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二項関係 ⑬

34
1
$$$$

Prop&Proof

$A$ を集合とし、$R,S\subseteq A\times A$$A$ 上の二項関係とする。
このとき、
$$ \bigl(R\text{ が反射的である}\land S\text{ が反射的である}\bigr) \Longleftrightarrow R\cap S\text{ が反射的である} $$
が成り立つ。

  1. $R$$S$ がともに反射的であるならば $R\cap S$ が反射的であることを示す。
    $R$$S$ がともに反射的であると仮定する。
    $R\cap S$ が反射的であることを示すには、
    $$ \forall a\in A\ ((a,a)\in R\cap S) $$
    を示せばよい。
    $ $
    任意に $a\in A$ をとる。
    $R$ は反射的であるから、
    $$ (a,a)\in R $$
    である。
    また、$S$ も反射的であるから、
    $$ (a,a)\in S $$
    である。
    したがって、共通部分の定義より、
    $$ (a,a)\in R\cap S $$
    である。
    $a\in A$ は任意であったから、
    $$ \forall a\in A\ ((a,a)\in R\cap S) $$
    が成り立つ。
    ゆえに、$R\cap S$ は反射的である。
    $ $
  2. $R\cap S$ が反射的であるならば $R$$S$ がともに反射的であることを示す。
    $R\cap S$ が反射的であると仮定する。
    $R$$S$ がともに反射的であることを示すには、
    $$ \forall a\in A\ ((a,a)\in R) $$
    かつ
    $$ \forall a\in A\ ((a,a)\in S) $$
    を示せばよい。
    $ $
    任意に $a\in A$ をとる。
    $R\cap S$ は反射的であるから、
    $$ (a,a)\in R\cap S $$
    である。
    共通部分の定義より、
    $$ (a,a)\in R \quad \text{かつ} \quad (a,a)\in S $$
    である。
    したがって、
    $$ (a,a)\in R $$
    かつ
    $$ (a,a)\in S $$
    である。
    $a\in A$ は任意であったから、
    $$ \forall a\in A\ ((a,a)\in R)\ \land\ \forall a\in A\ ((a,a)\in S) $$
    が成り立つ( 証明はコチラ )。
    ゆえに、$R$$S$ はともに反射的である。

-以上より、
$$ \text{$R$ と $S$ がともに反射的である} \Longleftrightarrow R\cap S\text{ が反射的である} $$
が成り立つ。
$$ \Box$$

反射性は対角関係によって短く示せる

反射性については、定義に戻って元を直接追うことでも証明できるが、
対角関係を用いると、より構造的に示せる。
二項関係の反射性の特徴づけにより、$A$ 上の二項関係 $T\subseteq A\times A$ が反射的であることは、
$$ \Delta_A\subseteq T $$
と同値である( 証明はコチラ )。

  1. したがって、$R$$S$ がともに反射的であるならば、
    $$ \Delta_A\subseteq R \quad \text{かつ} \quad \Delta_A\subseteq S $$
    が成り立つ。
    ゆえに、共通部分の性質より、
    $$ \Delta_A\subseteq R\cap S $$
    である。
    したがって、反射性の特徴づけより、$R\cap S$ は反射的である。
  2. 逆に、$R\cap S$ が反射的であるならば、
    $$ \Delta_A\subseteq R\cap S $$
    である。
    また、
    $$ R\cap S\subseteq R \quad \text{かつ} \quad R\cap S\subseteq S $$
    である( 証明はコチラ )から、
    $$ \Delta_A\subseteq R \quad \text{かつ} \quad \Delta_A\subseteq S $$
    が成り立つ。
    したがって、反射性の特徴づけより、$R$$S$ はともに反射的である。

-以上より、
$$ \bigl(R\text{ が反射的である}\land S\text{ が反射的である}\bigr) \Longleftrightarrow R\cap S\text{ が反射的である} $$
である。このように、反射性は
$$ \Delta_A\subseteq T $$
によって特徴づけられるため、共通部分に関する保存性は、対角関係 $\Delta_A$ の包含関係として自然に理解できる。

$A$ を集合とし、$R,S\subseteq A\times A$$A$ 上の二項関係とする。
$R$ または $S$ の少なくとも一方が反射的であるならば、$R\cup S$ は反射的である。
すなわち、
$$ \bigl(R\text{ が反射的である}\lor S\text{ が反射的である}\bigr) \Longrightarrow R\cup S\text{ が反射的である} $$
が成り立つ。

$R$ が反射的である、または $S$ が反射的であると仮定する。

  1. $R$ が反射的である場合を示す。
    $R$ が反射的であると仮定する。
    $R\cup S$ が反射的であることを示すには、
    $$ \forall a\in A\ ((a,a)\in R\cup S) $$
    を示せばよい。
    任意に $a\in A$ をとる。$R$ は反射的であるから、
    $$ (a,a)\in R $$
    である。
    したがって、和集合の定義より、
    $$ (a,a)\in R\cup S $$
    である。
    $a\in A$ は任意であったから、
    $$ \forall a\in A\ ((a,a)\in R\cup S) $$
    が成り立つ。
    ゆえに、$R\cup S$ は反射的である。
    $ $
  2. $S$ が反射的である場合を示す。
    $S$ が反射的であると仮定する。$R\cup S$ が反射的であることを示すには、
    $$ \forall a\in A\ ((a,a)\in R\cup S) $$
    を示せばよい。
    任意に $a\in A$ をとる。$S$ は反射的であるから、
    $$ (a,a)\in S $$
    である。
    したがって、和集合の定義より、
    $$ (a,a)\in R\cup S $$
    である。
    $a\in A$ は任意であったから、
    $$ \forall a\in A\ ((a,a)\in R\cup S) $$
    が成り立つ。
    ゆえに、$R\cup S$ は反射的である。

