$A$ を集合とし、$R,S\subseteq A\times A$ を $A$ 上の二項関係とする。
このとき、
$$
\bigl(R\text{ が反射的である}\land S\text{ が反射的である}\bigr)
\Longleftrightarrow
R\cap S\text{ が反射的である}
$$
が成り立つ。
-以上より、
$$
\text{$R$ と $S$ がともに反射的である}
\Longleftrightarrow
R\cap S\text{ が反射的である}
$$
が成り立つ。
$$ \Box$$
反射性については、定義に戻って元を直接追うことでも証明できるが、
対角関係を用いると、より構造的に示せる。
二項関係の反射性の特徴づけにより、$A$ 上の二項関係 $T\subseteq A\times A$ が反射的であることは、
$$
\Delta_A\subseteq T
$$
と同値である(
証明はコチラ
)。
-以上より、
$$
\bigl(R\text{ が反射的である}\land S\text{ が反射的である}\bigr)
\Longleftrightarrow
R\cap S\text{ が反射的である}
$$
である。このように、反射性は
$$
\Delta_A\subseteq T
$$
によって特徴づけられるため、共通部分に関する保存性は、対角関係 $\Delta_A$ の包含関係として自然に理解できる。
$A$ を集合とし、$R,S\subseteq A\times A$ を $A$ 上の二項関係とする。
$R$ または $S$ の少なくとも一方が反射的であるならば、$R\cup S$ は反射的である。
すなわち、
$$
\bigl(R\text{ が反射的である}\lor S\text{ が反射的である}\bigr)
\Longrightarrow
R\cup S\text{ が反射的である}
$$
が成り立つ。
$R$ が反射的である、または $S$ が反射的であると仮定する。
-以上より、$R$ または $S$ の少なくとも一方が反射的であるならば、$R\cup S$ は反射的である。
$$ \Box$$
反射性については、定義に戻って元を直接追うことでも証明できるが、対角関係を用いると、より構造的に示せる。
二項関係の反射性の特徴づけにより、$A$ 上の二項関係 $T\subseteq A\times A$ が反射的であることは、
$$
\Delta_A\subseteq T
$$
と同値である(
証明はコチラ
)。
したがって、$R$ または $S$ の少なくとも一方が反射的であるならば、
$$
\Delta_A\subseteq R
\quad
\text{または}
\quad
\Delta_A\subseteq S
$$
が成り立つ。
いずれの場合も、
$$
\Delta_A\subseteq R\cup S
$$
である。
したがって、反射性の特徴づけより、$R\cup S$ は反射的である。
すなわち、
$$
\bigl(R\text{ が反射的である}\lor S\text{ が反射的である}\bigr)
\Longrightarrow
R\cup S\text{ が反射的である}
$$
が成り立つ。
このように、反射性は
$$
\Delta_A\subseteq T
$$
によって特徴づけられるため、和集合に関する保存性は、対角関係 $\Delta_A$ の包含関係として自然に理解できる。
この命題の逆向き
$$
R\cup S\text{ が反射的である}
\Longrightarrow
R\text{ が反射的である}\lor S\text{ が反射的である}
$$
は一般には成り立たない。
たとえば、
$$
A:=\{1,2\}
$$
とし、
$$
R:=\{(1,1)\},
\quad
S:=\{(2,2)\}
$$
と定める。
このとき、
$$
R\cup S=\{(1,1),(2,2)\}=\Delta_A
$$
である。
したがって、$R\cup S$ は反射的である。
しかし、
$$
(2,2)\notin R
$$
であるから、$R$ は反射的ではない。
また、
$$
(1,1)\notin S
$$
であるから、$S$ も反射的ではない。
したがって、
$$
R\cup S\text{ が反射的である}
$$
であっても、
$$
R\text{ が反射的である}\lor S\text{ が反射的である}
$$
は成り立たない。
$ $
ただし、追加条件があれば逆向きに近い主張は成り立つ。
たとえば、
$$
S\subseteq R
$$
かつ $R\cup S$ が反射的ならば、
$$
R\cup S=R
$$
であるから、$R$ は反射的である。
同様に、
$$
R\subseteq S
$$
かつ $R\cup S$ が反射的ならば、
$$
R\cup S=S
$$
であるから、$S$ は反射的である。
$R\cup S$ が反射的であることは、
$$
\forall a\in A\ ((a,a)\in R\cup S)
$$
が成り立つことと同値である。
和集合の定義より、これは
$$
