任意の集合 $A\subseteq U$ と任意の元 $x\in U$ について、次が成り立つ。
$$
x\in A\ \Leftrightarrow\ \{x\}\subseteq A
$$
-以上より
$$
x\in A\ \Leftrightarrow\ \{x\}\subseteq A
$$
が成り立つ。
$$ \Box$$
ここで「等号の反射律より $x=x$」を書く理由は、
$$
x\in\{x\}\ \Leftrightarrow\ x=x
$$
という同値だけでは、まだ
$$
x\in\{x\}
$$
を結論できないためである。
$ $
一般に、$P\Leftrightarrow Q$ は「$P\Rightarrow Q$ かつ $Q\Rightarrow P$」を意味する。
したがって、$P\Leftrightarrow Q$ から $P$ を得たいなら、さらに $Q$ が成り立つことを示す必要がある。
詳しくは
肯定法【Modus Ponens】
を参照)
$ $
今回の場合、
$$
P:\ x\in\{x\},\qquad Q:\ x=x
$$
であり、既に
$$
x\in\{x\}\ \Leftrightarrow\ x=x
$$
を得ている。けれども、ここから左側の
$$
x\in\{x\}
$$
を出すには、右側の
$$
x=x
$$
が本当に成り立つことを使わなければならない。そこで、
$$
x=x
$$
は等号の反射律により成り立つ、と書くわけである。
任意の元 $x\in U$ について
$$
\{x,x\}=\{x\}
$$
が成り立つ。
集合の等号の定義より、$\{x,x\}=\{x\}$ を示すには、任意の $z$ について
$$
z\in\{x,x\}\ \Leftrightarrow\ z\in\{x\}
$$
を示せばよい。
$ $
任意の $z$ をとる。
まず $z\in\{x,x\}$ であることの意味を定義に従って書き下すと(
詳しくはコチラ
)、
$$
z\in\{x,x\}\ \Leftrightarrow\ (z=x\ \text{または}\ z=x)
$$
である。ここで $(z=x\ \text{または}\ z=x)$ は $z=x$ と同値(
証明はコチラ
)なので、
$$
z\in\{x,x\}\ \Leftrightarrow\ z=x
$$
が成り立つ。
$ $
一方、単集合の性質より
$$
z\in\{x\}\ \Leftrightarrow\ z=x
$$
が成り立つ(
証明はコチラ
)。
$ $
以上より
$$
z\in\{x,x\}\ \Leftrightarrow\ z=x \ \Leftrightarrow\ z\in\{x\}
$$
となる。従って任意の $z$ について
$$
z\in\{x,x\}\ \Leftrightarrow\ z\in\{x\}
$$
が成り立つので、集合の等号の定義から $\{x,x\}=\{x\}$ が従う。
$$ \Box $$
すなわち、集合では同じ元を重ねて書いても『集合としては同じもの』で、今回の場合 シングルトン(単集合)になる。
公理的な集合論の観点から「対集合 $\{x,x\}$ が存在すること」が前提にある。