-以上より、$R$ または $S$ の少なくとも一方が反射的であるならば、$R\cup S$ は反射的である。
$$ \Box$$

反射性は対角関係によって短く示せる

反射性については、定義に戻って元を直接追うことでも証明できるが、対角関係を用いると、より構造的に示せる。
二項関係の反射性の特徴づけにより、$A$ 上の二項関係 $T\subseteq A\times A$ が反射的であることは、
$$ \Delta_A\subseteq T $$
と同値である( 証明はコチラ )。
したがって、$R$ または $S$ の少なくとも一方が反射的であるならば、
$$ \Delta_A\subseteq R \quad \text{または} \quad \Delta_A\subseteq S $$
が成り立つ。
いずれの場合も、
$$ \Delta_A\subseteq R\cup S $$
である。
したがって、反射性の特徴づけより、$R\cup S$ は反射的である。
すなわち、
$$ \bigl(R\text{ が反射的である}\lor S\text{ が反射的である}\bigr) \Longrightarrow R\cup S\text{ が反射的である} $$
が成り立つ。
このように、反射性は
$$ \Delta_A\subseteq T $$
によって特徴づけられるため、和集合に関する保存性は、対角関係 $\Delta_A$ の包含関係として自然に理解できる。

逆向きは一般には成り立たない

この命題の逆向き
$$ R\cup S\text{ が反射的である} \Longrightarrow R\text{ が反射的である}\lor S\text{ が反射的である} $$
は一般には成り立たない。
たとえば、
$$ A:=\{1,2\} $$
とし、
$$ R:=\{(1,1)\}, \quad S:=\{(2,2)\} $$
と定める。
このとき、
$$ R\cup S=\{(1,1),(2,2)\}=\Delta_A $$
である。
したがって、$R\cup S$ は反射的である。
しかし、
$$ (2,2)\notin R $$
であるから、$R$ は反射的ではない。
また、
$$ (1,1)\notin S $$
であるから、$S$ も反射的ではない。
したがって、
$$ R\cup S\text{ が反射的である} $$
であっても、
$$ R\text{ が反射的である}\lor S\text{ が反射的である} $$
は成り立たない。
$ $
ただし、追加条件があれば逆向きに近い主張は成り立つ。
たとえば、
$$ S\subseteq R $$
かつ $R\cup S$ が反射的ならば、
$$ R\cup S=R $$
であるから、$R$ は反射的である。
同様に、
$$ R\subseteq S $$
かつ $R\cup S$ が反射的ならば、
$$ R\cup S=S $$
であるから、$S$ は反射的である。

さらに弱い必要十分条件

$R\cup S$ が反射的であることは、
$$ \forall a\in A\ ((a,a)\in R\cup S) $$
が成り立つことと同値である。
和集合の定義より、これは
$$ \forall a\in A\ \bigl((a,a)\in R\lor (a,a)\in S\bigr) $$
と同値である。
したがって、$R\cup S$ が反射的であるためには、各 $a\in A$ について、
$(a,a)$$R$ または $S$ の少なくとも一方に含まれていればよい。
これは
$$ \Delta_A\subseteq R\cup S $$
と同値である。
この条件は、$R$ または $S$ の少なくとも一方が反射的であることよりも弱い条件である。

$A$ を集合とし、$R,S\subseteq A\times A$$A$ 上の二項関係とする。
$R$$S$ がともに対称的であるならば、$R\cup S$ は対称的である。
すなわち、
$$ \bigl(R\text{ が対称的である}\land S\text{ が対称的である}\bigr) \Longrightarrow R\cup S\text{ が対称的である} $$
が成り立つ。

$R$$S$ がともに対称的であると仮定する。
$R\cup S$ が対称的であることを示すには、
$$ \forall a\in A\ \forall b\in A\ \bigl((a,b)\in R\cup S\Rightarrow (b,a)\in R\cup S\bigr) $$
を示せばよい。
任意に $a,b\in A$ をとり、
$$ (a,b)\in R\cup S $$
と仮定する。和集合の定義より、
$$ (a,b)\in R\lor (a,b)\in S $$
である。
ここで、場合分けを行う。

  1. $(a,b)\in R$ の場合
    $R$ は対称的であるから、
    $$ (b,a)\in R $$
    である。したがって、
    $$ (b,a)\in R\cup S $$
    である。
    $ $
  2. $(a,b)\in S$ の場合
    $S$ は対称的であるから、
    $$ (b,a)\in S $$
    である。
    したがって、
    $$ (b,a)\in R\cup S $$
    である。
    $ $