\forall a\in A\ \bigl((a,a)\in R\lor (a,a)\in S\bigr)
$$
と同値である。
したがって、$R\cup S$ が反射的であるためには、各 $a\in A$ について、
$(a,a)$ が $R$ または $S$ の少なくとも一方に含まれていればよい。
これは
$$
\Delta_A\subseteq R\cup S
$$
と同値である。
この条件は、$R$ または $S$ の少なくとも一方が反射的であることよりも弱い条件である。
$A$ を集合とし、$R,S\subseteq A\times A$ を $A$ 上の二項関係とする。
$R$ と $S$ がともに対称的であるならば、$R\cup S$ は対称的である。
すなわち、
$$
\bigl(R\text{ が対称的である}\land S\text{ が対称的である}\bigr)
\Longrightarrow
R\cup S\text{ が対称的である}
$$
が成り立つ。
$R$ と $S$ がともに対称的であると仮定する。
$R\cup S$ が対称的であることを示すには、
$$
\forall a\in A\ \forall b\in A\
\bigl((a,b)\in R\cup S\Rightarrow (b,a)\in R\cup S\bigr)
$$
を示せばよい。
任意に $a,b\in A$ をとり、
$$
(a,b)\in R\cup S
$$
と仮定する。和集合の定義より、
$$
(a,b)\in R\lor (a,b)\in S
$$
である。
ここで、場合分けを行う。
-以上より、
$$
(b,a)\in R\cup S
$$
が成り立つ。ゆえに、
$$
(a,b)\in R\cup S\Rightarrow (b,a)\in R\cup S
$$
である。
$a,b\in A$ は任意であったから、
$$
\forall a\in A\ \forall b\in A\
\bigl((a,b)\in R\cup S\Rightarrow (b,a)\in R\cup S\bigr)
$$
が成り立つ。
したがって、$R\cup S$ は対称的である。
$$ \Box$$
対称性については、定義に戻って元を直接追うことでも証明できるが、二項関係の既出命題を用いると、より簡潔に示せる。
まず、$A$ 上の二項関係 $T\subseteq A\times A$ が対称的であることは、
$$
T^{-1}=T
$$
と同値である(
証明はコチラ
)。
また、逆関係は和集合について、
$$
(R\cup S)^{-1}=R^{-1}\cup S^{-1}
$$
を満たす(
証明はコチラ
)。
したがって、$R$ と $S$ がともに対称的であるならば、
$$
R^{-1}=R,\quad S^{-1}=S
$$
であるから、
$$
(R\cup S)^{-1}
=
R^{-1}\cup S^{-1}
=
R\cup S
$$
が成り立つ。ゆえに、$R\cup S$ は対称的である。
本命題の逆向き
$$
R\cup S\text{ が対称的である}
\Longrightarrow
\text{$R$ と $S$ がともに対称的である}
$$
は一般には成り立たない。
実際、
$$
A:=\{1,2\}
$$
とし、$A$ 上の二項関係 $R,S\subseteq A\times A$ を
$$
R:=\{(1,2)\},
\quad
S:=\{(2,1)\}
$$
で定める。
このとき、
$$
R\cup S=\{(1,2),(2,1)\}
$$
であるから、$R\cup S$ は対称的である。
一方、
$$
(1,2)\in R
\quad\text{かつ}\quad
(2,1)\notin R
$$
であるから、$R$ は対称的ではない。
また、
$$
(2,1)\in S
\quad\text{かつ}\quad
(1,2)\notin S
$$
であるから、$S$ も対称的ではない。
したがって、逆向きは一般には成り立たない。
$A$ を集合とし、$R,S\subseteq A\times A$ を $A$ 上の二項関係とする。
このとき、
$$
\bigl(R\text{ が対称的である}\land S\text{ が対称的である}\bigr)
\Longrightarrow
R\cap S\text{ が対称的である}
$$
が成り立つ。
$R$ と $S$ がともに対称的であると仮定する。
$R\cap S$ が対称的であることを示すには、
$$
\forall a\in A\ \forall b\in A\
\bigl((a,b)\in R\cap S\Rightarrow (b,a)\in R\cap S\bigr)
$$
を示せばよい。
$ $
任意に $a,b\in A$ をとり、
$$
(a,b)\in R\cap S
$$
と仮定する。
共通部分の定義より、
$$
(a,b)\in R
\quad\text{かつ}\quad
(a,b)\in S
$$
である。
$R$ は対称的であるから、
$$
(b,a)\in R
$$
である。
また、$S$ は対称的であるから、
$$
(b,a)\in S
