理由

ここで「等号の反射律より $x=x$」を書く理由は、
$$ x\in\{x\}\ \Leftrightarrow\ x=x $$
という同値だけでは、まだ
$$ x\in\{x\} $$
を結論できないためである。
$ $
一般に、$P\Leftrightarrow Q$ は「$P\Rightarrow Q$ かつ $Q\Rightarrow P$」を意味する。
したがって、$P\Leftrightarrow Q$ から $P$ を得たいなら、さらに $Q$ が成り立つことを示す必要がある。
詳しくは 肯定法【Modus Ponens】 を参照)
$ $
今回の場合、
$$ P:\ x\in\{x\},\qquad Q:\ x=x $$
であり、既に
$$ x\in\{x\}\ \Leftrightarrow\ x=x $$
を得ている。けれども、ここから左側の
$$ x\in\{x\} $$
を出すには、右側の
$$ x=x $$
が本当に成り立つことを使わなければならない。そこで、
$$ x=x $$
は等号の反射律により成り立つ、と書くわけである。

任意の元 $x\in U$ について
$$ \{x,x\}=\{x\} $$
が成り立つ。

集合の等号の定義より、$\{x,x\}=\{x\}$ を示すには、任意の $z$ について
$$ z\in\{x,x\}\ \Leftrightarrow\ z\in\{x\} $$
を示せばよい。
$ $
任意の $z$ をとる。
まず $z\in\{x,x\}$ であることの意味を定義に従って書き下すと( 詳しくはコチラ )、
$$ z\in\{x,x\}\ \Leftrightarrow\ (z=x\ \text{または}\ z=x) $$
である。ここで $(z=x\ \text{または}\ z=x)$$z=x$ と同値( 証明はコチラ )なので、
$$ z\in\{x,x\}\ \Leftrightarrow\ z=x $$
が成り立つ。
$ $
一方、単集合の性質より
$$ z\in\{x\}\ \Leftrightarrow\ z=x $$
が成り立つ( 証明はコチラ )。
$ $
以上より
$$ z\in\{x,x\}\ \Leftrightarrow\ z=x \ \Leftrightarrow\ z\in\{x\} $$
となる。従って任意の $z$ について
$$ z\in\{x,x\}\ \Leftrightarrow\ z\in\{x\} $$
が成り立つので、集合の等号の定義から $\{x,x\}=\{x\}$ が従う。
$$ \Box $$

すなわち、集合では同じ元を重ねて書いても『集合としては同じもの』で、今回の場合 シングルトン(単集合)になる。

公理的な集合論の観点から「対集合 $\{x,x\}$ が存在すること」が前提にある。

投稿日:10日前
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投稿者

分野を問わず数学の証明が好きで、不定期に過去のノートも含めて更新しています。あとで自分が読み返してもきちんと理解できるノートを作ることを心がけています。定義や証明、命題などに誤りがございましたら、ご指摘いただけますと幸いです(2025年12月28日)。

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