-以上より、
$$ (b,a)\in R\cup S $$
が成り立つ。ゆえに、
$$ (a,b)\in R\cup S\Rightarrow (b,a)\in R\cup S $$
である。
$a,b\in A$ は任意であったから、
$$ \forall a\in A\ \forall b\in A\ \bigl((a,b)\in R\cup S\Rightarrow (b,a)\in R\cup S\bigr) $$
が成り立つ。
したがって、$R\cup S$ は対称的である。
$$ \Box$$

対称性は逆関係によって短く示せる

対称性については、定義に戻って元を直接追うことでも証明できるが、二項関係の既出命題を用いると、より簡潔に示せる。
まず、$A$ 上の二項関係 $T\subseteq A\times A$ が対称的であることは、
$$ T^{-1}=T $$
と同値である( 証明はコチラ )。
また、逆関係は和集合について、
$$ (R\cup S)^{-1}=R^{-1}\cup S^{-1} $$
を満たす( 証明はコチラ )。
したがって、$R$$S$ がともに対称的であるならば、
$$ R^{-1}=R,\quad S^{-1}=S $$
であるから、
$$ (R\cup S)^{-1} = R^{-1}\cup S^{-1} = R\cup S $$
が成り立つ。ゆえに、$R\cup S$ は対称的である。

逆向きは一般には成り立たない

本命題の逆向き
$$ R\cup S\text{ が対称的である} \Longrightarrow \text{$R$ と $S$ がともに対称的である} $$
は一般には成り立たない。
実際、
$$ A:=\{1,2\} $$
とし、$A$ 上の二項関係 $R,S\subseteq A\times A$
$$ R:=\{(1,2)\}, \quad S:=\{(2,1)\} $$
で定める。
このとき、
$$ R\cup S=\{(1,2),(2,1)\} $$
であるから、$R\cup S$ は対称的である。
一方、
$$ (1,2)\in R \quad\text{かつ}\quad (2,1)\notin R $$
であるから、$R$ は対称的ではない。
また、
$$ (2,1)\in S \quad\text{かつ}\quad (1,2)\notin S $$
であるから、$S$ も対称的ではない。
したがって、逆向きは一般には成り立たない。

$A$ を集合とし、$R,S\subseteq A\times A$$A$ 上の二項関係とする。
このとき、
$$ \bigl(R\text{ が対称的である}\land S\text{ が対称的である}\bigr) \Longrightarrow R\cap S\text{ が対称的である} $$
が成り立つ。

$R$$S$ がともに対称的であると仮定する。
$R\cap S$ が対称的であることを示すには、
$$ \forall a\in A\ \forall b\in A\ \bigl((a,b)\in R\cap S\Rightarrow (b,a)\in R\cap S\bigr) $$
を示せばよい。
$ $
任意に $a,b\in A$ をとり、
$$ (a,b)\in R\cap S $$
と仮定する。
共通部分の定義より、
$$ (a,b)\in R \quad\text{かつ}\quad (a,b)\in S $$
である。
$R$ は対称的であるから、
$$ (b,a)\in R $$
である。
また、$S$ は対称的であるから、
$$ (b,a)\in S $$
である。
したがって、
$$ (b,a)\in R \quad\text{かつ}\quad (b,a)\in S $$
である。
共通部分の定義より、
$$ (b,a)\in R\cap S $$
である。
ゆえに、
$$ (a,b)\in R\cap S\Rightarrow (b,a)\in R\cap S $$
が成り立つ。
$a,b\in A$ は任意であったから、
$$ \forall a\in A\ \forall b\in A\ \bigl((a,b)\in R\cap S\Rightarrow (b,a)\in R\cap S\bigr) $$
が成り立つ。
したがって、$R\cap S$ は対称的である。
$$ \Box$$

対称性は逆関係によって短く示せる

対称性については、定義に戻って元を直接追うことでも証明できるが、二項関係の既出命題を用いると、より簡潔に示せる。
まず、$A$ 上の二項関係 $T\subseteq A\times A$ が対称的であることは、
$$ T^{-1}=T $$
と同値である( 証明はコチラ )。
また、逆関係は共通部分について、
$$ (R\cap S)^{-1}=R^{-1}\cap S^{-1} $$
を満たす( 証明はコチラ )。
したがって、$R$$S$ がともに対称的であるならば、
$$ R^{-1}=R,\quad S^{-1}=S $$
であるから、
$$ (R\cap S)^{-1} = R^{-1}\cap S^{-1} = R\cap S $$

が成り立つ。ゆえに、$R\cap S$ は対称的である。

逆向きは一般には成り立たない

本命題の逆向き
$$ R\cap S\text{ が対称的である} \Longrightarrow \text{$R$ と $S$ がともに対称的である} $$
は一般には成り立たない。
実際、
$$ A:=\{1,2\} $$
とし、$A$ 上の二項関係 $R,S\subseteq A\times A$
$$ R:=\{(1,1),(1,2)\}, \quad S:=\{(1,1),(2,1)\} $$
で定める。
このとき、
$$ R\cap S=\{(1,1)\} $$
である。
$R\cap S$ の元は $(1,1)$ のみであり、
$$ (1,1)\in R\cap S\Rightarrow (1,1)\in R\cap S $$
が成り立つ。
したがって、$R\cap S$ は対称的である。
一方、
$$ (1,2)\in R \quad\text{かつ}\quad (2,1)\notin R $$
であるから、$R$ は対称的ではない。
また、
$$ (2,1)\in S \quad\text{かつ}\quad (1,2)\notin S $$
であるから、$S$ も対称的ではない。
したがって、
$$ R\cap S\text{ が対称的である} $$
であっても、
$$ \text{$R$ と $S$ がともに対称的である} $$
とは限らない。
ゆえに、逆向きは一般には成り立たない。