$$
である。
したがって、
$$
(b,a)\in R
\quad\text{かつ}\quad
(b,a)\in S
$$
である。
共通部分の定義より、
$$
(b,a)\in R\cap S
$$
である。
ゆえに、
$$
(a,b)\in R\cap S\Rightarrow (b,a)\in R\cap S
$$
が成り立つ。
$a,b\in A$ は任意であったから、
$$
\forall a\in A\ \forall b\in A\
\bigl((a,b)\in R\cap S\Rightarrow (b,a)\in R\cap S\bigr)
$$
が成り立つ。
したがって、$R\cap S$ は対称的である。
$$ \Box$$
対称性については、定義に戻って元を直接追うことでも証明できるが、二項関係の既出命題を用いると、より簡潔に示せる。
まず、$A$ 上の二項関係 $T\subseteq A\times A$ が対称的であることは、
$$
T^{-1}=T
$$
と同値である(
証明はコチラ
)。
また、逆関係は共通部分について、
$$
(R\cap S)^{-1}=R^{-1}\cap S^{-1}
$$
を満たす(
証明はコチラ
)。
したがって、$R$ と $S$ がともに対称的であるならば、
$$
R^{-1}=R,\quad S^{-1}=S
$$
であるから、
$$
(R\cap S)^{-1}
=
R^{-1}\cap S^{-1}
=
R\cap S
$$
が成り立つ。ゆえに、$R\cap S$ は対称的である。
本命題の逆向き
$$
R\cap S\text{ が対称的である}
\Longrightarrow
\text{$R$ と $S$ がともに対称的である}
$$
は一般には成り立たない。
実際、
$$
A:=\{1,2\}
$$
とし、$A$ 上の二項関係 $R,S\subseteq A\times A$ を
$$
R:=\{(1,1),(1,2)\},
\quad
S:=\{(1,1),(2,1)\}
$$
で定める。
このとき、
$$
R\cap S=\{(1,1)\}
$$
である。
$R\cap S$ の元は $(1,1)$ のみであり、
$$
(1,1)\in R\cap S\Rightarrow (1,1)\in R\cap S
$$
が成り立つ。
したがって、$R\cap S$ は対称的である。
一方、
$$
(1,2)\in R
\quad\text{かつ}\quad
(2,1)\notin R
$$
であるから、$R$ は対称的ではない。
また、
$$
(2,1)\in S
\quad\text{かつ}\quad
(1,2)\notin S
$$
であるから、$S$ も対称的ではない。
したがって、
$$
R\cap S\text{ が対称的である}
$$
であっても、
$$
\text{$R$ と $S$ がともに対称的である}
$$
とは限らない。
ゆえに、逆向きは一般には成り立たない。
$A$ を集合とし、$R,S\subseteq A\times A$ を $A$ 上の二項関係とする。
このとき、
$$
\bigl(R\text{ が反対称的である}\lor S\text{ が反対称的である}\bigr)
\Longrightarrow
R\cap S\text{ が反対称的である}
$$
が成り立つ。
$R$ が反対称的である、または $S$ が反対称的であると仮定する。
$R\cap S$ が反対称的であることを示すには、
$$
\forall a\in A\ \forall b\in A\
\bigl(((a,b)\in R\cap S\land (b,a)\in R\cap S)\Rightarrow a=b\bigr)
$$
を示せばよい。
$ $
任意に $a,b\in A$ をとり、
$$
(a,b)\in R\cap S
\land
(b,a)\in R\cap S
$$
と仮定する。
共通部分の定義より、
$$
(a,b)\in R
\land
(a,b)\in S
\land
(b,a)\in R
\land
(b,a)\in S
$$
である。
ここで、仮定より場合分けする。
-いずれの場合も、
$$
a=b
$$
が成り立つ。したがって、
$$
((a,b)\in R\cap S\land (b,a)\in R\cap S)\Rightarrow a=b
$$
が成り立つ。
$a,b\in A$ は任意であったから、
$$
\forall a\in A\ \forall b\in A\
\bigl(((a,b)\in R\cap S\land (b,a)\in R\cap S)\Rightarrow a=b\bigr)
$$
が成り立つ。
ゆえに、$R\cap S$ は反対称的である。
$$ \Box$$
反対称性については、定義に戻って元を直接追うことでも証明できるが、二項関係の既出命題を用いると、より簡潔に示せる。
二項関係の反対称性の特徴づけにより、$A$ 上の二項関係 $T\subseteq A\times A$ が反対称的であることは、
$$
T\cap T^{-1}\subseteq \Delta_A