$A$ を集合とし、$R,S\subseteq A\times A$$A$ 上の二項関係とする。
このとき、
$$ \bigl(R\text{ が反対称的である}\lor S\text{ が反対称的である}\bigr) \Longrightarrow R\cap S\text{ が反対称的である} $$
が成り立つ。

$R$ が反対称的である、または $S$ が反対称的であると仮定する。
$R\cap S$ が反対称的であることを示すには、
$$ \forall a\in A\ \forall b\in A\ \bigl(((a,b)\in R\cap S\land (b,a)\in R\cap S)\Rightarrow a=b\bigr) $$
を示せばよい。
$ $
任意に $a,b\in A$ をとり、
$$ (a,b)\in R\cap S \land (b,a)\in R\cap S $$
と仮定する。
共通部分の定義より、
$$ (a,b)\in R \land (a,b)\in S \land (b,a)\in R \land (b,a)\in S $$
である。
ここで、仮定より場合分けする。

  1. $R$ が反対称的である場合
    このとき、
    $$ (a,b)\in R \land (b,a)\in R $$
    であるから、$R$ の反対称性より、
    $$ a=b $$
    が成り立つ。
  2. $S$ が反対称的である場合
    このとき、
    $$ (a,b)\in S \land (b,a)\in S $$
    であるから、$S$ の反対称性より、
    $$ a=b $$
    が成り立つ。

-いずれの場合も、
$$ a=b $$
が成り立つ。したがって、
$$ ((a,b)\in R\cap S\land (b,a)\in R\cap S)\Rightarrow a=b $$
が成り立つ。
$a,b\in A$ は任意であったから、
$$ \forall a\in A\ \forall b\in A\ \bigl(((a,b)\in R\cap S\land (b,a)\in R\cap S)\Rightarrow a=b\bigr) $$
が成り立つ。
ゆえに、$R\cap S$ は反対称的である。
$$ \Box$$

反対称性は逆関係と対角関係によって短く示せる

反対称性については、定義に戻って元を直接追うことでも証明できるが、二項関係の既出命題を用いると、より簡潔に示せる。
二項関係の反対称性の特徴づけにより、$A$ 上の二項関係 $T\subseteq A\times A$ が反対称的であることは、
$$ T\cap T^{-1}\subseteq \Delta_A $$
と同値である( 証明はコチラ )。
また、二項関係の逆関係の性質により、
$$ (R\cap S)^{-1}=R^{-1}\cap S^{-1} $$
が成り立つ( 証明はコチラ )。
したがって、
$$ \begin{align} (R\cap S)\cap(R\cap S)^{-1} &= (R\cap S)\cap(R^{-1}\cap S^{-1})\\ &= (R\cap R^{-1})\cap(S\cap S^{-1}) \end{align} $$
である( 証明はコチラ )。

  1. 特に、$R$ が反対称的であるならば、
    $$ R\cap R^{-1}\subseteq \Delta_A $$
    である( 証明はコチラ )から、
    $$ \begin{align} (R\cap S)\cap(R\cap S)^{-1} &= (R\cap R^{-1})\cap(S\cap S^{-1})\\ &\subseteq R\cap R^{-1}\\ &\subseteq \Delta_A \end{align} $$
    が成り立つ。
    ゆえに、反対称性の特徴づけより、$R\cap S$ は反対称的である。
    $ $
  2. 同様に、$S$ が反対称的である場合も、
    $$ S\cap S^{-1}\subseteq \Delta_A $$
    である( 証明はコチラ )から、
    $$ \begin{align} (R\cap S)\cap(R\cap S)^{-1} &= (R\cap R^{-1})\cap(S\cap S^{-1})\\ &\subseteq S\cap S^{-1}\\ &\subseteq \Delta_A \end{align} $$
    が成り立つ。
    ゆえに、$S$ が反対称的である場合にも、$R\cap S$ は反対称的である。
逆向きは一般には成り立たない

本命題の逆向き
$$ R\cap S\text{ が反対称的である} \Longrightarrow R\text{ が反対称的である} $$
は一般には成り立たない。
実際、
$$ A:=\{1,2\} $$
とし、$A$ 上の二項関係 $R,S\subseteq A\times A$
$$ R:=\{(1,2),(2,1)\}, \quad S:=\varnothing $$
で定める。
このとき、
$$ R\cap S=\varnothing $$
である。
空関係 $\varnothing$ は反対称的である。
一方、
$$ (1,2)\in R \quad\text{かつ}\quad (2,1)\in R $$
であり、
$$ 1\ne2 $$
であるから、$R$ は反対称的ではない。
したがって、$R\cap S$ が反対称的であっても、$R$ が反対称的であるとは限らない。

反対称性は部分関係に受け継がれる

この命題は、より一般には次の事実の特別な場合である。
$R\subseteq A\times A$ が反対称的であり、$T\subseteq R$ であるならば、$T$ も反対称的である。
実際、$T\subseteq R$ であるから、
$$ (a,b)\in T \quad\text{かつ}\quad (b,a)\in T $$
ならば、
$$ (a,b)\in R \quad\text{かつ}\quad (b,a)\in R $$
である。
よって、$R$ の反対称性より $a=b$ が従う。
今回の命題では、
$$ R\cap S\subseteq R $$
であるから、この一般事実を $T:=R\cap S$ に適用している。

和集合では一般に反対称性は保存されない

一般に
$$ \text{$R$ と $S$ がともに反対称的である} \Longrightarrow R\cup S\text{ は反対称的である} $$
は成り立たない。
実際、
$$ A:=\{1,2\} $$
とし、$A$ 上の二項関係 $R,S\subseteq A\times A$
$$ R:=\{(1,1),(2,2),(1,2)\}, \quad S:=\{(1,1),(2,2),(2,1)\} $$
で定める。
このとき、$R$ は反対称的である。
実際、$R$ において相異なる $2$ つの元の間に現れる組は $(1,2)$ だけであり、
$$ (2,1)\notin R $$
である。
同様に、$S$ も反対称的である。
実際、$S$ において相異なる $2$ つの元の間に現れる組は $(2,1)$ だけであり、
$$ (1,2)\notin S $$
である。
しかし、
$$ R\cup S=\{(1,1),(2,2),(1,2),(2,1)\} $$
であり、
$$ (1,2)\in R\cup S \quad\text{かつ}\quad (2,1)\in R\cup S $$
が成り立つにもかかわらず、
$$ 1\ne2 $$
である。
したがって、$R\cup S$ は反対称的ではない。
ゆえに、和集合では一般に反対称性は保存されない。

$A$ を集合とし、$R,S\subseteq A\times A$$A$ 上の二項関係とする。
$R$$S$ がともに推移的であるならば、$R\cap S$ も推移的である。
すなわち、
$$ \bigl(R\text{ が推移的である}\land S\text{ が推移的である}\bigr) \Longrightarrow R\cap S\text{ が推移的である} $$
が成り立つ。

$R$$S$ がともに推移的であると仮定する。
$R\cap S$ が推移的であることを示すには、
$$ \forall a\in A\ \forall b\in A\ \forall c\in A\ \bigl(((a,b)\in R\cap S\land (b,c)\in R\cap S)\Rightarrow (a,c)\in R\cap S\bigr) $$
を示せばよい。
$ $
任意に $a,b,c\in A$ をとり、
$$ (a,b)\in R\cap S \quad\text{かつ}\quad (b,c)\in R\cap S $$
と仮定する。
共通部分の定義より、
$$ (a,b)\in R \quad\text{かつ}\quad (a,b)\in S \quad\text{かつ}\quad (b,c)\in R \quad\text{かつ}\quad (b,c)\in S $$
である。
したがって、
$$ (a,b)\in R \quad\text{かつ}\quad (b,c)\in R $$
である。

  1. $R$ は推移的であるから、
    $$ (a,c)\in R $$
    である。
    また、
    $$ (a,b)\in S \quad\text{かつ}\quad (b,c)\in S $$
    である。
  2. $S$ は推移的であるから、
    $$ (a,c)\in S $$
    である。
    ゆえに、
    $$ (a,c)\in R \quad\text{かつ}\quad (a,c)\in S $$
    である。

-共通部分の定義より、
$$ (a,c)\in R\cap S $$
である。
したがって、
$$ ((a,b)\in R\cap S\land (b,c)\in R\cap S)\Rightarrow (a,c)\in R\cap S $$
が成り立つ。
$a,b,c\in A$ は任意であったから、
$$ \forall a\in A\ \forall b\in A\ \forall c\in A\ \bigl(((a,b)\in R\cap S\land (b,c)\in R\cap S)\Rightarrow (a,c)\in R\cap S\bigr) $$
が成り立つ。
したがって、$R\cap S$ は推移的である。
$$ \Box$$

推移性は合成関係によって短く示せる

推移性については、定義に戻って元を直接追うことでも証明できるが、合成関係を用いると、より構造的に示せる。
二項関係の推移性の特徴づけにより、$A$ 上の二項関係 $T\subseteq A\times A$ が推移的であることは、
$$ T\circ T\subseteq T $$
と同値である。
ここで、$R\cap S\subseteq R$ かつ $R\cap S\subseteq S$ である( 証明はコチラ )。
したがって、合成関係の単調性より、
$$ (R\cap S)\circ(R\cap S)\subseteq R\circ R $$
かつ
$$ (R\cap S)\circ(R\cap S)\subseteq S\circ S $$
が成り立つ。ゆえに、
$$ (R\cap S)\circ(R\cap S)\subseteq (R\circ R)\cap(S\circ S) $$
である。
さらに、$R$$S$ がともに推移的であるならば、
$$ R\circ R\subseteq R $$
かつ
$$ S\circ S\subseteq S $$
が成り立つ( 証明はコチラ )。
したがって、
$$ (R\circ R)\cap(S\circ S)\subseteq R\cap S $$
である。
以上より、
$$ (R\cap S)\circ(R\cap S) \subseteq (R\circ R)\cap(S\circ S) \subseteq R\cap S $$
が成り立つ。
したがって、
$$ (R\cap S)\circ(R\cap S)\subseteq R\cap S $$
である。
ゆえに、推移性の特徴づけ( 証明はコチラ )より、$R\cap S$ は推移的である。
このように、共通部分に関する推移性の保存は、$R\cap S$$R$$S$ の両方の部分関係であることと、合成関係の単調性から自然に従う。