$$
と同値である(
証明はコチラ
)。
また、二項関係の逆関係の性質により、
$$
(R\cap S)^{-1}=R^{-1}\cap S^{-1}
$$
が成り立つ(
証明はコチラ
)。
したがって、
$$
\begin{align}
(R\cap S)\cap(R\cap S)^{-1}
&=
(R\cap S)\cap(R^{-1}\cap S^{-1})\\
&=
(R\cap R^{-1})\cap(S\cap S^{-1})
\end{align}
$$
である(
証明はコチラ
)。
本命題の逆向き
$$
R\cap S\text{ が反対称的である}
\Longrightarrow
R\text{ が反対称的である}
$$
は一般には成り立たない。
実際、
$$
A:=\{1,2\}
$$
とし、$A$ 上の二項関係 $R,S\subseteq A\times A$ を
$$
R:=\{(1,2),(2,1)\},
\quad
S:=\varnothing
$$
で定める。
このとき、
$$
R\cap S=\varnothing
$$
である。
空関係 $\varnothing$ は反対称的である。
一方、
$$
(1,2)\in R
\quad\text{かつ}\quad
(2,1)\in R
$$
であり、
$$
1\ne2
$$
であるから、$R$ は反対称的ではない。
したがって、$R\cap S$ が反対称的であっても、$R$ が反対称的であるとは限らない。
この命題は、より一般には次の事実の特別な場合である。
$R\subseteq A\times A$ が反対称的であり、$T\subseteq R$ であるならば、$T$ も反対称的である。
実際、$T\subseteq R$ であるから、
$$
(a,b)\in T
\quad\text{かつ}\quad
(b,a)\in T
$$
ならば、
$$
(a,b)\in R
\quad\text{かつ}\quad
(b,a)\in R
$$
である。
よって、$R$ の反対称性より $a=b$ が従う。
今回の命題では、
$$
R\cap S\subseteq R
$$
であるから、この一般事実を $T:=R\cap S$ に適用している。
一般に
$$
\text{$R$ と $S$ がともに反対称的である}
\Longrightarrow
R\cup S\text{ は反対称的である}
$$
は成り立たない。
実際、
$$
A:=\{1,2\}
$$
とし、$A$ 上の二項関係 $R,S\subseteq A\times A$ を
$$
R:=\{(1,1),(2,2),(1,2)\},
\quad
S:=\{(1,1),(2,2),(2,1)\}
$$
で定める。
このとき、$R$ は反対称的である。
実際、$R$ において相異なる $2$ つの元の間に現れる組は $(1,2)$ だけであり、
$$
(2,1)\notin R
$$
である。
同様に、$S$ も反対称的である。
実際、$S$ において相異なる $2$ つの元の間に現れる組は $(2,1)$ だけであり、
$$
(1,2)\notin S
$$
である。
しかし、
$$
R\cup S=\{(1,1),(2,2),(1,2),(2,1)\}
$$
であり、
$$
(1,2)\in R\cup S
\quad\text{かつ}\quad
(2,1)\in R\cup S
$$
が成り立つにもかかわらず、
$$
1\ne2
$$
である。
したがって、$R\cup S$ は反対称的ではない。
ゆえに、和集合では一般に反対称性は保存されない。
$A$ を集合とし、$R,S\subseteq A\times A$ を $A$ 上の二項関係とする。
$R$ と $S$ がともに推移的であるならば、$R\cap S$ も推移的である。
すなわち、
$$
\bigl(R\text{ が推移的である}\land S\text{ が推移的である}\bigr)
\Longrightarrow
R\cap S\text{ が推移的である}
$$
が成り立つ。
$R$ と $S$ がともに推移的であると仮定する。
$R\cap S$ が推移的であることを示すには、
$$
\forall a\in A\ \forall b\in A\ \forall c\in A\
\bigl(((a,b)\in R\cap S\land (b,c)\in R\cap S)\Rightarrow (a,c)\in R\cap S\bigr)
$$
を示せばよい。
$ $
任意に $a,b,c\in A$ をとり、
$$
(a,b)\in R\cap S
\quad\text{かつ}\quad
(b,c)\in R\cap S
$$
と仮定する。
共通部分の定義より、
$$
(a,b)\in R
\quad\text{かつ}\quad
(a,b)\in S
\quad\text{かつ}\quad
(b,c)\in R
\quad\text{かつ}\quad
(b,c)\in S
$$
である。
したがって、
$$
(a,b)\in R
\quad\text{かつ}\quad
(b,c)\in R