$A$ を集合とし、$R,S\subseteq A\times A$$A$ 上の二項関係とする。
このとき、
$$ \bigl(R\text{ が比較可能律を満たす}\lor S\text{ が比較可能律を満たす}\bigr) \Longrightarrow R\cup S\text{ が比較可能律を満たす} $$
が成り立つ。

$R$ が比較可能律を満たす、または $S$ が比較可能律を満たすと仮定する。
$R\cup S$ が比較可能律を満たすことを示すには、
$$ \forall a\in A\ \forall b\in A\ \bigl(a\neq b\Rightarrow (((a,b)\in R\cup S)\lor ((b,a)\in R\cup S))\bigr) $$
を示せばよい。
$ $
任意に $a,b\in A$ をとり、
$$ a\neq b $$
と仮定する。
ここで、場合分けを行う。

  1. $R$ が比較可能律を満たす場合
    $R$ が比較可能律を満たすから、
    $$ (a,b)\in R\lor (b,a)\in R $$
    が成り立つ。
    このとき、和集合の定義より、
    $$ (a,b)\in R\Rightarrow (a,b)\in R\cup S $$
    かつ
    $$ (b,a)\in R\Rightarrow (b,a)\in R\cup S $$
    である。
    したがって、
    $$ ((a,b)\in R\cup S)\lor ((b,a)\in R\cup S) $$
    が成り立つ。
    $ $
  2. $S$ が比較可能律を満たす場合
    $S$ が比較可能律を満たすから、
    $$ (a,b)\in S\lor (b,a)\in S $$
    が成り立つ。
    このとき、和集合の定義より、
    $$ (a,b)\in S\Rightarrow (a,b)\in R\cup S $$
    かつ
    $$ (b,a)\in S\Rightarrow (b,a)\in R\cup S $$
    である。
    したがって、
    $$ ((a,b)\in R\cup S)\lor ((b,a)\in R\cup S) $$
    が成り立つ。

-いずれの場合も、
$$ ((a,b)\in R\cup S)\lor ((b,a)\in R\cup S) $$
が成り立つ。
したがって、
$$ a\neq b\Rightarrow (((a,b)\in R\cup S)\lor ((b,a)\in R\cup S)) $$
が成り立つ。$a,b\in A$ は任意であったから、
$$ \forall a\in A\ \forall b\in A\ \bigl(a\neq b\Rightarrow (((a,b)\in R\cup S)\lor ((b,a)\in R\cup S))\bigr) $$
が成り立つ。
よって、$R\cup S$ は比較可能律を満たす。
$$ \Box$$

比較可能律は逆関係と対角関係によって短く示せる

比較可能律については、定義に戻って元を直接追うことでも証明できるが、逆関係と対角関係を用いると、より構造的に示せる。
$A$ 上の二項関係 $T\subseteq A\times A$ が比較可能律を満たすことは、
$$ A\times A\subseteq T\cup T^{-1}\cup\Delta_A $$
と同値である( 証明はコチラ )。
この特徴づけを用いると、$R\cup S$ の比較可能律は簡潔に示せる。
たとえば、$R$ が比較可能律を満たすと仮定する。このとき、
$$ A\times A\subseteq R\cup R^{-1}\cup\Delta_A $$
である。
また、逆関係は和集合について
$$ (R\cup S)^{-1}=R^{-1}\cup S^{-1} $$
を満たす( 証明はコチラ )から、
$$ \begin{align} (R\cup S)\cup(R\cup S)^{-1}\cup\Delta_A &= (R\cup S)\cup(R^{-1}\cup S^{-1})\cup\Delta_A\\ &= R\cup R^{-1}\cup S\cup S^{-1}\cup\Delta_A\\ &\supseteq R\cup R^{-1}\cup\Delta_A\\ &\supseteq A\times A \end{align} $$
が成り立つ( 証明はコチラ )。
したがって、
$$ A\times A\subseteq (R\cup S)\cup(R\cup S)^{-1}\cup\Delta_A $$
である。
ゆえに、比較可能律の特徴づけより、$R\cup S$ は比較可能律を満たす。
同様に、$S$ が比較可能律を満たす場合も、
$$ A\times A\subseteq S\cup S^{-1}\cup\Delta_A $$
であり、
$$ \begin{align} (R\cup S)\cup(R\cup S)^{-1}\cup\Delta_A &= R\cup R^{-1}\cup S\cup S^{-1}\cup\Delta_A\\ &\supseteq S\cup S^{-1}\cup\Delta_A\\ &\supseteq A\times A \end{align} $$
が成り立つ( 証明はコチラ )。
したがって、$S$ が比較可能律を満たす場合にも、$R\cup S$ は比較可能律を満たす。
以上より、
$$ \bigl(R\text{ が比較可能律を満たす}\lor S\text{ が比較可能律を満たす}\bigr) \Longrightarrow R\cup S\text{ が比較可能律を満たす} $$
が成り立つ。
このように、比較可能律は
$$ A\times A\subseteq T\cup T^{-1}\cup\Delta_A $$
によって特徴づけられるため、和集合に関する保存性は、逆関係が和集合と両立することから自然に従う。