$$
である。
-共通部分の定義より、
$$
(a,c)\in R\cap S
$$
である。
したがって、
$$
((a,b)\in R\cap S\land (b,c)\in R\cap S)\Rightarrow (a,c)\in R\cap S
$$
が成り立つ。
$a,b,c\in A$ は任意であったから、
$$
\forall a\in A\ \forall b\in A\ \forall c\in A\
\bigl(((a,b)\in R\cap S\land (b,c)\in R\cap S)\Rightarrow (a,c)\in R\cap S\bigr)
$$
が成り立つ。
したがって、$R\cap S$ は推移的である。
$$ \Box$$
推移性については、定義に戻って元を直接追うことでも証明できるが、合成関係を用いると、より構造的に示せる。
二項関係の推移性の特徴づけにより、$A$ 上の二項関係 $T\subseteq A\times A$ が推移的であることは、
$$
T\circ T\subseteq T
$$
と同値である。
ここで、$R\cap S\subseteq R$ かつ $R\cap S\subseteq S$ である(
証明はコチラ
)。
したがって、合成関係の単調性より、
$$
(R\cap S)\circ(R\cap S)\subseteq R\circ R
$$
かつ
$$
(R\cap S)\circ(R\cap S)\subseteq S\circ S
$$
が成り立つ。ゆえに、
$$
(R\cap S)\circ(R\cap S)\subseteq (R\circ R)\cap(S\circ S)
$$
である。
さらに、$R$ と $S$ がともに推移的であるならば、
$$
R\circ R\subseteq R
$$
かつ
$$
S\circ S\subseteq S
$$
が成り立つ(
証明はコチラ
)。
したがって、
$$
(R\circ R)\cap(S\circ S)\subseteq R\cap S
$$
である。
以上より、
$$
(R\cap S)\circ(R\cap S)
\subseteq
(R\circ R)\cap(S\circ S)
\subseteq
R\cap S
$$
が成り立つ。
したがって、
$$
(R\cap S)\circ(R\cap S)\subseteq R\cap S
$$
である。
ゆえに、推移性の特徴づけ(
証明はコチラ
)より、$R\cap S$ は推移的である。
このように、共通部分に関する推移性の保存は、$R\cap S$ が $R$ と $S$ の両方の部分関係であることと、合成関係の単調性から自然に従う。
$A$ を集合とし、$R,S\subseteq A\times A$ を $A$ 上の二項関係とする。
このとき、
$$
\bigl(R\text{ が比較可能律を満たす}\lor S\text{ が比較可能律を満たす}\bigr)
\Longrightarrow
R\cup S\text{ が比較可能律を満たす}
$$
が成り立つ。
$R$ が比較可能律を満たす、または $S$ が比較可能律を満たすと仮定する。
$R\cup S$ が比較可能律を満たすことを示すには、
$$
\forall a\in A\ \forall b\in A\
\bigl(a\neq b\Rightarrow (((a,b)\in R\cup S)\lor ((b,a)\in R\cup S))\bigr)
$$
を示せばよい。
$ $
任意に $a,b\in A$ をとり、
$$
a\neq b
$$
と仮定する。
ここで、場合分けを行う。
-いずれの場合も、
$$
((a,b)\in R\cup S)\lor ((b,a)\in R\cup S)
$$
が成り立つ。
したがって、
$$
a\neq b\Rightarrow (((a,b)\in R\cup S)\lor ((b,a)\in R\cup S))
$$
が成り立つ。$a,b\in A$ は任意であったから、
$$
\forall a\in A\ \forall b\in A\
\bigl(a\neq b\Rightarrow (((a,b)\in R\cup S)\lor ((b,a)\in R\cup S))\bigr)
$$
が成り立つ。
よって、$R\cup S$ は比較可能律を満たす。
$$ \Box$$
比較可能律については、定義に戻って元を直接追うことでも証明できるが、逆関係と対角関係を用いると、より構造的に示せる。
$A$ 上の二項関係 $T\subseteq A\times A$ が比較可能律を満たすことは、
$$
A\times A\subseteq T\cup T^{-1}\cup\Delta_A
$$
と同値である(
証明はコチラ
)。
この特徴づけを用いると、$R\cup S$ の比較可能律は簡潔に示せる。
たとえば、$R$ が比較可能律を満たすと仮定する。このとき、
$$
A\times A\subseteq R\cup R^{-1}\cup\Delta_A
$$
である。
また、逆関係は和集合について