逆向きが一般には成り立たない具体例

本命題の逆向き
$$ R\cup S\text{ が比較可能律を満たす} \Longrightarrow \bigl(R\text{ が比較可能律を満たす}\lor S\text{ が比較可能律を満たす}\bigr) $$
は一般には成り立たない。
反例を与える。
$$ A:=\{1,2,3\} $$
とし、$A$ 上の二項関係 $R,S\subseteq A\times A$
$$ R:=\{(1,2)\} $$
および
$$ S:=\{(1,3),(2,3)\} $$
で定める。
このとき、
$$ R\cup S=\{(1,2),(1,3),(2,3)\} $$
である。
まず、$R\cup S$ は比較可能律を満たす。

  1. 実際、$A$ の異なる $2$ 元の組は、順序を除いて
    $$ \{1,2\}, \quad \{1,3\}, \quad \{2,3\} $$
    である。
    これらについて、
    $$ (1,2)\in R\cup S, \quad (1,3)\in R\cup S, \quad (2,3)\in R\cup S $$
    である。
    したがって、任意の異なる $a,b\in A$ について、もし $(a,b)$ が上の向きと一致すれば、
    $$ (a,b)\in R\cup S $$
    である。
    また、もし $(a,b)$ が上の向きと逆向きであれば、
    $$ (b,a)\in R\cup S $$
    である。ゆえに、
    $$ (a,b)\in R\cup S\lor (b,a)\in R\cup S $$
    が成り立つ。
    したがって、$R\cup S$ は比較可能律を満たす。
  2. 一方、$R$ は比較可能律を満たさない。
    実際、
    $$ 1\ne 3 $$
    であるが、
    $$ (1,3)\notin R \quad \text{かつ} \quad (3,1)\notin R $$
    である。
    したがって、$R$ は比較可能律を満たさない。
  3. また、$S$ も比較可能律を満たさない。
    実際、
    $$ 1\ne 2 $$
    であるが、
    $$ (1,2)\notin S \quad \text{かつ} \quad (2,1)\notin S $$
    である。
    したがって、$S$ は比較可能律を満たさない。

-以上より、
$$ R\cup S\text{ が比較可能律を満たす} $$
であっても、
$$ R\text{ が比較可能律を満たす}\lor S\text{ が比較可能律を満たす} $$
は成り立たない。
ゆえに、逆向きは一般には成り立たない。

共通部分と比較可能律

$A$ を集合とし、$R,S\subseteq A\times A$$A$ 上の二項関係とする。
たとえ $R,S$ がともに比較可能律を満たしても、
$$ R\cap S $$
が比較可能律を満たすとは限らない。
反例を与える。
$$ A:=\{1,2\} $$
とし、
$$ R:=\{(1,1),(2,2),(1,2)\} $$
$$ S:=\{(1,1),(2,2),(2,1)\} $$
と定める。

  1. まず、$R$ が比較可能律を満たすことを示す。
    $A$ の異なる $2$ 元の組として本質的に確認すべきものは、$1$$2$ である。
    このとき、
    $$ (1,2)\in R $$
    である。
    したがって、
    $$ (1,2)\in R\lor (2,1)\in R $$
    が成り立つ。
    よって、$R$ は比較可能律を満たす。
    $ $
  2. 次に、$S$ が比較可能律を満たすことを示す。
    同様に、$1$$2$ について確認すればよい。
    このとき、
    $$ (2,1)\in S $$
    である。
    したがって、
    $$ (1,2)\in S\lor (2,1)\in S $$
    が成り立つ。
    よって、$S$ は比較可能律を満たす。
    $ $
  3. 一方で、
    $$ R\cap S=\{(1,1),(2,2)\} $$
    である。
    したがって、
    $$ (1,2)\notin R\cap S $$
    かつ
    $$ (2,1)\notin R\cap S $$
    である。
    ここで、
    $$ 1\neq 2 $$
    であるにもかかわらず、
    $$ (1,2)\in R\cap S\lor (2,1)\in R\cap S $$
    は成り立たない。
    したがって、$R\cap S$ は比較可能律を満たさない。

-以上より、$R,S$ がともに比較可能律を満たしても、$R\cap S$ が比較可能律を満たすとは限らない。
このように、比較可能律は共通部分では一般に保存されない。

$A$ を集合とし、$R,S\subseteq A\times A$$A$ 上の二項関係とする。
関係の合成を
$$ T\circ U := \{(a,c)\in A\times A\mid \exists b\in A\ ((a,b)\in U\land (b,c)\in T)\} $$
で定める。
このとき、
$$ R\cup S\text{ が推移的である} $$
ことと
$$ R\circ R\subseteq R\cup S,\quad S\circ R\subseteq R\cup S,\quad R\circ S\subseteq R\cup S,\quad S\circ S\subseteq R\cup S $$
がすべて成り立つことは同値である。

  1. $R\cup S$ が推移的であるならば、$4$ つの包含関係が成り立つことを示す。
    $R\cup S$ が推移的であると仮定する。
    このとき、推移性と合成関係の関係( 証明はコチラ )より、
    $$ (R\cup S)\circ(R\cup S)\subseteq R\cup S $$
    が成り立つ。
    また、
    $$ R\subseteq R\cup S,\quad S\subseteq R\cup S $$
    である。
    したがって、合成関係の単調性( 証明はコチラ )より、
    $$ R\circ R\subseteq (R\cup S)\circ(R\cup S) $$
    $$ S\circ R\subseteq (R\cup S)\circ(R\cup S) $$
    $$ R\circ S\subseteq (R\cup S)\circ(R\cup S) $$
    $$ S\circ S\subseteq (R\cup S)\circ(R\cup S) $$
    が成り立つ。
    よって、
    $$ R\circ R\subseteq R\cup S,\quad S\circ R\subseteq R\cup S,\quad R\circ S\subseteq R\cup S,\quad S\circ S\subseteq R\cup S $$
    がすべて成り立つ。
    $ $
  2. $4$ つの包含関係が成り立つならば、$R\cup S$ が推移的であることを示す。
    次の $4$ つの包含関係がすべて成り立つと仮定する。
    $$ R\circ R\subseteq R\cup S,\quad S\circ R\subseteq R\cup S,\quad R\circ S\subseteq R\cup S,\quad S\circ S\subseteq R\cup S $$
    $R\cup S$ が推移的であることを示すには、
    $$ \forall a\in A\ \forall b\in A\ \forall c\in A\ \bigl(((a,b)\in R\cup S\land (b,c)\in R\cup S)\Rightarrow (a,c)\in R\cup S\bigr) $$
    を示せばよい。
    $ $
    任意に $a,b,c\in A$ をとり、
    $$ (a,b)\in R\cup S\land (b,c)\in R\cup S $$
    と仮定する。
    和集合の定義より、
    $$ (a,b)\in R\lor (a,b)\in S $$
    かつ
    $$ (b,c)\in R\lor (b,c)\in S $$
    である。
    したがって、次の $4$ つの場合を考える。
    i) $(a,b)\in R$ かつ $(b,c)\in R$ の場合
      合成関係の定義より、
    $$ (a,c)\in R\circ R $$
      である。
      仮定 $R\circ R\subseteq R\cup S$ より、
    $$ (a,c)\in R\cup S $$
      である。
    $ $
    ii) $(a,b)\in R$ かつ $(b,c)\in S$ の場合
      合成関係の定義より、
    $$ (a,c)\in S\circ R $$
      である。
      仮定 $S\circ R\subseteq R\cup S$ より、
    $$ (a,c)\in R\cup S $$
      である。
    $ $
    iii) $(a,b)\in S$ かつ $(b,c)\in R$ の場合
      合成関係の定義より、
    $$ (a,c)\in R\circ S $$
      である。
      仮定 $R\circ S\subseteq R\cup S$ より、
    $$ (a,c)\in R\cup S $$
      である。
    $ $
    iv) $(a,b)\in S$ かつ $(b,c)\in S$ の場合
      合成関係の定義より、
    $$ (a,c)\in S\circ S $$
      である。
      仮定 $S\circ S\subseteq R\cup S$ より、
    $$ (a,c)\in R\cup S $$
      である。
    以上より、いずれの場合も、
    $$ (a,c)\in R\cup S $$
    が成り立つ。
    したがって、
    $$ ((a,b)\in R\cup S\land (b,c)\in R\cup S) \Rightarrow (a,c)\in R\cup S $$
    である。
    $a,b,c\in A$ は任意であったから、
    $$ \forall a\in A\ \forall b\in A\ \forall c\in A\ \bigl(((a,b)\in R\cup S\land (b,c)\in R\cup S)\Rightarrow (a,c)\in R\cup S\bigr) $$
    が成り立つ。
    したがって、$R\cup S$ は推移的である。

-1. と 2. より、
$$ R\cup S\text{ が推移的である} $$
ことと
$$ R\circ R\subseteq R\cup S,\quad S\circ R\subseteq R\cup S,\quad R\circ S\subseteq R\cup S,\quad S\circ S\subseteq R\cup S $$
がすべて成り立つことは同値である。
$$ \Box$$

投稿日:1日前
更新日:2時間前
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Kagura
Kagura
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■ 分野を問わず数学の証明が好きです。あとで自分が読み返したときに、きちんと理解できるノートを作ることを心がけています。不定期に過去のノートを確認し、修正&更新 (追加&削除) しています。定義、命題、証明などに誤りや不正確な点がございましたら、ご指摘いただけますと幸いです(2025年12月28日)。          ----------------------------------------------- ■ ノート『数学概論』の読み方     STEP1:まずは定義を一通り理解し覚える。 STEP2:具体例を考えてみる。    STEP3:各命題の主張を一通り理解する。 STEP4:証明を繰り返し読んで流れを掴む。 (まずはココまでで良い)         STEP5:何も見ずに定義に従って証明を創る。 STEP6:STEP5の他の証明方法を創ってみる。    STEP7:自由に命題と証明を創ってみる  

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