$$
(R\cup S)^{-1}=R^{-1}\cup S^{-1}
$$
を満たす(
証明はコチラ
)から、
$$
\begin{align}
(R\cup S)\cup(R\cup S)^{-1}\cup\Delta_A
&=
(R\cup S)\cup(R^{-1}\cup S^{-1})\cup\Delta_A\\
&=
R\cup R^{-1}\cup S\cup S^{-1}\cup\Delta_A\\
&\supseteq R\cup R^{-1}\cup\Delta_A\\
&\supseteq A\times A
\end{align}
$$
が成り立つ(
証明はコチラ
)。
したがって、
$$
A\times A\subseteq (R\cup S)\cup(R\cup S)^{-1}\cup\Delta_A
$$
である。
ゆえに、比較可能律の特徴づけより、$R\cup S$ は比較可能律を満たす。
同様に、$S$ が比較可能律を満たす場合も、
$$
A\times A\subseteq S\cup S^{-1}\cup\Delta_A
$$
であり、
$$
\begin{align}
(R\cup S)\cup(R\cup S)^{-1}\cup\Delta_A
&=
R\cup R^{-1}\cup S\cup S^{-1}\cup\Delta_A\\
&\supseteq S\cup S^{-1}\cup\Delta_A\\
&\supseteq A\times A
\end{align}
$$
が成り立つ(
証明はコチラ
)。
したがって、$S$ が比較可能律を満たす場合にも、$R\cup S$ は比較可能律を満たす。
以上より、
$$
\bigl(R\text{ が比較可能律を満たす}\lor S\text{ が比較可能律を満たす}\bigr)
\Longrightarrow
R\cup S\text{ が比較可能律を満たす}
$$
が成り立つ。
このように、比較可能律は
$$
A\times A\subseteq T\cup T^{-1}\cup\Delta_A
$$
によって特徴づけられるため、和集合に関する保存性は、逆関係が和集合と両立することから自然に従う。
本命題の逆向き
$$
R\cup S\text{ が比較可能律を満たす}
\Longrightarrow
\bigl(R\text{ が比較可能律を満たす}\lor S\text{ が比較可能律を満たす}\bigr)
$$
は一般には成り立たない。
反例を与える。
$$
A:=\{1,2,3\}
$$
とし、$A$ 上の二項関係 $R,S\subseteq A\times A$ を
$$
R:=\{(1,2)\}
$$
および
$$
S:=\{(1,3),(2,3)\}
$$
で定める。
このとき、
$$
R\cup S=\{(1,2),(1,3),(2,3)\}
$$
である。
まず、$R\cup S$ は比較可能律を満たす。
-以上より、
$$
R\cup S\text{ が比較可能律を満たす}
$$
であっても、
$$
R\text{ が比較可能律を満たす}\lor S\text{ が比較可能律を満たす}
$$
は成り立たない。
ゆえに、逆向きは一般には成り立たない。
$A$ を集合とし、$R,S\subseteq A\times A$ を $A$ 上の二項関係とする。
たとえ $R,S$ がともに比較可能律を満たしても、
$$
R\cap S
$$
が比較可能律を満たすとは限らない。
反例を与える。
$$
A:=\{1,2\}
$$
とし、
$$
R:=\{(1,1),(2,2),(1,2)\}
$$
$$
S:=\{(1,1),(2,2),(2,1)\}
$$
と定める。
-以上より、$R,S$ がともに比較可能律を満たしても、$R\cap S$ が比較可能律を満たすとは限らない。
このように、比較可能律は共通部分では一般に保存されない。
$A$ を集合とし、$R,S\subseteq A\times A$ を $A$ 上の二項関係とする。
関係の合成を
$$
T\circ U
:=
\{(a,c)\in A\times A\mid \exists b\in A\ ((a,b)\in U\land (b,c)\in T)\}
$$
で定める。
このとき、
$$
R\cup S\text{ が推移的である}
$$
ことと
$$
R\circ R\subseteq R\cup S,\quad
S\circ R\subseteq R\cup S,\quad
R\circ S\subseteq R\cup S,\quad
S\circ S\subseteq R\cup S
$$
がすべて成り立つことは同値である。
-1. と 2. より、
$$
R\cup S\text{ が推移的である}
$$
ことと
$$
R\circ R\subseteq R\cup S,\quad
S\circ R\subseteq R\cup S,\quad
R\circ S\subseteq R\cup S,\quad
S\circ S\subseteq R\cup S
$$
がすべて成り立つことは同値である。
$$ \Box$$